著者
岩井 一郎
巻号頁・発行日
2011

筑波大学博士 (医学) 学位論文・平成23年6月30日授与 (乙第2551号)
著者
岩井 浩一 大谷 学 和田野 安良 岩村 幸雄
出版者
茨城県立医療大学
雑誌
茨城県立医療大学紀要 (ISSN:13420038)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.33-44, 2002-03

我々は, 健康な成人を対象に, 持久的運動負荷を加えることによって, ミトコンドリアDNA(mtDNA)に4977-bpの欠失(common deletion)が発現し, 数日後にその欠失が消失することを見いだした。その一連の実験の際, 2名の被験者において, common deletionの欠失配列とは異なる長さの配列が検出された。そこで, 本研究では, この塩基配列の構造について詳細な分析を試みた。まず, シークエンス分析を行い. mtDNA様配列の塩基配列を決定したところ, 2名の被験者においてこの塩基配列は全く同一であった。さらに詳細に検討を行ったところ, この塩基配列はmtDNAの塩基配列とかなり一致していることが明らかになった(類似度:88%)。また, これらの塩基配列をもとにアミノ酸配列を予測し, 読み枠(ORF)解析によりその詳細な構造を探った。これらの結果から, このmtDNA様配列は, 生物の進化の過程でmtDNAの遺伝子が核DNAに挿入されたもので, その変異が現在まで引き続いて核DNA中に組み込まれている可能性が示唆された。
著者
岩井 信彦 青柳 陽一郎 白石 美佳 大川 あや 清水 裕子 柿本 祥代
出版者
神戸学院大学
雑誌
神戸学院総合リハビリテーション研究 (ISSN:1880781X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.75-81, 2007-01
被引用文献数
1

回復期リハビリテーション病棟に入院した脳卒中患者51例の日常生活活動(Activities of Daily Living ; ADL)を機能的自立度評価法(Functional independence measure ; FIM)を用いて、実際の生活の中で行っている活動「しているADL」を評価し、同時に理学療法室や作業療法室など限られた環境での潜在的な活動「できるADL」を評価し、その得点差の状況を比較検討した。その結果、入院時、低FIM群では更衣上半身、更衣下半身、トイレ動作で得点差が大きかった。一方、高FIM群では階段昇降、歩行で差が大きかった。さらにADL項目ごとの得点と「しているADL」と「できるADL」との得点の関係において、低FIM群ではその差は確認できなかったが、高FIM群においては得点が高いADLほど得点差が小さいという相関が確認された。このことから回復期脳卒中患者の「できるADL」と「しているADL」の格差の特性を知り、医療チーム全員が格差の早期発見と原因の解明に取り組んでいくことが重要であると思われた。
著者
矢作 和行 岩井 秀隆
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
日本油化学会誌 = Journal of Japan Oil Chemists' Society (ISSN:13418327)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.1133-1143, 1996-10
被引用文献数
1 3

香粧品における界面活性剤は洗浄用途とスキンケア用途に大別される。シャンプーにおける界面活性剤の応用はマイルドな界面活性剤の開発とコンディショニング効果の付与が大きな流れになっている。更にどの素材を組み合わせるかによって大きく性能が異なることから配合組成が重要となる。リンスではカチオン性界面活性剤が毛髪に吸着残留してはじめて機能を発揮することから,機能開発の指針も毛髪への吸着残留性並びに毛髪表面物性をいかに変化させるかという視点で応用開発が進んでいる。スキンケア化粧料では高機能化が求められ,様々な有効成分を安定に分散させるための界面活性剤の選択が重要になってきた。さらにリポソームや液晶のように生体類似の高次構造体からなる新しい製剤の開発も行われている。
著者
滝澤 恵美 岩井 浩一 横塚 美恵子 伊東 元
出版者
茨城県立医療大学
雑誌
茨城県立医療大学紀要 (ISSN:13420038)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.61-68, 2002-03
被引用文献数
1

