著者
真下 知子 張 貞京 中村 博幸 Tomoko MASHIMO Jeongkyong CHANG Hiroyuki NAKAMURA 京都文教短期大学 京都文教短期大学 京都文教大学 Kyoto Bunkyo Junior College Kyoto Bunkyo Junior College Kyoto Bunkyo University
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.136-146, 2011

保育者-保護者間のコミュニケーションの改善をめざし、保育者養成課程においても現場での学びの礎となる取り組みが必要である。筆者らは、教材開発のための予備調査として、保護者からの相談の場面を設定したシナリオ形式の質問紙によるアンケート調査を実施した。現職の保育者による回答の分析より、保育者の答え方の特色として、1.「傾聴・共感」2.「具体的なアドバイス」3.「保育者として一緒に問題解決にあたる姿勢を示すこと」の3点が見られた。
著者
中村 純子
出版者
信州大学留学生センター紀要
雑誌
信州大学留学生センター紀要 (ISSN:13467433)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-11, 2000-03

本稿では終助詞に男性語と女性語の別があるのは使用者のイメージが語に刷り込まれた結果であると捉える。従って用法によって想定される使用者の性が異なれば同じ終助詞でも男性語・女性語が異なることになる。この立場から終助詞の男性語、女性語が基本体とデス・マス体においてどのような異なりを示すかを記述した。その結果、基本体とデス・マス体で男性語・女性語に異なりのない終助詞、異なりのある終助詞に大別された。異なりのある終助詞でも基本体とデス・マス体で性提示が全く異なる終助詞は見られなかった。
著者
中村 真司 中川 貴美子 原田 樹 栗田 康寿 藤井 真広 伊藤 宏保 菊川 哲英 吉田 昌弘
出版者
富山救急医療学会
雑誌
富山救急医療学会 (ISSN:21854424)
巻号頁・発行日
vol.33, 2015

【はじめに】多数傷病者発生事案では分散搬送が原則であるが、医療圏を越えての搬送は実際には難しい。今回、4人家族の交通事故において分散搬送し、状態安定後再集約する事案を経験した。<br>【症例】トンネル内での軽自動車と4tトラックの衝突事故。軽自動車乗車中の4人(両親、長男、長女)が受傷した。救急隊トリアージにて父親は骨盤骨折疑い、母親は大腿骨骨折疑い、子供2人は心肺停止であった。砺波医療圏MC医師の判断により、母親、長男は市立砺波総合病院へ、父親および長女は当院へ搬送された。<br>症例1: 2歳女児。来院時心肺停止。病着後8分、受傷後54分で心拍再開した。全身CTで外傷性くも膜下出血、高度脳腫脹、頸部血管損傷疑い、骨盤骨折、左大腿骨骨幹部骨折を認めた。脳腫脹強く、神経学的な改善は望めない状熊であった。<br>症例2: 28歳男性。右股関節脱臼骨折を認め、整復後にICU入室となった。<br>女児が重度脳機能障害のためBSCの方針となり、家族の集約を目的に、父親が第3病日に、女児が第4病日に市立砺波総合病院へ転院となった。なお、母親は大腿骨骨折、長男も心肺停止であったが、蘇生に成功した。<br>【考察】3次病院においても、小児2名の外傷CPAの初療は難しい。また、救急隊の判断による医療圈を越えた分散搬送は現実には難しい。今回はオンライン指示によるMC 医師の調整により、2名とも心拍再開することができた。現場医師要請、あるいは県全体のルール策定などにより、よりスムーズな現場分散搬送体制の構築が重要と思われた。<br>【まとめ】今回、我々は4名の傷病者、うち2名が小児の心肺停止であった事案を経験した。分散搬送することにより2名の心肺停止の小児を蘇生することができた。
著者
中村 智幸
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.214-220, 2020-05-15 (Released:2020-05-29)
参考文献数
15
被引用文献数
1 5

