著者
山本 理奈 石川 栄作
出版者
徳島大学
雑誌
言語文化研究 (ISSN:13405632)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.19-78, 2008-12

Rosemary SUTCLIFF, englische Schriftstellerin, verfesste 1971 ein Werk Tristan and Iseult, das auf den uberlieferten Tristansagen beruht. Um die Charakteristik ihres Werks klar zu machen, brauchen wir zuerst den Stammbaum der Tristansagen zu verfolgen. Die Stoffquelle der Tristansagen geht auf die altkeltischen Sagen in Wand zuruck. Sie wurden in der zweiten Halfte des 11. Jahrhunderts ubers Meer nach Wales uberliefert, wo das Urbild der Tristansagen entstand, unabhangig von den irlandischen Entlaufen -sagen. Das Urbild wurde danach von manchen Dichtern in ganzem Europa umgearbeitet Der Stammbaum der Tristansagen wird gewohnlich in 3 Gruppen geteilt: Berol-, Thoma- und Prosa-Tristan. Im Gegensatz zu der erzahlenden Beschreibung des Berol-Tristans hat der Thoma-Tristan als Merkmal die vertiefte Innerlichkeit der Hauptpersonen. Und die Charakteristik des Prosa-Tristans besteht darin, dass er in die Arthus-Dichtungen eingeflochten ist Unter den 3 Gruppen benutzte Rosemary SUTCLIFF als Stoff hauptsachlich Berol-Tristan, aber er schuff selbstverstandlich ein neues Tristanwerk, das von den traditionellen Tristansagen selbstandig ist. In der letzten Halfte der vorliegenden Arbeit vergleichen wir das Werk ISHIKAWA Volksbuch Tristrant und Isalde (als Berol-Tristan), und auch mit dem mittelalterlichen hofischen Epos Tristan und Isolde Gottfrieds von Strassburg (als Thoma-Tristan), um das charakteristische Merkmal ihres Werks deutlich zu machen. Das auflallendeste Merkmal zeugt vor allem, dass Rosemary SUTCLIFF den mystischen Liebestrank wegnahm, der traditionell nicht nur in Berol-, sondern auch in Thoma-Tristan eingeflochten war. Damit schildert die Schriftstellerin die Liebe zwischen Tristan und Iseult nicht als die kunstliche, sondern als die naturliche Liebe, die ja wirklichkeitstreu und lebendig ist. Nach diesem Konzept bearbeitete sie durch das ganze Werk den Tristanstoff. Also ist es auch ihr auffallig, dass sie uberall die den Lesern leicht verstandlichen Erklamngen gibt. Ausserdem entwickelt sie ursprunglich zu komplizierte Liebesgeschichte zwischen Tristan und Iseult kurz und knapp, indem sie die unnotigen Elemente der bisherigen Uberlieferungen beiseitelegte. Damit konnte sie die ahkeltischen Entlaufen -sagen und die mittelalterlichen Tristanuberlieferungen in ein modernes Werk umarbeiten.
著者
謝 心範 山本 理
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.73-81, 2020

新型コロナウイルス感染症が中国の武漢で突然爆発的に蔓延した現象は世界の人々へ大きな驚きと衝撃を与えた.医療現場では,確実な治療法や治療薬も無い局面にどう対応すべきか混乱し,確かな効果を求める切迫した願いも強くなった.そのような状況下,漢方薬の出番があり,自然植物由来の「三薬三方」(3 つの薬と3 つの方剤の意)すなわち,金花清感顆粒,連花清瘟カプセル,血必浄注射液と宣肺敗毒湯,清肺排毒湯,化湿敗毒方の作用と効果がCOVID-19 感染症の現場から報告されたので紹介する.「三薬三方」は,植物由来成分の潜在力を総合的に利用し,人体自身の自己治癒力と免疫系の賦活,障害要因に対する抵抗力強化を可能にするものである.新型コロナウイルス感染症の現場から報告されている「三薬三方」の様々な効果は単一成分によって発揮されているのではないことは明白である.作用機序,原料,処方,加工法,効果,安全性の向上など更なる研究が必要である.
著者
板庇 外茂雄 山本 理恵子 佐藤 真澄
出版者
Japanese Society of Veterinary Science
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.p585-592, 1987-08

