著者
上硲 俊法 岡本 悦司 土嶋 繁 吉田 浩二 佐藤 隆夫 松尾 理
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.239-246, 2002-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
11
被引用文献数
1

近畿大学では平成10年度からテュートリアルシステムによる医学教育を導入した. このシステム導入の効果と問題点を, 学生およびテュータに対してアンケートを行い検討した. 学生へのアンケート結果からは, 学生の約8割に自己学習時間の増加がみられ, また, テュートリアルが楽しいと考えている学生が多かった. 学生の約8割が科学的思考の訓練になるが, 平行しての講義はテュートリアルの興味や動機付けに役立つと考えていた. しかし, テュートリアルのハード面およびテュータへの不満が学年進行に伴い増加傾向にあった. テュータへのアンケート結果からは, 学生の学習への動機付け, 問題解決能力, 学生の討論の質はおのおの52%, 58%, 77%が向上したと回答があった. 問題点としては学力の二極分化への懸念, テュータの質, 意欲に不満などの意見が見られた. 総括;テュートリアル方式での教育効果を上げるためには学生の自主性のみならず, ハード面での改善, テュータの質的向上を図る必要がある.
著者
谷口 行信 南 憲一 佐藤 隆 桑野 秀豪 児島 治彦 外村 佳伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.1112-1121, 2001-06-01
被引用文献数
28

映像の効率的なブラウジングのためには, 映像にインデックスを付与する作業が必要である.本論文は5種類の映像解析技術-ショット切換検出, カメラワーク検出, テロップ検出, 音楽検出, 音声(人の声)検出-を統合した映像インデクシングシステムSceneCabinetについて述べる.映像解析技術に基づく自動インデクシングアプローチは従来から提案されているが, 自動付与できるインデックスは限られる上, その精度は100%でない.このような映像解析の不完全性を補うために, 本システムは自動付与されたインデックスを効率的に修正したり, 関連情報を人手で簡単に付与するためのユーザインタフェースを提供する.具体的には, タイムラインと代表画像一覧を組み合わせることで, 効率的にインデックスの修正や付与ができるようにする.本システムを用いると, 手作業の場合に比べて約半分の作業時間でインデックス付与できることを評価実験により示す.更に, 映像ストリーミング技術を統合したWebページ作成ツールについて述べ, その応用事例を挙げることで本システムの有効性を示す.
著者
島宗 理 中島 定彦 井上 雅彦 遠藤 清香 井澤 信三 奥田 健次 北川 公路 佐藤 隆弘 清水 裕文 霜田 浩信 高畑 庄蔵 田島 裕之 土屋 立 野呂 文行 服巻 繁 武藤 崇 山岸 直基 米山 直樹
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.174-208, 2003-09-05

行動分析士認定協会(Behavior Analyst Certification Board : BACB)は、国際行動分析学会(Association for Behavior Analysis : International)が公認し、支援している、行動分析学に基づいた臨床活動に携わる実践家を認定する非営利団体である。本資料ではBACBの資格認定システムを紹介し、実践家の職能を分析、定義したタスクリストの全訳を掲載する。タスクリストを検討することで行動分析家の専門性を明確にして、我が国における今後の人材育成やサービスの提供システムについて、検討を始めるきっかけをつくることが本資料の目的である。
著者
平澤 由平 鈴木 正司 伊丹 儀友 大平 整爾 水野 紹夫 米良 健太郎 芳賀 良春 河合 弘進 真下 啓一 小原 功裕 黒澤 範夫 中本 安 沼澤 和夫 古橋 三義 丸山 行孝 三木 隆治 小池 茂文 勢納 八郎 川原 弘久 小林 裕之 小野 利彦 奥野 仙二 金 昌雄 宮崎 良一 雑賀 保至 本宮 善恢 谷合 一陽 碓井 公治 重本 憲一郎 水口 隆 川島 周 湯浅 健司 大田 和道 佐藤 隆 福成 健一 木村 祐三 高橋 尚 由宇 宏貴
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1265-1272, 2003-07-28
被引用文献数
2 12 4

遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤 (rHuEPO) が6か月以上継続投与されている慢性維持血液透析患者 (血液透析導入後6か月以上経過例) 2,654例を対象に, 維持Ht値と生命予後との関係をretrospectiveに調査, 検討した. Cox回帰分析による1年死亡リスクは, 平均Ht値27%以上30%未満の群を対照 [Relative Risk (RR): 1.000] とした場合にHt 30%以上33%未満の群でRR: 0.447 [95%信頼区間 (95% CI): 0.290-0.689 p=0.0003] と有意に良好であったが, Ht 33%以上36%未満の群ではRR: 0.605 [95% CI: 0.320-1.146 p=0.1231] と有意差を認めなかった. 一方, Ht 27%未満の群ではRR: 1.657 [95% CI: 1.161-2.367 p=0.0054] と有意に予後不良であった. また, 3年死亡リスクも1年死亡リスクと同様, Ht 30%以上33%未満の群ではRR: 0.677 [95% CI: 0.537-0.855 p=0.0010] と有意に良好であったが, Ht 33%以上36%未満の群ではRR: 1.111 [95% CI: 0.816-1.514 p=0.5036] と有意差を認めず, Ht 27%未満の群ではRR: 1.604 [95% CI: 1.275-2.019 p<0.0001] と有意に不良であった.<br>これらの調査結果より, 1年および3年死亡リスクはともにHt値30%以上33%未満の群で有意に低値であり, 生命予後の観点からみた血液透析患者のrHuEPO治療における至適維持目標Ht値はこの範囲にあると考えられた. ただし, 1年死亡リスクは, 例数が少ないもののHt値33%以上の群についても低値であったことから, このレベルについては今後再検討の余地があると考えられた.
著者
佐藤 隆広
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究の特筆すべき研究成果は以下の3点にある。第一に、解雇規制がインド労働市場に与える効果を事業所レベルのミクロデータや州パネルデータなどを通じて分析した。第二に、労働市場にかかわるデータ整備を行い、そうしたデータの一部を用いてインド経済のマクロ分析を行った。第三に、家計調査のミクロデータを用いて、労働供給の規定的要因である人口問題や貧困層向けに政府が自営を奨励したり賃金雇用を提供したりする貧困対策事業などの政策評価、などの実証分析を行った。
著者
佐藤 隆之
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

わが国では、被疑者取調べをめぐって、これまで、被疑者の黙秘権に焦点を当て、その侵害の有無によって、その適否を判定する方法が採用されてきた。しかしながら、どのような場合に被疑者の意思が圧迫され、また、緊張・疲労の結果、供述に関する意思決定が歪められたといえるか自体、必ずしも判断が容易ではなく、他方で、裁判例に対しては、明示的に取調べを拒否しなければ、被疑者の同意があるとされているのではないか、という批判も向けられるなど、被疑者の権利・自由の現実的な侵害のみに基づく従来のアプローチが、十分機能していない状況にあったといえるように思われる。本研究は、そのような状況を踏まえ、被疑者取調べの適正さを確保するために、取調べの方法・条件を客観的な準則として明確化し、それからの逸脱の有無・程度を基準にして、その適法性を判定する手法を採用する可能性を探ることを目的とするものである。この点、本年度の研究では、在宅被疑者の取調べに着目して、被疑者の同意がある場合にも、その取調べに応ずるか否か、供述をするか否かを決定する自由に対する配慮という観点から、その限界が導かれ得ることを示した。従来、宿泊を伴う取調べや徹夜の取調べに関する最高裁判例は、被疑者の供述の自由を、捜査上の必要と比較可能な利益と捉えていると批判されてきたが、取調べに応じるという被疑者の同意が有効である場合にも、なお取調べを規律する余地があることを認めているという新たな理解を提示できたことは、取調べ準則制定の可能性を拓く重要な基礎と位置づけることが可能だと思われる(被疑者の意思の自由に対する配慮という観点は、逮捕・勾留されている被疑者の取調べの場合にも同様に妥当すると考えられる)。
著者
平田 光男 佐藤 隆之 劉 康志 美多 勉
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.741-748, 1998-07-31 (Released:2009-03-27)
参考文献数
12

In this paper, we consider an H∞ problem with unstable weighting functions. Such weightings are used to achieve asymptotically disturbance attenuation and/or asymptotically tracking to reference input. Such problems cannot be handled by the standardH∞ control theory. To this problem, we present a necessary and sufficient condition for the existence of a solution by using Riccati inequalities. This condition needs no assumptions on the jω invariant zeros of G12 and G21.
著者
佐藤 知樹 藤本 司 大滝 博和 佐藤 隆一 岸本 浩次
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.287-294, 2002-09-25 (Released:2009-06-05)
参考文献数
22

