著者
広瀬 孝三郎 松原 仁 原 久夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学) (ISSN:21856516)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.27-37, 2016

マッドペーストの乾燥収縮亀裂は,土粒子と乾燥-湿潤サイクルの相互作用やペーストの状態変化に伴って,極めて複雑な力学的挙動を示すことが知られている.本研究では,ベントナイトペーストに発生するMudcrackのフラクタル次元を明らかにし,また,乾燥過程におけるフラクタル次元の経時変化および粒度組成に伴う変化,さらに,乾燥-湿潤繰返しが亀裂パターンおよびフラクタル次元に及ぼす影響について検討した.その結果,Mudcrackのフラクタル次元は,乾燥時間に伴って一定値に収束し,体積収縮率と密接な関係があることが明らかとなった.一方,Mudcrackのフラクタル次元と亀裂進展長さに関しては統一的な関係はみられないが,乾燥-湿潤サイクル実験により,亀裂は過去に発生した亀裂箇所で再度発生することが分かった.
著者
広瀬 貞三
出版者
福岡大学
雑誌
福岡大學人文論叢 (ISSN:02852764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.373-401, 2015-06

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著者
広瀬了乗 著
出版者
東京堂
巻号頁・発行日
1917
著者
広瀬 玲子
出版者
The Gender History Association of Japan
雑誌
ジェンダー史学 (ISSN:18804357)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.17-32, 2014

1945 年の敗戦時日本帝国の支配は東アジア・東南アジア・太平洋地域に及んでいた。朝鮮半島もその一地域である。そこに約75 万人の日本人が移動・定着して家族を形成し、植民地での特権的生活を送った。35 年間の植民地支配の過程で、植民者一世・二世(あるいは三世)という世代形成がなされた。<br>本稿は、朝鮮で植民者として暮らした日本女性に焦点を当てた。被植民者に対し抑圧者・支配者であった女性に関する研究は少ない。まず、朝鮮における日本女性の人口・職業構成を明らかにし、彼女たちの植民地での位置を概観した。続いて、女性たちのあり様を、一世の経験としての愛国婦人会の結成と活動を通して考察する。朝鮮における愛国婦人会の結成は併合以前の1906 年であり、それも内地の愛国婦人会結成と歩みを揃えて行われた。これは日本の支配層が植民地化推進に女性の力を不可欠としたことを示している。愛国婦人会は「文明化の使命」の理念を掲げ、朝鮮王室や支配層の女性の多数を組織しながら活動を展開していった。<br>さらに女性たちのあり様を、二世の経験としての女学校生活という側面から明らかにした。具体的には京城第一公立高等女学校生の植民地経験をとりあげた。朝鮮で生まれ育った彼女たちは高等女学校生として「幸せな」学園生活を送るが、それは支配者としての特権の享受のうえに成り立っていた。彼女たちの大半は、自らが「植民者= 侵略者」であるという自覚なしに生活した。そこには支配を支配と感じさせない暴力、被植民者を不可視化する暴力が働いていていた。日本の敗戦により、「自分が侵略者であった」とつきつけられ、引揚げたのちに、内なる植民地主義をいかに解体するのかが課題となるが、いまだに果たされたとは言えない。<br>さいごに、少数ではあるがこの課題に応えようとする女性植民者の事例を紹介し、植民地主義解体の可能性について考察した。
著者
鶴 清 広瀬 茂男
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp."1A1-D20(1)"-"1A1-D20(4)", 2008-06-06

高所での危険な作業を人に代わって行う壁面移動ロボットの開発は活発に進んでいる。中でも,ロボットを鉄壁面に吸着しながら移動も行う吸着駆動方法の開発はブレイクスルーのひとつであり,現在,鉄製のガスタンク,原子炉壁の固定にはブロアー式と磁気吸着式が考えられるが,その内,外部に駆動系設備が要らない磁気吸着式が注目されているしかし,従来の磁気吸着式は,鉄面の溶接部,リベット部などの凹凸がある場合は吸着力が著しく減少してしまうことが壁面移動ロボットの発展の課題とされているまた,この凹凸を乗り越えて移動するロボットも研究されているが,永久磁石の強力な磁気吸着力を脱離する移動機構などを組み込んでいるため重量化して実用的でない.実用面を考慮すると人が手で持ち運びできる小型・軽量型で,溶接部やリベットなどの凹凸がある鉄板でも確実に吸着できる磁石ユニットがあると,鉄製構造物に吸着移動するロボットの吸着ユニットのとして有効である.現状で十分な吸着力がある吸着器に対する要望は依然として高いが,有効な吸着器の発表は未だない.そこで,このような課題を解決するために,永久磁石の磁気吸着力をばねの力に蓄えることで,可変位型の磁気吸着部を構成して,さらに全方向に移動可能できる磁気吸着型善方向移動ロボットの機構を組み込んだ新しい概念、のロボットの研究を進めてきたこの全容をFig.1に示す.本報告は,開発中の移動方法と構造を示す.
著者
広瀬 淳子
出版者
学習院大学
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.119-152, 2011