歩行パターンの変動が高齢者における将来の転倒を予測するという報告がある。そこで, 本研究は歩行パターンの変動と身体運動機能の関係を調べ, 歩行の安全性や安定性の観点から運動指導する糸口を検討することを目的とした。地域在住の65歳以上の健康な高齢者90名を対象に, 自由歩行時における重複歩距離と歩幅の連続10歩の変動を変動係数(CV)で算出した。身体運動機能は, 筋力, 平衡性, リズム形成, 可動性の4項目を測定し, 歩行パターンの変動との関係を調べた。歩幅CVは, 開眼片足立ち時間と負の関係を認めたことから, 歩幅CVが示す歩行パターンの変動は身体運動機能4項目のなかで平衡性の低下がより関係していることが推察された。今後, 平衡性に注目した運動プログラムの実施, 杖や装具の利用による歩行パターンの変動の変化について検討する必要がある。
著者
岡本 喜之 川田 賢介 岩井 俊憲 小澤 幹夫 菊地 良直 石川 好美
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.11-14, 2006-01-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

A glandular odontogenic cyst (GOC) is a rare odontogenic cyst, classified as a new developmentalodontogenic cyst by the WHO in 1992. It frequently arises in the anterior region of the mandible. Histopathologically, GOC is lined by epithelium of varying thickness, which contains mucous cells and vacuolations. Some casesshow clinically invasive growth, leading to a high rate of recurrence despite surgical excision. Some studies haveestimated that the overall recurrence rate is 27%.We report a case of GOC arising in the right mandibular third molar region. The patient was a 34-year-old man.Surgical excision was performed. One year 4 months after the operation, the prognosis was good, with no signs of recurrence.
著者
岡本 喜之 川田 賢介 岩井 俊憲 小澤 幹夫 菊地 良直 石川 好美
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.11-14, 2006-01-20
被引用文献数
5 2

A glandular odontogenic cyst (GOC) is a rare odontogenic cyst, classified as a new developmentalodontogenic cyst by the WHO in 1992. It frequently arises in the anterior region of the mandible. Histopathologically, GOC is lined by epithelium of varying thickness, which contains mucous cells and vacuolations. Some casesshow clinically invasive growth, leading to a high rate of recurrence despite surgical excision. Some studies haveestimated that the overall recurrence rate is 27%.<BR>We report a case of GOC arising in the right mandibular third molar region. The patient was a 34-year-old man.Surgical excision was performed. One year 4 months after the operation, the prognosis was good, with no signs of recurrence.
著者
岩間 誠造 岩井 茂松
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.249-256, 1954