両側頸動脈永久結紮ラットを用い,黄連解毒湯,当帰芍薬散の脳虚血性障害出現への影響を検討した.虚血手術の14日前から薬物を連日直接胃に注入し,術後も30日間同様に投与した.途中で死亡した場合はその時点で脳を摘出し,生存例は30日後に動脈採血後脳を摘出した.脳はHE染色,トルイジンブルー染色,組織化学染色(VEGF, bFGF, ER, PgR)を行ない,エストローゲン(E1,E2,E3)の血中濃度を測定した.黄連解毒湯,当帰芍薬散,蒸留水投与群の急性期の死亡率は3/13(23%),5/12(42%),5/12(42%)であり,生存例中脳梗塞巣を認めたのは0/7(0%),1/7(14%),5/7(71%)であった,VEGF,bFGF陽性細胞はともに梗塞巣周辺部(penumbra)で増加していたが,程度や分布は群間で差を認めなかった.血中エストローゲン濃度,ER,PgR陽性細胞出現頻度,分布にも群間に有意な変化を認めなかった.黄連解毒湯,当帰芍薬散の脳虚血障害への防御効果が示唆された.
著者
崔 成日 高橋 和也 堤 正臣 佐藤 隆太
出版者
精密工学会
雑誌
精密工学会誌 = Journal of the Japan Society of Precision Engineering (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.73, no.9, pp.1040-1045, 2007-09-05
参考文献数
10
被引用文献数
3 2

This paper describes the measuring methods for positioning accuracy of tilting axes in five-axis controlled machining centers with a tilting rotary table. The top surface of the tilting rotary table is generally in higher position than the tilting axis. In this case, there is no measuring method except for a manually operated clinometer. Thus, a clinometer consisting of a precision rotary encoder and a bubble level was firstly developed. In the method, operators have to read visually the scale of the level and the reading accuracy is dependent on their ability. Instead of the bubble level, an electronic level with high resolution was employed for comparison. A ball bar equipment was also applied to measure the angular positioning accuracy of the tilting rotary table, as the ball bar equipment can measure the angular displacement continuously.
著者
伊藤 政幸 池島 義昭 白石 忠男 佐藤 隆一 田中 勲 市橋 芳徳
出版者
MATERIALS LIFE SOCIETY, JAPAN
雑誌
マテリアルライフ (ISSN:09153594)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.37-43, 1992-01-25 (Released:2011-04-19)
参考文献数
8
被引用文献数
1

研究用原子炉圧力容器とその本体の上から下へ貫通している実験用の配管との間に3個のシリコーンゴム製のOリングが装着されて13年間使用された.この間にOリングに加えられた諸因子を計算によって求めた結果, 放射線は最も高い位置で3.46kGy, 熱は原子炉運転時には50℃であり, 摺動は比較的少ないことが明らかになった, 同じ使用状態での余寿命を推定するために, 70℃で50kGy/hの線量率で同じ材質のOリングを線量を変えて時間加速照射を行い, 試料の機械的性質の変化を実機試料と比較した.その結果, 実機試料と同程度の劣化を時間加速試験試料に与えるためには前者より一桁以上高い線量が必要なことが判明した.得られた物性値を総合的に検討し, 破断伸びが50%に低下するまで使用可能と判断し, 同じ使用環境での余寿命を26年と推定した.
著者
佐藤 隆広 石上 悦朗 西山 博幸 絵所 秀紀 加藤 篤行 西尾 圭一郎 長田 華子 宇根 義己 鎌田 伊佐生 内川 秀二 安保 哲夫 上野 正樹 上池 あつ子
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

代表のわたしは、日本的生産経営システムの海外移転を評価するハイブリットモデルにもとづく現地調査をインド西部地域で実施することができた。調査を行った8社についての会社記録を作成し、インドにおけるハイブリット調査のデータベースを拡充することができた。また、分担研究者と連携研究者は、バングラデシュ・インドのコルカタの繊維産業調査、インド・アーメダバードとスーラットの繊維産業・共同組合調査、インド・デリー首都圏の繊維産業・自動車産業調査などを行うことができた。研究開始年に相応しいパイロット的な調査を複数実施できたことを特記しておきたい。研究業績としては、代表のわたしは、『商工中金』にインド進出日系中小企業の実態(2013-14年調査)を分析した論文と『経済志林』に経済産業省個票データを利用して1995~2014年度までのインド進出日系企業の動向を分析した論文を公表できた。これら2つの論文によって、インド進出日系企業の歴史的推移とその特徴を明らかにし、本共同研究の土台を構築することができた。また、分担研究者や連携研究者は、国際価値連鎖(GVC)分野においてインドのタイヤ産業や製薬産業に関して複数の論文を執筆し、新新貿易理論に関する理論的・実証的研究も複数本公表している(そのうちの1本はQuarterly Review of Economics and Financeに掲載された)。また、新しい政治経済学(NPE)分野ではインドの地主の政治力に関する実証的な研究が公表された。このほか、経営学分野では『国際ビジネス研究』にインドを事例とした新興国戦略に関する論文が掲載されたこと、地域研究分野ではインドのEconomic and Political Weeklyに縫製産業におけるコミュニティの機能を分析した論文が掲載されたことを特筆したい。
著者
橋田 朋子 苗村 健 佐藤 隆夫
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.75-84, 2008 (Released:2008-07-30)
参考文献数
61

