著者
中沢 允伸 吉田 兼紀 小門 宏 井上 英一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.137-142, 1971-02-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
7
被引用文献数
3

ホトクロミズムを示すスピロピランは, 溶液中あるいは高分子フィルム中で光発消色をくり返すに従い, その発色種の飽和濃度値が次第に減少してくる (疲労) ことを見出した。疲労は発消色をくり返さずとも, 紫外光を連続的に照射し続けても生じたが, この両者の疲労現象は必ずしも同一のものではない。ここではこの疲労現象を取り上げ, これに及ぼす種々の影響因子ならびにその原因を検討した。温度効果, スペクトル変化, その他の実験結果から, 疲労には少くとも2種類の過程が存在することがわかった。一つはスピロピランの無色種が関与しているもの, 他の一つは発色種が関与しているものであり, 前者の過程が支配的であった。また溶液中での測定結果から, スピロピランの分子間距離が小さいほど疲労は促進され, したがって疲労はスピロピラン分子間の相互作用により生じるものと考えられる。また高分子中での疲労はフィルム中に残存する残留溶媒によっても大きく影響され, その他マトリックスの種類, スピロピラン濃度などにも影響された。また溶液中では溶存酸素を除去すると疲労は促進された。
著者
吉田 広
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.185, pp.239-281, 2014-02-28

水稲農耕開始後,長時間に及んだ金属器不在の間にも,武器形石器と転用小型青銅利器という前段を経て,中期初頭に武器形青銅器が登場する。一方,前段のないまま,中期前葉に北部九州で小銅鐸が,近畿で銅鐸が登場する。近畿を中心とした地域は自らの意図で,武器形青銅器とは異なる銅鐸を選択したのである。銅鐸が音響器故に儀礼的性格を具備し祭器として一貫していくのに対し,武器形青銅器は武器の実用性と武威の威儀性の二相が混交する。しかし,北部九州周縁から外部で各種の模倣品が展開し,青銅器自体も銅剣に関部双孔が付加されるなど祭器化が進行し,北部九州でも実用性に基づく佩用が個人の威儀発揚に機能し,祭器化が受容される前提となる。各地域社会が入手した青銅器の種類と数量に基づく選択により,模倣品が多様に展開するなど,祭器化が地域毎に進行した。その到達点として中期末葉には,多様な青銅器を保有する北部九州では役割分担とも言える青銅器の分節化を図り,中広形銅矛を中心とした青銅器体系を作り上げる。対して中四国地方以東の各地は,特定の器種に特化を図り,まさに地域型と言える青銅器を成立させた。ただし,本来の機能喪失,見た目の大型化という点で武器形青銅器と銅鐸が同じ変化を辿りながら,武器形青銅器は金属光沢を放つ武威の強調,銅鐸は音響効果や金属光沢よりも文様造形性の重視と,青銅という素材に求めた祭器の性格は異なっていた。その相違を後期に継承しつつ,一方で青銅器祭祀を停止する地域が広がり,祭器素材に特化していた青銅が小型青銅器へと解放されていく。そして,新たな古墳祭祀に交替していく中で弥生青銅祭器の終焉を迎えるが,金属光沢と文様造形性が統合され,かつ中国王朝の威信をも帯びた銅鏡が,古墳祭祀に新たな「祭器」として継承されていくのである。
著者
内野 泰伸 亀谷 恭子 六人部 隆夫 近藤 雄基 吉田 一朗 相原 建人 平野 元久
出版者
法政大学理工学部・生命科学部
雑誌
法政大学理系学部研究集報 = Bulletin of the Science Faculties, Hosei University (ISSN:21888507)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.79-85, 2019-04

本報告では機械工学科PBL授業を紹介するとともに,工学分野の他大学におけるPBL関連の授業との調査し比較検討を行った結果を報告する.また,授業改善への取り組みとして自由記述式感想文の計量テキスト分析を行い,分析結果から教育効果の定量的な測定やPBL授業改善に必要な項目の抽出を試みた結果を報告する.
著者
岡本 道孝 北本 幸義 吉田 輝 大野 進太郎 岡村 昭彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.158-173, 2020