(1) 秋キクの各品種の感温性及び感光性を知つて, 栽培上の参考に資せんとして, 1952年にはまず代表的な17品種を供試した。試験方法は, 標高 360m の長野と, 同じく 850m の長村の二ケ所で, 標高差を利用して気温の相異するようにし, 5月5日定植して7月1日より一般遮光方法によつて, 日長を10時間に制限した短日20日間, 30日間夫々継続した両短日区と, 無処理の自然日長区の3区を設けた。<br>(2) 生育調査結果では, 定植前, 処理前に於ける草丈, 葉枚数とでは栽培地, 処理区, 品種間に差はみられなかつた。<br>(3) 同じ秋キクも, 立波, 信濃川, 白馬の3品種は, 遮光有無にかかわらず花芽分化し, 日長条件には影響されない。一方その他の14品種は, 日長時間が14時間30分以下の日長条件となると, 花芽形成をするが, 品種間に遅速があり, 新東亜, ピンク東亜, 新月友, みのり, の4品種は比較的早い品種群のようである。<br>(4) 花芽の発育は, 花芽形成のときと同様で立波, 信濃川, 白馬の3品種は, 温度条件のみに支配され, 気温の低い地帯では開花期は遅れる。<br>一方他の14品種は, 13時間30分以下の日長時間で花芽の発育 stage は進むが, この場合ただ日長条件のみならず温度条件の影響もうけるようである。即ち新東亜, ピンク東亜, 新月友, みのりの4品種は比較的高温状態でも, 短日条件下であれば花芽は発育する。<br>また, 岡山平和, ラスター, H. コイド, 白サギ, むらくも, 玉織姫, 国の光, 紅潮, 紅秋, 初がすみ, の10品種は, 短日条件でも高温状態では, 花芽の発育は緩慢となる。<br>(5) 短日20日程度では, 花芽の不完全分化, いわゆる柳芽発生が多く, 実用的にこの程度の短期間の遮光で順調に開花する品種は見当らなかつた。<br>短期短日条件下では花芽発育程度の如何によつて柳芽発生も相異し, この花芽の第二相の発育も, 日長及び温度条件で左右される。<br>(6) 秋キクの品種の早晩性は, 花芽分化及び開花が, 温度条件にのみ左右される品種群では, 栽培地の気温に支配される。一方花芽分化, 開化が日長及び温度条件に左右される品種群では, 短日条件による花芽分化の早晩によるものでなく, 分化後開花までの所要日数で決るようである。<br>また, 遮光栽培には所要期間のなるべく短い品種を, とり入れた方が合理的のようである。<br>(7) 供試品種をその感温性及び感光性で分類するとつぎのようになるであろう。<br>I 温度型品種: 花芽分化及び開花が, 日長条件に影響をうけないで, 温度条件にのみ支配される品種群, 立波, 信濃川, 白馬。<br>II 日長型品種: 短日下 (花芽分化=14.5時間以下, 花芽発育=13.5時間) で, 花芽分化, 開花の行われる品種群。<br>(1) 日長型であつて, この場合比較的高温条件でも花芽が発育し, 開花期が促進される品種。新東亜, ピンク東亜, みのり, 新月友。<br>(2) 日長型であつて, この場合比較的高温条件だと花芽の発育は緩慢となつて, 開花期が遅延する品種。岡山平和, ラスター, H. コイド, 白サギ, むらくも, 初がすみ, 玉織姫, 国の光, 紅潮, 紅秋。
著者
千明 陽 岩井 正敏 桧垣 博章
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.1-8, 2011-11-17

移動無線ノードの低密度分布環境において,無線マルチホップ配送とノード移動の組み合わせによってデータメッセージの高い到達性を実現する耐遅延ネットワーク (Delay-Tolerant Network) におけるルーティング手法を提案する.データメッセージの複製を行なわないルーティング手法では,次ホップノードの選択基準が配送性能に大きな影響を与える.本論文では,各ノードが自身の保持する複数ノードの移動計画を隣接ノードに伝達し,各ノードが保持する複数ノードの移動計画に基づいて複数ホップのデータメッセージ転送を予測計算し,より適切な次ホップノードを選択してデータメッセージを転送することで,より到達性の高いメッセージ配送を実現する.In an environment with sparse distribution of mobile wireless nodes, conventional wireless multihop ad-hoc routing protocols are inefficient due to less available neighbor nodes for detection of next-hop nodes. Thus, DTN (Delay-Tolerant Network) routing is required, which supports combination of wireless multihop transmissions and a store-carry-forward method. This paper proposes a localized advertisement method of mobility plans where each node advertises all the achieved mobility plans to its neighbor node and a routing method for data message transmissions where each node determines its next-hop node based on the achieved mobility plans. The methods are expected to realize higher reachability of data messages with lower communication and computation overheads.
著者
岩井 大輔
出版者
日本環境動物昆虫学会
雑誌
環動昆 (ISSN:09154698)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.93-98, 2006-10-14

栃木県の渡良瀬遊水地で,オオルリハムシによる生息場所利用について野外調査を行った.寄主植物のシロネは水面からの比高が比較的低い場所に生育していた.成虫個体数および卵塊数は,寄主植物の生育密度と関係があり,寄主植物の密度が高い場所で多かった.成虫の移動距離は短く,移動は舗装路によって制限された.これらの結果から,オオルリハムシの保全のためには,寄主植物の生育する立地を広く確保することが重要であることが示唆された.
著者
岩井 邦昭 広中 清一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.366, pp.11-16, 2003-10-10

