著者
吉田 豊
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.854, pp.28-30, 2020-05
著者
中橋 史衡 田中 周 武藤 友和 吉田 真一 佐藤 貴子 鈴木 敬二 森豊 浩代子 鈴川 活水
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.E-171_1-E-171_1, 2019

<p>【はじめに・目的】</p><p>乾,山口,實はChungらによる被殼出血症例の出血部位を血管支配領域別に分けた6分類を用いて,それぞれ回復期病棟,急性期病棟の独歩獲得率を調査している.しかし,同分類と被殻出血症例に対する装具処方の関連を調査した報告はみられない.今回被殼出血症例における当院退院時の独歩獲得率及び装具処方との関連を各部位間で調査し先行研究との比較検討を行った.</p><p>【方法】</p><p>2011年~2018年の間に入院した被殻出血患者87名を対象とした.男性56名,女性31名,年齢平均58.52(±12.59)歳,損傷側は左側36名,右側51名であった.既往歴に脳血管疾患や整形外科疾患を有する症例は除外した.急性期頭部CT画像と回復期入院 時頭部CT画像(撮影日:発症後平均25±11日)を用いて出血位置を確認しChungらが報告している6タイプ(前方タイプ,中間タイプ,後内側タイプ,後外側タイプ,外側タイプ,大出血タイプ)に分類した.退院時Functional Independent Measure(以下;FIM)移動項目1-5点を独歩不可能群,6-7点を独歩可能群とし,独歩獲得率を求めた.各タイプの割合,年齢平均,独歩獲得率,退院時FIM移動項目およびFIM認知項目の点数,BRS,内包後脚への進展の有無を比較した.統計学的解析はJ-STATを用い,独立した多群の差の検定としてKruskal Wallis検定を行い,多群比較としてscheffe法を行った.有意水準はいずれも p<0.05とした.</p><p>【結果】</p><p>分類別の症例数は前方タイプ3名(3.4%),中間タイプ7名(8.0%),後内側タイプ2名(2.0%),後外側タイプ30名(34.4%),外側タイプ21名(26.4%),大出血タイプ22名(25.2%).各タイプでの年齢・性別の有意差なし.独歩獲得率(装具処方)は前方タイプ100%(処方なし),中間タイプ100%(処方なし),後内側タイプ100%(処方なし),後外側タイプ93.3%(AFO43.3%,KAFO23.3%),外側タイプ90.4%(KAFO9.5%),大出血タイプ54.5%(AFO13.6%,KAFO86.3%,その他9.0%).大出血タイプにて有意に独歩獲得率およびBRSの低下が認められた.内包後脚への進展は後外側タイプ,大出血タイプにおいて有意にみられ,この両タイプ間の比較では大出血タイプに有意な進展を認めた.</p><p>【考察】</p><p>山口によると独歩獲得率は後外側タイプにて50%,大出血タイプにて13.4%と有意に低下しているとされるが当院では大出血タイプのみに有意な低下が認められた.また,当院での独歩獲得率は後外側タイプ93.3%・大出血タイプ54.5%と先行研究に比べ良好であった.当院では発症から回リハ病棟入棟までの入棟期間が短く(平均25±11日),また当院入院後比較的早期の装具処方(平均11.3±18.5日)と起立訓練の実施により積極的な立位・歩行訓練を実施している.実際に大出血タイプ症例の86.3%に早期にKAFOが処方されておりこれらが良好な独歩獲得率に寄与した可能性が示唆される.タイプ別の装具処方数については内包後脚および放線冠への進展がみられやすい後外側タイプ,大出血タイプにおいて多くの装具が処方されたことが考えられる.</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究はヘルシンキ宣言の基準に従い、データは研究以外の目的には使用せず、個人が特定されないよう匿名化した。また当院の規定に基づき個人情報の取り扱いには十分配慮して行った。</p>
著者
吉田 保志子 百瀬 浩 山口 恭弘
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.56-66, 2006 (Released:2007-07-06)
参考文献数
32
被引用文献数
2 2