インターネットアンケート調査により,2017年の日本の潜在釣り人数を推定した。潜在釣り人数は海面219.5万人,内水面119.0万人,釣り堀・管理釣り場58.3万人であった。釣り堀・管理釣り場を除く自然水面についてみると,潜在釣り人の割合は海面64.8%,内水面35.2%であった。内水面の上位8魚種の潜在釣り人数はアユ26.2万人,バス類24.6万人,ヤマメ・アマゴ16.6万人,フナ類13.2万人,イワナ9.9万人,ニジマス9.6万人,コイ5.9万人,ウグイ2.9万人であった。
著者
李 多晛 澤田 陽一 中村 光 徳地 亮 藤本 憲正
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.421-427, 2013

普通名詞,固有名詞,動詞の3 種の言語流暢性課題を若年群と高齢群に実施し,品詞と加齢の影響を調べた。対象は健常の若年者(18 歳~ 23 歳)と高齢者(65 歳~ 79 歳),それぞれ35 名である。被検者には,60 秒間に以下の範疇に属する単語をできるだけ多く表出するよう求めた。(1)普通名詞:「動物」「野菜」,(2)固有名詞:「会社の名前」「有名人の名前」,(3)動詞:「人がすること」。その結果,高齢群は若年群に比べて,正反応数が有意に少なく,誤反応数が有意に多かった。動詞は普通名詞に比べて,正反応数が有意に少なかった。また,普通名詞,固有名詞に比べ動詞では,加齢による正反応数の減少と誤反応数の増加が有意であった。動詞において加齢による成績低下が強くみられたのは,高齢者における遂行機能の低下を反映したものだと考えた。
著者
矢動丸 琴子 中村 勝 岩崎 寛
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.86-91, 2017 (Released:2018-03-15)
参考文献数
7
被引用文献数
2

近年,ストレスチェック制度が義務化され,職場におけるストレス対策が重要となってきている。その対策の1つとして,オフィス緑化が注目されている。そこで,本研究では,オフィス緑化が勤務者の心理に与える影響について,業種や職種の違いにより効果に差が見られるのか検証を試みた。その結果,業種や職種のみでは,効果に目立った差は見られなかったが,業種と職種を組み合わせた場合には一部で「仕事・職場に対する評価」や「気分・感情状態に対する評価」に異なる傾向が見られた。また,植物設置に対する反応も異なる傾向が見られた。その要因として,仕事内容に加え,植物に対する印象やストレスの種類等が考えられた。
著者
丸山 拓朗 竹内 大樹 阿久澤 弘 佐藤 薫子 中村 崇
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】近年,職員研修制度の報告ではOff-the-Job TrainingだけでなくOn-the-Job Trainingの有効性が数多くされている。当法人でも,新人理学療法士(以下,新人PT)に対する臨床指導の効率を向上させる目的で,臨床指導を行うOn-the-Job Trainingと講義やcase studyを中心としたOff-the-Job Trainingを相互にリンクさせる新人教育システムを今年度より新たに取り入れた。本調査の目的は,アンケートによる意識調査を行い,今後の新人教育システム運用へ向けた改善策の参考にすることである。【方法】対象は当法人全6施設リハビリテーション科に所属する新人PT18名とした。アンケート回収率は100%で有効回答率も100%であった。質問内容は,学習意欲項目:2問,理学療法評価項目:6問,治療項目:3問,保険制度項目:2問,コミュニケーション項目:2問,リスク管理項目:4問,合計19問のアンケートとした。回答は,1:思わない,2:少し思う,3:思う,4:強く思う,の4段階を選択形式とした。アンケートは,新人教育システムが実施される前(以下,実施前群)と新人教育システム実施6ヶ月経過時点(以下,経過群)の2回行い,各質問項目における2群間の変化を比較検討した。統計解析は,SPSSを使用しWilcoxonの符号付順位和検定にて有意確率は5%とした。【結果】全19問のうち,14問で2群間に有意な差が認められた。有意差が認められなかった質問は,学習意欲項目の「臨床で生じた疑問を解決しようと行動しているか否か」,理学療法評価項目の「問題点の抽出が出来るか否か」,リスク管理項目の「転倒予防」「内部疾患のリスク管理」「感染対策」に関する質問の以上5問であった。【結論】有意差が得られなかった5問のうち,学習意欲項目の「臨床で生じた疑問を解決しようと行動しているか否か」の質問は両群ともに中央値が3.00を示した。これは,新人教育システム実施に関わらず新人PTは臨床で生じた疑問に対する解決意欲を持っていると考えられる。また,理学療法評価項目において「問題点の抽出が出来るか否か」の質問においては,6ヶ月経過後も問題点抽出に対して苦手意識を抱いている新人PTが多い。問題点抽出は,case studyの際に多くの新人PTが指摘される部分であり,新人PT自身が課題として捉えていることが示唆された。今後は,検査測定や理学療法評価の指導だけでなく,問題点抽出からその順位付けの捉え方に至るまでアドバイスを実施していく必要がある。リスク管理項目は,転倒予防,内部障害のリスク管理,感染対策ともに2群間に有意な変化がなく,これらの項目に対して新人PTは知識の不足を感じていることが分かった。よって,今後,新人PTのレベルに合わせた講義内容や実際を想定した研修内容にするといった工夫が必要になると考える。
著者
中村 裕
出版者
法政大学大学院デザイン工学研究科
雑誌
法政大学大学院紀要. デザイン工学研究科編 = 法政大学大学院紀要. デザイン工学研究科編 (ISSN:21867240)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-3, 2018-03-24