強磁性体のすべり摩耗に関するトライボロジー特性について, 摩擦面に作用する磁界の磁束密度と炭素鋼の同種組合せのすべり摩耗試験を行い, 誘起電圧調整法を併用した制御について検討した. 摩耗は磁界中で著しく減少し, 磁束密度の増加とともに減少し, 誘起電圧調整を併せて行うとさらに減少する. X線マイクロアナライザによる面・線分折から, 磁界中で誘起電圧を調整した摩擦面には酸化物が形成され, 摩耗はマイルドになることを示した.
著者
岩井原 瑞穂 吉川 正俊 馬 強 浅野 泰仁
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究はソーシャルネットワークサービス(SNS)やWikiに代表されるソーシャルコンテンツから有用な情報を抽出する技術の開発を目的としている.wiki型コンテンツは多人数が1 つの記事を更新することにより,バージョンが蓄積されるが,その派生過程を正確に求める手法を開発した.またSNSにおいて利用者が行うプライバシー設定の傾向を分析し,適切な設定を推薦する手法を開発した.さらにコンテンツのアクセス制御について効率的な手法の開発を行った.
著者
岩井 清治
出版者
桜美林大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

初年度の研究計画(これまでの研究史・文献資料検索と分析、ドイツ現地調査)に基づき、広く研究史と現状に付いての多くの文献資料を収集し、それらの分析と整理を実施した。報告書に後述するように、テーマと関連する2学会、日本高等教育学会と日本商業教育学会での学会口頭報告、さらに学術論文2本を投稿した。それらは、特に職業教育という本研究テーマの基盤となるドイツの制度分析と特徴、特に実務教育重視の姿勢とその事例研究であり、初年度の研究にとって必要欠くべからざる課題であった。さらに、初年度に最初のドイツでの現地調査を実施、環境保全職種養成の実態調査と環境マネジメント職種の養成について、各企業でのインタビュー調査を実施した。第2年度の平成15年度に於いては、研究計画(ドイツ現地調査によって収集した資料分析と整理、事例研究の文献との照合)に基づき、ドイツの法的な規制のもとにある「環境保全管理責任者」の存在の確認と当該職種の養成、さらに資格保持者の各企業における実態調査、聞き取り調査を実施した。この間、インタビュー調査によるものと聞き取り調査によるものとの資料収集によって、実際に実施されているドイツ企業での環境保全マネジメント担当者の存在と業務の分析を明らかにする事ができた。本研究テーマの核心部分である。この分析によって特に日本の実態との比較を通して、日本における職業教育野方法との対象性を明らかにする事ができたと確信している。これらの研究上の分析は、学術論文2本、口頭報告2本、にして報告した。最終年度平成16年度は、研究を締めくくる計画、成果のまとめと整理、今後の課題に力を注いだ。特に、年度末には、環境保全意識のつよいモンゴルとの交流を踏まえて、国際シンポジウムでの報告、またモンゴル環境大学(エコ・アジア大学)での講演を実施した。現在報告書を纏め、研究図書として出版の準備を進めている。
著者
岩井 雪乃
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.7, pp.114-128, 2001-10-31
被引用文献数
2

アフリカの自然保護政策は,人間を排除する「原生自然保護」からの転換期を1980年代にむかえ,「開発か保護か」の二元論を脱却する施策として「住民参加型保全」が試みられている。しかしこの政策は,いまだ生態系の保全を重視する傾向が強く,その法規制と住民生活の実態には大きな乖離が見られる。本稿では,セレンゲティ国立公園に隣接して暮らすイコマの生活実践を事例に,この乖離点を明らかにし折衷の方向性を見出すことを試みる。イコマは政府によって狩猟が規制される以前から,野生動物を自給だけでなく商業的にも利用してきた人びとである。1970年代に規制が強化されると,パトロールに見つかりにくくかつ彼らにとって効率的な猟法を編み出し,現在では専業化と分業化の傾向を強めながら狩猟を継続している。これらの変化の中で,セレンゲティ地域における人と野生動物の距離は過去に比べると「遠く」なっている。しかし数年に一度「ヌー騒動」を経験するイコマは,野生動物との関係を比較的「近く」保っているといえる。本稿に見るイコマの実践は,「科学的」な研究にもとづいて猟法を規制し,利用可能な動物個体数を制限する政策とはかみ合わないが,その一方で,歴史的に利用してきた野生動物という資源を今後も持続的に利用していくことでは政策との接点が見出せるのである。