茨城県南部の農村地域において, 繁殖に成功した場合の平均巣立ち雛数はハシボソガラスで2.37羽, ハシブトガラスで2.62羽であった. 繁殖成否不明のつがいを除外して算出した, 繁殖に成功したつがいの割合はハシボソガラスで76%, ハシブトガラスで87%であった. 両種とも季節が遅いほど1巣あたりの巣立ち雛数が少なかった. 巣周辺の植生・土地利用および他のつがいの存在が巣立ち雛数に及ぼす影響を一般化線型モデルによって解析したところ, ハシボソガラスでは隣のハシブトガラス巣との巣間距離が長く, 巣周辺の採餌環境の面積割合が高く, 隣のハシボソガラス巣との巣間距離が短い場合に巣立ち雛数が多かった. 一方ハシブトガラスでは, 今回の解析からは巣立ち雛数を説明する有効なモデルは構築できなかった. 異種間の平均巣間距離361mは, ハシボソガラス間の410mとハシブトガラス間の451mのいずれと比べても短かった. これはハシブトガラスでは隣接する場所に営巣するハシボソガラスの存在が繁殖に大きな影響とならず, 繁殖開始時期が遅いために, 既に営巣しているハシボソガラスの位置に構わずに巣を作ることが理由である可能性がある.
著者
尾山 公一 山田 智美 伊藤 大輔 渡邉 紀之 関口 由紀子 鈴木 昌子 近藤 忠雄 吉田 久美
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集 57 (ISSN:24331856)
巻号頁・発行日
pp.PosterP61, 2015 (Released:2018-10-01)

【緒言】我々は、アジサイの花色変異の現象に興味を持ち研究を行っている。一細胞分析により、アントシアニンのdelphinidin 3-O-glucoside (1)が、助色素(5-O-caffeoylquinic acid (neochlorogenic acid (2))、5-O-p-coumaroylquinic acid (3)、3-O-caffeoylquinic acid (chlorogenic acid (4))の組成比、液胞pH、及びAl3+量の違いによって多彩に赤から紫、青に発色をすることを明らかにした (Figure 1) 1-3。アジサイの青色は、pH 4の条件下、1、2または3及びAl3+を混合すると再現できることがわかった4,5。この青色色素は、水溶液中だけで安定に形成される金属錯体で、ツユクサなどに見いだされた自己組織化超分子金属錯体色素(メタロアントシアニン)とは全く異なる性質を持つ非化学量論量の分子会合錯体である。これまで、結晶化の成功例はなく、1H NMRスペクトルもブロードで複雑なため、構造は今も不明である。本研究では、5-O-アシル化キナ酸類の効率的合成方法を新たに開発した。次に、合成した助色素を用いて青色色素を再構築し、解析可能なNMRスペクトルを得ることに成功した。【5-O-アシル化キナ酸類の効率的合成法の開拓】従来の2と3の合成4-6では、1位のカルボン酸の保護基にメチル基を用い、アシル基のフェノールの保護基にアセチル基を使用しているために、最終ステップの脱保護反応で競争的脱アシル化反応とアシル転移が起こり、収率が著しく低かった。また、5位へのエステル化は酸クロリドを用いていた。そこで、合成経路を見直し、1位のカルボン酸の保護基としてPMB基を持つキナ酸誘導体5を新たに分子設計して、Scheme 1に示すように(–)-キナ酸 (4) から5段階79%で合成した。5の5位アキシアルヒドロキシ基へのアシル化反応は、遊離カルボン酸にTsClとN-メチルイミダゾール (NMI)を加えてアシルアンモニウム中間体を生成させて、そこへアルコールを反応させる田辺法7を検討した。i-Pr2NEtの添加によりアルコールとカルボン酸の求核性が上がり収率が向上した(Scheme 2)。また、アンモニウム中間体の生成と同時にアルコール5が本中間体をトラップすることを目指してNMIを最後に加えた。その結果、収率はさらに向上した(Scheme 2)。この改良法を用いてp-クマル酸やコーヒー酸などの種々の遊離カルボン酸のエステル化反応を行い、72–94%の高収率で6-12を得た (Scheme 3)。得られたアシル体6-11の脱保護反応を検討した(Table 1)。芳香環部分に酸素原子のない6-9では、いずれも高収率(79-87%)で目的のアシル化キナ酸を得た。しかし、フェノール性ヒドロキシ基をMOM保護した10と11では、収率は40%以下と低かった。種々検討した結果、BCl3/C6HMe5を作用させると高収率(69,73%)で脱保護体が得られた 8。これらにより、市販のキナ酸(4)から7段階、通算収率45–60%で種々の5-O-アシル化キナ酸類の合成を達成した9,10。【アジサイ青色金属錯体色素の化学構造】合成した助色素類を用いて、アジサイ萼片の青色再現実験と得られた溶液の可視吸収スペクトル、円二色性、およびNMR分析を行った。これまでの知見により1-5、(View PDFfor the rest of the abstract.)
著者
吉田 真美 内田 優 吉田 佑美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成18年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.19, 2006 (Released:2006-09-07)

