著者
吉武 啓 政岡 適 佐藤 信輔 中島 淳 紙谷 聡志 湯川 淳一 小島 弘昭
出版者
九州病害虫研究会
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.145-150, 2001-11-15 (Released:2009-05-22)
参考文献数
15
被引用文献数
1 4

福岡市能古島でヤシオオオサゾウムシの発生を確認した。調査の結果,本種は現地において数年前から継続的に発生してきたと考えられた。ヤシの幹内温度は安定していたが,常に外気温よりも高いわけではなかった。また,低温処理実験によって突発的な寒波による短期間の低温では死滅しないということが示唆されたことから,寄主であるヤシ類さえ存在すれば,本種は従来の分布域より北方まで侵入・定着できる可能性が高いと考えられた。日本国内において,本種はこれまでに年平均気温15.8℃以上の地域で発生しているので,同一の温度帯に含まれ,しかも本種にとって好適な寄主植物であるカナリーヤシが植栽されている地域へは,今後,十分に侵入可能であると推測された。
著者
小島 弘道
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, 2004-03-30

現代の学校経営改革は戦後第3の改革と位置づけることができる.1956年に制定された地方教育行政法とそれに基づいて展開された各種の施策や指導によって形成された学校経営の秩序(「56年体制」)を変容ないしは転換したものとの認識である.そう言える根拠を見い出し,それを理論的に深める必要がある.他方,56年体制の変容どころか完成だとする理解もある.いずれにしても,学校経営の経営主体とマネジメントをめぐって展開されている議論である.さらに新しいタイプの公立学校の導入のための法的措置を平成15年中に行うことが閣議決定されている.この改革提言は学校経営改革がマネジメントの問題である以上にガバナンスの問題として定式化されてきていることを端的に示すものである.学校経営をガバナンスの問題として定式化することは,マネジメントの問題として定式化されてきた学校経営理論の文脈にどのようなインパクトもつものとなるのか.この問題は現在進行中の教育改革の意義を把握するうえで欠かすことの出来ないものであろう.我々は以上のことを学校のガバナンスとマネジメント問題としてとらえ,ガバナンスとマネジメントが56年体制と現代の改革ではどういうかたちをとっているか,またそれらのかたちの間の連続,非連続のかたちをどう描くかをテーマとしていきたいと考える.そのことを通して21世紀の学校ガバナンスとマネジメントの在り方をさぐっていきたい.
著者
小島 弘敬
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.545-550, 1996-07-15
被引用文献数
8
著者
小島 弘昭 荒谷 邦雄 吉富 博之 野村 周平 渡辺 泰明
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

伊豆諸島の甲虫相解明のため,研究の遅れていたゾウムシ上科,ハネカクシ科,水生甲虫類を対象に調査を実施し,固有3新種を発見した.また,遺存固有と考えられていたクワガタムシ科2種,ゾウムシ科1種について分子系統解析を行い,前2者は極最近,周辺地域に分布する近縁種から分化した種であること,ゾウムシについては人為的移入の可能性が示唆された.島としての成立年代が新しい伊豆諸島は,生息する固有種も起源的に新しい可能性が高いことが明らかとなった.さらに,甲虫相から見た伊豆諸島のホットスポットとして御蔵島がその候補となり,北伊豆諸島の利島もこれまで考えられていた以上に重要な地域であることが示唆された.
著者
明内 勝裕 伊香賀 俊治 伊藤 真紀 小島 弘
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.87, no.799, pp.579-587, 2022-09-01 (Released:2022-09-01)
参考文献数
26

Physical activity contributes to a variety of health benefits. Therefore, preventing sedentary behavior is critical for the promotion of physical activity in people of all ages. This study was to clarify the relationship between sedentary behavior and the living environment. This study surveyed residents living in houses with adequate insulation performance. In the cross-sectional survey, we examined the relationship between living environment and sedentary behavior at the daily and individual levels, using multilevel analysis. In the intervention survey, we examined the relationship between changes in the indoor thermal environment and sedentary behavior by requesting the active use of heating.
著者
藤森 明 内藤 秀宗 宮崎 哲夫 徳小田 康秀 吾妻 眞幸 橋本 幸枝 上坂 正利 小島 弘栄 似鳥 嘉昭
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.157-160, 1997-02-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
8

3種のポリスルホン膜、PS-1.6UW、APS-150、BS-1.6を血液透析(HD)および血液透析濾過(HDF)に使用し、膜断面における蛋白付着状態を共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡で観察した。観察した蛋白は、アルブミン(Alb)、IgG、β2-microglobulin (β2-MG)、C3a、顆粒球Elastase、interleukin-1β、interleukin-6、tumor necrosis factor-αの8種類である。Alb、β2-MGは各膜ともHD、HDFで同様の強い蛍光が観察されたが、サイトカインの付着は各膜とも少なかった。緻密層の厚さや細孔構造の違い、表面polyvinyl pyrrolidone配合比率、電位の違いなどによると思われる、若干の差異を認めたものの、今回比較観察した3種類のポリスルホン膜では、これらの蛋白付着パターンに大きな違いを認めなかった。
著者
小島 弘昭 森田 正彦 小檜山 賢二
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲. ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.39-42, 2013-01-05

An image database of the Japanese weevils (excluding Scolytidae and Platypodidae), which was awarded the Akitu Prize 2008 by the Entomological Society of Japan, is introduced. The database site consists of the following eight pages: 1) home about the database; 2) comments on weevils; 3) image search; 4) text search; 5) collecting records plotted on Google Maps; 6) checklist; 7) images in nature, and 8) photo collage. The pages 3 to 8 are linked by a relationship with the keyword of the species name. Species information includes scientific and Japanese names, systematic position (family, subfamily, tribe and subtribe), distribution, host or collected plants, body length, synonym, notes, original description, collecting records and images including type specimens.
著者
小島 弘敬 高井 計弘
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.1237-1242, 1994-10-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
16
被引用文献数
4 2

咽頭, 直腸からの淋菌, C.tnchomatisの検出は, 分離培養では偽陰性, 非培養検出法では偽陽性の誤った結果を呈しやすく正診率がひくく, これまで臨床的知見の蓄積が少ない.各種の非培養検出法の咽頭, 直腸スワブを検体としての偽陽性反応の出現率を検討した.Gen-Probe Pace2®のみが他の非培養検出法と異なって, 咽頭, 直腸スワブを検体とする淋菌, C.trachomatisの検出について偽陽性が認められなかった.Gen-Probe Pace2®による淋菌生殖器感染症患者の淋菌陽性率は男子咽頭29.4%, 女子咽頭33.3%, 男子直腸0%, 女子直腸46.7%, C.tmchomatis生殖器感染症患者のC.tmckomatis陽性率は男子咽頭3.9%, 女子咽頭10.5%, 男子真腸0%, 女子直腸53.3%であった.淋菌, C.trachomatisの女子直腸炎は頚管分泌物の汚染による直腸への感染拡大と考えられ, C.trachomatisの咽頭感染合併率は淋菌に比してひくく, C.tmchomatisの咽頭感染性は淋菌よりひくいと考えられた.