著者
細井 俊希 澤田 豊 加藤 剛平 藤田 博曉 高橋 邦泰 黒川 幸雄
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.111-115, 2011 (Released:2011-03-31)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

〔目的〕回復期リハ病棟入院患者の入院時と退院後の活動量を,活動量計を用いて計測し,退院前後での活動量の変化を客観的に明らかにした。活動量が低下した原因について聴取した。〔方法〕歩行可能な回復期リハ病棟入院患者8名を対象とし,退院前と退院後それぞれ約1ヶ月間の活動量を測定した。また,退院後に活動量が低下した原因について聴取し,ICF分類に基づき分類した。〔結果〕1日平均歩数は,すべての対象者で,入院期間中に比べ退院後に減少していた。また,すべての対象者が退院後に活動量が低下したと自覚しており,考えられる原因は,保健サービス,気候,家族の態度,屋内の移動,動機づけなどに分類された。〔結語〕退院時に対象者やその家族と退院後の目標について十分に話し合い,積極的にデイケアなどの利用を促すようなケアプランを立てることが,リハ回数や外出機会の増加にもつながり,退院後の活動量の低下を防ぐことができると考えられた。
著者
加藤剛著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2008
著者
加藤 剛平 田宮 菜奈子 柏木 聖代 赤坂 清和
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.17-26, 2011-02-20

【目的】地域在住要介護者等の外出頻度に関連する環境因子を横断研究により検討する。【方法】通所リハビリテーション利用者(77名)を対象にした。多重ロジスティック回帰分析を用いて,外出頻度が低い状態に関連する利用者の基本属性および環境因子を探索した。一週間の外出頻度を従属変数とし,性別,年齢,疾病の種類,日常生活活動能力,利用施設,一週間の通所リハビリテーション利用日数,環境因子を独立変数とした。環境因子は,Home And Community Environment(HACE)日本語版を用いて評価した。【結果】地域の障害の多さを示すHACE日本語版の地域移動性得点が高いことは,一週間の外出頻度が通所リハビリテーションの利用を除くと「まったく外出しなかった(調整オッズ比[95%信頼区間]:8.84[1.80-67.02])」と独立に関連した。また,通所リハビリテーションを外出頻度に含めた二次的分析でも同様の結果が得られた。【結論】地域の物的障害が多いことは,地域在住要介護者等の低い外出頻度に関連する環境要因として重要である。
著者
加藤 剛平
巻号頁・発行日
2010

筑波大学博士 (ヒューマン・ケア科学) 学位論文・平成22年3月25日授与 (甲第5501号)
著者
加藤 剛 井庭 崇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.85, pp.47-50, 2008-09-11
被引用文献数
1

本論文では,コンセプトメイキングを支援するための 「コンセプトメイキング・パターン」 を提案する. 「コンセプトメイキング・パターン」 とは,コンセプトメイキングにおいて繰り返しぶつかる壁と,その壁を乗り越えるためのヒントを, 「パターン・ランゲージ」 の手法を用いて記述したものである.本論文では,提案した 「コンセプトメイキング・パターン」 を大学初年次教育に導入し,その履修者からのフィードバックを分析することで,本提案の有効性についての評価を行う.In this paper, we propose a pattern language for concept making. Each pattern consists of a frequent problem and its solution in concept making. In this paper, we show two examples from 20 patterns and effectiveness by analyzing feedbacks from university students. Our aim is to support activities in making concept and also provide a tool for project members to communicate about their activities of concept making .
著者
早瀬 晋三 加藤 剛 吉川 利治 桃木 至朗 弘末 雅士 深見 純生 渡辺 佳成
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

本研究では、つぎの3つの柱を中心に活動を進めた:1.日本における東南アジア史教育の現状と課題の把握、2.他分野・他地域との関連、3.外国史と自国史。それぞれ1年間の活動を目処におこない、3年目は平行して研究成果のとりまとめをおこなった。第1年度の「日本における東南アジア史教育の現状と課題の把握」では、長年東南アジア史研究・教育に従事してきた先達に、その経験から現状と課題を指摘してもらうと同時に、学生時代に戻って卒論・修論を書くなら、どのようなテーマを選び、どのような準備をするかなど、現在の学生の身になった具体的な論文構想を語ってもらった。また、近年各大学で取り上げられた東南アジア関係の卒論・修論のテーマを収集し、その傾向と問題点を探った。第2年度は、周辺領域分野・地域との関連で東南アジア史研究を考えた。東南アジア史研究に有効な関連分野の理論・手法を学ぶとともに、関連分野に東南アジア史研究で培った理論・手法がどのように活かせるかを考察した。関連分野の研究者との意見交換により、東南アジア史研究の幅を広げ、奥行きを深めることを目標とした。第3年度は、「自国史」と「外国史」の問題を考察した。具体的には、東南アジア各国の高校・大学で「自国史」として使用されている教科書やカリキュラムを検討した。また、各国を代表する歴史学研究者と意見交換した。以上、3年間の成果をふまえて、テキストづくりの作業が進んでいる。すでに、叩き台となるべき「フィリピン」の草稿ができている。また、この研究活動を通じて、テキストのほか、史料の目録・索引、史料の復刻、翻訳、モノグラフの刊行も必要であると感じた。その準備も着々と進められている。まずは、この研究の原成果ともいうべき、報告・報告要旨28篇をまとめて発行する。
著者
足立 明 山本 太郎 内山田 康 加藤 剛 井上 昭洋 清水 和裕
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究の目的は、非西欧世界における「清潔さ」「衛生」「健康」「身体」概念の変容を、保健医療に関わる開発現象を中心に検討することであった。そのため、これまでの公衆衛生の社会史、文化史の成果を整理し、また各研究者の蓄積してきた諸社会の民族誌的・歴史的経験をもとにして、保健医療の導入と「清潔さ」「衛生」「健康」「身体」概念の変容に関する分析枠組みの検討・整理を行おうとしたのである。平成11年度は、西欧世界を中心とした保健医療の導入とその社会文化的影響に関する既存の文献を収集し、それらを分担して検討した。その主な内容は、上下水道の導入に関する社会文化的影響、保健医療の制度化と宗教の世俗化、保健医療の導入と疾病傾向の変容、キリスト教宣教師と「清潔」「衛生」概念であった。これにたいして、平成12年度は、各自の蓄積してきた諸社会の資料を整理した。その結果分かってきたことの一つは、20世紀初頭の植民地下で西欧の健康概念と西欧的核家族概念が結びつき、社会変容に寄与する可能性である。また、このようなテーマで研究する上で、新しい研究視角の議論も行い、人、モノ、言葉のネットワークをいかに把握するかという方法論的検討も行った。もっとも、現地調査を前提としていないこの研究では、資料的に限界があり、その意味で、本研究は今後の海外学術調査の予備的な作業という性格が強いものとなった。今後は、さらなる研究に向けた体制の立て直しを計る予定である。