著者
鶴 哲郎 溝部 晃 田中 暁 田中 誠 佐藤 隆一
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.56-65, 2016 (Released:2018-05-09)
参考文献数
41

An extremely low velocity layer was detected in a deep water area, whose velocity was estimated to be 1500 m/s by velocity analysis of the seismic data. Its thickness is approximately 500 m in average and exceeds 700 m in maximum. Although obtained data are limited to reveal its origin, the layer was interpreted to be a mass transport deposit based on the observations: a distribution feature spreading toward the deep water, a chaotic-to-transparent reflection pattern, basal erosions of the underlying sediments and a pressure ridge developed at the tip region. However, mass transport deposit is normally characterized by high seismic velocity according to previous studies, whereas such a mass transport deposit with low velocity is seldom reported. From detailed seismic interpretation, active normal faults cutting the seafloor were recognized in overlying sediments. The faults appear also to cut the uppermost part of the mass transport deposit. Moreover, pore pressure gradient within the deposit was estimated to be from 12.0 to 14.4 MPa/km, being comparable with the fracture gradient from previous study. As a result, the presently-detected low velocity layer can be concluded most likely as a slow-moving earthflow type of mass transport deposit in deep water.
著者
佐藤 隆徳 矢澤 進 並木 隆和
出版者
Japanese Society of Agricultural, Biological and Environmental Engineers and Scientists
雑誌
生物環境調節 (ISSN:05824087)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2-3, pp.25-31, 1984-09-30 (Released:2010-06-22)
参考文献数
31

発芽に変温を必要とするボリビア産トウガラシ‘No.3341’ (Capsicum chinense) の発芽特性について調査検討した.1.発芽温度を30℃とした場合, 播種7日後に15℃・24時間の変温処理を行うと, 非常に早く発芽し, 発芽率も高かった.2.発芽温度を30℃とした場合, 播種7日後に行った25℃・24時間の変温処理 (変温幅5℃) も, 発芽を促進した.3.発芽温度を30℃とした場合, 播種1日後に行った15℃・24時間の変温処理も, 発芽を促進した.4.30℃恒温で, 照明下では半数近くが発芽し, 光発芽性種子 (好光性種子) であることが認められた.5.暗黒下であっても, 変温処理を繰り返し行うと, 高い発芽率が得られた.6.GA3 (ジベレリン酸) 処理は, 最適濃度であれば, 照明の有無にかかわらず, 30℃恒温下で発芽を促進した.7.GA3の最適濃度からはずれた濃度の処理では, 発芽は光の影響を受けることが認められた.8.暗黒下でGA3処理した場合, 照明下での処理に比べ, 100および250ppmで著しく発芽が抑制された.
著者
高木 康夫 坂本 佳直美 中道 亮 佐藤 隆
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.77-86, 2020-03-15 (Released:2020-06-15)
参考文献数
16

The simulation results of the heat medium control and management of A-CAES plant (Adiabatic Compressed Air Energy Storage) are presented. For the study, the dynamic model of the A-CAES plant with liquid heat medium as heat storage is constructed in order to analyze charge-discharge cycle efficiency dependency on actual operating conditions. Various heat management systems for a CAES are proposed. Among the systems, heat medium circulating system is the most feasible solution. The heat management and storage is very important for the A-CAES plant, because about half of the energy is recovered through heat insulation and heat management. Dynamic plant efficiency analysis is also crucial because the dynamic properties of the plant influences on the efficiency. The model consists of the heat exchangers, the heat storages, the air storage and an ideal compressor and expander models. The heat transfer characteristics of the heat exchanger are tested by the experimental setup because the heat exchanger performance is the most important factor for the system efficiency. The plant scale and the heat loss influence on the charge-discharge efficiencies are shown through the simulations.
著者
齋藤 直樹 佐藤 隆智 小笠原 隆倫 佐藤 俊之
出版者
一般社団法人 日本フルードパワーシステム学会
雑誌
日本フルードパワーシステム学会論文集 (ISSN:18803121)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.102-108, 2012 (Released:2014-10-25)
参考文献数
17
被引用文献数
4 1

