著者
山口 真奈子 石黒 竜也 榎本 隆之
出版者
医学書院
雑誌
臨床婦人科産科 (ISSN:03869865)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.412-416, 2018-04-20

がん検診のポイント❖わが国の子宮頸がん検診受診率は低く,平均で50%未満である.❖細胞診単独検診では感度の低さに留意する必要があり,特に腺癌は扁平上皮癌よりも細胞診で偽陰性となりやすい.❖世界ではHPV検査単独または細胞診との併用検査でのスクリーニングに移行しつつある.
著者
藤原 和喜 瀧上 順誠 大嶺 俊充 山口 真耶 矢部 和樹 勝田 紘史
出版者
一般社団法人 日本整形外科スポーツ医学会
雑誌
日本整形外科スポーツ医学会雑誌 (ISSN:13408577)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.169-174, 2022 (Released:2022-08-11)
参考文献数
16

野球選手では投球・打撃の反対側(非投球側・非打撃側)の椎弓関節突起間部に腰椎分離症発生が多いとされており,どのような身体機能の特徴が関与しているかを調査した.対象は片側腰椎分離症野球選手29例とし,検証1を非投球側罹患群16例と投球側罹患群13例,検証2を非打撃側罹患群18例と打撃側罹患群11例に分類し,各検証での身体機能(下肢柔軟性,腰椎骨盤帯安定性,運動制御機能)を比較検討した.検証1の結果は,非投球側罹患群に胸椎・胸郭の伸展機能低下と下肢・体幹の運動制御機能低下を有意に認め,これらが非投球側の腰椎分離症に関与する可能性が示唆された.検証2では有意差を認めなかった.
著者
山口 真一 彌永 浩太郎 坂口 洋英
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.37-46, 2019 (Released:2019-07-22)
参考文献数
27

本研究では、インターネット上の口コミ投稿行動の分析を行う。分析の結果、口コミ投稿経験者は約32%にとどまった。また、回帰分析による属性検証では、投稿経験に対し、年齢が有意に負で、大卒・新聞購読・インターネット利用時間が有意に正となった。また、動機としては利他的な動機が多いという結果となった。さらに、虚偽の口コミについては、口コミ投稿経験者の約5.7%が経験しており、属性分析では年齢が有意に負で、既婚、男性が有意に正となった。また、投稿動機が「投稿自体が楽しいから」「見返りがあるから」等の利己的な人は、虚偽の口コミを投稿しやすいことが分かった。以上のことから、口コミを投稿している人はインターネット利用者の約3分の1に過ぎず、その口コミも、ある特定の属性を持った人々が投稿しやすい傾向がある。そして、虚偽の口コミは少なからずあり、特に、若い人、既婚者、男性を対象とするような製品・サービスではその傾向が強まるといえる。
著者
杉山 静征 野田 裕司 山口 真由 土井 修市 吉村 昌雄 池田 義照
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学医学雑誌 (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.233-237, 1980-09-25

A medicolegal autopsy report is made of a 30-year-old man who suddenly died from a spontaneous heart perforation after collision with radio lose control airplane on the chest. The perforation was located on the right ventricle, but the heart sac was intact. The cause of this death was diagnosed as so-called "cardiac tamponade".
著者
中山 哲夫 山口 真也 森 孝之
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.5-13, 1997-06-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
35
著者
山口 真理 齋藤 尚子 岡本 美代子 松田 結 西田 みゆき 野崎 真奈美
出版者
了德寺大学
雑誌
了德寺大学研究紀要 = The Bullentin of Ryotokuji University (ISSN:18819796)
巻号頁・発行日
no.16, pp.297-304, 2022

