著者
佐藤 隆一郎 野口 忠 内藤 博
出版者
Center for Academic Publications Japan
雑誌
Journal of Nutritional Science and Vitaminology (ISSN:03014800)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.67-76, 1986 (Released:2009-04-28)
参考文献数
20
被引用文献数
126 201

A casein phosphopeptide (CPP) was prepared from β-casein of cow's milk and the effect of this peptide on the absorption of calcium from a ligated segment of rat small intestine was investigated. CPP injected into a ligated loop of rat small intestine enhanced absorption of calcium from the loop and augmented the deposition of calcium in the femur. Furthermore, CPP inhibited the precipitation of calcium phos-phate in vitro, suggesting that this peptide enhances calcium absorption from the small intestinal lumen by increasing the concentration of soluble calcium. This new evidence confirms our previous hypothesis that CPP is an important factor in raising the availability of calcium in milk.
著者
山崎 文靖 佐藤 隆幸 柿沼 由彦 有川 幹彦
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

中高年を好発年齢とする進行性の神経変性疾患では、動脈圧受容器を介した交感神経系による血圧調節機能が廃絶するため、重度の起立性低血圧や失神発作をおこし、末期には寝たきり状態となるが、重症例における治療法はない。そこで本研究では、二年間の実験的臨床研究により、非侵襲的な血圧制御システムを開発する。1.動脈圧反射の開ループ伝達関数の推定:自律神経失調患者と健常成人男性より求めた開ループ伝達関数Hnative(f)はlow-pass特性を示し、0.01Hz以上でゲインが徐々に減少した。定常ゲインは5.3であった。2.圧迫帯圧から動脈圧までの伝達関数HSTM-SAP(f)の推定:自律神経失調患者での平均ステップ応答関数では、圧迫帯圧の上昇に伴い動脈圧は10秒以内に定常状態の90%に達した。定常ゲインは0.7±0.3mmHg/mmHgであった。3.ヒトの血管運動中枢の動作原理の記述:同定した平均的なHSTM-SAP(f)を用いて,ステップ状の血圧低下に対する血圧サーボシステムの振る舞いをシミュレーションし,比例補償係数Kp=0.4,積分補償係数Ki=0.2で,サーボシステムがもっとも安定的かつ迅速に血圧低下を代償することをみいだした。この係数を用いた制御部Hl(f)を伝達関数として記述し、人工血管運動中枢を製作した。4.非侵襲的人工的圧反射装置の構築と有用性の検証:開発したデバイスは、人工血管運動中枢を搭載したPC、血圧モニタ、電磁弁装置、圧搾空気ボンベ、腹部圧迫帯からなる。3例でその効果を検討した。起立時に平均20mmHg低下した平均血圧は、装置の作動により11mmHgの低下に抑制することが可能であった。5.下肢圧迫による動脈圧制御の可能性:下肢圧迫の効果を検証するために、両下肢に圧迫帯を装着し応答性を検討した。圧迫帯内圧の上昇に対し動脈圧は20秒以内に最大反応値に達した。
著者
木村 睦海 小関 至 狩野 吉康 荒川 智宏 中島 知明 桑田 靖昭 大村 卓味 佐藤 隆啓 髭 修平 豊田 成司 佐藤 繁樹
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.607-613, 2013-09-20 (Released:2013-10-22)
参考文献数
22

