著者
白田 利勝 後藤 藤太郎 石坂 誠一
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.156-161, 1974 (Released:2013-02-19)
参考文献数
15

海水の沸点上昇は海水淡水化装置の設計に対しても, また力学定数としても重要であるが, 今まで報告されたデータの中には信頼性の乏しいものもあり, 精度の高い沸点上昇データが必要となってきている.本研究は60.0℃から130.0℃の温度域, 約1.7wt.%から11wt.%の濃度範囲で, 新しいステンレススチール製の双子型エブリオメーターを用いて海水の沸点上昇を測定した.得られた沸点上昇は, StoughtonとLietzkeの推算値およびBromleyの実測値と非常に良く一致しており精度の高いものと思われる.海水の沸点上昇データを, 6定数式で近似しその定数を最小自乗法によって決定し, 次の式が得られた.B. P. E.=0.528764×10-1x+0.826030×10-3×xT-0.315082×10-7×xT2+0.320553×10-2×x2-0.144367×10-4×x2T+0.184416×10-6×x2T2
著者
辻本 雅文 服部 明 後藤 芳邦
出版者
帝京平成大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

小胞体アミノペプチダーゼ(ERAP1)はインターフェロン(IFN)-γ およびリポ多糖(LPS)処理によりマクロファージから分泌される。このことは、分泌されたERAP1が血液中の血管作動性物質に作用し、血圧を調節している可能性を示している。ERAP1の分泌機構を検討した結果、IFN-γ およびLPS処理により発現誘導されるIFN-β等のサイトカインが細胞内カルシウム濃度を上昇させることが重要であることが示された。また分泌されたERAP1がアンジオテンシンII などN-末端にアルギニンを有するペプチドに作用し、一酸化窒素を産生することで血圧調節に関与しうることも示された。
著者
駒井 三千夫 白川 仁 後藤 知子
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

これまでの報告では、苦味レセプターTAS2R遺伝子中のSNP(一塩基多型)は苦味感受性に大きな影響を与えていることが判明している。ブロッコリー等のアブラナ科植物の苦味を敏感に感じ取ることが可能な人では、発癌リスクが高いと推定される疫学的データがあるため、その苦味感受性とその物質の代謝酵素の活性も違う可能性も類推される。苦味レセプターの多型と苦味感受性の相関関係を明らかにしていくことは、苦味受容機構の解明につながるほかに、個人の遺伝的素因と疾病発症の関係を解明する糸口になるものと考えられる。よって本研究では、被験者個々人のTAS2R遺伝子のSNP検出と官能検査を行い、苦味感受性に関与するSNPを同定することを目的とした。今の段階では研究結果の詳細を公開することはできないが、以下に成果の概略を記す。平成21年度の研究では、TAS2R44とTAS2R45におけるSNPの組み合わせに規則性がみられ、これらの遺伝子型はカフェインの閾値とは関連が見られなかったものの、カフェインの苦味強度との関連が見られた。これらのSNPの組み合わせは苦味感受性に影響を及ぼしていることが示唆された。TAS2R44、TAS2R45のハプロタイプを解析した結果、TAS2R44では3つのハプロタイプ、TAS2R45では2つのハプロタイプが観察された。これらのハプロタイプの組み合わせにより、被験者48人は3種類、官能検査を行った38人は2種類の遺伝子型に分類することができた。これらの成果は、今後の研究の進展に極めて重要である。
著者
重村 力 月館 敏栄 岡田 知子 後藤 隆太郎 三笠 友洋
出版者
神奈川大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

この研究は、被災集落における復興計画の策定に参与し、その過程を記録する事で、住民主体の合意形成過程、住民要求の把握と各種復興事業の実施における課題について明らかにすることを目的としている。研究対象は主として岩手県大船渡市三陸町越喜来崎浜集落及び宮城県気仙沼市大島を対象とし、以下6項目の研究を行なった。1)岩手県内沿岸集落の津波被災に関する歴史的研究、2)集落空間と生活実態の調査、3)防集事業における住宅復興の課題整理、4)被災後の集落共同空間構築過程の記録、5)漁集事業における課題整理、6) 漁業史文庫の再建支援
著者
後藤 新平
出版者
コロムビア(戦前)
巻号頁・発行日
1924-06
著者
荒川 貴紀 三川 健太 後藤 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.8, pp.1956-1959, 2013-08-01

