著者
岩井 将行 森 雅智 徳田 英幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.173-177, 2008-02-27
被引用文献数
1

近年オンラインショップやネットオークションを中心とするCyberCommerceが増えつつあり,"どこにいても""なんでも"購入できる便利さは逆に均質化が進み売り手主導の経済活動が進んでいるといえる.対極的に,秋葉原におけるリアルな空間での消費者の購買活動は,そこから新しい「ラジオ文化」「パソコン文化」「オタク文化」「萌文化」「世界のakiba」を創造し常にカルチャーを創り出す原動力となっている。この秋葉原の特性に着目し実世界経済活動を支援する新しいユビキタス技術を検証した。温度、振動、照度を検知可能な小型無線センサーノードを各商品に取り付け、ユーザが商品を選択する際の『手に取る動作』から注目度とそのランキング把握するシステムを構築した。本LiveCommerceSystemは秋葉原においてオノデン本店、カイヨウドウホビーロビーにおいて2日間にわたって実証実験を行った。本システムが、ユーザに違和感なく商品の比較情報を提供し、店舗経営者に各商品の注目度を容易に提供できるシステムであること実証した。In the real shop, shops owners can analyze the products which already purchased by gathering information on check counters. However these methods could not gather correct customers' action during they have shopping. Lots of products are displayed on shopping racks. Customers are touch and watch items to compare them before buying items. Such actions represent customers' attention of each item in details. We propose a novel platform to gather customers' attention level by attaching sensor nodes. In this paper, we describe detals about "Live! Commerce System."
著者
岩井 学
出版者
熊本保健科学大学
雑誌
保健科学研究誌 (ISSN:13487043)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.83-98, 2006-03-31

ピーター・パンは常にフェアであることを信条とする。しかしフェアプレイへのこだわりはこの永遠の少年に特有なものではなく,20世紀初頭のイギリスに広く浸透していた。というのも大英帝国衰退のさなか,フェアプレイの精神は愛国主義,そして帝国主義を押し進めるイデオロギーへとつながっていくからである。ピーター・パンは,大人になりたがらない子どもという,時代を超えたある種の原型とみなされることが多いが,彼の存在には20世紀初頭の時代状況が色濃く刻印されているのである。本稿では,大英帝国の衰亡を目の当たりにしていた20世紀初頭英国の上流,中産階級の抱いていた不安や焦り,そこから生まれた愛国主義的イデオロギー,そしてそれを流布させる装置として機能した当時の教育,といったものからテクストを読み解き,ピーター・パンとその仲間の少年たちを描くことが当時のイギリスでどのような意味を持ちえたのか,そしてこの小説全体には当時の閉塞感がどのような形で現れているのか分析してみたい。
著者
神吉 良典 長原 一 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.328, pp.153-160, 2008-11-20

近年のカメラ技術の発達に伴い,カメラの高解像度化や高フレームレート化が進んでいる.しかしながら,画像データレートが解像度とフレームレートの積に比例して増加することなどから,高解像度高フレームレート動画像を取得することは一般的に困難であった.この問題を解決するための手法の1つとして,2つのカメラで同一シーンを撮像する複合センサカメラシステムが提案されていたが,装置が大型であるという問題点があった.本研究では,2つのCCDを1つのカメラに内蔵した小型複合センサカメラを提案する.従来機と比較して取り扱いの容易な小型複合センサカメラを用いることにより,高解像度,高フレームレートな画像センシングや映像の取得をより容易に行うことが可能となる.
著者
山本 文香 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.328, pp.177-184, 2008-11-20