症例は65歳,女性.1996年にHBV陽性を指摘されIFN治療を受けるも改善無く,その後肝硬変に進展した.2001年よりLamivudineを開始し,その後LamivudineとAdefovirの併用,更にEntecavirとAdefovirの併用へと切り替え,ALTは正常範囲内を維持するに至り,HBV-DNA量も低下した.2009年8月,AFPが26.5 ng/ml,従来法AFP-L3分画が48.0%と上昇を認め,翌9月のMRI検査にて肝S3に径10 mmの典型的な肝細胞癌を認めた.2010年2月に肝外側区切除を施行し,組織診断は高分化型肝細胞癌であった.保存血清を用いて2010年より測定可能となった高感度AFP-L3分画をretrospectiveに再測定したところ,肝細胞癌が臨床診断される3年前,2006年から高感度AFP-L3分画が上昇し続け,切除後に正常化していたことが確認された.高感度AFP-L3分画は,AFPの上昇と肝細胞癌の臨床診断に先行して異常高値となる症例もあり,肝細胞癌のhigh riskグループを抽出する腫瘍マーカーとして有用と考えられた.
著者
佐藤 隆徳 畠山 勝徳 石田 正彦 鈴木 徹 塚崎 光 西畑 秀次 飛弾 健一 吉川 宏昭 釘貫 靖久 由比 進
出版者
農業技術研究機構野菜茶業研究所
雑誌
野菜茶業研究所研究報告 (ISSN:13466984)
巻号頁・発行日
no.5, pp.47-54, 2006-03

1)'はくさい中間母本農8号'は,低温をほとんど必要としない長日要求性の極晩抽性系統'つけな中間母本農2号'に日本型ハクサイを交雑し,後代で極晩抽性個体の選抜を繰り返すことにより育成された,結球部形状が日本型ハクサイに近い極晩抽性系統であり,2005年に中間母本登録された。2)'はくさい中間母本農8号'の晩抽性は,既存の晩抽性ハクサイ品種の'はるさかり','晩輝','幸村'よりも高い。さらに,野菜茶業研究所アブラナ科育種研究室で育成した抽だいに対する低温要求性の高い,'はくさい中間母本農6号'より晩抽性の高い系統である。3)'はくさい中間母本農8号'の「球のしまり」はゆるく,「球重」も軽く,ハクサイとしての実用形質は既存の晩抽性品種に比べ劣る。4)極晩抽性'はくさい中間母本農8号'と非晩抽性の'無双'のF1では,抽だいまでの日数(晩抽性の程度)は,両親のほぼ中間の値を示し,さらに同F2ではピークの位置は同じであるが分離しており,それぞれ両親の抽だい性程度に近いものが認められた。5)極晩抽性'はくさい中間母本農8号'と晩抽性でない'無双',さらにF1およびF2における抽だい性の分離状況から,'はくさい中間母本農8号'の極晩抽性には,比較的少数の遺伝子が関与しているものと推定される。6)分離世代であるF2において,'はくさい中間母本農8号'の晩抽性と同程度のものが約10%出現するので,育種操作で多数の個体を扱うことが比較的容易なハクサイの場合,選抜に十分な数の晩抽性個体を得ることが可能である。
著者
佐藤 隆徳 畠山 勝徳 石田 正彦
出版者
農業技術研究機構野菜茶業研究所
雑誌
野菜茶業研究所研究報告 (ISSN:13466984)
巻号頁・発行日
no.5, pp.47-54, 2006-03

1)'はくさい中間母本農8号'は,低温をほとんど必要としない長日要求性の極晩抽性系統'つけな中間母本農2号'に日本型ハクサイを交雑し,後代で極晩抽性個体の選抜を繰り返すことにより育成された,結球部形状が日本型ハクサイに近い極晩抽性系統であり,2005年に中間母本登録された。2)'はくさい中間母本農8号'の晩抽性は,既存の晩抽性ハクサイ品種の'はるさかり','晩輝','幸村'よりも高い。さらに,野菜茶業研究所アブラナ科育種研究室で育成した抽だいに対する低温要求性の高い,'はくさい中間母本農6号'より晩抽性の高い系統である。3)'はくさい中間母本農8号'の「球のしまり」はゆるく,「球重」も軽く,ハクサイとしての実用形質は既存の晩抽性品種に比べ劣る。4)極晩抽性'はくさい中間母本農8号'と非晩抽性の'無双'のF1では,抽だいまでの日数(晩抽性の程度)は,両親のほぼ中間の値を示し,さらに同F2ではピークの位置は同じであるが分離しており,それぞれ両親の抽だい性程度に近いものが認められた。5)極晩抽性'はくさい中間母本農8号'と晩抽性でない'無双',さらにF1およびF2における抽だい性の分離状況から,'はくさい中間母本農8号'の極晩抽性には,比較的少数の遺伝子が関与しているものと推定される。6)分離世代であるF2において,'はくさい中間母本農8号'の晩抽性と同程度のものが約10%出現するので,育種操作で多数の個体を扱うことが比較的容易なハクサイの場合,選抜に十分な数の晩抽性個体を得ることが可能である。
著者
佐藤 隆夫 赤木 章信 繁桝 博昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理
巻号頁・発行日
vol.98, no.276, pp.23-30, 1998-09-18
被引用文献数
3

