著者
寺島 貴之 布川 博士 野口 正一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.49-50, 1992-02-24

本稿では,リダクション戦略の表明を行うことのできる項書き換え系A-TRSのリダクションをトランスビュータによって,メッセージ交換を用いて分散的に実行するリデューサの実現とその評価について述べる.
著者
布川 博士 富樫 敦 野口 正一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.7-8, 1986-10-01

The semantics of Backus FP is given by the it's formal system FFP. i.e. f:x=y is defined by using FFP's meaning function μ if and only if μ(fFFP, xFFP) reduce to yFFP (where subscript FFP indicates the version of an FP object translated into an FFP one). When recursively defined function is computed, in Lisp 1.5 of use the external mechanism LABEL notation, in Curry's system of the lambda or combinatory calculus, the fixed point operater 'Y is used. Backus[Backus 78] used for this purpose the meta composition rule in μ and succeeded in solving recursive equations according to the reductuion system FFP having meta composition reduction rule without any external mechanism or Y. Williams showed the formal rules for translation of FP into FFP representation which preserve meaning of FP functions. By his algorithm Πf, f=Ef in FP is translated into F=<Πf(Ef)>, for example fact=eq0→-1 ; ×○[id fact○sub1]≡Efact, is tanslated into FACT≡Πfact(Efact)=EQ○2→1 ; ×○[ID○2 APPLY○[1 SUB 1○2]] Then according to the reduction rule of μ, μ(<FACT>,3) is reduced to the most simple expression 6 as follows μ(<FACT>,3)⇒#μ(FACT, <<FACT>,3>)⇒*6 The first reduction is an application of meta composition rule. To be precise, we should write e. g. EQ0○2 as <COMP EQ0 2> but to save space we used an abbreviation which is similar to the FP notation. In this representation algorithm, similar to the ccase of Y usage, the recursively defined function f=Ef in FP is translated into fFFP dose not contain function variable f. In this paper we propose a type assignment system for recursive functions in FP by assigning the type to the corresponding FFP representation aloging these lines.
著者
高橋 延匡 SHAPIRO Stua RALSTON Anth KERSHNER Hel SELMAN Alan 中森 眞理雄 大岩 元 都倉 信樹 牛島 和夫 野口 正一
出版者
東京農工大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1992

わが国の大学の情報処理教育のカリキュラムは米国に比べると著しく遅れているというのが通説であった。本研究代表者および分担者は情報処理学会の「大学等における情報処理教育の改善のための調査研究」で中心的な役割を果たし,コンピュータサイエンスのモデルカリキュラムJ90の作成に貢献した。しかし,J90を各大学で具体化して実現するには,授業時間配分や担当教員の割り振りなど多くの問題を解決しなければならないことが明らかになった。そこで,本年度は,米国で,過去にコンピュータサイエンスのモデルカリキュラムを各大学で具体化して実現する際にどのようにしたかを調査することにした。まず,予備調査として,ACM(米国計算機学会)が1988年に発表したコンピュータサイエンスの見取図である9行3列のマトリクス(以下では「デニング図」と呼)をカリキュラムの評価に使うことが可能かどうかを検討した。デニング図の各行は1アルゴリズムとデータ構造,2計算機アーキテクチャ,3人工知能とロボティックス,4データベースと情報検索,5人間と計算機のコミュニケーション,6数値的計算と記号的計算,7オペレーティングシステム,8プログラミング言語,9ソフトウェアの方法論とソフトウェア工学に対応する。デニング図の各列は(1)理論,(2)抽象化,(3)設計に対応する。個々の大学のコンピュータサイエンスのカリキュラムについて,その各授業科目をデニング図の27(=9×3)の枠にあてはめてみることにより,そのカリキュラムの特徴が明らかとなる。さらに,もう一つの予備調査として,ACMが1991年に発表したコンピュータサイエンスの頻出概念について,カリキュラム評価の手法として使うことが可能かどうかを検討した。ACMの頻出概念は(A)バインディング,(B)大規模問題の複雑,(C)概念的および形式的モデル,(D)一貫性と完全性,(E)効率,(F)進化とその影響,(G)抽象化の諸レベル,(H)空間における順序,(I)時間における順序,(J)再利用,(K)安全性,(L)トレードオフとその結果,の12から成る。検討した結果,ACMの頻出概念はきわめて重要なものを含んでいるが,(a)これら12個の概念は互いに独立であるか,(b)これら12個の概念はコンピューサイエンスを完全に覆っているか,についてさらに詳しく検討する必要があることがわかった。以上の予備調査を行った上で,米国ニューヨーク州立大学バッファロー大学計算機科学科を訪問し,共同研究を行った。研究の方法は,デニング図を含むカリキュラム評価方法やコンピュータサイエンスの頻出概念について,日米双方の研究代表者・分担者が見解を述べ,互いに賛否の意見を出し合う,という形で行った。この過程で,バッファロー大学ではデニング図を用いて自己点検・評価を行っていることが示された。ACMの1991年報告書では「広がり優先方式」(以下,「BF方式」と呼ぶ)によるカリキュラム編成方式が紹介され,それを実現するために多数の「知識ユニット」が提案されている(もちろん,それらの知識ユニットを組み合わせて,学問体系に沿って教える伝統的なカリキュラムを編成することも可能である)。このBF方式カリキュラムについても議論した。米国分担者達はBF方式カリキュラムを試みたが,現在は伝統的なカリキュラムに復帰しつつあるという見解であった。ACMのSIGCSE研究会の研究発表の内容を調べた結果,非BF方式カリキュラムに対する支持が強いことが確かめられた。もっとも,教育は必然的にBF的面を有するものであり,BF方式カリキュラムが妥当であるか否かという問題は,知識ユニットをどの程度の大きさにするのが適切であるかという問題に帰着され,今後の検討課題となった。本研究の期間中に,ACMのSIGCHI研究会から人間と計算機のコミュニケーションを主題とするカリキュラム案が発表された。このカリキュラム案に伴って紹介されている演習課題についても検討した。この分野は日本が大きな貢献をすることが可能な分野であり,今後の研究課題とすることにした。
著者
古賀 信哉 布川 博士 野口 正一
雑誌
情報処理学会研究報告プログラミング(PRO)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.11(1989-PRO-024), pp.39-48, 1990-02-09