本稿では,GPUを利用することで移動物体領域の検出処理を高速化し,リアルタイムで高精度な移動物体検出を行うことを提案する.GPU (Graphics Processing Unit)は,全てのピクセルについて同じ計算を繰り返す処理を高速に実行できるので,GPUを利用することでピクセルベースの移動物体検出手法の高速化を図ることができる.GPUを利用して,ABM (Adaptive Background Model:明るさ可変背景モデル)とMSC (Margined Sign Correlation:マージン付き符号相関)を用いた移動物体領域検出を行うことで,CPUを用いた場合より9倍以上高速に計算できることを確認した.このシステムを解像度720×486のカラー動画像に適用した結果とその処理時間を示す.
著者
片平 尭之 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.328, pp.185-192, 2008-11-20

コンピュータやセンサを身につけてさまざまな作業の支援を行うウェアラブルシステムにおいては,自己位置情報の提供が有益である.本論文では,ウェアラブル全方位視覚センサ・GPS・無線LANを用いた複合センシングによる自己位置識別手法を提案する.全方位画像・GPS情報・無線LAN情報について,それぞれ類似した学習データから自己位置の識別を行う.識別された自己位置がセンサによって異なる場合は,どのセンサによる結果が信用できるかを判別し識別を行う.実際に屋内および屋外環境で取得した全方位画像・GPS情報・無線LAN情報を用いて実験を行い,提案手法の有効性,ウェアラブルシステムへの適応性を確認した.
著者
小野 友也 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.115, pp.193-200, 2008-11-20

近年,拡張現実感・ロボットナピゲーションなどの分野の研究が盛んに行われている.それに伴い,対象物体とカメラの相対的な位置・姿勢を推定することは重要な課題となっている.本論文では '空間周波数を利用した姿勢推定法を提案する.空間周波数を利用して画像にマーカを埋め込み,空間周波数の変化を観測することで現在の姿勢を推定する. OpenGL を用いたシミュレーションを行い提案手法の有効性を確認した.Recently, fields of the augmented reality and the robot navigation are actively researched. Estimating a relative position and a posture between an object body and a camera has become a more important task. In this paper, we propose a posture estimation method using spatial frequency. We embed markers in an image by using spatial frequency and observe changes in the spatial frequency domain to estimate a current posture of the image. We create an application with OpenGL for simulation and show the effectiveness of our method.
著者
菊田 裕次 井上 創造 岩井原 瑞穂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.31, pp.41-48, 2000-05-02
被引用文献数
1

近年の計算機の処理能力の進歩により, 計算機が大量の情報を処理することが可能になってきた.それに伴い, 利用者が大量の情報を扱わなければならないような機会が増加しつつある.利用者が大量の情報を扱うことを可能にするためには, 情報フィルタリングと情報可視化の手法を効果的に組み合わせて用いることが重要である.つまり, 情報フィルタリングにより重要度がつけられた情報を, 重要度を反映しながら可視化することが要求される.本稿では, 種々の情報視覚化の手法に対し, 個々の視覚化対象の重用度を反映しているかを評価する手法を提案する.我々は, 個々の視覚化対象の重要度をどの程度反映しているかを示す尺度として, 表示達成度を提案し, これにより情報視覚化の手法が重要度をどの程度反映しているかを評価することが可能になった.
著者
岩井 学
出版者
熊本保健科学大学
雑誌
保健科学研究誌 (ISSN:13487043)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.109-120, 2005-03-15

H・G・ウェルズの『モロー博士の島』(1896年)は、ダーウィンやT・H・ハクスリーの進化論思想を用いて分析されたり、またスウィフト的寓意として解釈されてきた。しかしこれらの批評には、このテクストが産み出された当時の歴史的状況に対する考察が欠けている。本稿では、『モロー博士の島』を社会的、政治的文脈のなかに位置づけ、当時の社会情勢がこのテクストのなかにどのように表れているかを分析した。ロンブローゾ、ウィリアム・ブース『暗黒のイングランドとその出口』、ノルダウ『退化』といったテクストを参照しながら、初稿と出版稿との比較、白人の登場人物の象徴的意味、物語の寓意的意味といった点を中心に分析し、『モロー博士の島』が、大英帝国の衰退に対する恐怖心から生まれたイデオロギー-世紀末大英帝国の人種退化、植民地主義、優生学をめぐる言説-の交錯し重なり合った重層的なテクストであることを論じた。
著者
岩井 将行 Thepvilojanapong Niwat 石塚 宏紀 中村 陽一 金井 圭介 白石 陽 戸辺 義人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.13-18, 2008-07-10