視覚は人間のコミュニケーションにとって時に言語以上に重要な意味を持つ, 視線の知覚は, 相手が正対している時には驚くほど高い精度を持っているが, 顔が回転し, 「流し目」になると視線の移動量の過大視が起こり, 受け手から見ると視線が行き過ぎてしまう.この「頭部回転効果」は従来, 眼の偏移そのものの知覚の誤差であると考えられてきたが, 原理的には, 眼の偏移の他に, 頭部回転量の過小視も原因となりうる.こうした仮説のもとに, いくつかの実験を行い, 頭部回転の過小評価が頭部回転効果に大きく影響していることが明らかになった.
著者
楢崎 正也 山中 俊夫 大野 治代 佐藤 隆二
出版者
大阪大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1986

気密な市街地住宅において, もっとも汚染発生の著しい調理の際に, 室空気環境を良好に維持し, しかも熱負荷が過大にならない合理的な換気方式の確立を目的に研究を進めた. 本研究は三部から成っている.1.種々の調理条件時に発生する熱・水蒸気・汚染ガス・臭気の発生状況を調べた.まず, コンロ上方の熱気流と汚染ガスの拡散性状を詳細に検討し, 高性能な排気フードの開発に有益な資料を提供した.また, 調理時に生成するような汚染物質, とくにNO_Xと調理臭の発生量を定量化し, 室空気質評価に必要な資料を提供した.2.気密な住宅では台所の局所排気だけでなく, 局所給気の必要性を提言し, 給・排気方式を採用した住宅の換気調査を行い, 給気口の換気効果を実証した.また, 住宅においては自然換気とくに風力換気の依存度が高いため, 外部風と換気量の関係を調べ, 換気量推定のための風データーのサンプリング法を提言した.3.Tracer-Gas法による換気量推定法を種々考察した. ここでは, 空間の相互換気を考慮した二室換気を算定する手法を提案している.以上, 各検討事項は今後に多くの問題点を残しているが, ある程度の成果は達成できたと考えている. 今後はこの研究成果をもとに, さらに研究を進展させ, 所期の目標に近づくことを念願する次第である.
著者
原田 聰 福田 至朗 田中 有引 石黒 幸雄 佐藤 隆英
出版者
日本育種学会
雑誌
Breeding science (ISSN:13447610)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.429-434, 1995-12
被引用文献数
2

L. chmielewskii. L. hirsutum and L. peruvianum などのトマト野生種における果実でのショ糖含有形質は,単一劣性遺伝子に支配されていると考えられている.我々は,この因子がインベルターゼであると考え,インベルターゼ遺伝子とショ糖含有形質との関係について検討した.既に,トマト栽培種果実からの細胞壁結合型インベルターゼ。DNAをクローニングしており,その塩基配列を基に,栽培種とL. chmielewskiiを材料として,PCR法を用いた多型解析を行なった.その結果,増幅断片長に差が認められた部分が存在したため,それぞれの断片の塩基配列を決定した.大部分の塩基配列は一致していたが,最後のイントロン(第6)において,L. chmielewskiiの方が栽培種より計11bp短いのが認められ,その中にはlO bpの連続した"AAAAGGTTTT"という特徴的な配列が存在した
著者
佐藤 隆一 鈴木 敦生 小池 和幸 大澤 貴子 斎藤 啓二 江端 広樹 竹田 誠 鈴木 富子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.C0080-C0080, 2004