本研究では,学習データ中に全く現れなかった未知のカテゴリー(未観測カテゴリー)の文書が出現するような状況での文書分類問題を対象とし,確率モデルに基づいた新しい分類手法を提案する.
著者
吉井和佳 糸山克寿 後藤真孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.9, pp.1-8, 2014-08-18

本稿では,多数の楽器音が重畳している音楽音響信号を,音の三要素である音高 (基本周波数)・音色 (スペクトル包絡)・音量に分解するための確率的ソース・フィルタモデルについて述べる.ソース・フィルタ理論は楽器音分析に広く利用されており,楽器音のフーリエ変換スペクトルは,音源信号の基本周波数に起因するスペクトル微細構造と楽器音の音色を表すスペクトル包絡との積に分解される.このとき,スペクトル包絡が全極型モデルで表現できると仮定すると,理論的には線形予測分析 (LPC) を用いて,線形周波数領域でスペクトル包絡を推定することができる.しかし,実際には,調波構造のピークのみがスペクトル包絡からの信頼できるサンプルであるとみなせるため,スペクトル包絡推定に全周波数帯域を利用することは適切ではない.この問題の解決法のひとつに離散全極型モデルが知られているが,多重音に対して適用することはできなかった.本研究では,離散全極型モデルを LPC の多重音拡張である複合自己回帰モデルの枠組みに組み入れることで,調波構造が複数重畳した音響信号を扱うことができる無限重畳離散全極型モデルを提案する.本モデルは,人間の聴覚特性に則した対数周波数領域で定式化されるノンパラメトリックベイズモデルであり,適切な個数のスペクトル包絡とそこからサンプルされた適切な個数の調波構造を推定することができる.実験の結果,提案手法の有効性を確認した.
著者
瀬地山 角 中西 徹 幡谷 則子 後藤 則行
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

地域別に重要なネットワークを抽出し,発展途上国の都市貧困層のコミュニティ形成の国際比較分析を行い,東アジアでは,近年の社会変動の中で構成単位である家族におけるジェンダー関係の相違が決定的役割を持つのに対して,コロンビアでは,市政府,市議会議員とコミュニティ住民の間のネットワーク・コーディネーションがコミュニティ資源を深化させ,フィリピンでは二者間関係の連鎖が広域コミュニティの形成を促進しているという発見を得た。
著者
後藤 真孝 橋口博樹 西村拓一 岡隆一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.728-738, 2004-03-15
被引用文献数
55

本論文では,研究者が研究目的で共通に利用できる著作権処理済み音楽データベースの,制作方針と構成について述べる.他の研究分野では,以前から多様な共通データベースが構築され,研究の進展に大きく貢献してきていたが,音楽情報処理の分野では,従来,共通楽曲データベースや大規模な楽器音データベースは存在していなかった.そこで我々は,RWC(Real World Computing)研究用音楽データベースとして,「ポピュラー音楽データベース」(100曲),「著作権切れ音楽データベース」(15曲),「クラシック音楽データベース」(50曲),「ジャズ音楽データベース」(50曲),「音楽ジャンルデータベース」(100曲),「楽器音データベース」(50楽器)の6つを構築した.全315曲に対し,音響信号,標準MIDIファイル,歌詞のテキストファイルを用意し,50楽器に対し,音域全体を半音間隔で収録した単独演奏音を用意した.これらを共通ベンチマークとして活用することで,様々なシステムや手法の比較・評価が可能になる.また,統計的手法や学習手法を活用した,データベースに基づく多様な研究の進展も期待できる.さらに,学会等における研究成果の対外発表の際にも,著作権の制約を受けずに自由な使用ができるようになる.本データベースはすでに広く利用され始めており,音楽情報処理の研究分野の発展に寄与していくことが期待される.This paper describes the design policy and specifications of a copyright-cleared music database that is available to researchers as a common foundation for research.Shared databases are common in other fields of academic research and have frequently made significant contributions to progress in those areas.The field of music information processing, however, has lacked common databases of musical pieces and large-scale databases of musical instrument sounds.We therefore built the RWC (Real World Computing) Music Database which contains six original collections: the Popular Music Database (100 pieces), Royalty-Free Music Database (15 pieces), Classical Music Database(50 pieces), Jazz Music Database(50 pieces), Music Genre Database(100 pieces), and Musical Instrument Sound Database(50 instruments).For all 315 musical pieces, we prepared audio signals, standard MIDI files, and text files of lyrics.For the 50 instruments, we captured individual sounds at half-tone intervals.These collections will provide a benchmark that enables researchers to compare and evaluate their various systems against a common standard.The database can also be used to stimulate research in database-oriented approaches that use statistical methods and learning techniques.In all cases, researchers can use the database for research publications and presentations without copyright restrictions.The RWC Music Database has already been widely used and will contribute to further advancements in the field of music information processing.
著者
山本 政幸 ジェームズ モズリー ルース クリブ 指 昭博 後藤 吉郎 吉田 公子
出版者
多摩美術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、20世紀イギリスにおける近代的なグラフィックデザインの形成プロセスの一端を、タイポグラフィの視点から明らかにすることである。とくに1920年代後半から30年代にかけて流行した幾何学的な構造をもつ新しいサンセリフ体活字の設計手法に注目し、イギリスでこの活字書体を発展させたエドワード・ジョンストン(Edward Johnston, 1872-1944)とエリック・ギル(Eric Gill, 1882-1940)の制作活動を把握し、背後にあった造形思想の実態を探った。両者が継承したアーツ&クラフツ運動の精神性が、機械化と大量生産に対応してゆく独自のデザイン観に至る経過をたどり、イギリスにおけるモダン・タイポグラフィの発達に貢献したことを確認した。
著者
後藤 杏里 佐々木 信幸 菅原 英和 角田 亘 安保 雅博
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.242-247, 2008-04-18
被引用文献数
1

