著者
安部 恭子 島田 達生
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.51-58, 2009-03-20 (Released:2010-09-09)
参考文献数
36
被引用文献数
3

個人の母乳の乳質を知るために、母乳の肉眼と顕微鏡での観察を試みた。用手搾乳された母乳141検体において、初乳は一般に黄色を呈し、移行乳から成熟乳にいたるにつれて白色となった。スライドグラス上の20μlのオイルレッドまたは1%オスミウム中に20μl母乳を滴下し、肉眼と光学顕微鏡で観察した。各々の小型の脂肪滴は鮮明に同定できるが、20μl中に含まれる脂肪滴の量にかなり個人差があった。遠心分離した上層の黄色の部位を走査・透過電子顕微鏡下で観察すると、脂肪滴は球状で、初乳1.5~3.0μm、移行乳2.0~6.0μm、成熟乳2.0~6.0μmであった。脂肪滴は母乳中においても細胞膜に包まれ、脂肪滴同士の融合はみられなかった。
著者
島田 達朗 櫻井 彰人
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.611-618, 2017-08-15 (Released:2017-08-15)
参考文献数
13
被引用文献数
1

オンラインコミュニティサイトには多くの質問が投稿されるが,その中には疑問等に対する答えを求めるのではなく質問の具体的な答えそのものよりも,自分の思いへの共感を求める質問がある.共感を求める質問に対して回答する人は,そうでない質問に対して回答する人より有意に少ない.そこで,共感を求める質問に対しても適切な回答を与えることができれば,ユーザのサイトに対する満足度が向上する.共感を求める質問に対して高い回答率を持つユーザー層に回答してもらえるよう,質問を振り分けることにより,共感を求める質問であっても回答される可能性を上げるという方法をとることとした.なお本論文では共感を求める質問とそうでない質問に対して機械学習を用いて分類を行った.
著者
菅原 真由美 杉田 聡 島田 達生
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.43-49, 2005-03-08 (Released:2010-09-09)
参考文献数
16
被引用文献数
2

近年、生活様式の変化により和式トイレの使用率が減少している。本研究では、若年者113人・中高年者79人の女性を玄対象に、しゃがみ姿勢の成就率を明らかにする。さらに、しゃがむ際に必要となる下肢関節可動域との関連を明らかにするため、トイレの様式に関する質問紙調査と角度計による下肢関節可動域の計測を行った。床に踵を付けた安定した姿勢でしゃがむことができない者が約20%いることに加え、しゃがみ姿勢による足関節背屈の可動域には左右差が認められた。また、しゃがみ姿勢の成就率と足関節背屈による可動域との問には有意差があり、安定してしゃがむことができる者は、大きな可動域を持っている傾向にあった。
著者
鹿子木 和寛 飯盛 光葉 末田 加奈 古賀 稔健 塚本 裕二 山邉 素子 島田 達生
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.53-60, 2006-03-01 (Released:2010-09-09)
参考文献数
36
被引用文献数
3

近年、ハイヒールやミュールの着用により外反母趾や扁平足などの足のトラブルが増えている。本研究はヒト足型の形態的特徴を明らかにするために、82名の女子看護大学生を対象に足型測定器「Foot Grapher」を用い、足型を調査した。その結果、足型からみた足の異常は、中等度5名 (6.1%) 、第5指の浮き指33名 (40.2%) 、鉤足6名 (7.3%) 、扁平足7名 (8.5%) に認められた。上記の4項目のいずれかに該当した女子看護大学生は44名 (53.7%) であり、約半数以上の足に何らかの問題がみられた。
著者
島田 達巳
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.32-43, 2001-09-20 (Released:2022-08-03)
参考文献数
28

情報システム(IS)のアウトソーシングは,「請負的」から「戦略的」の度合いを高めつつある.本稿では,社会ISの形成に向けて,民間企業と自治体との比較の視点から,ISのアウトソーシングの背景は何か,民間企業と自治体におけるアウトソーシングの違いは何か,そしてインターネット時代におけるアウトソーシングがどのような方向性を持ちどのような課題を抱えているのかについて述べる.
著者
下高原 理恵 島田 和幸 柴田 興彦 河野 麻理 島田 達生
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.17-22, 2006 (Released:2010-09-09)
参考文献数
20
被引用文献数
1

