著者
中村 修平
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

細胞内外の様々な要因で損傷を受けたリソソームは有害となることが知られているが、細胞がどのようにこれに対処するかは不明であった。我々は、オートファジー・リソソーム生合成のマスター転写因子であるTFEBの活性化が損傷リソソーム修復に必須の働きをすることを見出した。さらにこの活性化はオートファゴソームマーカーとして知られるLC3タンパク質のnon-canonicalな機能に依存していることを明らかにした。また、マウスを用いた動物実験からこのLC3によるTFEB活性化がリソソーム損傷を伴うシュウ酸カルシウム腎症の病態悪化を防いでいることが示唆された(中村ら 投稿中)。
著者
遠藤 はる奈 中村 修
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.121, 2007

有機性廃棄物の循環的利用法として、堆肥化に加えて好気的発酵やメタン発酵による液肥化が普及し始めている。堆肥が緩効性であるのに対し、液肥は速効性かつ比較的高い肥効を示すため、実際の農業利用においては堆肥と液肥を組み合わせて利用することが有用と考えられる。本研究では、有機性廃棄物由来の堆肥が優先して用いられるシナリオをベースに、液肥を窒素肥料として施用することを想定し、長崎県における需給バランスを試算した。廃棄物を全量堆肥化あるいは液肥化した場合は、いずれも供給が需要を大きく上回る結果となるが、堆肥の基準施用量を満たし、かつ窒素肥料として液肥を散布する新シナリオにおいては、一部地域を除いては発生する廃棄物の全量を農地還元できる結果となった。このことから、有機性廃棄物の農地還元にあたっては、堆肥と液肥を組み合わせて用いることでその利用率を向上させることができることが示唆された。
著者
中村 修也
出版者
文教大学
雑誌
言語と文化 = Language and Culture (ISSN:09147977)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.188-174, 2015-03-01

Tokijiku-no-Kakunokonomi is defined as immortal fruits, which were brought from the land of the dead by Tajimamori. So it was Tachibana fruit in the Heian period. But they are only legend because Tokijiku-no-Kakunokonomi were trees around the emperor’s tomb. They symbolized eternal life because they are evergreen trees. Tajimamori is one of the clans that take care of the emperor’s tomb. This legend teaches us that evergreen trees were planted around the Japanese ancient tomb.
著者
河岸 重則 小川 孝雄 中村 修一 田中 敏子 安部 一紀 深井 穫博
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州歯科学会雑誌 (ISSN:03686833)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.258-263, 2000
参考文献数
9
被引用文献数
1

ネパール王国テチョー村における国際保健医療協力の一環として, 1997年に村人の健康に直結する生活用水の水質調査を実施した.村では水道水不足のため, 溜め池の水や湧き水も生活用水として利用されていた.このため, 水道の水源, 水道施設, 溜め池, 湧き水などから採取した試料について, 一般細菌など健康に関わる基本的な12項目について検査を実施した.この調査で明らかになった問題点の一つは, 全ての試料で砒素が検出され, 特に湧き水と溜め池の水ではかなり高い値を示したことである.しかし, この調査では簡易測定法で実施されたため正確な砒素濃度は不明であった.そこでこの度, 原子吸光法を用いて砒素の精密測定を実施した.試料は水道施設, 溜め池, 湧き水について前回と同じ場所で採取した.砒素の精密分析は現地では不可能なため, 帰国直前に採水し, 九州歯科大学で行った.その結果簡易法と異なり, 原子吸光法ではいずれの試料にも砒素は検出されなかった.砒素の簡易測定法は, 他の測定項目に比して適用範囲が狭く, 測定は慎重に行うべきことが示唆される.いずれにせよ, この結果は村の水は砒素に関しては安全であることを示す.また, 前回検査しなかった残留塩素についても, 簡易法により測定した.水道水は一応さらし粉処理されていたが, 残留塩素は検出されなかった.これはこの水には容易に細菌が繁殖しやすい可能性がある事を示し, 早急な対策が必要である.さらに, 我々は以前フッ素洗口の実施に先立ち簡易法でフッ素の測定を行っていたが, 今回精密測定を実施した.全ての試料でフッ素濃度は0.2 mg/l以下であった.これは以前の結果を確証し, フッ素洗口の意義の根拠を与えるものである.
著者
小林 直人 中村 修 大井 健太
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.11-25, 2011 (Released:2011-03-01)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