本研究は,インターネット知識検索コミュニティサイト「Yahoo!知恵袋」への投稿文から,親が子どもの性に関して持っている悩みの現状を把握し,家庭での解決方法に向けた示唆を得ることを目的とした.2013年1月から2017年12月の期間に投稿された投稿文を対象とし,「性教育」をキーワードにして検索した.その中から,子どもを持つ親が抱える「子どもの性についての悩み」に関して記載されている投稿文を抽出し,質的帰納的に分析した.分析の結果,【性に興味をもった子どもへの対応】,【親の性教育観にまつわる困難】,【家庭での性教育の進め方】の3つのカテゴリーが抽出された. 家庭での性教育に向け,父親と母親両方への参画支援や一人親世帯を含めた各家庭の考え方や役割も踏まえた子どもの性に関する知識の提供が求められる.また,市町村で実施されている一般的な子育て支援の枠組みの中で,就学前の親子の関係性を築く関わりの一つとして家庭における子どもの性に対する向き合い方を伝えていくことも重要である.さらに,親が性教育の具体的な内容に関して質問しやすい専門職との接点や親同士が語れる場や機会があることが望まれている.
著者
金沢 創 山口 真美 和田 有史
出版者
日本女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、高砂香料と食品総合研究所の協力の下、乳児の視覚と嗅覚の連合学習について検討した。嗅覚刺激は日本でなじみの少ない香辛料のスターアニスを用い、嗅覚(オモチャのにおい)と視覚(オモチャの外形)の学習過程を検討した。被験者は5-8ヶ月の乳児であった。その結果、女児のみアニスのニオイとオモチャの連合が成立する結果が得られた。さらにこの視覚と嗅覚の連合学習を検討する目的で、1歳前後の乳児を対象に、同じオモチャを用いて、リーチング行動を指標にした実験を計画した。また、食物の選好を決定する過程に対して視覚が果たす役割も検討した。これらの結果を学会発表を経て論文化し、現在投稿中である。
著者
山口 真美
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1-8, 2010 (Released:2011-03-28)
参考文献数
31

その昔、生まれたばかりの新生児は眼が見えず、耳も聞こえないと信じられてきた。しかし数々の心理実験から、胎児の時から音を聞き、生まれた直後の新生児でも眼が見えることがわかっている。新生児のもつ、驚くべき能力の一つに、顔を見る能力がある。 1960年代Fantzにより、新生児が顔を選好することが発見された。言葉を喋ることのできない乳児の認識能力を調べるため、Fantzは行動を用いた実験手法である「選好注視法」を考案した。乳児は特定の図形に選好する傾向があることを示したその中で、顔図形への選好も発見されたのである。 視力の未発達な乳児は大人と全く同じように世界を見ているというわけではない。にもかかわらず、新生児でも顔を選好するということから、その特異な能力が検討されてきた。本講では、乳児を対象として行われた行動実験や、近年行われた近赤外線分光法(NIRS)を用いた実験の成果を紹介する。倒立顔の効果や顔向きの効果、運動情報による顔学習の促進効果や視線の錯視の認知といった、一連の実験成果について報告する。
著者
山口 真史
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.1311-1314, 1998-11-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
12

Ge基板上のGaAs太陽電池は,火星探査ロボットをはじめ各種人工衛星に用いられている.最近では,Ge基板上のlnGaPIGaAs2接合構造太陽電池を搭載した衛星も打ち上げられるなど,宇宙用化合物太陽電池の進展は著しい.本稿では,Ge基板上の太陽電池の特徴と物理,火星探査ロボットに用いられた太陽電池の概要とおもな知見,宇宙用太陽電池の将来展望について述べる.
著者
西野 和典 高橋 参吉 大倉 孝昭 大西 淑雅 山口 真之介
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

高校教科「情報」担当教員が専門的な知識や技能を得て、実践的な授業スキルを身につけるためのe-ラーニング教材を開発する。そのために、大学の教科「情報」の教職課程科目の授業内容をe-ラーニング教材にして、現職教員が働きながら学ぶことができる環境を実現する。また、インターネットを活用して遠隔から授業を評価するシステムを構築し、ベテラン教員から授業改善について指導を受け、相互評価を行い教科「情報」の授業のスキルアップを行う。
著者
山口 真一
出版者
総務省情報通信政策研究所
雑誌
情報通信政策レビュー (ISSN:24356921)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.178-201, 2014-11-19 (Released:2020-09-05)