【目的】中学生になると部活動を通じて本格的にスポーツを開始する生徒が多く、この時期、スポーツによって生じる様々な損傷や障害は、成長障害や他の二次的障害を引き起こす可能性があるといわれている。当院では部活動中に「ケガ」をした中学生が理学療法の対象となることは少なく、中学生が抱える「ケガ」の実態や件数、その後の状況を知り得る機会がほとんどない。<BR> そこで今回我々は、市内中学3年生を対象とした「部活動中に発生したケガに関するアンケート」調査を実施し、検討したので報告する。<BR>【方法】市内全中学校12校の3年生1613名(回収率93%)のうち、運動部在籍1018名(男子654名、女子427名;運動部67%)を対象に「部活動中に発生したケガに関するアンケート」調査を無記名選択式(一部記述)質問票を用いて行なった。<BR>【結果】部活動中の「ケガ」の発生率は58%;624名(男子370名、女子254名)であった。中学校別の発生率は、A校43%、B校62%、C校57%、D校54%、E校71%F校59%、G校60%、H校68%、I校55%、J校86%、K校62%、L校34%、M校63%であった。また、性別、部活動別に「ケガ」の発生率・再損傷率・調査時点における痛みの発生率をみると、男子サッカー部68%・34%・29%、野球部63%・46%・24%、バスケットボール部74%・41%・20%、ソフトテニス部47%・13%・22%、陸上部66%・29%・27%、卓球部20%・33%・13%、バレーボール部57%・40%・32%、剣道部73%・45%・27%、バドミントン部40%・8%・42%、水泳0%であった。女子は、バスケットボール部84%・47%・22%、バドミントン部35%・27%・23%、ソフトテニス部64%・43%・21%、陸上部67%・46%・30%、バレーボール部68%・50%・28%、剣道部67%・50%・25%、ソフトボール87%・58%・19%、卓球部25%・40%・0%であった。<BR>【考察】今回の調査結果で、部活動中の「ケガ」の発生率は各学校によりばらつきがみられるものの、約60%の生徒が「ケガ」をしていた。また再損傷者は男子で約35%、女子で約40%に上った。これらの「ケガ」の多くは、過熱した練習による「overuse」や試合中の激しいスピードやコンタクトによる外傷性のものの可能性が高いと考えられた。<BR> アンケート調査時点で、多くの生徒は部活動引退から約3ヶ月経過していたが、男女ともに約20%の生徒が何らかの「痛み」を訴えており、それは部活動中の「ケガ」に直接関係するものとは限らなかった。それらの原因に、成長期特有の身体的変化による筋・腱の過緊張状態や柔軟性低下、骨のアライメントの変化が引き起こされ、筋・腱の疼痛が発生したことなどが考えられる。<BR> 今後、これらの情報を学校側へ提供し、学校全体で「ケガ」に対する意識を高め、部活動ごとに「ケガ」の予防と再発防止を徹底し、メディカルチェックを行なう必要性を促していきたい。
著者
馬場 敏幸 苑 志佳 相澤 龍彦 河村 哲二 近藤 章夫 兼村 智也 折橋 伸哉 佐藤 隆広 田中 美和
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

