著者
神原 歩
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.92.20014, (Released:2021-01-31)
参考文献数
32
被引用文献数
1

It has been shown that people tend to view opponents as biased. Recent theoretical studies showed that this tendency occurs due to naïve realism. People tend to be overconfident about their objectivity ─ they believe they see the world as it really is (Naïve realism: Ross & Ward, 1995) ─ hence, they assume that people who have a different view must be biased (Pronin et al., 2004). This study examines the effect of encountering clear demonstrations that personal sensory perceptions are not necessarily accurate on the perception of opponents’ bias in their social judgment through exposure to visual illusions. A total of 87 participants were grouped by whether or not they experienced visual illusions. Participants who experienced visual illusions rated opponents as having fewer biases in their social judgments than participants who did not experience visual illusions. This suggested that a person’s overconfidence in their own perception ─ “I see the world as it really is” ─ might be one of the causes of people’s negative perception of opponents.
著者
草野 一彦 成澤 和志 篠原 歩
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2010論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.12, pp.108-113, 2010-11-12

立体ピクロスとは任天堂が2009年に発売した同名のゲームに収録されているパズルである.問題として立方体のブロックが積み重なった直方体が与えられ,ブロックに描かれたヒントに従って不要なブロックを削り,隠されたカタチを取り出すのが目的である.本稿では,3SATからの帰着により,立体ピクロスの解の存在判定がNP完全であることを示す.また,立体ピクロスの高さを1に制限し,普通数字・丸数字・四角数字を区別しない場合には,解の存在判定が多項式時間で行えることを示す.
著者
神原 歩
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.12-20, 2021 (Released:2021-04-25)
参考文献数
32
被引用文献数
1

It has been shown that people tend to view opponents as biased. Recent theoretical studies showed that this tendency occurs due to naïve realism. People tend to be overconfident about their objectivity ─ they believe they see the world as it really is (Naïve realism: Ross & Ward, 1995) ─ hence, they assume that people who have a different view must be biased (Pronin et al., 2004). This study examines the effect of encountering clear demonstrations that personal sensory perceptions are not necessarily accurate on the perception of opponents’ bias in their social judgment through exposure to visual illusions. A total of 87 participants were grouped by whether or not they experienced visual illusions. Participants who experienced visual illusions rated opponents as having fewer biases in their social judgments than participants who did not experience visual illusions. This suggested that a person’s overconfidence in their own perception ─ “I see the world as it really is” ─ might be one of the causes of people’s negative perception of opponents.
著者
小松 智希 成澤 和志 篠原 歩
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.8, pp.1-8, 2012-07-06

探索空間が非常に広く,評価関数が作りにくいゲームにおいて行動決定を行う手法にモンテカルロ法があり,囲碁や大貧民などのゲームに対して有効な手法であることがわかってきた.しかし,麻雀のように探索空間全体に対して得点が得られる組み合わせが少ないゲームでは,モンテカルロ法は報酬を得ることができるプレイアウトの回数が少ないため,十分な効果を発揮することができない.本論文では,麻雀におけるモンテカルロ法の非効率性を実験的に検証する.また,プレイアウトにおいて効率的に報酬を得ることができる手法を提案し,モンテカルロ法と比較することで実験的に有効性を示す.Monte Carlo methods have been successfully applied for playing games, and have outperformed previous algorithm in such games as Go and Daihinmin. However, as we will experimentally show, it is not very effective for some games like Mahjong, where random simulation can rarely get rewards. Without positive rewards, players have little reason to choose better actions. In this paper, we propose a new algorithm to overcome this difficulty. It virtually simulates many play-outs in each trial simultaneously, so that many of play-outs can get positive rewards, even for this kind of games. We show some preliminary experiments that convinced us that the approach is promising.
著者
神原 歩 遠藤 由美
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.91-103, 2013 (Released:2013-03-09)
参考文献数
59
被引用文献数
1 1

