著者
山口 真美
出版者
日本教師学学会
雑誌
教師学研究 (ISSN:13497391)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.1-10, 2021 (Released:2021-08-11)
参考文献数
30

本稿の目的は,保護者への共感的な教師の認識を成立させる要素を,情緒的地形の概念を援用して明らかにすることにある。保護者とどのような関係性を結ぶかは学校現場において重要な課題のひとつであるが,先行研究では教師は異なる社会経済的背景を持つ保護者に対して特に共感的な姿勢を示しづらいと言われてきた。しかし,対象校においては,学校の置かれた校区背景は厳しいにも関わらずそのような保護者に対しても共感的である語りが大勢を占めていた。ここに注目し,教師の保護者に対する共感的な理解を構成する要素についてインタビュー調査から検討した。その結果を「教師によるこまめで直接的なコミュニケーション」「形式的でないかかわり」「協力を依頼する際の目的の一致の確認」「教師の指導的立場の自覚とそれを緩和する配慮」として整理し,各学校で培われている実践が校区の社会経済的背景という所与の条件を乗り越えうることを示唆した。
著者
島田 玲子 山口 真希 木村 靖子 川嶋 かほる
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.114-120, 2013 (Released:2013-10-18)
参考文献数
21
被引用文献数
3

家庭内における味覚嗜好の伝承の実態を把握するため,4種に味付けしたひじき煮を用いて家族の嗜好の類似性を調査すると同時に,調査票による食生活調査を行った。69家族,277名の回答を検討した結果,おいしいと感じるひじき煮の親子間の一致率は,他人同士よりも高かったが,約半数の家庭では味覚嗜好が伝承していないことが判明した。嗜好の一致は,父子間,母子間ともに認められたが,母子間により強く認められた。三世帯同居家族内の親子の一致率は核家族内の一致率より低く,三世代同居家族の方が味覚嗜好が伝承しやすいとはいえないことが分かった。また,味覚嗜好が一致している親子と一致してない親子の食生活調査の結果を比較したところ,一致していない親子の方が市販の惣菜類への評価が高く,家庭外の味への慣れが,嗜好の伝承に負の影響を与えている可能性が示唆された。その他,味覚嗜好の自己評価や好きな食品などには,一致親子と不一致親子に差は見られなかった。
著者
山口 真一
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.24-32, 2018-06-20 (Released:2018-08-24)
参考文献数
21

本研究では,組織内外データ活用について実証分析を行う.分析の結果,自社データ活用率は36%,他社データ活用率は19%に留まることが分かった.さらに,「経営者がデータ活用を学ぶ」,「代表者を若い人とする」,「企業規模を大きくする」,「社員の自発的参加を促し,合理的管理をする」,「強制的,命令的な組織とし,データ活用をトップダウンで実行する」等の要素が,データ活用促進戦略として有効であることが明らかになった.
著者
岩崎 泰憲 小沢 修一 山口 真弘 山本 哲郎 橋本 兼太郎 麻田 栄
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, 1974-12-30

最近の6年間に,われわれの教室で切除が行われた転移性肺腫瘍は8例である.その内訳は絨毛性腫瘍2例(1例は6年2ヵ月,1例は3年8ヵ月生存中),骨肉腫(4年生存中),グラビッツ腫瘍,胃癌,子宮癌,後腹膜悪性間葉腫,ウイルムス腫瘍の各1例である。最近3回にわたって切除を敢行したウイルムス肺転移例をも経験した.われわれの転移性肺腫瘍に対する切除方針についてのべる.
著者
山口 真季子
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.145-156, 2012-06-30 (Released:2017-05-22)

Der Komponist Ernst Krenek hat mit den Pianisten Artur Schnabel und Eduard Erdmann, die oft in ihren Konzerten Schuberts Klaviermusik spielten, zur Neubewertung der Werke Schuberts beigetragen. Krenek hat mit "dem fanatischen Schubert Verehrer" Erdmann alle Lieder Schuberts durchforscht und ausserdem Schuberts unvollendete Klaviersonate in C-dur auf Anregung von Erdmann erganzt. So zahlt diese Erganzung zu einem der bedeutenden Beispiele ihrer Neubewertung. In dieser Studie mochte ich untersuchen, welche Punkte Krenek an Schuberts Kompositionstechnik schatzte und wie er sie auf seine Erganzung anwendete. Durch die Analyse der erganzten Sonate und den Vergleich mit Kreneks Erklarung seiner Erganzungsidee sowie der Struktur der Sonate (1947) habe ich klar gemacht, was fur Krenek das charakteristische an Schuberts Musik ist. Krenek hat in seiner Erganzung Schuberts feinen Sinn der musikalischen "Ausbalancierung" und seine Technik der vielfaltigen "Varianten" angewendet. Andererseits vermied er ubermassige Umformung der Melodien und harmonische Uppigkeit. Krenek hat in dieser Erganzung eine neue Schubert-Interpretation vorgezeigt.
著者
山口 真有美 瀬戸 奈津子 清水 安子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.176-183, 2018
被引用文献数
1

<p><b>目的:</b>初期・二次救急外来で勤務する救急看護認定看護師の入院せず帰宅する患者に対する看護実践を構造化することである.</p><p><b>方法:</b>近畿圏内の救急看護認定看護師12名に半構造化面接を実施し,質的統合法(KJ法)を用いて分析した.</p><p><b>結果:</b>救急看護認定看護師は入院せず帰宅する患者に対し【医師が診察したあとの看護としての観察とアフターフォロー】,【援助を必要としている患者を見捨てない最後の砦となる】,【入院が必要か否かを探りつつ,帰宅後の生活も想像する】,【救急患者の不安や緊張を思いやり共感しながらも入院不要の納得を得る】,【短時間で帰宅後のリスク回避の方法を説明する】,【重症化の危険に備え,多職種との連携をはかる】,【医療・介護スタッフ,地域住民への救急対応教育】を実践していた.</p><p><b>結論:</b>患者の健康回復のみならず患者を元の生活に戻すことに責任を負う救急看護認定看護師の実践が明らかになった.今後は救急看護師の介入による救急外来再受診や一般外来への定期受診への影響について検討を要する.</p>
著者
山口 大輔 山口 真弥 千田 忠賢 倉光 君郎
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.2, 2017-02-27

再帰下降構文解析は人気の実装方法であるが,バックトラッキングにより,最悪ケースにおいて指数時間を要することが知られている.現実のパーサでは,最悪ケースはほとんど発生しないが線形時間性を保証することは難しい.本研究では,再帰下降構文解析の形式モデルとしてPEGを用い,PEGの文法定義から線形時間性を判定する方法に取り組んだ.
著者
山口 真司 小山内 信智
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.40-50, 2012-07-15 (Released:2015-08-03)
参考文献数
22
被引用文献数
1