本研究では、インターネット上の著作権侵害による経済効果について、ゲーム産業を対象に実証分析を行う。問題意識は、著作権法違反であるゲームプレイ動画について、ゲームソフト販売本数に与える影響を理論的に整理し、その効果を定量的に分析することにある。分析では、ゲームプレイ動画のゲームソフト販売本数に対する影響を明示的に組み込んだ、ゲームソフト需要モデルを用いた。また、推定においては、観察出来ないゲームソフトの質が高いためにゲームプレイ動画再生回数が多くなり、結果的にゲームプレイ動画再生回数とゲームソフト販売本数の間に正の相関がみられるといったような、いわゆる内生性問題に対処する必要がある。そのため、操作変数を用いた2段階GMMによって推定を行い、識別を行った。操作変数には、動画投稿者の人気を表す変数を用いた。まず、外生変数のみの誘導型モデルで推定を行った結果、動画投稿者の人気を表すお気に入り登録され数は、ゲームソフト販売本数に有意に正の影響を与えていた。このことから、より人気の高い動画投稿者がゲームプレイ動画を投稿し、消費者の視聴機会が増えることは、ゲームソフト販売本数を増加させる効果があることが確認された。次に、構造型モデルで推定を行った結果、ゲームプレイ動画の再生回数は、ゲームソフト販売本数に有意に正の影響を与えており、その大きさは、再生回数が1%増えると販売本数が約0.26%増加するというものだった。さらに、ジャンル別の推定では、ノベルゲームとレースゲームを除く5つのジャンルで有意に正の影響を与えており、それら2つについても有意に負の影響は見られなかった。このことから、ゲームプレイ動画は、消費者余剰を確実に増加させることと合わせると、社会的厚生に正の影響を与えていることが確認された。以上の結果を踏まえると、ゲームプレイ動画を違法としている現在の著作権法は、社会的最適点より過剰な規制であると判断される。また、目前に迫っているTPPによって著作権侵害の非親告罪化がなされれば、ゲームプレイ動画投稿のリスクの増加、投稿の委縮に伴い、ゲームプレイ動画の持つ経済効果を失って社会的厚生を低下させる可能性がある。そこで、日本版フェアユースの導入等、より柔軟な規制の在り方を考えていく必要があるだろう。
著者
渡邉 隆 青柳 邦彦 船越 禎広 山本 智文 江口 浩一 山口 真三志 冨岡 禎隆 二村 聡 向坂 彰太郎
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.108, no.3, pp.464-469, 2011 (Released:2011-03-07)
参考文献数
28
被引用文献数
1

症例は59歳,男性.元来,愛煙家であり,25本/日,35年間の喫煙歴があった.左肺巨大嚢胞を認めたため禁煙を開始したところ,1カ月後より水様性下痢と血便が出現し,当科受診となった.下部消化管内視鏡検査にて全大腸にびまん性の発赤粗造粘膜と血管透見像の消失を認めた.除外診断を行い,特徴的な下部消化管内視鏡と生検組織所見,および再燃寛解を繰り返す臨床経過より潰瘍性大腸炎と診断した.本症例は,禁煙を契機に発症したと考えられ,喫煙と潰瘍性大腸炎の関連を考察するうえで興味深い.中高年発症の潰瘍性大腸炎症例では,喫煙歴は重要な因子であると考えられ報告した.
著者
山口 真一
出版者
総務省情報通信政策研究所
雑誌
情報通信政策レビュー (ISSN:24356921)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.52-74, 2015-11-30 (Released:2020-09-05)
被引用文献数
1

本稿では、近年多く発生しているネット炎上の特徴と実態を、先行研究や実証分析を基に整理したうえで、名誉毀損罪の非親告罪化、制限的本人確認制度、インターネットリテラシー教育、捜査機関における炎上への理解向上といった観点から、あるべき政策的対応を考察する。実証分析の結果、以下の5点が確認された。第一に、炎上は、2011 年以降、毎年 200 件程度発生し続けている。また、それは特に Twitter で多い。第二に、「炎上に加担したことがある」人はわずか1.5%しかいない一方で、「炎上を知っている」人 は90%以上存在する。第三に、インターネット上で「非難しあってよい」と考えている人は10%程度しかいない。さらに、「非難しあってよい」と感じている確率に有意に正なのは、「炎上に加担したことがある」人のみである。第四に、インターネットを「怖いところだ」「攻撃的な人が多い」と感じている人はそれぞれ70%以上存在する。特に、炎上を知っている人は「攻撃的な人が多い」と感じている確率が有意に正となっている。第五に、若い人ほどインターネットに対して「言いたいことが言えるのがよい」「非難しあってよい」と感じている。また、以上を踏まえた政策的対応の考察では、プロバイダ責任制限法の炎上負担軽減効果と限界に触れたうえで、「①名誉棄損罪の非親告罪化」「②制限的本人確認制度の導入」「③誹謗中傷(炎上)に関するインターネットリテラシー教育の充実」「④捜査機関における炎上への理解向上」の4つを挙げた。そして、①には slippery slope の問題が、②には違憲である可能性とそもそも効果が薄いという問題があることを述べ、③と④に積極的に取り組むことを提案した。