Fusobacterium necrophorum培養菌液を8〜14ヶ月令のHolstein牛8頭の肝内門脈に, 超音波映像下穿刺法によって, 経皮・経肝的に接種した。3頭は菌接種後2〜14日で死亡し, 肝に壊死巣が密発していた。他の5頭では, 接種後12〜126日の剖検時に1〜20個の肝膿瘍がみられた。急性期死亡牛では, 接種後2〜6日で肝壊死巣に対応する高エコー斑塊が認められた。肝膿瘍形成牛では, 接種後5〜10日に肝画像に膿瘍所見がみられ, 壊死塊に対応する高エコー塊を囲んで肉芽組織に対応する低エコー量 (ハロー) が認められた。このハローパターンは直径約1cmの小さい膿瘍でも確認でき, 一部の例では, 中心の高エコー塊はしだいに消失し, 肉芽組織と被膜 (等または低エコー) のみの残存に対応する単純な低エコー球となり, 接種後50〜70日では瘢痕 (等または低エコー) 形成に対応して画像中に指摘できなくなった。ハローパターンのまま側方陰影を伴って長く残存する例もあり, 低エコーパターンを示す膿汁は無エコーパターンとはならなかった。
著者
小林 達明 山本 理恵
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.265-273, 2012-11-30
参考文献数
13
被引用文献数
1

3 月11 日の地震と津波は,福島第一原子力発電所の全電源消失という事態を招き,引き続いた一連の事故は,大量の放射性物質を大気中に放出させ,その降下域は深刻な汚染に悩まされることになった。このような事態についての危惧は,原子力委員会においても,またそのような公式の会議の外でも,これまで何度か指摘されており,決して科学的に想定外だったわけではないが,国も電力会社もまじめに現実的な対策をとった形跡はない。放射線生物学の研究は,厳重管理され閉じた「管理区域」における研究にほぼ限られてきた。自然環境下における放射性物質の動きについては,1950 年代から60 年代に行われた核実験による放出放射性物質のグローバルフォールアウトを利用した土壌浸食研究や同位体比を用いた生態系循環の研究が一部の研究者によって行われてきただけである。ましてや自然環境に広く拡散された高濃度放射性物質とそれに起因する放射線の対策に関する研究は,米ロの核実験場周辺の研究かチェルノブイリ原子力発電所事故に関わる研究にほぼ限られる。したがって,環境中に広く放出された放射性物質を適切処理して, 健全な自然環境を再生する専門家は,2011 年3 月時点わが国にはいなかった。この原稿をまとめている2012 年秋の時点では,住宅や道路等都市的な環境の除染,農地の除染については一定の知見が集積しつつあるが,森林・緑地の取り扱い方,それが人や農作物,さらには野生生物へ与える影響について取り組んでいるグループはまだ一部に限られる。このような研究には,放射性物質・放射線に関する知識は不可欠だが,それだけで十分とは言えない。例えば,放射線防護の三原則は,Contain: 放射線・放射性物質を限られた空間に閉じ込める,Confine: 放射線・放射性物質を効果的に利用し, 使用量は最小限にする,Control :放射線・放射性物質は制御できる状況で使用する,とされているが,自然環境下でこれらの原則は,すべて予め崩れている。体外放射線に対する防護の3 原則とされる時間・距離・遮蔽と, 体内放射線に対する防護の5 原則とされる希釈・分散・除去・閉じ込め・集中を,自然環境中でどのように選択し,組み合わせて,矛盾少なくいかに適切にリスク低減のプロセスを進めていくかが課題となる。これらの措置は自然環境そのものにも影響を及ぼす。たとえば,森林の落葉落枝層の除去は放射性物質の除去には有効だが,土壌浸食の増加を促すので,その対処が必要である。そのようなことが,居住,飲食,教育などの生活面,農林業などの産業面で,様々に影響しあう。放射性物質管理は,社会に対して大きな影響を及ぼすので, リスクコミュニケーションは特に重要となる。私たち緑化研究者・技術者は,環境の問題を把握し,それに対処して健全な自然環境を再生すべく,これまで研究を重ね,技術を積み上げてきた。その中で放射線・放射性物質に関する問題はほとんど扱われてこなかったが,自然環境の取扱いについてはプロであり,この問題についても果たすべきことは多々あると思われる。また,自然環境の再生を訴えてきた専門家集団の倫理としても,その汚染を黙って見過ごすことはできない。そのような問題意識から,2012 年大会にて, 有志とはかって「原子力災害被災地の生態再生(I) 里山ランドスケープの放射能と除染」を企画した。本特集は,その際の発表をもとに,学会誌向けにとりまとめたものである。本稿では,緑化と関連する放射線・放射性物質の問題の所在と研究の現状を見渡し,今後の展望について整理したい。
著者
飯塚 進一 山本 理絵 河谷 雅人 埇田 真彰 金指 秀明 秋枝 一基
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.864-870, 2013-10-15 (Released:2013-12-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1

