- 著者
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竹内 俊貴
田村 洋人
鳴海 拓志
谷川 智洋
廣瀬 通孝
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.11, pp.2441-2450, 2014-11-15
本研究では,個人の電子的な生活記録であるライフログとあらかじめ決まっているスケジュールに基づいて,未来のタスクの進捗状況を予測・提示することで,円滑なタスク進行を促す手法を提案する.複数のタスクの重複による管理の煩雑さや,人間の時間選好性によるプランニングの誤りにより,将来的なタスク状況を適切に意識できずに破綻が生じることがある.提案手法は,未来のタスク状況を逐時フィードバックすることで,作業量を修正するようにユーザに自発的に行動変化を起こさせる.自由記述形式のライフログを取得する実験から,日常行動を「睡眠,食事,生活,タスク,予定,移動,余暇」の7項目に分類することとした.ユーザは各行動に当てた時間をスマートフォンを用いて記録し,また,Webカレンダを用いてあらかじめ定まっているスケジュールを記録する.これらの情報から,簡単な単回帰モデルによる未来予測を行い,馴染みのある日記を模したインタフェースに未来のタスクの進捗状況を提示するシステムを構築した.ユーザスタディにより,予測提示が被験者の行動に影響を与えたことを確認した.また,提案システムにおいては,日記を模したインタフェースが,グラフを用いたインタフェースよりも有用であるという評価が得られた.