本稿は学習院大学に埋もれていた華族会館旧蔵洋書についての調査報告である。 明治2 年の布達により新たに華族と称されるようになった旧諸侯(大名)と公卿(公家)たちによって明治7 年に設立された華族会館は、明治10 年に学習院を創立した際、図書館を作る目的で収集していた資料のほとんど即ち和漢書9,159 冊及び洋書1,614 冊を学習院へ寄贈した。 その事実を裏付ける『華族会館寄贈図書目録』が学習院大学図書館書庫に眠っていた。 そのなかの洋書目録は日本語で記載されているため、表示された書名等を手掛かりに原書をすべて同定することは不可能であった。そこで、学習院が明治30 年以前に受入れた洋書のなかで明治10 年(1877 年)までに出版されたものを選び出してその蔵書印等を調査した結果、836 冊の華族会館旧蔵洋書を確認した。そうしてリストを作成すると、明治初期の新しい国造りに向けたコレクションが浮かび上がった。その多くは勝海舟をとおして徳川宗家から寄贈されたものである。Kazoku Kaikan, the Peer's Club established in 1874 by peers, former feudal lords and high court nobles, planned to have its library, and collected books. In 1877 Kazoku Kaikan founded the school named Gakushuin for the children of its members and transferred most of its book collections, 9,159 Japanese and Chinese books and 1,614 Western books to the library of the school, and became the patron of the library. This transfer and the history of individual book became traceable by the recent discovery of the catalogue, prepared in 1879 and written in Japanese under the title of Kazoku Kaikan Kizo-tosho Mokuroku, of the transferred books, within the Gakushuin University Library. The author found out 836 Western books bearing the ownership stamps of the Kazoku Kaikan in the Gakushuin University Library collection, by investigating the books published before 1877, and accepted by Gakushuin Library before 1897. These books were published in the United States of America, Great Britain, France, Germany, etc., and turned out to be a leading collection to promote modernization of Japan in early Meiji Era. Most of the literatures were contributed by the Tokugawa Shogunal Household by the arrangement of KATSU Kaishu. The story about the Japanese and Chinese books donated by the Tokugawa Shogunal Household was described before(No. 8 of this journal).
著者
ヤーッコラ伊勢井 敏子 広瀬 啓吉 中 貴俊
出版者
中部大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

本研究は,フォルマント数値を用いて空間スペースにおける母音位置の三次元可視化(3軸上にF1~F3,F1~F2+F4を使う)を実現するものである.研究者が言語内および言語間の母音距離を表示できること,さらに,外国語学習者がユーザーフレンドリーなツールとして母音学習に役立てるために開発することを目的とする.全言語の母音表示を可能とするものである.本年度の研究成果として,研究者が未知の母音音素(各言語においてフォルマント母音図で位置が決まらない母音音素)について定量的にフォルマントの計測をし,位置を決め,更にその位置から伝統的な母音図を応用予測して適切な母音を決定できるようにするため,IPA母音すべてを任意に選択できる機能を追加した.また,学習者が英語モデル母音音素を何度でも聞こえるよう,母音をクリックするだけで音声が聞こえるように改善した.また,モデル音素を静的に置き,母音フォルマントを基本に学習者の音声が動的に動くシステム作りのベースを開始した.実験として日本語学習者の英語母音習得(特に短母音)の程度を英語母語話者と比較した.3次元フォルマント母音図とフォルマントの単純グラフを比較表示すると,前者の方が後者より圧倒的に視覚的効果があるだけでなく,母音間の距離感がより明瞭に分かることを実証した.本研究は今後音声認識技術を取り込めば全言語対応の母音学習ツールとしてより効果が見込め,これまでの研究成果発表の経験から,研究者にも学習者にも需要が高まるであろうことが十分予見できる.なお,本研究のベースとなった3次元可視化システムの応用性について,英語の筆記体を取り上げた.筆記体は現状の英語教育では看過されている.実態調査を行ったが,多くの大学生が読めないし書けないけれども,読みたいし書きたいという要望が多かった.更に,習得により将来何らかの利益があると考える学生が多かった.アルファベット筆記体を英語学習者に習得させることには意義がある事を実態調査が示した.即ち,アルファベット筆記体を3次元空間スペースで認知学習させる重要性も高まったと見てよいだろう.
著者
嵯峨山 茂樹 伊藤 克亘 宇津呂 武仁 甲斐 充彦 小林 隆夫 下平 博 伝 康晴 徳田 恵一 中村 哲 西本 卓也 新田 恒雄 広瀬 啓吉 峯松 信明 森島 繁生 山下 洋一 山田 篤 李 晃伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.518, pp.73-78, 2003-12-12

擬人化音声対話エージェントのツールキット"Galatea"の開発プロジェクトについて報告する.Galateaの主要な機能は音声認識,音声合成,顔画像合成であり,これらの機能を統合して,対話制御の下で動作させるものである.研究のプラットフォームとして利用されることを想定してカスタマイズ可能性を重視した結果,顔画像が容易に交換可能で,音声合成が話者適応可能で,対話制御の記述変更が容易で,更にこれらの機能モジュール自体を別のモジュールに差し替えることが容易であり,かつ処理ハードウェアの個数に柔軟に対処できるなどの特徴を持つシステムとなった.この成果はダウンロード可能となっており,一般に無償使用許諾している.