In this paper, we propose a pneumatic rubberless artificial muscle. The working principal is the same as a general McKibben artificial muscle. The rubberless artificial muscle uses an air bag made of an aluminum vapor-deposition polyester film instead of a rubber tube. The rubberless artificial muscle consists entirely of non-elastic materials. Therefore, it is necessary to design the muscle in consideration of the geometrical relationship. An expression for the design of the rubberless artificial muscle is derived. We confirmed the validity of this expression through the evaluation of a prototype. Furthermore, we examined input/output characteristics and isotonic contraction characteristics and isometric contraction characteristics of the rubberless artificial muscle as fundamental characteristics through the experiment. We confirmed that the rubberless artificial muscle efficiently converted inner pressure into generated force and contraction displacement compared with the general McKibben artificial muscle. The biomechanical characteristics of the rubberless artificial muscle are the same as a human muscle.
著者
佐藤 隆良
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1060, pp.13-15, 2015-11-25

2015年11月期2015年の着工床面積は5月から上昇傾向にある。16年は、東京都心部の再開発や五輪関連施設の着工が相次ぎ、コスト高も当分続きそうだ。17年に潮目が変わり、需要低下が始まると佐藤隆良氏はみる。
著者
小澤 哲也 大澤 貴子 大山 由廉 中村 彩菜 霜田 直史 守田 誠司 澤本 徹 石塚 久美子 白石 尚子 村山 ゆかり 岸本 美保 川口 留佳 佐藤 隆一
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.121, 2017

<p>【背景】</p><p>近年、人工呼吸器装着(MV)患者に対する離床の開始基準や実施基準が明確化されているが、離床時のリスクの層別化に関する報告は少ない。そこで本研究は離床時のリスクを層別化した離床プログラムの安全性を検討することを目的とした。</p><p>【方法】</p><p>当院救命救急センターに入院となり、離床プログラムに基づいてベッドアップ、端座位および車椅子乗車を実施したMV 患者5 例(男性5 例、年齢77 ± 11 歳、肺炎4 例、多発外傷1 例、APACHE2 スコア25.8 ± 1.5 点)、28 回の離床を対象とした。離床時のリスクの層別化として、人工呼吸器の設定(FiO<sub>2 </sub><0.6、PEEP <10cmH<sub>2</sub>O、PaO<sub>2</sub>/FiO<sub>2</sub> ratio >150)、高用量の強心薬を使用していないこと、バイタルサイン(SpO<sub>2 </sub>>88%、HR40-130bpm、sBP80-180mmHg、RR10-40bpm、体温<</p><p>38.5℃)の3 つの大項目を指標とし、基準を満たした大項目の数によって、3 項目をlow risk(LR)、1 ~2 項目をmoderate risk(MR)、0 項目をhigh risk と分類した。なお、high risk の場合は離床は実施しなかった。アウトカムは離床実施前後の血圧、心拍数、酸素飽和度、呼吸回数およびそれぞれの変化量と20 分の離床が完遂できたか否かとした。解析方法は各離床をLR とMR に分類し、アウトカムを対応のないt 検定とχ2 乗検定で比較した。なお、有意確率は5% 未満とした。本研究は当院倫理委員会の承認を得て実施した。</p><p>【結果】</p><p>離床のリスク分類はLR 18 回、MR10 回であった。LR はMR の離床に比較して20 分の離床完遂率(LR vs. MR: 50% vs.</p><p>10%)、PF ratio(171 ± 17 vs. 131 ± 17)、体温(37.1 ± 0.5 vs. 37.7 ± 0.7℃)、離床後のSpO<sub>2</sub>(97 ± 3 vs. 95 ± 3 %)に有意差を認めた(p <0.05)。それ以外の項目に有意差は認めなかった(p >0.05)。</p><p>【結論】</p><p>LR とMR のMV 装着下の離床は著しい呼吸循環動態の悪化を招くことはないが、MR の離床は離床時間の調整などが必要である。</p>
著者
高橋 礼奈 榎本 愛久美 織田 祐太朗 内山 沙紀 盧山 晨 金森 ゆうな 明橋 冴 田上 温子 髙橋 彬文 則武 加奈子 佐藤 隆明 田上 順次
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.220-226, 2021 (Released:2021-06-30)
参考文献数
19