ヒトの肛門から直腸にかけての上皮の形態を光学顕微鏡、走査電子顕微鏡および透過電子顕微鏡を用いて調べた。組織学的所見から、我々は肛門縁から肛門直腸結合部までを肛門管と定義し、その長さは約4cmであった。さらに、肛門管を歯状線上部と歯状線下部に二分した。肛門と歯状線下部の上皮は角化重層扁平上皮からなり、歯状線下部における角化の程度は肛門よりも弱かった。歯状線上部 (肛門柱と肛門洞) は非角化重層扁平上皮からなっていた。肛門管と直腸の境界は明瞭で、直腸は単層円柱上皮からなっていた。結果的に肛門管は物理的刺激に対して強く保護されているが、直腸は形態学的に刺激に対して弱い構造であった。
著者
堀 美保 三浦 真弘 荒尾 博美 原田 千鶴 島田 達生
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.20-28, 2009-06-05 (Released:2016-08-25)
参考文献数
21
被引用文献数
2

皮神経は静脈注射時において損傷する恐れがある. 本研究では, 顕微鏡を用いてヒト上肢の局所解剖を行い皮静脈と皮神経の関係を調べた. 本検索には解剖体 6 体 7 肢を用いた. 皮静脈は, 皮下脂肪が少ない個体では表皮から約 1 ~ 2 mm に位置しており, 皮下脂肪が多い個体では表皮から 5 ~ 10 mm の深い位置に位置していた. 内側前腕皮神経の 2 つの枝は尺側皮静脈の内側, 背面もしくは側方を近接して走行していた. 尺側皮静脈と肘正中皮静脈は, 内側前腕皮神経の側面, 背面を走行していた. 外側前腕皮神経の 2 枝は, 橈側皮静脈の両側を伴行する特徴を見出した. 1 つもしくは 2 つの枝は,内側前腕皮神経か外側前腕皮神経のどちらか一方が肘正中皮静脈に分岐していた. 皮神経は, 尺側皮静脈において多く, 肘正中皮静脈で最も少なかった. 皮静脈と皮神経の位置的関係を正確に知ることは安全な静脈注射技術を獲得するうえで重要な情報であると考える.
著者
野上 龍太郎 島田 達生
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.81-87, 2007-03-22 (Released:2010-09-09)
参考文献数
19

粘血便は潰瘍性大腸炎患者に見られる重要な症状の一つである。この症状は一般的に、大腸で粘液を分泌する杯細胞の増加や、粘液の分泌が亢進したためと推測されている。しかし一方で、潰瘍性大腸炎患者の大腸病変部位では、杯細胞の減少に伴い粘液の分泌量が減少するとの報告がある。この矛盾を解決するために、潰瘍性大腸炎患者直腸の肉眼的に炎症・潰瘍のないほぼ正常な部位と炎症・潰瘍が観察される部位から粘膜を生検にて採取し、糖質組織化学、走査電子顕微鏡および透過電子顕微鏡で検索し、比較検討した。ヒト直腸粘膜上皮の杯細胞は、酸性糖を同定するためのアルシアンブルー (pH.2.5) に対して、強い陽性反応を示し鳥炎症・潰瘍のない部位では、上皮と陰窩に特に多くの杯細胞がみられた。一方、炎症・潰瘍が見られる部位では、陰窩は浅く、陰窩の杯細胞は全体的に少なかった。しかし、粘膜自由表面では代償的に杯細胞の増加が顕著にみられた。さらに、増加した杯細胞の自由表面は著しく膨隆し、粘液の過剰分泌が伺われた。陰窩での杯細胞減少に対する、粘膜自由表面での代償性の増加と、粘液の過剰分泌に伴う激しい凹凸が粘血便発生の要因であることが示唆され、杯細胞減少と粘液便の両見解に矛盾が無いことが明らかになった。
著者
井上 雅友 渡邉 勇太 島田 達郎 山内 将行 田中 衞
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.547, pp.43-48, 2006-01-17
参考文献数
8