本稿では我々がすでに提案,実現している戦略の表明をもつ項書き換え系A-TRSを用いてトークンモデルに基づくストリーム(並行プロセス)の記述を行なう.ストリームは項書き換え系のような,いわゆる関数型言語に順序関係を導入するものであり,プログラムの構造化手法としても重要である.さらに,ストリームを並行に動作するモジュール間のデータの流れとして捉えることで,プログラムの中に並列性を陽に表現することが可能となる.本稿で述べるプログラムはプロセスの動作をすべてリダクションでシミュレートしており,処理系に対して通信機能を加えるなどの変更をなんら施すことなく実行が可能であるという特長をもっている.
著者
布川 博士 富樫 敦 野口 正一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.666-667, 1988-09-12

項書き換え系(TRS)は,それをプログラミング言語としてみると,記述の容易さ,意味の把握のしやすさ等優れた言語である。また,仕様としてみると,すべての関数の実現を行わなくとも,実現されていない関数を単なる記号として扱うことにより実行することができる実行可能仕様でもある。TRSにおける書き換えを行うシステム(reducer)の実現に当たっては,正規化戦略の実現のみでなく速度も要求される。この2つは,互いに排反する条件であり,速度向上のため正規化戦略を実現しない方法もある。このように従来の処理系は正しさか,速度のいずれかを犠牲にすることにより他方の利点を導入し作成されてきた。しかしTRSをプログラミング言語として有効に使用するためには,双方とも満足のゆく処理系が必要である。そのためには単一の戦略を用いるのではなく,それぞれのTRSプログラムに応じた戦略を用いることが有効である。すなわち,各TRSプログラム中に,そのTRSプログラムを有効に使うための戦略を定められることが望ましい。それによりユーザーが意図した通りに,書き換えが有効に行なわれるTRSプログラムを作成する事ができる。本論文では,TRSプログラム中に傷に戦略を表明する事が出来る項書き換え系A-TRSを提案する。
著者
佐藤 究 布川 博士 楠見 孝 野口 正一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.75, pp.41-48, 1993-08-27
被引用文献数
5

ユーザがコンピュータシステムを道具として使いこなすためには,システムの構造や機能を"理解する"必要がある.しかし,全くの初心者ユーザにとってコンピュータシステムを理解することは非常に困難である.そのため,ユーザがシステムを楽しく容易に"理解"できるように支援するユーザインタフェースとして,メタファーを提供するユーザインタフェースが研究されているが,そのような認知科学的手法がどれだけ有効であるかを評価する手法の確立も非常に重要である.本稿では,我々が作成したメタファーを提供する分散システムのためのUI,メタファーネットワークDoReMiを用いた、メタファー提供の有効性を評価する認知心理学実験について述べる.We propose 'Metaphor-oriented User Interface', which make it possible that unpracticed users understand the systems they work on now. It is almost impossible for ordinary users to make good use of their systems, even if they employ (conventional) Graphical User Interface (GUI). Our 'Metaphor-oriented User Interface : Metaphor-Network DoReMi' present such systems to users through metaphor, which is more familiar to us, for making it easy for non-expert to understand structures, functions and operations of their systems. In this paper, we describe results of cognitive-psychology experiment which use Metaphor Network DoReMi., and evaluate efficiency of 'DoReMi' itself with cognitive-scientific methods.