著者
江原 由美子
出版者
日本法社会学会
雑誌
法社会学 (ISSN:04376161)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.56, pp.150-165,278, 2002

Until 1980s', the argument that women have rights to control their own fertility-so called women's rights to choose-had been what many feminists can be agreeable to, which is not necessarily true in some cases today. These cases are relevant to the fact that the developments of Assisted Reproductive Technology after IVFs, or in vitro fertilization, caused different problems since the anxiety that the argument for women's rights to choose might have an effect on encouraging Assisted Reproductive Technology after IVFs in its development and pervasion is spreading over feminists.<br>This article aims to analyze the reasons why the argument for women's rights to choose has an effect on encouraging Assisted Reproductive Technology after IVFs in its development and pervasion if it really has. And I'd like to prove that one of the reasons consists in a concept of a body which attributes reproduction to women's responsibility.
著者
林 和弘 餌取 直子 武内 八重子 中原 由美子 伊勢 幸恵 新岡 美咲 直江 千寿子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第11回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.155-158, 2014 (Released:2014-11-17)
参考文献数
7

学術電子ジャーナルの進展は、従来の出版者と図書館の関係にも大きな影響を与え始めており、図書館が機関リポジトリ構築を推進することによって、これまで情報の受け入れを主としていた図書館の関係者が積極的に情報発信に関わるようになった。「三大学連携機関リポジトリ研修」の成果として、お茶の水女子大学、千葉大学、横浜国立大学の三大学に加えて筑波大学の機関リポジトリから発信される学術情報を分析した結果、大学ごとの特徴が現れた。
著者
溝尾 良隆 菅原 由美子
出版者
The Human Geographical Society of Japan
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.300-315, 2000-06-28 (Released:2009-04-28)
参考文献数
32
被引用文献数
6 4

The purpose of this paper is to clarify how and why the conservation of Kurazukuri buildings increased the number of tourists and re-vitalized a shopping street in Kawagoe City, Saitama Prefecture.Kawagoe City is located about 30 Kilometers from the central part of Tokyo with a population in 1998 of 324, 879. Ichibangai Street was planned as an area for craftsmen and merchants about 300 years ago. Since then, Ichibangai Street continued to be the center of commerce in Kawagoe City. However, the center of commerce in Kawagoe moved to the south of the city in the early 1960s. This is mainly because Japanese National Railways and three private railways built terminals there, and supermarkets and department stores moved to or were newly-opened nearby. As a consequence, commercial activities in Ichibangai Street declined.Fortunately, a lot of Kurazukuri style warehouses, houses, and stores with their invaluable historical heritage remained as the original buildings. These buildings were constructed to make them fire-proof structures after the great fire of 1893. Following the advice of external architects, the local administration and the inhabitants have become deeply committed to the conservation of these buildings.The local administration took the following steps: 1) providing a subsidy for the restoration of buildings; 2) enforcing landscape regulations; 3) constructing small parks along the street; 4) laying a more attractive pavement; and 5) burying the electric power lines.Inhabitants of Ichibangai Street organized the Kura-No-Kai (Association of Kurazukuri buildings) for the re-vitalization of commerce and conservation of Kurazukuri buildings. One more important action by the inhabitants was to design the Machinami Kihan (Standards for House Conservation) which is applied in the case of house restoration.Today, many tourists visit Ichibangai Street with the number of people visiting Kawagoe amounting to 3.5 million persons per year. Visitors to the Kurazukuri Museum, for example, increased 3.6 times between 1982 and 1997. Tourists make up nearly 100per cent of the customers at shops in Kashiya Yokocho Street and tourists make up at least half of the customers at almost 40per cent of the shops in Ichibangai and Kanetsuki streets. Between 1975 and 1997, almost 60per cent of the shops changed their function, with restaurants and coffee shops for tourists especially increasing in number.A large increase in consumption by tourists has resulted and shops and bustling streets have been re-vitalized. It follows that the inhabitants gained in confidence to conserve the Kurazukuri buildings and to maintain a landscape featuring a row of well-conserved buildings.
著者
高橋 ともみ 久保 克弘 篠原 由美子 野沢 桃世 吉崎 美紗 早川 博章 岡 夏樹 西崎 友規子
雑誌
2016年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集 (ISSN:1884197X)
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016-09-16