This study suggests that the patio is created the neighborhoods small space of the urban planning blocks in Eixample of Barcelona. The overall objective how to make a space for good relationship inside the patio of urban blocks. Most important regeneration strategy is layered a new passage below historical city plan and existing planned housing blocks, add new expand the area for the outside own housing.
著者
中村 修 佐藤 剛史
雑誌
長崎大学総合環境研究 (ISSN:13446258)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.1-9, 2002-04-30

It is possible to return livestock's urine to environment safely and to reuse it as resource through biological decomposition. Most of livestock's urine, however, is disposed of unsuitably, and it is regarded as one of prime causes of water pollution now. Since 1999,livestock farmers are obligated to dispose of livestock's urine suitably by law. In the other words, livestock farmers have to pay the cost of livestock's urine disposition. The purpose of this paper is to investigate the effects and problems of the recircular process of livestock's urine practiced in Kishima area Saga Prefecture. In Kishima area, livestock's urine is reused as liquid fertilizer with a kind of simple process, by which livestock's urine simply mixed with some phosphoric acid and silicone is used as one kind of liquid fertilizer in paddy fields. The merits of the disposition process to livestock farmers can be concluded as : firtly, the cost of livestock's urine disposition can be cut considerably, secondly, farmland can be reserved by recirclar use of livestock's urine, and thidly, the labor burdan bearing with livestock's urine disposition can be lightened greatly. As well the merits to cultivation farmers include : to lighten the labor burdan of fertilizer spreading, to cut the cost of the chemical fertilizer, to improve the quality of rice and to stabilize the yield of rice, to provide the high value-added agricultural products. The technique of recirclar use of the livestock's urine for the liquid fertilizer was developed from the viewpoint of intra-regional circular use. Therefore, it is hopeful to convert the social cost of environment conservation for the regional common benefits into farmer's individual cost economically by this way.
著者
大沢 哲雄 中村 章 今井 智之
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:18847110)
巻号頁・発行日
vol.83, no.8, pp.1276-1283, 1992
被引用文献数
1 1

経尿道的前立腺切除術 (TURP) の潅流液排液中の自己血を回収して, 戻し輸血できるものか, 次の項目を検討した. (1) TURPの潅流排液から, どの程度回収できるのか? (2) その血液は戻し輸血するのに値するのか (回収血液性状, 回収赤血球の形態と寿命)? (3) 回収血液は患者に戻し輸血して安全か (細菌汚染, 癌細胞混入)? TURPは, 膀胱瘻による持続潅流式とし, その膀胱瘻に自己血回収装置 (Shiley STATまたは, Cell Saver) の吸引チューブを接続した. 15例 (平均切除重量36g) で, 平均440mlの自己血回収ができた. 回収血液は, RBC469×10<sup>4</sup>/mm<sup>3</sup>, Hb14.6g/dl, Ht44.8%とかなり濃厚で, その形態は良好であった. 血小板は15,400/mm<sup>3</sup>, BUN0.3mg/dl, Cre0.2mg/dl, GOT7.6IU, GPT0IU, LDH649IUであった. <sup>51</sup>Crによる赤血球の寿命 (半減期) は22日であった. 手術前の尿培養では, 10例 (67%) に菌が検出されたが, 回収血の細菌汚染は20%にみられたのみであった. 癌細胞については, 培養癌細胞T24 (膀胱癌) およびACHN (腎癌) の浮遊液を, 白血球除去用フィルター (Pall-RC, Sepacell) にて濾過したところ完全に除去可能であった. TURP潅流液回収自己血は, 極めて良質の血液であり, 若干の工夫で, 安全性にも問題のないことが確認できた.
著者
牧迫 飛雄馬 阿部 勉 島田 裕之 阿部 恵一郎 小林 聖美 小口 理恵 大沼 剛 木村 英生 中村 好男
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.81-88, 2008-06-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
25
被引用文献数
7