自己判断の合意性を自ら高く推測することが,脅威に晒された自己肯定感を修復する効果について検討した。自己脅威として架空の施策について反態度意見の表明を促した(強制承諾)後,自己判断についての合意性を推測させた。実験前後にその施策への態度を測定し,態度の変化量を従属変数とした。認知的不協和に陥った人は表明した意見に合わせて態度を変化させるが,自己肯定感が修復すると態度を変化させる程度が縮小することが知られている。そこで,自己判断の高合意性推測が自己肯定感を修復するなら,合意性を高く推測すると態度変化量が縮小すると予測された。また,高自尊心者は脅威に対して直接的,低自尊心者は間接的自己防衛方略を採ることから,自己肯定感修復に用いる合意性と脅威との関連度合いは自尊心の高さによって異なると考えられた。結果はこれを支持し,脅威と関連する判断の合意性の場合(実験1)には高自尊心者で,脅威と関連しない判断の合意性の場合(実験2)には低自尊心者で,合意性を高く推測すると態度変化量が縮小する傾向がみられた。自尊心の高さによって修復に用いる合意性と脅威との関連は異なるが,合意性を高く推測すると自己肯定感が修復されることが示唆された。
著者
神原 歩 遠藤 由美
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.116-124, 2013 (Released:2013-03-09)
参考文献数
40

自己判断の高合意性認知が自己肯定感を維持する可能性を,高合意性情報が強制承諾 による態度変化に与える影響を調べることによって検討した。認知的不協和に直面した人は自身の態度を変化させるが,自己肯定化や自己評価維持システムなど,他の自己肯定感維持方略によって自己肯定感を修復すると態度を変化させる度合いが縮小することが明らかになっている。そこで,強制承諾場面での態度変化の程度を自己肯定感修復の指標とした。初めに強制承諾の手続きとして反態度意見の作成を求めた後,高合意性情報の有無によって合意性認知の程度の操作を行った。参加者の態度は,実験の最初と最後に測定した。その結果,高合意性情報を与えられた人は,そうでない人に比べて態度変化が小さかった。また,この効果は高合意性情報が不協和と関連が無い場合には,関連が有る場合ほど顕著にはみられなかった。以上から,脅威との関連の有無によって効果に違いはみられるが,自己脅威状況において合意性を高く認知すると自己肯定感が維持されることが示唆された。
著者
小松 智希 成澤 和志 篠原 歩
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2012-GI-28, no.8, pp.1-8, 2012-07-06

探索空間が非常に広く,評価関数が作りにくいゲームにおいて行動決定を行う手法にモンテカルロ法があり,囲碁や大貧民などのゲームに対して有効な手法であることがわかってきた.しかし,麻雀のように探索空間全体に対して得点が得られる組み合わせが少ないゲームでは,モンテカルロ法は報酬を得ることができるプレイアウトの回数が少ないため,十分な効果を発揮することができない.本論文では,麻雀におけるモンテカルロ法の非効率性を実験的に検証する.また,プレイアウトにおいて効率的に報酬を得ることができる手法を提案し,モンテカルロ法と比較することで実験的に有効性を示す.
著者
海津 純平 成澤 和志 篠原 歩
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.172-178, 2015-10-30

多人数不完全情報ゲームの一つである麻雀は,他プレイヤとの状況に応じて戦略を変更することが重要である.例えば,自分が大きく点差をつけられ順位が低いときは得点の高い役を狙う戦略が,自分がトップのときはゲームを早く終了させるための戦略が有効な戦略とされる.本論文では,プレイヤの戦略として捨てる牌の選択だけに着目するため,他プレイヤを排除した一人麻雀を考え,一人麻雀に対して一つのパラメータを変更することで打ち方を変えることができる手法を提案する.提案する手法は,小松らが提案したモンテカルロ法を改良した手法を基にしており,プレイアウトにおける報酬として,上がり点を高くするための評価指標と早上がりをするための評価指標の二つを組合せたものを用いている.また,計算機実験によって,計算時間および,上がり率,平均点数,上がった時の平均点数,平均上がり巡目に対する評価を行う.
著者
大川 貴聖 吉仲 亮 篠原 歩
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.50-55, 2017-11-03

人狼ゲームで勝利するためには,各プレイヤの役職を推定することが重要である.先行研究では,サポートベクターマシンを用いて人狼を推定する手法が提案された.本論文では,先行研究を基に,深層学習を用いて役職を推定するエージェントを提案する.学習で使用する特徴を増やし,学習モデルをサポートベクターマシンから多層パーセプトロンに変更した.また,計算機実験において,過去の人狼知能大会のエージェントと対戦し,その勝率と推定精度に対する評価を行った.その結果,提案手法が有効であることを確認した.