本研究は人とエージェントがより良い関係を築くことを目的に、ミラー(同調)効果に着目し、人がエージェントに対して親しみを感じるのに適した同調の割合を調査した。また、個人差を考慮して視点取得による検討も併せて行った。
著者
小原 由美子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.8-21, 2002

ニコルソン・ベイカー著『ダブル・フォールド』は,議会図書館はじめ多くの米国の図書館が,19世紀後半以降の新聞原紙をマイクロフィルム化後廃棄していることに端を発し,図書館の資料保存政策全般を痛烈に批判した書である。マイクロフィルム化・デジタル化よりも現物資料の保存を最優先するよう訴えるベイカーに対し,図書館側は,資料の内容保存と利用者の利便性を考えると,媒体変換は必須であると反論した。その一方,図書館情報資源振興財団(CLIR)は「図書館資料の現物保存タスクフォース」を公表して現物資料の重要性を見直す提言を行った。日本でも書庫不足により現物資料廃棄を行わざるをえない状況にあるが,国立大学図書館協会や医学図書館協会では,廃棄基準の設定や資料の共同収集・分担保存に取り組みつつ,国立保存図書館の設立を模索している。
著者
江原 由美子
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.553-571, 2013

本稿の主題は, 現代フェミニズムと家族との関連性を考察することである. まず, 第1に, 現代フェミニズムの家族に関する主要な論点を明らかにする. それは「家族の否定」ではなく, 「性別分業家族」批判であった. 「性別分業家族」においては, 女性の過重な家庭内役割のゆえに, 女性の経済的自立が困難だったからである. 次に, 現代フェミニズムの家族批判の根底にある公私分離規範に関する論点を, 「家族領域」を社会から切り離す公私分離規範批判と, 女性の「身体の自由」権を認めない公私分離規範批判の, 2点で把握し, それらがいずれも, いわゆる「近代家族」への批判につながることを示す. この観点から「近代家族」類型を位置づけると, 「近代家族」とは, 女性の人権を認めない前近代的要素を含んでいる家族類型と位置づけることができる. 最後に, 現代フェミニズムの公私分離規範批判から導かれた論点に関連する家族変動要因を, ハビトゥスの水準と, 社会制度的水準において把握し, 「ジェンダー秩序論」の視点から, 「これからの家族」を考える.
著者
七沢 潔 原 由美子
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.42-70, 2018

2017年、NHK放送文化研究所は北米の4つの大学でNHKのアーカイブ番組を使った実験授業を行った。対象はアメリカのプリンストン大学、ハーバード大学、ダートマス大学、カナダのトロント大学の学生136名。「東京大空襲」「満州国」「アメリカの日系人部隊」など戦争に関係した番組や、「サラリーマンのランチタイム」や「東京多国籍街の八百屋」など日本の現在の生活や風俗を伝える番組、「サイボーグ型ロボット開発者」の人間ドキュメントなどが、学生と教員にだけ限定的にネット配信され、学生たちはそれを事前に視聴して授業に臨み、教員のリードで活発な議論が行われた。その結果、少なくとも3つの目的でNHKの番組がアメリカの大学でテキストとして待望されていることがわかった。 1)日本について学ぶことに役立つ 2)日本語学習に役立つ 3)世界共通の社会問題の理解に役立つ 当初日本を研究する知日派の大学教員の授業に役立てば、との観点で始めた実験授業だが、2)、3)のようなより幅の広いニーズの存在に気づかされ、NHK番組の国際発信を活性化する端緒となる可能性も見えた。実験授業の概容を、視察結果を中心に学生のアンケート調査結果を交えて報告し、番組の教育用配信の事業化の現在と未来についても考える。
著者
中原 由美子
巻号頁・発行日
2018-09-21 (Released:2018-09-26)

平成30年度国立大学図書館協会東京地区協会・関東甲信越地区協会合同フレッシュパーソンセミナー, 平成30年9月21日(金), 東京大学総合図書館 会議室1
著者
中原 由美 柳 尚夫 相田 一郎 城所 敏英 本保 善樹 中本 稔 中里 栄介
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.409-415, 2016