この論文では研究戦略の形成とそれに基づく構成的な研究評価について考察した。特に研究遂行にあたっては、戦略形成の一環として研究プログラムの目標とそれを達成するためのシナリオの設定が大切であることを強調し、その研究戦略に沿った研究評価を行うことの重要性を指摘した。また研究評価にあたっては、研究の進展(progress)、深さ(depth)、位相(phase)の3側面から評価を行うとともに、それらを研究戦略と対比しつつ演繹・帰納・仮説形成(アブダクション)用語1による推論を組みあわせて構成することの重要性や、最終的に総合的な評価を形成する際にも構成的な評価法が重要なことを述べた。さらに産総研における研究ユニット評価および長崎県における公的研究機関の研究プログラム形成と評価の実情を紹介して、構成的な評価法との対比を試みた。構成的な評価法は、研究の価値を引き出し、次の進化に向けるために必要な創造的営みの一つとして捉えることができる。
著者
奥野 ひろみ 小山 修 安部 一紀 深井 穫博 大野 秀夫 中村 修一
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療 (ISSN:09176543)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.247-256, 2008 (Released:2009-01-28)
参考文献数
24

目的 カトマンズ近郊 A村をフィールドとして、人口、経済力、情報量などの増加が母親の妊娠、出産、育児という保健行動にどのような影響を及ぼしているのか、 2001年と 2006年の実態の比較から考察を行い、都市部近郊地域の母子保健の課題を明らかにする。方法 ネパール国ラリトプール郡 A村で、0~12か月児を持つ母親へ聞き取り調査を実施した。就学歴のある母親とその児群と就学歴のない母親とその児群および全体について、 2001年と 2006年のデータを比較した。結果 2006年に少数民族の母親の増加がみられた。妊婦検診、分娩、児の罹患時に利用した施設は病院が多く、この 5年間でいずれも増加傾向がみられた。また、妊婦検診費用が約 7倍、分娩費用が約 2倍となっていた。児の発育状況では、カウプ指数が 1ポイント上昇した。児の一般的な感染症への疾患の罹患は減少した。考察 海外への出稼ぎなどにより収入の増加した中間層と、地方からの移入者で経済的な課題を持つ層の 2極化がみられた。妊婦や児が病院での健康管理を積極的に受けている理由は、病院に対する安全や安心の意識に加え、中間層の増加による消費文化の意識が考えられた。経済的な課題を持つ層は、ハイリスクグループと捉えることができ、安価で身近な場所でのサポートの必要性が示唆された。育児の課題は、「栄養改善」や「感染症対策」から「栄養のバランス」などに移行していることが示唆された。
著者
美濃 英雄 丸谷 一耕 中村 修
出版者
長崎大学 環境科学部
雑誌
長崎大学総合環境研究 = Journal of Environmental Studies (ISSN:13446258)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.15-20, 2010-10

The Certification Board is functioning for diffusion of ISO14001 that is a part of the environmental management system. Recently, the Certification Board is shifting from the conventional conformity audit to the effectiveness audit. Therefore, the definition of the effectiveness audit and the reality were investigated.
著者
中村 修 佐藤 剛史
雑誌
長崎大学総合環境研究 (ISSN:13446258)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.1-9, 2002-04-30

It is possible to return livestock's urine to environment safely and to reuse it as resource through biological decomposition. Most of livestock's urine, however, is disposed of unsuitably, and it is regarded as one of prime causes of water pollution now. Since 1999,livestock farmers are obligated to dispose of livestock's urine suitably by law. In the other words, livestock farmers have to pay the cost of livestock's urine disposition. The purpose of this paper is to investigate the effects and problems of the recircular process of livestock's urine practiced in Kishima area Saga Prefecture. In Kishima area, livestock's urine is reused as liquid fertilizer with a kind of simple process, by which livestock's urine simply mixed with some phosphoric acid and silicone is used as one kind of liquid fertilizer in paddy fields. The merits of the disposition process to livestock farmers can be concluded as : firtly, the cost of livestock's urine disposition can be cut considerably, secondly, farmland can be reserved by recirclar use of livestock's urine, and thidly, the labor burdan bearing with livestock's urine disposition can be lightened greatly. As well the merits to cultivation farmers include : to lighten the labor burdan of fertilizer spreading, to cut the cost of the chemical fertilizer, to improve the quality of rice and to stabilize the yield of rice, to provide the high value-added agricultural products. The technique of recirclar use of the livestock's urine for the liquid fertilizer was developed from the viewpoint of intra-regional circular use. Therefore, it is hopeful to convert the social cost of environment conservation for the regional common benefits into farmer's individual cost economically by this way.
著者
中村 修也
出版者
文教大学
雑誌
教育研究所紀要 = Bulletin of Institute of Educational Research (ISSN:09189122)
巻号頁・発行日
no.6, pp.43-54, 1997-12-01

