著者
亀高 正男 菅森 義晃 石田 直人 松井 和夫 岸本 弘樹 梅田 孝行 東 篤義 山根 博 杉森 辰次 魚住 誠司 永田 高弘 松場 康二 桑島 靖枝 岩森 暁如 金谷 賢生
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.125, no.11, pp.793-820, 2019-11-15 (Released:2020-03-26)
参考文献数
152
被引用文献数
1

舞鶴-小浜地域の5万分の1精度の地質図を新たに作成し,上林川断層の破砕帯の観察結果などと合わせて,超丹波帯と丹波帯の地質構造発達史を検討した.超丹波帯は後期ペルム紀〜三畳紀(?)付加体の上月層・大飯層・氷上層に,丹波帯はジュラ紀付加体の周山・雲ヶ畑・灰屋・鶴ヶ岡・由良川の5つのコンプレックスと古屋層に区分される.これらの地質体は衝上断層によって境され,大局的には北に向かって構造的上位かつ古い地質体が分布するパイルナップ構造を形成している.超丹波帯および丹波帯は東西~北西-南東走向で西〜北西に傾斜した軸を持つ半波長数kmの褶曲構造を形成している.この褶曲構造を切って北東-南西方向に,左横ずれカタクレーサイト帯を伴う地質断層としての上林川断層が延びている.活断層としての上林川断層は右横ずれ成分が卓越し,より古い地質断層の一部が横ずれインバージョンによって再活動していることが判明した.
著者
齋藤 暁
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2017-04-26

平成30年度は、昨年度の研究が日本憲法学史に傾斜した反省をうけ、戦後ドイツ憲法学史の検討を主に試みた。具体的には、ドイツ連邦憲法裁判所ならびにその国法学への(相互)影響を、連邦憲法裁判所の創設期から1970年代に至るまで順次考察した。それを通じて、最初期のドイツ憲法学を考察する1つの視座として、戦後初期の帰国亡命者やアメリカ留学経験者が西ドイツの国法学に重要な役割を果たしていた可能性があることを提示するに至った。本来であれば、以上の仮説の検証を行う必要があるが、齋藤は末延財団から在外研究支援奨学金を受給するために、7月31日付で特別研究員を中途辞退することとなった。本研究は日独の比較憲法学史研究であり、両国の戦後憲法学を「国家論の衰退傾向」を補助線として剔抉することを目的とするものであるが、本研究の完成は将来的な課題として残された。なお、辞退までの期間で、立教大学図書館所蔵の宮沢俊義文庫で『憲法講義案』を中心に宮沢の国家論と憲法学に関する史料を蒐集し、また同時に、昨年度の研究を纏めた雑誌論文(拙稿「初期樋口陽一の憲法学と〈戦後憲法学〉の知的状況(1・2・3)--日本戦後憲法学史研究・序説」法学論叢)の公表準備を行った。
著者
寺田 暁彦 中川 光弘 大島 弘光 青山 裕 神山 裕幸
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大學地震研究所彙報 = Bulletin of the Earthquake Research Institute, University of Tokyo (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1-2, pp.17-26, 2004

In this paper, the authors describe remarkable thermo-activities especially at the fumaroles B on the southwestern cliff of the summit dome on Tarumae volcano, which unusually occurred soon after the Tokachi-oki erathquake that took place on Sep. 26 2003 (MJMA 8.0). The unusual thermoactivities include (1) increase in gas flux, (2) weak glow witnessed by the high-sensitive camera in the nighttime with positions moving night by night, and (3) ash ejection of about 24m^3. Since the high-sensitive cameras can detect thermal radiation, the observed glow would be evidence for high-temperature of rock surface. It is considered that the Tokachi-oki earthquake would affect the volcano to eject a large amount of high-temperature gas, which resulted in the weak but unusual glow and ash deposits of the order of 10m^3 in volume.
著者
村中 文人 岩間 直子 斉藤 知明 殿内 暁夫 赤田 辰治 武田 潔
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.9, pp.711-716, 2006-09-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