向精神薬の服用や薬物過量服薬に伴う意識障害により,同一姿勢で四肢を長時間圧迫し横紋筋融解症やクラッシュ症候群,神経麻痺を来す報告は散見されるが,上記に加えて肺塞栓症を併発した稀な症例を経験したので報告する。症例は73歳の男性で,躁鬱病の外来治療中に内服薬が変更され過鎮静の状態となり,胡坐の状態で約10時間就眠した。覚醒後より右下肢の運動障害,右臀部から大腿部の腫脹と疼痛がみられ当院に救急搬送された。搬送時の意識状態はJCS 1で呼吸循環状態は安定していたが,身体所見上,右臀部から大腿部の腫脹と圧痛,坐骨神経麻痺を認めた。診察中に呼吸困難と酸素飽和度低下,意識障害を来したが,数分間で改善がみられた。病歴聴取で上記の発症状況が判明したため,CT血管造影検査を施行したところ,右中殿筋から大腿四頭筋の筋腫脹と肺塞栓症,右ヒラメ静脈内の深部静脈血栓症を認めた。また血液検査ではCPK 52,700 U/lと上昇しており,右下肢の長時間圧迫に伴うクラッシュ症候群,坐骨神経麻痺,右下腿深部静脈血栓症および肺塞栓症と診断し,十分な輸液と抗凝固療法を開始した。その後,横紋筋融解症や腎機能障害は改善し,下肢深部静脈血栓症や肺塞栓症の再発はなかった。薬物服用後に意識障害を来し,とくに下肢の長時間圧迫によるクラッシュ症候群を発症した症例では,経過中に肺塞栓症を合併する恐れがあるため注意を要する。
著者
山本 理恵 森川 クラウジオ健治 三枝 正彦
出版者
東北大学
雑誌
複合生態フィールド教育研究センター報告
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-4, 2006-12

遺伝子組み換え植物である,グリホサート耐性遺伝子組換えダイズ(Glicine max)(モンサント社のT. MON2)を用いて遺伝子拡散と土壌微生物相への影響について検討した。2004年の圃場試験では非組換えダイズとしてタンレイを用いて距離80cmまで0.115%の確率で,2005年の圃場試験では非組換えダイズとしてタンレイ,スズユタカを用いてタンレイでのみ距離140cmまで0.018%の確率で花粉の飛散による遺伝子拡散が認められた。遺伝子組換えダイズの土壌微生物相への影響は希釈培養法で検討した。細菌一般,糸状菌,放線菌数において非遺伝子組換えダイズと組換えダイズの間で有意な差は認められなかった。