We report a 47-year-old right-handed male patient with pure word deafness after suffering an intracerebral hemorrhage. He had been working as a high school teacher before the onset of his stroke. He was emergently admitted to our hospital due to left putaminal hemorrhage and treated conservatively after admission. The patient's neurological findings showed that although his auditory comprehension was severely impaired, he was still able to communicate using written language. Pure-tone audiometry didn't detect any sensorineural hearing impairment. After the diagnosis of pure word deafness was clinically made, we educated the patient and his family, as well as the associated medical staff at our department, about this condition so that they could understand his pathological situation. In addition, we introduced a rehabilitation program for lip-reading and showed him a technique for using articulatory voice production in usual conversation. As a result of our attempts, he developed the ability to communicate using lip-reading skills after 2 months of rehabilitation and successfully returned to his previous work because of the communicative competence he acquired. We also make some proposals for helping other patients with auditory agnosia to return not only to their regular daily activities but also to return to gainful employment, as patients with this condition seem to have special difficulties benefiting from the present welfare service system in Japan.
著者
小島 摂 後藤 春彦 佐久間 康富 上原 佑貴 山崎 義人
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.611, pp.101-107, 2007
参考文献数
15
被引用文献数
1 3

This study aims to clarify the actual conditions about dwelling unit combined with other use. By forcusing on process and distribution of non-dwelling function in Tama Newtown, we clarified the following things. 1. In Tama Newtown, non-dwelling function has been inserted to dwelling unit (we call 'dwelling unit combined with other use' on this paper) because there is a flexibility in respect of space and management inside of dwelling unit. 2. Generation of non-dwelling function needs the passage of time. 3. Residents who operate non-dwelling function feel the merit and demerit. Some of them want to transfer to the outside because of the need for wider space.
著者
深山覚 後藤真孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.14, pp.1-7, 2014-08-18

ダンスと音楽が連動したデータから機械学習を行い、新しく入力する楽曲に対して 3 次元コンピュータグラフィックスのキャラクタのダンスを自動生成できる手法 MachineDancing を提案する。従来、ダンスの断片を準備しそれを確率モデルなどを用いて音楽に合わせて接続することでダンス自動生成が実現されてきた。しかしダンスの断片を切り貼りするのみで、ダンス動作自体の学習・生成手法とはなっておらず、生成結果のバリエーションに限界があった。本研究ではダンス動作の確率モデルとしてガウシアンプロセス (GP) を用い、ダンスと音楽の対応関係のみでなく、ダンス動作自体をも学習することで、新たな動作を楽曲に連動して自動生成できる手法を提案する。