目的 : 近年, コンポジットレジン修復において, さまざまな被接着体に対して同一のボンディング材が使用できるユニバーサルタイプの接着システムが開発され, 臨床でも多用されるようになってきている. 本研究では, 術者の臨床経験と接着システムが象牙質接着性能に及ぼす影響について評価した. 材料と方法 : 2ステップボンディングシステムであるクリアフィルメガボンド2 (MB2) および1ボトルユニバーサルタイプのボンディングシステムであるクリアフィルユニバーサルボンドクイック (UBQ) の, 2種類の接着システムを使用した. ウシ抜去下顎永久切歯の唇面象牙質平坦面を流水下にて露出させ, #600の耐水研磨紙で研削した. 基礎実習中の歯学部学生 (undergraduates) 5名と臨床経験5年以上 (平均7.4年) の歯科医師 (professionals) 5名が, MB2またはUBQを業者指示どおりに象牙質表面に接着操作を行った後, コンポジットレジンを2mm築盛し, 光照射を20秒行った. 試料を24時間37°Cの水中に保管した後, クロスヘッドスピード1mm/分にて微小引張試験を行った. 得られた値は, 二元配置分散分析とt検定により統計処理を行った (p=0.05). さらに, Weibull分析により解析した. 結果 : MB2-undergraduates, MB2-professionals, UBQ-undergraduates, UBQ-professionalsの平均値±標準偏差 (MPa) は, 33.7±10.1, 36.7±10.1, 26.0±10.7, 28.1±11.1, Weibull係数は3.6, 4.2, 2.0, 2.6であった. 二元配置分散分析により, “臨床経験” は微小引張接着強さに影響せず (p>0.05), “接着システム” は微小引張接着強さに影響した (p<0.05). Weibull係数は, 大きい値からMB2-professionals, MB2-undergraduates, UBQ-professionals, UBQ-undergraduatesの順であった. 傾きの差の検定では, すべての群のmの間に有意差を認めた (p<0.05). 結論 : MB2はUBQより高い象牙質接着強さを示し, 信頼性も高い接着システムであった. 臨床経験の違いは象牙質接着強さに影響を及ぼさなかったが, 信頼性に関してはMB2, UBQともに臨床経験5年以上の歯科医師のほうが歯学部学生に比べて高かった.
著者
佐藤 隆
出版者
大阪歴史博物館
雑誌
大阪歴史博物館研究紀要 (ISSN:13478443)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.7-24, 2019 (Released:2020-10-25)

本論では古代難波地域で行なわれた開発について、以下に挙げるふたつの主題を中心に検討して新たな考え方を示した。そのひとつめは難波津に関することである。5 世紀に始まる難波地域の開発において、上町台地やその周辺にはさまざまな施設や倉庫群、手工業の工房などがおかれ、都市的な様相をもち、難波遷都へつながっていく。難波津はこう した難波地域の繁栄を外交や流通の拠点として支えた。本論では初期の難波津の位置推定に関わる考古資料を再整理して、新たな評価を行なった。ふたつめは難波京に関することである。難波遷都の後、難波京の地割が成立する時期は天武朝( 7 世紀第4 四半期)とこれまで考えられてきた。それに対して、本論では7 世紀第3 四半期に遡る可能性を指摘するとともに、遷都前に見られた都市化の影響を受けながらさまざまなかたちの開発によって地割が形成され、それらが中世につながっていく流れを考察した。
著者
今木 大輔 佐藤 隆太 堤 正臣
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.173-174, 2006

工作機械や半導体製造装置の送り駆動系には,一般的に直動転がり案内機構としてボールガイドが用いられている.特に近年採用されつつあるリニアモータを用いた送り駆動系では,接触が直動転がり案内部分のみとなるため,送り駆動系の摩擦特性は直動転がり案内の特性に大きく依存する.本研究では,ボールガイドの球径が,送り駆動系全体の摩擦挙動に及ぼす影響を実験的に解析している.
著者
佐藤 隆
出版者
大阪歴史博物館
雑誌
大阪歴史博物館研究紀要 (ISSN:13478443)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-18, 2018 (Released:2021-04-01)

延暦3年(784)に長岡京への遷都が行なわれた後、難波地域は大川沿岸と四天王寺周辺の2地区に大きく活動拠点が分かれて、中世に向けたまちの形成が始まる。そうした動きに対して、遷都によって失われた要素としては、細工谷遺跡における遺構・遺物の急激な減少から明らかとなった「百済尼寺」の廃絶をその代表例に挙げることができる。本論では同遺跡や田辺廃寺といった「百済郡」の範囲内と推定される遺跡の土器や瓦について、百済王氏のもうひとつの本拠地である河内国交野地域の百済寺跡の瓦と比較検討を行ない、新たな事実を指摘した。交野地域において百済寺の経営基盤となった禁野本町遺跡は、8世紀前半から東西、南北に道路を配した街区の形成が見られ、難波地域とともに百済王氏の拠点として整備されたことを、土器の年代観を再検討することであらためて明確にした。長岡京遷都前後に見られる百済王氏のふたつの本拠地における動向は、遷都という歴史的大事業がどのような背景で行なわれたかを知る重要な手がかりとなる。