著者
中村 泰士
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.149-160, 2015-06-30 (Released:2017-05-22)

Cette etude se propose d'examiner les fonctions representatives des Cabanes Eclatees, une serie d'oeuvres de Daniel Buren, qui se situe a un tournant de ses activites, par l'analyse du point de vue structurale. Dans les activites de Buren, les Cabanes Eclatees sont categorisees comme ≪travail situe≫ qui a un archetype transportable, a la difference du ≪travail in situ≫, connu comme son travail representatif, qui devoile la specificite du lieu par ses rayures. Ainsi, il serait important d'etudier non seulement ≪le travail in situ≫, mais aussi les Cabanes Eclatees pour etablir une perspective globale sur ses activites. Les Cabanes Eclatees ont des particularites structurales : la mise en abyme, le treillage, la presentation du chassis, des evidures et des ouvertures. Ces particularites engagent le spectateur a prendre conscience, premierement, sur l'ambiguite entre l'oeuvre et la salle d'exposition; deuxiemement, sur l'espace du musee et sur l'institution museale; troisiemement, sur l'autocritique de l'oeuvre ; et enfin, quatriemement, sur le spectateur lui-meme. Ensuite, des ouvertures, des couleurs ou des miroirs suscitent des jeux libres du spectateur comme des decors de theatre sans acteur. En conclusion, les Cabanes Eclatees sont considerees comme un dispositif qui amene le spectateur a la prise de la conscience et au jeu.
著者
中村 幸代 堀内 成子 桃井 雅子
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.190-200, 2012 (Released:2013-08-31)
参考文献数
32
被引用文献数
3 2

目 的 日本人女性を対象に,妊娠時に冷え症であることでの,前期破水発生率について,冷え症でない妊婦と比較分析し,冷え症が前期破水の誘因であるかについて,因果効果の推定を行うことである。対象と方法 研究デザインは後向きコホート研究である。データ収集期間は,2009年10月19日から2010年10月8日までの約12カ月である。調査場所は,首都圏の産科と小児科を要する総合病院6箇所である。研究の対象は入院中の産後の女性2810名であり,質問紙調査と医療記録からの情報を抽出した。また,分析方法には,傾向スコア(propensity score)を用いて交絡因子のコントロールを行い,その影響を調整した。結 果 前期破水であった662名(23.6%)のうち,冷え症がある女性の割合は348名(52.6%)であり,冷え症でない女性の割合は314名(47.4%)であった。冷え症でない妊婦に比べ,冷え症である妊婦の前期破水発生率の割合は,1.67倍(共分散分析)もしくは1.69倍(層別解析)であった(p<.001)。結 論 冷え症と前期破水の間の因果効果の推定において,因果効果がある可能性が高いことが示唆された。
著者
飯室 正樹 中村 志郎 樋田 信幸 福永 健 松本 譽之
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.1021-1025, 2008 (Released:2008-11-05)
参考文献数
15
被引用文献数
5 1

大腸憩室症は食生活の欧米化,人口の高齢化にともない近年本邦でも増加傾向にある.また,重篤な合併症もしばしば経験されるようになってきている.以前は,急性虫垂炎との鑑別が困難な場合があったが,近年では,解像度の高いCT検査や超音波検査が普及し,多くの不要な緊急手術が回避可能となった.急性憩室炎に対する内科的治療は外来,入院とも抗生剤を中心としたものとなる.炎症所見はないが腹部症状を有する症例に対しても定期的な経口難吸収性抗生剤投与や食物繊維が有効である事が示されている.さらに,これまで炎症性腸疾患に用いられてきたメサラジンの他,LactobacillusやE. coliといったプロバイオティクス製剤に急性憩室炎の再発予防効果があることが報告され,注目されている.
著者
酒井 徹也 笹田 真滋 徐 千恵子 杉原 快 石岡 宏太 高橋 左枝子 中村 守男
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.417-422, 2018-09-25 (Released:2018-10-13)
参考文献数
13

背景.気管支鏡検査は被験者の苦痛の強い検査であり,苦痛軽減のため鎮静薬などが考慮されるべきである.当院では気管支鏡検査時の苦痛軽減を目的とし,ミダゾラムと塩酸ペチジンの2剤併用による鎮静をルーチンに行っているが,本使用法は過鎮静のリスクがあり,我が国においては未だ議論の余地がある.今回我々は気管支鏡検査における本鎮静法の苦痛レベルおよび安全における忍容性を評価した.方法.2016年8~12月までの気管支鏡検査実施例で前方視的に患者苦痛度アンケートおよび術中バイタルサインのデータ収集を行った.気管支鏡挿入前に塩酸ペチジン17.5 mgと2~3 mgのミダゾラムを静脈内投与し,鎮静の深度に応じてミダゾラム1~2 mgの追加投与を行った.結果.本研究に61例が参加された.ミダゾラムの初回投与量,追加投与量の平均値はそれぞれ2.8±0.1 mg,1.8±0.3 mgであった.術中の記憶があると回答した割合は11.5%であり,気管支鏡の再検を容認した割合は82.0%であった.重篤な低酸素血症や低血圧により拮抗剤や昇圧剤を使用した症例はいなかった.結語.本研究では,気管支鏡検査におけるミダゾラムと塩酸ペチジン併用は検査中の患者苦痛が軽減され安全における忍容性も高かった.本鎮静レジメンの導入は,再生検も含めた気管支鏡検査の患者同意を得るのに有利である.
著者
坂本 孝義 中村 羊一郎
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.118, pp.118_43-118_47, 2014-12-31 (Released:2016-12-31)
参考文献数
16

因尾や宇目における釜炒り茶は傾斜釜を用いる嬉野製法の釜炒り茶であった。因尾においては大正以降の比較的新しい時代に傾斜釜が導入されて普及したと考えられる。また,昭和初期には玉緑茶の共同工場がつくられるが,静岡で生産されているグリ茶とは異なり,蒸気で蒸して釜で乾燥させる玉緑茶であった。 木浦鉱山では印度焙炉という特殊な道具を用いた印度製法による釜炒り茶がつくられていた。また,近隣の西山集落では釜で炒って揉むが,乾燥不十分のまま保管に移し,カマドからの熱と煙を利用して乾かしながら保管するという自家用の釜炒り茶があった。
著者
吉沢 淑 高橋 康次郎 中村 欽一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.10, pp.682-686, 1985

新しく設定した官能評価法により, 国産ウイスキー (2級1級及び特級) 及び外国産特級ウイスキー (スコッチ) の官能検査を行い, その結果を比較するとともに官能評価値間及び成分間の単相関分析を行った。<BR>1.香りの調和及び豊かさ, 味のまろやかさ及び調和の項目は上級ウィスキーほど評価がよく, 中でも外国産特級ウイスキーの評価が高かった。<BR>2.香りの個性では, 国産ウイスキーはいずれも普通という評価であったが, 外国産特級ウイスキーはやや個性的という評価であった。<BR>3。各官能評価項目間で多くの有意な関係がみられたが, 中でも, 香りの軽さと味の濃さの項目間に, 高度に有意な負の相関関係が認められた。<BR>4.香りの個性と総酸, フェノール量, i-AmOH及びi-BuOH含量との間に高度に有意な正の相関関係が認められた。