カプロン酸エチル高生産酵母Sacckaromyces cereuisiae3703-7株はグルコース濃度15%培養温度25℃で培養した時カプロン酸エチル生成が最大であった。糖類ではグルコースよりはシュクロース, フルクトース基質の方がカプロン酸エチル生成が多かった。親株の3703株はカプロン酸エチル生成に対するグルコース濃度,培養温度の効果はほとんどなく, その生成量は3703-7株と比較して1/7-1/10であり, 低かった。これらの結果からフルクトース,グルコースとシュクロースを糖組成とするリンゴ搾り粕を原料として3703-7株をエタノール発酵することによりカプロン酸エチルや酢酸エチルの香気物質を生成することが示唆された。リンゴ搾り粕から糖濃度の異なる2種類の抽出液,×5抽出液(糖分6.4%を含む)および×1抽出液(糖分10.4%を含む)を調製し, 3703-7株を植菌し, 15℃ および25℃ で培養した。カプロン酸エチルは×1抽出液の方が多く生産された。×1抽出液で25℃8日間培養後, エタノールは5.23%生成され,カプロン酸エチル, 酢酸エチルと酢酸イソアミルはそれそれ3.12ppm, 7.13ppm, 0.45ppmであった。この発酵液の蒸留液はリンゴの香りに加えてカプロン酸エチルの甘い香りを有するエタノール32.3%のフレーバーアルコールであった。
著者
島田 泰子 芝原 暁彦 Yasuko SHIMADA Akihiko SHIBAHARA
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.12, pp.111-124, 2017-01

二松学舎大学国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質標本館室/産総研技術移転ベンチャー 地球科学可視化技術研究所方言分布形成の解明にとって重要な参照事項である地形情報ならびに各種地理情報を,正確かつ直感的に参照できる方法として,精密立体投影(HiRP = Highly Realistic Projection Mapping)という手法の導入を提言する。DEM(数値標高モデル)に基づく三次元造形物である精密立体地形模型を作成し,その表面に,プロジェクターによる光学投影(プロジェクションマッピング)を行い各種の地理情報を重ね合わせることで,地形・河川の流路・交通網などといった複数の地理情報を,同時に照合することが可能となる。言語地図における言語外地理情報の照合作業は,従来,特殊な鍛錬なしには困難を伴うものであったが,この精密立体投影(HiRP)により,その精度が飛躍的に向上する。本稿では,精密立体投影(HiRP)の技術や装置の詳細を紹介するとともに,具体的な分析事例として,長野県伊那諏訪地方における「ぬすびとはぎ(ひっつき虫)」の分布データにおける経年変化を取り上げ,これを検証する。
著者
丸橋 暁 丸橋 友子 丸橋 美鈴
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

ホワイトチョコレートはダークチョコレートよりも融けやすいと言われる.ホワイトチョコレートとダークチョコレートとの融解温度の差を利用してミグマタイトをつくってみた.【材料】・ホワイトチョコレート・ダークチョコレート【方法】ホワイトチョコレートとダークチョコレートとを容器に詰め,湯煎をして融解させた.【なぜそんなことを?】家族で肥後変成帯のミグマタイトを見に行った.その振り返りにキッチン変成岩岩石学として,ミグマタイトチョコレートをつくってみた.【結果】ミグマタイトの構造を再現したミグマタイトチョコレートをつくることができた.ミグマタイトがどのようなものかがこの振り返り実験で実感できた.
著者
末吉 悦代 濱田 暁子 出口 弦舞 大薗 洋 高橋 晴奈 内川 研
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.186-189, 2006-03-20 (Released:2011-10-07)
参考文献数
15

多様な病態を呈し, リハビリテーションをすすめる上で考慮する点の多い頚髄損傷患者に対する, 当院での作業療法を紹介する.訓練開始時期においては, 安定した座位姿勢を作りながら机上での作業といった機能訓練を行い, 日常生活動作としては食事や整容動作の獲得を目指す. 活動性が向上する時期では, 動的なバランス訓練を行い, 日常生活動作としては, 複合的な更衣, 移乗, 排泄動作などを行っていく. また, 近年増加傾向にある不全頚髄損傷では, 移動能力を把握することと柔軟性の低下した身体に根気よくアプローチすることがポイントである. 高齢頚髄損傷では合併症を呈する割合が高く, 特性を踏まえた対応が求めれる. また, 家族に対しても身体的, 精神的な負担を考慮しながらサポートしていく必要がある.
著者
門田 暁人 伊原 彰紀 松本 健一
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.2_52-2_65, 2013-04-25 (Released:2013-08-25)

ソフトウェアリポジトリマイニング(MSR)は,研究テーマの宝庫であり,大変魅力のある研究分野である.「ソフトウェアリポジトリ」という鉱山から,マイニング(宝探し)をすることで,新しい研究目的を見つけ出すことが研究の醍醐味となっている.特に,オープンソースソフトウェア(OSS)のリポジトリを対象とした研究が盛んであり,OSS開発の広がりとともにMSRの分野は発展してきた.本稿では,MSR研究の魅力,主な研究テーマ,マイニングの具体例,MSR分野の今後の発展について述べる.