今年度はブラジルサンパウロ、ジョインビレ、カシアスドスルを訪問した。ジョインビレとカシアスドスルはこれまでの調査で判明したブラジルの金型クラスターである。ジョインビレはドイツ系移民による工業都市であり、ブラジル第一の金型集積地である。ブラジル金型工業会もジョインビレに位置する。ジョインビレの金型技術は大手配管メーカーと大手家電メーカーの部品成形およびそれらの成形のための金型作成を核として形成されていった。やがて蓄積された技術をもとにして自動車など他産業向けの金型作成も盛んに行われるようになった。ジョインビレでは金型メーカーおよび中核企業である家電メーカーの金型部門を訪問した。金型はドイツ・マイスター風の金型製作手法がとられ、製作される金型品質はグローバルレベルであった。カシアスドスルはプラスチック射出成形が盛んなイタリア系の移民都市である。金型製作はイタリアカロッチェリア風の金型手法がとられ、製作される金型品質は高かった。今年度の訪問により、これまでの企業のグローバル化および企業の成立・調達・技術系製などの経営学的・工学的知見に加え、ブラジル金型産業クラスターの成立という経済地理的観点からも大きな知見が得られた。特に興味深かった点は、金型クラスターごとに異なる形成経緯である。すなわち、コスモポリタン的な形成がなされたサンパウロABC地域は1950年代以降の自動車産業振興に伴って金型クラスターはコスモポリタン的に形成されたが、ジョインビレ地域はドイツ系移民のもちこんだ工業蓄積と共に形成され、カシアスドスル地域はイタリア系移民のもちこんだ工業蓄積と共に形成された。ブラジルの金型産業の形成・発展に「移民」のキーワードが重要であるとの点が明らかになった。これはアジア地域の地場民族による金型産業・クラスター形成とは異なるタイプの金型産業・クラスター形成であり、大きな発見であった。
著者
佐藤 隆春 岡本 朋子 上武 治己 木村 一成 諏訪 斎 田崎 正和 都築 宏 南場 敏郎 丸山 正 三上 映子
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.201-216, 2001-07-25
被引用文献数
1

阪神地域では1596年の伏見地震,5世紀末〜6世紀中頃の古墳時代中期,および約6,300年前に地層の液状化を引き起こす強い地震動があった.これらの地震の直後に土石流・洪水堆積物が増加しているかどうか検討した.土石流・洪水堆積物の堆積相はおもに埋蔵文化財調査の露頭で観察し,考古学による年代とアカホヤ火山灰層準の対比でその堆積年代を求めた.その結果,土石流・洪水堆積物は古墳時代中期の地震直後に扇頂〜扇央で16地点,伏見地震直後に扇央〜扇端および低地で10地点確認された.土石流・洪水堆積物は地震以後に増加する傾向と,時代とともにその堆積場が扇状地から低地に移動させている傾向が明らかになった.六甲山地では1995年の兵庫県南部地震による斜面崩壊が多発し,崩壊土砂が増加している.これが豪雨で流出し土石流を発生させる自然条件は高くなっていると考えられる.
著者
佐藤 隆太
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,実際の数値制御工作機械の送り駆動系をモデル化し,送り駆動系の運動誤差を考慮して加工面をシミュレーションするための方法を開発した.送り駆動系の運動誤差が加工面に及ぼす影響について,実験とシミュレーションの両面から検討したところ,同じ運動誤差が生じていても工具経路によって加工面に及ぼす影響が異なることが明らかとなり,工作機械の運動特性を考慮した知能化CAMシステムの実現に向けた重要な知見を得ることができた.
著者
佐藤 隆太 横堀 祐也 堤 正臣
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌論文集 (ISSN:13488724)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.73-78, 2006-01-05
被引用文献数
8 8

This paper describes the dynamic synchronous accuracy between the axes of translational and rotational in a 5-axis machining center. The 5-axis machining centers are applied to machining complex shapes, such as trurbine blades and impellers. When the 5-axis machining centers are used to machine complex shapes, the velocity of each axis varies greatly. Therefore, the synchronous accuracy of each axis is an important factor to generate high accuracy shapes. In this study, non-uniform 3-axis synchronous motion was investigated in order to estimate the dynamic synchronous accuracy. A dynamic model of the each axis including a rotary axis was developed, and the synchronous motion was simulated. As the results of experiment and simulation, it is verified the developed model can express the experimental results accurately. In addition, a method that can improve the synchronous accuracy is proposed, and its effectiveness is clarified by the developed dynamic model.
著者
佐藤 隆信
巻号頁・発行日
2013

筑波大学博士 (医学) 学位論文・平成25年3月25日授与 (甲第6584号)