本研究では,重度要介護者を対象としたベッド上,ベッド周囲,居室内での動作および移動能力を定量的に評価する指標を開発し,その信頼性と妥当性を検証した。内容妥当性を満たした10項目からなるBedside Mobility Scale(BMS)を作成し,在宅にて理学療法士または作業療法士の訪問によるリハビリテーションを実施している163名(男性83名,女性80名,平均年齢76.4歳)を対象として,BMSによる動作・移動能力評価を行った。分析の結果,BMSには高い検者内および検者間信頼性が得られた。また,BMSは日常生活活動能力や日常生活自立度と有意な関連を持ち,特に重度要介護者および日常生活自立度の重度低下者の動作能力評価に適しており,臨床的意義が高いと考えられた。
著者
高田 文子 中村 建次 久米 茂行 田中 庸央 彦坂 治
出版者
[愛知県公害調査センター]
雑誌
愛知県公害調査センター所報
巻号頁・発行日
no.20, pp.52-57, 1993-03

トリクロロエチレン(TCE),テトラクロロエチレン(PCE)等の低沸点有機塩素系化合物の,底質からの抽出方法として,テフロン瓶とジルコニア球を組み合わせたセラミックハンドシェイカーによる,抽出条件の検討及び回収試験を実施した。底質にTEC,PCEの水溶液を吸着させた模擬試料を使用して検討した結果,分取時の揮散等の問題を除けば,ほぼ100%と満足できる回収率が得られ,実試料の分析に適用できると考えられる。
著者
中村 正 佐藤 広隆 芋川 玄爾 宮地 良樹
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.264-269, 2000 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

アトピックドライスキンに対するスキンケア剤使用の有用性を検討するために, 洗浄剤, クリーム及び入浴剤を用いて使用試験を行った. その結果, 角質層セラミド量の増加による皮膚バリア機能の回復が認められた. また, 試験前後の肌状態を観察した結果, ほとんどの症例において乾燥の改善が見られるなど多くの被験者で肌状態の改善が認められ, 高い有用性を示すことがわかった. また, 本試験品に起因する副作用は認められなかった.以上より, 本スキンケア剤は, 日常のスキンケアにおいてアトピックドライスキンの皮膚機能を回復し, 症状の緩和及び悪化防止に有用であることが明らかとなった.
著者
中村 多見 前田 健一
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.3, pp.147-155, 2003

本研究では,「怒り経験(誰にどのようなことをされて,どのくらいの怒りを感じたか)」と「怒り対処方法(その怒りを誰に対して,どのように対処したか)」について,怒りを感じた対象(怒り対象)とその怒りを表出した対象(表出対象)が同じ場合の「一致群」と異なる場合の「不一致群」との比較検討を行った.調査対象は,大学生および大学院生180名であり,エピソード法を用いた質問紙調査を行った.その結果,一致群と不一致群のいずれの場合も,友人や恋人・配偶者などの身近な人物が怒り対象になりやすく,怒り対象への好意度は一致群の方が不一致群より高かった.また,不一致群が表出対象として多く挙げていたのは,怒り対象とは別の友人や恋人・配偶者であり,怒り対象よりも好意度が高いという特徴を有していた.このことから,大学生の怒り対象と表出対象の一致と不一致の規定因に,怒り対象もしくは表出対象への好意度があることが明らかになった.さらに,不一致群の方が一致群よりも言語的表出という怒り対処方法を多用していた.