SPEEDという小学6年生を含む歌手グループの出現は、これまでの安穏としていた義務教育の存在を考え直させる機会を与えてくれた。援助交際や芸能活動などで、若者が高額収入を得る方法は一般化しつつある。教育が富国強兵をスローガンにしてきたならば、日本は十分豊かになり、目的を果たしたことになる。では今後、教育の必然性はどこにあるのか。

1 0 0 0 OA ビル風と規制

著者
中村 修
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会誌 (ISSN:09121935)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.17-22, 2015-01-31 (Released:2015-05-22)
参考文献数
12
著者
中村修也
出版者
文教大学
雑誌
文教大学教育学部紀要
巻号頁・発行日
vol.2004年度, no.38, 2004-12
著者
中村修也
出版者
文教大学
雑誌
文教大学教育学部紀要
巻号頁・発行日
vol.2003年度, no.37, 2003-12
著者
向井 孝志 中村 修二
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.152-155, 1999-02-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
12
被引用文献数
4

窒化インジウムガリウム系材料を用いた発光デバイスの進展により白色LEDおよび紫外LEDが最近開発,商品化された.白色LEDはInGaN青色LEDとYAG蛍光体を組み合わせて構成されている.紫外LEDは発光波長が370nmと短波長である.ここでは白色LEDと紫外LEDの構造や特性を述べ,今後の課題や可能性について議論する.
著者
中村 修也
出版者
文教大学
雑誌
教育学部紀要 = Annual Report of The Faculty of Education (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
no.52, pp.332-322, 2018-12-20

現代において行われている四頭行事の概要を、鎌倉の円覚寺、京都の東福寺において検証し、さらに四頭茶礼については建長寺の例も見た。その結果、これらの四頭茶礼が、室町時代の「喫茶往来」に描かれた茶事とほぼ共通していることを確認した。さらに、「喫茶往来」の茶に現れた四種十服は「太平記」の百服茶と同様であることも確認したうえで、両者が室町期の一般的な喫茶との共通性をもっているという学説を紹介した。これらの茶礼が行われる禅院の清規について検証すると、清規が禅院の典型的な生活規範として絶対的な存在感を持っていたことを確認し、そこで実は喫茶が大きなウエイトをもっていることを認識した。また鎌倉時代から禅宗は日本各地に広まり、禅院の影響力が大幅に力をもっていたことがわかった。そして、なにゆえ禅院で喫茶が取り入れられたのかという点については、実はお茶が栄養に偏りのある禅院での栄養補給材料となっていることを明らかにした。
著者
中村 修也
出版者
文教大学大学院言語文化研究科付属言語文化研究所
雑誌
言語と文化 = Language and Culture (ISSN:09147977)
巻号頁・発行日
no.15, pp.175-143, 2003-03-01

I examined the record in the Muromachi age on the tea. It is historical materials of Kyohgaku-shiyohshoh『経覚私要鈔』. The result showed that bath and tea party "林間茶湯" were not being set in the tea between forests. And, the work of which the Furuichi-family "古市一族" was important was also proven in the culture of the tea of Nara. Especially 古市澄胤 was important, and the culture of the tea was made to develop by his cultural property more. In the future, it is necessary to study the Furuichi-family more well-informed.
著者
中村 修二
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.676-686, 1996-07-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
78
被引用文献数
2

発光ダイオード (LED) の高光度フルカラー,あるいはディジタルビデオディスク (DVD) などの光ディスクの高密度記録のため短波長青色発光素子の実現はワイドバンドギャップ半導体材料を研究している研究者にとっては長年の夢であった.最近 GaN 系半導体材料を使用して従来の LED より約100倍明るい高光度青,緑色 InGaN 単一量子井戸構造 LED が相継いで開発製品化された.また半導体レーザーの中では最短波長である390~430nmの青紫色半導体レーザーも InGaN 多重量子井戸構造を発光層とすることにより 1995 年末に世界で初めて開発された.ここではこれらGaN系発光素子の現状と将来の展望について述べる.