[目的]ショウガはプロテアーゼ活性を有するため肉への軟化作用があるとされ、また6-ジンゲロールなどの抗酸化物質を多種類有することにより抗酸化作用をもつことが報告されるなど、その機能性が評価されている食品である。しかし、その簡便性ゆえに一般に普及している市販のチューブ入りショウガ、瓶入りショウガや粉末ショウガなどのショウガ関連商品についての報告はほとんどない。そこで、これらの商品の抗酸化性とプロテアーゼ活性ついて測定し、生ショウガと比較した。[方法]生ショウガはおろして使用した。それぞれの商品の水分を測定して、水分量を一定に調製した後、豚ひき肉に対する抗酸化性をTBA法で測定した。 また、試料を遠心分離して上清を得て、Sephadex G25を用いてゲル濾過クロマトグラフィーを行った。各溶出各分の280nmにおける吸光度を分光光度計で測定、たんぱく量をLowry法で測定、プロテアーゼ活性をカゼインを基質をして測定した。[結果]チューブ入りショウガ、瓶入りショウガは抗酸化性を有したが、生ショウガに比べてその機能はごく弱かった。粉末ショウガは、生ショウガの約半分の抗酸化性を示した。 プロテアーゼ活性については、チューブ入りショウガ、瓶入りショウガにはたんぱく質自体が存在せず、活性は全く無かった。粉末ショウガには若干の活性が認められた。これらの結果から、粉末ショウガにはある程度の機能が認められたが生ショウガには劣り、生ショウガの機能性が最も高いことが確認された。
著者
太田 和希 九鬼 靖太 奥平 柾道 吉田 拓矢 前村 公彦 谷川 聡
出版者
The Japan Journal of Coaching Studies
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.145-159, 2020-03-20 (Released:2020-06-11)
参考文献数
38

This study aimed to clarify the step variables and three-dimensional joint kinematics of the pelvis while increasing running speed on a treadmill. Sixteen male track and field athletes ran on an instrumented treadmill at three different running speeds: 4.0, 6.0, and 8.0 m/s. The step variables, such as step frequency, step length, contact time, and flight time, and the kinematic data of each running speed were recorded using a high-speed video camera (300 fps) and a Vicon T20 system (250 Hz). In addition, the pelvic angular displacement (Δ) was calculated by subtracting the minimum from the maximum values of the pelvic angle in the stance phase. The results were as follows: (1) Stride length and step frequency were significantly greater at higher running speeds. Although contact time was significantly shorter at the faster speeds, flight time was significantly shorter when transitioning from 6.0 to 8.0 m/s and from 4.0 to 8.0 m/s. (2) The pelvis of the swing leg side elevated from toe off to early half of swing phase with increasing running speeds. In addition, the pelvis of the stance leg side rotated to the swing leg side from mid stance phase to toe off with increasing running speeds. (3) Δelevation showed a significant negative correlation with step frequency but a significant positive correlation with stride length for each running speed. In addition, Δrotation showed a significant positive correlation with step frequency but a significant negative correlation with stride length at 8.0 m/s.     Therefore, increased pelvic elevation improves the stride when transitioning from a low to high speed, and increased pelvic rotation leads to a higher step frequency during the stance phase when running at 8.0 m/s. In addition, it was suggested that it is necessary to run at minimum 8.0 m/s for the pelvis to behave differently compared with running at slower speeds to learn the high speed running movement.
著者
上堀 美知子 石井 善昭 長谷川 敦子 吉田 寧子 鈴木 茂 今村 清
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.211-219, 2005 (Released:2005-05-27)
参考文献数
7
被引用文献数
3 1

液体クロマトグラフィー(LC/MS)を用いて化学物質を検索する際に必要なデータベースに取り込むべき基本的な情報として各物質のマススペクトル,保持時間及び分配係数(オクタノール/水)情報について検討した.化学物質管理促進法(PRTR)に指定された物質等から選択した153物質について,4社のLC/MS装置を用い,エレクトロスプレーイオン化(ESI)及び大気圧化学イオン化(APCI)法の2つのイオン化法,また正イオン(positive)及び負イオン(negative)モードの4つのモードで測定したマススペクトル情報を基にマススペクトルデータベースを構築した.マススペクトル情報はESI及びAPCIで得られるマススペクトルの擬分子イオン及びフラグメントイオンに差はほとんど見られないので,両者の区別はしないでpositive及びnegativeモードで構成することとした.保持時間情報については相対保持時間を測定するための標準的な測定方法を定め,o -クロロアニリンを指標物質とした相対保持時間を検索キーの1つとして収録することにした.また,オクタノール/水分配係数を検索キーの1つとして収録することにした.