<p> ジオテキスタイルを始めとする面状補強材(シート材)を軟弱地盤の表面に敷設して地盤を補強する表層安定処理工法がある.筆者らは筒状織物にモルタルを充填して形成する補強材(ジオジャケット)を格子状に配置し,これによってシート材を補強する格子状補強シートを用いた表層安定処理工法を新たに開発した.従来のシート材を用いた表層安定処理工法では局所荷重によるシート材の破断が課題となっていたが,新工法ではジオジャケットの曲げ剛性によってそのリスクを軽減できる.また当シート上に施工された覆土層は,格子枠のせん断変形抑制効果によって従来のシート材を用いる場合より高い支持力を発揮できる.本報では,この格子状補強シートを用いた表層安定処理工法の特徴と適用事例について述べる.</p>

1 0 0 0 OA 万国開化溯源

著者
吉田賢輔 編
出版者
北沢伊八
巻号頁・発行日
vol.初編, 1881

1 0 0 0 OA 物理訓蒙

著者
吉田賢輔 訳
出版者
吉田賢輔
巻号頁・発行日
vol.上編, 1872

1 0 0 0 OA 近世史談

著者
吉田賢輔, 須藤時一郎 述
出版者
共立舎
巻号頁・発行日
vol.初篇 1, 1872

1 0 0 0 OA 大日本貨幣史

著者
吉田賢輔 等編
出版者
大蔵省
巻号頁・発行日
vol.1.2, 1883
著者
粟田 昌良 岩野 伸也 谷沢 治勇 吉田 章吾 山県 欽弥
出版者
公益社団法人 日本鋳造工学会
雑誌
鋳物 (ISSN:00214396)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.948-957, 1960-12-25 (Released:2012-10-30)

The mechanical properties of the specified tensile test bars and of the stepped and L-secctioned castings in aluminum bronzes (JIS. AlBC 1, 2 and 3) were determined. Preferable gating systems to produce the stepped and L-sectioned castings without defects were examined with radiographic technique. The castings made under those of careful conditions have a little scatter of the mechanical properties interioly and have a slight fall in the properties even in the heavy section.
著者
吉田 崇裕 久野 遼平 大西 立顕
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:21888779)
巻号頁・発行日
vol.2019-NL-241, no.6, pp.1-8, 2019-08-22

トピックモデルは自然言語処理を始めとして多くの分野で用いられる手法である.トピックモデルの基本形である Latent Dirichlet Allocation (LDA) の提唱後,様々な LDA の改良モデルが提案されてきた.例えば Correlated Topic Model (CTM) は LDA が文書中のトピック間の相関を十分に考慮できない点に注目したモデルであり,汎化性能が向上すると報告されている.Gaussian LDA は LDA が単語間の意味的な近さを十分に考慮できない点に注目したモデルであり,トピックの意味一貫性が向上すると報告されている.両者を組み合わせた Correlated Gaussian Topic Model (CGTM) と呼ばれるモデルは上記二つの欠点を同時に補うのみならず,単語の埋め込み空間上でトピックの相関構造を可視化することができ革新的である.しかし,文書内におけるトピックの関係性は,CGTM が対象とする単純な相関構造だけで表現できるものではない.実際日常生活においても,例えば 「経済」 - 「金融政策」 - 「出口戦略」 のように話題の階層性を意識し会話をすることは多々ある.そこで本稿では階層的トピックモデルとして最も単純な PAM (Pachinko Allocation Model) とGaussian LDA を組み合わせたモデルを提案することで,トピックの階層構造を単語埋め込みベクトル空間上で分析する一歩としたい.
著者
松田 浩一 高井 幸秀 吉田 耕作 西村 勝 松山 峯雄 澤田 泰明
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.544-552, 1995-05-31 (Released:2009-03-27)
参考文献数
6
被引用文献数
1 2

This paper describes about cutting stock scheduling system using simulated annealing method. The cutting stock problem is that of combinatorial optimization. The following functions are needed for the cutting stock scheduling system.1) Balance adjusting function for productivity, yield rate and delivery time.2) The results of scheduling have to satisfy constraint condition of coil cutting machine.3) There is time limitation for making cutting stock schedule. To overcome these problem, we realize new cutting stock scheduling system through following methods.1) Weights for each evaluated item are introduced and sum of these items are minimized by simulated annealing.2) The new neighborhood structure is developed for this problem which can satisfy constraint condition of coil cutting machine.3) The adjusting parameter for calculation time is newly introduced for Huang's annealing schedule, so that we can select best solution under the limit of calculation time.This cutting stock scheduling system is applied to plate plant and used as one of production planning system.
著者
大西 季実 吉田 裕美 藤井 美代子 鈴木 まさ代 伊東 美緒 高橋 龍太郎
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.101-107, 2010-01-15