近年,センサディバイスの小型化により,実世界の環境情報を安価なディバイスで取得できるようになってきている.特に,都市空間におけるヒートアイランド現状や人や車の流れを検知する必要が強まり,短期間で準備を行い,広範囲のエリアで情報を計測する要望が高まりつつある.しかし,センサは広域に分散して配置しなければならず,全てのセンサデータを一極に収集すると爆発的にトラフィックが増大する問題が発生する.我々は,都市空間の通信網でDB間をオーバレイネットワークによって接続し効率よくデータの収集と検索を行うTmuDBを開発した.
著者
片平 尭之 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.36, pp.113-120, 2008-05-01

コンピュータやセンサを身につけてさまざまな作業の支援を行うウェアラブルシステムにおいては,自己位置情報の提供が有益である.本論文では,ウェアラブル全方位視覚センサより得られる画像と GPS の情報に基づく自己位置識別手法を提案する.画像特徴量・GPS 特徴量について,それぞれ部分空間を構成し,各部分空間内で近接した学習データから自己位置を識別を行う.識別された自己位置が異なる場合は,どちらの結果を信用するか判別し識別を行う.実際に屋内および屋外環境で取得した全方位画像,GPS の情報を用いて実験を行い,提案手法の有効性,ウェアラブルシステムへの適応性を確認した.Self-location is very informative for wearable systems. In this paper, we propose a method for identifying user's location from omnidirectional image features and GPS data. User's location is independently recognized from the image feature and GPS data projected into a sub-space made from learning data. User's location is determined from the results. We show the effectiveness of our method by experimental results in real images and GPS data.
著者
萩原 知章 岩井 輝男 中西 正和
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.19-20, 1996-03-06

世界的に行われているLisp言語の標準化の活動の1つとして、国際標準機構ISOによるものがあり、ISLispと呼ばれている。ISLispの特徴は、Common Lispの仕様から使用頻度の低い機能を取り除いたものである。このため、Common Lispに比べ処理系の作成が容易である。また、オブジェクト指向機能も兼ね備えている。本研究では、ISLispに準拠したLispの実装をバイトコードインタプリタにより行なった。この実装は2段階に分けられる。第1段階(本システム):コンパイラがLispのプログラムを後置記法に直し、中間コードに変換する。そして、このコードに最適化を施し、バイトコードで書かれたファイルに変換する(これ以降この作業をコンパイルという)。第2段階:バイトコードインタプリタがバイトコードに変換されたプログラムを読み込み、解読し、スタック機械により実行する。本稿では、第1段階のコンパイラの実装および、中間コードに最適化を施した際の実行効率について述べる。
著者
菱川 恭子 岩井 一宏
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.372-380, 2005 (Released:2005-12-31)
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

鉄は赤血球のみならず生体の全ての細胞に必須な微量金属であると同時に,フリーラジカルの産生源となり,毒性を有するためにその代謝は厳密に制御されている.近年,鉄代謝制御機構研究は急速な進展を見せ,鉄貯蔵量に応じて,鉄吸収を制御するホルモンであるヘプシジンが同定され,ヘプシジンが慢性炎症時の鉄不応性貧血に関与する事が示されるなど新たな展開を見せている.また,これまで明らかでなかった鉄と感染防御の関連なども明らかになり,我々は従来想像していなかった細菌感染防御機構を備えていることが明らかになってきた.本稿で近年急速に理解が進んだ生体レベルでの鉄恒常性維持機構を中心に,筆者らの研究も含め鉄代謝研究の現状を概説し,今後の展望についても簡単に述べてみたい.