即興的な音楽表現システムは,音楽の新しい楽しみ方や体験を提供する効果的なメディアとして,近年非常に注目されている.この中でも,ユーザが自由に創意を発揮する事と,即興的音楽表現に必要な技法に気が付いたり練習する事を,違和感なく促すシステムに,筆者らは特に興味を持っている.本論文ではまず,数多く提案されている即興的な音楽表現システムの中で,技法習得を伴う創意発揮を実現するシステムの位置づけを歴史・エンタテインメント・教育の観点から行う.さらに該当する事例の比較検討を通じ,創意や表現の楽しさを損なう事なく,技法の自発的な練習を促すための効果的な支援・デザイン手法について明らかにし,今後の動向を展望する.
著者
佐藤 隆彦 三浦 啓太 藤倉 俊幸 安積 卓也
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2020-EMB-53, no.46, pp.1-9, 2020-02-20

自動車の運転手不足や高齢者による運転操作ミスが社会問題になっている.そのため,自動運転システムの開発が急がれており,自動車業界ではモデルベース開発が盛んに行われている.自動車機能安全規格ISO 26262 では,モデルベース開発において,Back-to-Back テストを行うことが要求されている.そのため,製品の動作環境に組込む際に,制御仕様と動作が一致しているかの検証をする必要がある.本研究では,自動運転ソフトウェア向けの Back-to-Back テストフレームワークを提案する.既に正しく動作しているモジュールと,その機能を移植したモジュールの入出力結果を保存・比較する.本論文では,MATLAB/Simulink で作成したモデルが正しく動いているかを,自動運転ソフトウェアである Autoware のモジュールを用いて Back-to-Back テストで評価する.
著者
椛 秀人 奥谷 文乃 佐藤 隆幸
出版者
高知医科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

われわれは、数年に渡って、雌マウスに形成される交尾相手の雄の匂いに対する記憶のメカニズムを研究してきた。この匂いの記憶は妊娠の維持に不可欠である。この記憶の形成過程は、副嗅球へ投射する青斑核ノルアドレナリン神経の交尾刺激による活性化によって駆動される。われわれは、この記憶の神経・シナプス・分子のレベルのメカニズムを明らかにしてきた。この一連の記憶システムは、この系だけにとどまらず、母子の絆形成にも当てはまる性質のものであるとの考えで、検討を加えた。嗅球へ薬物の注入が可能なようにステンレス管を前もって植え込んでおいた妊娠21日目の雌ラットに、薬物の連続注入を開始し、これらのラットが分娩後に行う母性行動を観察した。行動の観察は主に母性行動の基本型である子運び動作、子なめ動作、授乳姿勢を計測した。興奮性アミノ酸受容体アンタゴニストであるD-AP5を注入しても、上記の母性行動に有意な変化は認められなかった。本結果は、妊娠の維持に不可欠な匂いの記憶の成立にNMDA受容体が関与しないことと一致していた。さらに、non-NMDA受容体アンタゴニストのCNQXの知果を目下、検討中である。ウレタン麻酔下の雌ラットを用いて、嗅球内情報伝達に対する青斑核の電気刺激の影響を検討した。青斑核の刺激は、顆粒細胞による僧帽細胞のフィードバック抑制を感じた。目下、この効果にかかわるアドレナリン作動性受容体のタイプを検討中である。さらに、青斑核と外側嗅索の連合刺激によって、このフィードバック抑制に可塑的変化が誘導されるか検討を加える予定である。
著者
佐藤 隆広 福味 敦
出版者
比較経済体制学会
雑誌
比較経済研究 (ISSN:18805647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.1_17-1_29, 2019 (Released:2019-03-08)
参考文献数
20

本研究は,石油価格の上昇がもたらすマクロ経済への影響を,石油輸出国であるロシアと石油輸入国である中国とインドのユーラシア地域大国3カ国で定量的に比較した.ベクトル自己回帰(VAR)モデルを用いた分析結果によると,石油価格ショックと石油への投機的需要ショックの2つのケースで,中国とロシアで対照的な結果が得られた.すなわち,中国ではこれらのショックは物価を高めるのに対して,ロシアでは生産を拡大させる.また,世界景気のプラスのショックを意味する石油需要ショックは,中国においてもロシアにおいても生産を拡大させる.ロシアでは,それはさらに物価も高める.これに対して,インドでは石油ショックについて統計的に有意な結果が得られなかった.