<p><b>目的</b> 平成26年4月に改正精神保健福祉法が施行された。全国保健所長会においては,さまざまな方法で,保健所に対し,改正法への取り組みを促してきた。</p><p> 26年度地域保健総合推進事業全国保健所長会協力事業においては,保健所の取り組みの普及を目的としたガイドラインを作成するために,改正法施行後の保健所の取り組み状況や課題について実態把握を行った。</p><p><b>方法</b> 対象は全国の490保健所で,平成26年10月~12月に,26年度地域保健総合推進事業全国保健所長会協力事業として,全国保健所長会一斉電子メールを使って調査を実施した。調査内容は,管内に精神科病院がある保健所については,全国保健所長会が提案した保健所が取り組む具体的項目を踏まえ,退院支援委員会の参加状況や精神科病院実地指導の状況,また保健所に提出されている入退院届や入院診療計画書等を活用して,管内精神科病院の新規医療保護入院患者の状況や退院支援委員会の開催状況等についてとした。管内に精神科病院のない保健所については,退院支援委員会への参加状況等についてとした。</p><p><b>結果</b> 回答保健所数は281か所(回答率57.3%)であった。管内に精神科病院がある253保健所では,退院支援委員会の開催状況を全く把握していない保健所が38.7%あった。退院支援委員会へは,開催状況を把握している131保健所の71.0%が参加していなかった。保健所等の退院支援委員会への参加について,病院への働きかけは,63.6%が行っていなかった。</p><p> 253保健所から回答を得た855の精神科病院については,26年4月から9月末までの新規医療保護入院患者の推定入院期間で1年以上と記載があったものが1.6%あった。そのうち認知症患者でみた場合,1年以上が2.6%あった。26年4月から9月末までの新規医療保護入院患者における9月末までに医療保護入院を退院となった患者の処遇については,自宅が42.1%,その病院での入院継続が21.7%であった。</p><p> 管内に精神科病院のない28保健所では,退院支援委員会へは82.1%が参加していなかった。保健所等の退院支援委員会への参加について,病院への働きかけは,64.3%が行っていなかった。</p><p><b>結論</b> 改正法における保健所の役割として,入退院届等を活用した管内精神科病院の現状把握,退院支援委員会への参加,実地指導への積極的な関与,推定入院期間「原則1年未満」の徹底,入院継続患者の情報把握および地域移行の推進に向けた保健所の関与が必要であると考えられた。</p>
著者
江原 由美子
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.54-69, 1981-12-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
55

シユッツのレリヴァンス概念は、彼の理論において重要な位置を与えられている。だがその理解は非常に困難である。おそらくその一因は、彼が文脈によって意味を変えて使用していることにあると思われる。この観点から本稿では第一にレリヴアンス概念の多様な文脈を整理する。次に、従来のシユッツのレリヴァンス概念についての解釈を手がかりに、レリヴァンスの意味が、 (1) 個人が選択された側面に帰属する属性、 (2) 個人の選択機能、又は選択する作用、 (3) 類型や知識の関連性という相異なる三様に解釈できることを示す。さらにレリヴァンス (体糸) の共有という論点においても、シユッツの記述に矛盾が見出せることを示す。次にレリヴァンスの問題とは何かを考察し、それが、自然的態度においてはけっして問われない、常識的思考そのものを成りたたしめている諸前提を明らかにするという問題であったことを把握する。しかしシユッツがそれを論じる視点は一様ではなく、 (1) 現象学的反省の視点、 (2) 観察者の視点という相異なる視点から考察していたのだと考えられる。ここから先に述べたレリヴァンス概念の三様の解釈の意義を明らかにする。すなわち、彼は、 (1) 日常生活者の視点、 (2) 現象学的反省の視点、 (3) 観察者の視点という三視点のそれぞれに応じてレリヴァンス概念を別の意味で使用したという仮説を呈示する。以上の考察に基づき、レリヴァンス問題の特異性を論じた上で、レリヴァンス論の継承方向を検討する。