はじめに 精神科では、自殺・事故防止の観点から、入院生活に何らかの制限が設けられていることが多い。病棟内に持ち込む日常生活用品を制限することもその1つである。制限される物品としては刃物やガラス製品、ベルト、電化製品のコード、耳かき、爪楊枝、毛抜き、割り箸など多岐にわたる。刃物など明らかに危険な物品については、マニュアルなどに明文化され対応が統一されていることが多いが、危険度が必ずしも高いとはいえない耳かき、毛抜き、爪楊枝、割り箸などの取り扱いについては、病院・病棟により規定が異なる上、看護者の判断によっても対応に違いが存在するのではないだろうか。 縊死に関連した日常生活用品の持ち込み制限に関する田辺らの調査においても、コード、ネクタイ、針金ハンガーなどは持ち込みを許可する病棟と許可しない病棟がそれぞれ半数ずつであり、看護者が異なる視点で判断している可能性を示唆している*1。病棟内においても看護者間の考え方や対応の相違により混乱が生じることは多々あり、特に精神科の臨床では日常的に遭遇する体験であるという*2。病棟内の看護者間において価値観そして実際の対応方法が異なる場合、患者に混乱をもたらし、そこで働く看護者を悩ませる要因にもなりうる。 過度な物品管理、不必要な制限は患者の依存や退行を引き起こし、自立の妨げになる可能性があり、病棟生活を送る患者の生活の質(QOL)に影響を与えることが示唆されている*1。QOLや人権に配慮しすぎると事故の危険が高まる*3ものの、事故防止を優先しすぎると日常生活を送る上で不都合が生じる。看護師が事故防止を優先するのか、QOLを優先するのかによって日常生活用品の持ち込みの判断に影響が生じると予測される。 そこでこの研究では、①病棟内への日常生活用品の持ち込み制限と優先傾向(事故防止・QOLのどちらを優先するのか)との間には関連があるのか、②看護者のバックグラウンドと優先傾向との間に関連があるのかの2点を明らかにすることを試みた。
著者
奥野 隆司 井上 拓也 吉田 希 仲野 剛由 西岡 拓未 石黒 望 一杉 正仁
出版者
一般社団法人 日本交通科学学会
雑誌
日本交通科学学会誌 (ISSN:21883874)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.24-31, 2018 (Released:2019-12-21)
参考文献数
18

失語症患者において自動車運転再開に必要な言語能力を明らかにすること、失語症患者に対する効果的な運転支援策を明らかにすることを目的に、脳卒中後の失語症患者で運転再開に至った6症例を検討した。失語症の検査として、Standard Language Test of Aphasia(SLTA)を実施した。神経心理学的検査として、Mini Mental State Examination(MMSE)、Trail Making Test(TMT)-AおよびB、Kohs立方体組み合わせテストを実施した。運転の評価・訓練には、簡易ドライビングシミュレーター(DS)を用いた。SLTAにおいて文字認識・理解は全6人で良好であった。一方、6人全員が減点されたのは「口頭命令に従う」・「語の列挙」であった。神経心理学的検査では、MMSEで基準値を下回った者が3人、TMT-Bを完遂できなかった者が1人であった。DSでは、訓練当初から運転能力にほぼ問題のなかった者が3人、訓練当初は運転能力に問題はあったものの徐々に改善がみられた者が3人であった。失語症の検査で文字認識・理解の程度を把握することは重要である。そして、失語症患者では、神経心理学的検査だけで運転再開の可否を判断することは困難であり、DSを用いた運転評価及び訓練が有用であった。失語症患者では、神経心理学的検査や文字認識・理解の程度を評価したうえで、DSを用いた運転能力の評価と訓練を継続的に実施することが重要である。

1 0 0 0 OA 1けい光の理論

著者
吉田 善一
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.17, no.7, pp.871-878, 1968-07-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
29