本論文では, 離散時間型セルラーニューラルネットワーク(DT-CNN)を利用し, 学習によって得られたデータをもとに時系列データの予測方法を提案している. 予測に用いられるモデルは連立微分方程式であり, その係数はDT-CNNの状態方程式の平衡解から得られる. 機械学習によって得られたAテンプレートは時系列が多系列になるにつれて密行列になる. そこで, ハウスホルダ変換(HHT)を用いてAテンプレートを3重対角化することにより疎行列にし計算の小規模化を実現している. 時系列データにはChua回路のカオスアトラクタを用いている. シミュレーション結果では, 本提案手法を用いて観測されたデータから十分にアトラクタの予測が可能であることを示している.
著者
休波 茂子 一宮 朋来 割石 富美子 島田 達生 那須 勝
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.195-199, 1998-08-30 (Released:2010-07-21)
参考文献数
12

環境消毒として使用され始めているジクロロイソシアヌル酸ナトリウム (SDI) に対する殺菌効果について検討した.菌株はPseudomonas aeruginosaPAO 2001-2とMethicillin-resistantStaphylococcusaureus(MRSA) OMU 91007を用い, biofilm菌を作成して行った.SDIの対照として塩酸アルキルジアミノエチルグリシン (AEG) を使用した.P.aeruganosaに対する殺菌作用は, AEGに比べSDIのほうが強く約15分で殺菌し, MRSAに対する殺菌作用もSDIのほうが強く約30秒で殺菌し, また, 走査電子顕微鏡で各消毒薬によるP.aeruginosaおよびMRSAの菌体構造の破壊が観察された.手術室での消毒薬による減菌値は, AEGに比べSDIのほうが高く, MRSAを含む分離菌の減菌値はSDIでは100%であった.以上の結果より, SDIはbiofilm形成菌に対して優れた殺菌効果を有した.保管方法, 濃度調整などが容易であるという利点からも, 病院環境消毒に安全・有効な消毒剤であると思われる.
著者
森田 勝弘 木内 里美 奥村 裕一 有馬 昌宏 島田 達巳 重木 昭信 土肥 亮一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2010年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.8, 2010 (Released:2010-06-14)

経営情報学会では、2008年4月より「官のシステム」特設研究部会を立ち上げ、2年間にわたり我が国の政府機関及び地方自治体における情報システムのガバナンス問題に焦点を当て、現状の問題点と今後の在り方についての研究を進めてきた。本セッションでは、その研究部会メンバー有志によるプレゼンテーションとパネル討論を通じて、電子政府・自治体の課題を整理し、提言をまとめる。
著者
島田 達朗 永井 勝一郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経systems (ISSN:18811620)
巻号頁・発行日
no.307, pp.48-55, 2018-11

Dockerに代表されるコンテナ技術に注目が集まっている。従来の仮想マシンに比べて、起動が速い、仮想化環境の再現性が高いなどのメリットがある。ママ向けサービス「ママリ」を運営するコネヒトは3ステップを踏み、既存システムをDockerに手堅く移行した。一連の作業の勘所を解説してもらう。
著者
島田 達
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.28, 2014 (Released:2014-07-04)

今日日本は超高齢社会の問題に直面している。高齢者が増えるということは同時に寝たきり老人の増加を意味する。そこで私は寝たきり老人のためのリハビリテーションに着目した。なぜなら彼らは自分の身体をほとんど動かすことができないため、リハビリテーションを取り入れることが難しいからだ。寝たきりをとりまく様々な症状や問題の原因は拘縮である。本研究では治療部位を手指の拘縮に限定し、手指の他動運動によるリハビリテーションが手指拘縮を改善すると同時に認知症の治療にもつながるという仮説を立てた。実地調査や実験を行なうことでリハビリテーション治療を行なうシステムについて研究し、デバイスの制作要件の抽出を行なった。結論として、シリコーンボディを用いた柔らかい素材によるデザインを採用した。