著者
李 暁辰
出版者
関西大学大学院東アジア文化研究科
雑誌
文化交渉 : Journal of the Graduate School of East Asian Cultures : 東アジア文化研究科院生論集 (ISSN:21874395)
巻号頁・発行日
no.2, pp.185-201, 2013-12-01

Keijō Imperial University was Japan's sixth imperial university and first imperial university to be built outside Japan proper. In 1928 Taipei Imperial University opened with two faculties, the faculty of literature and politics and the faculty of agriculture and science. In this paper I analyze modern Sinology at Keijō Imperial University in Seoul, Korea, and Taihoku Imperial University in Taipei, Taiwan during the Japanese colonial era. First I describe the mission, ideology, and roles of the first presidents of both imperial universities. Next I elucidate the characteristics that distinguish the organization of these imperial universities between 1872 and 1879 from other imperial universities. Finally, I discuss the professors who were in charge of courses on Chinese philosophy at both universities, including the structure of the courses and the human network involved. Using this approach of tracing the flow of modern academic knowledge of Chinese philosophy, I will follow the trends from the imperial universities of Japan to those of Korea and Taiwan.東アジアの思想と構造
著者
難波 恒雄 唐 暁軍 小松 かつ子 門田 重利 胡 世林 TANG Xiao-jun 宮代 博継
出版者
富山医科薬科大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

大乗仏教(根本思想にインド医学が反映する)が伝播した地域で発達している伝統医学を,医療及び薬物の面から比較し,各地におけるインド医学(アーユルヴェーダ)の展開または対立関係を解明することを通して,北方系東洋医学の個々の特徴を明確にすること,及び調査の過程で現代医療に貢献できる薬物や養生法を見つけ出すことを目的にして現地及び文献調査を行った.具体的には、寺院(漢伝仏教系,蔵伝仏教系)で行われている医療(1a,b),仏教と融合した形で成立しているチベット医学(2)及びモンゴル医学(3)について,寺院,蔵(蒙)医院,製薬所,蔵(蒙)医学院などで聞き取り調査し,また経典中の医薬学部分または文献(4)を調査した.さらに,道家思想の基に発達した中国医学に仏教が影響を及ぼしたか(5)についても検討した.蒐集した薬物は原植物の同定研究及び血糖降下作用,抗HIV作用などの研究に供した(6).結果は次のとおりである.1a.河西走廊:敦煌石窟の医画,出土された医学の衛生予防面の内容(歯磨き,理髪,入浴,気功)に仏教の医学部分の影響が見られた(4〜9世紀の状況).現在の仏教の中心地の五台山,九華山,峨眉山,及び福建省など:漢伝仏教系寺院では善行としての医療活動がわずかに見られた.自己経験として中国医学を学んだ者,中草薬の知識のある者,気功や推拿術を修得した者(先祖代々;師から伝授;出家前に中医師;自身で名医の処方を集めた等)が医療にあたり,精神面を除くと草医師または中医師と変わらなかった.福建省では寺院に付属診療所を設けて中医師や西洋医師を雇っていた.1b.蔵伝仏教系寺院では医方明(医薬学)が重視され,かつては殆どの寺に医薬学院(マンパザサン)と医院があったが、現在残る所はわずかである。青海省の塔爾寺では40名の学僧が医薬学院で『四部医典』,『藍瑠璃』,『晶球本草』などを教科書にしてチベット医学を学び,また医院では40数名/目の患者を100種類の製剤を用いて治療していた.常用生薬は約500種類,その内主要品はインド薬物であった.2.チベット医学は理論面ではインド医学を踏襲するが、薬物の面では独自性があり,西蔵の蔵医院では丸剤が多用され(製剤数200〜350種類),原料生薬500〜700種類の内インド産は20%にすぎず70%が西蔵産,それらは高地性植物の地上部からなるものが多い.一方,青海省蔵医院では散剤が多く,薬浴によるリウマチ,皮膚病の治療に力が入れられていた.生薬は30%を中薬材公司から購入しており,中国化(漢化)が見られた.紅景天,兎耳草,冬虫夏草,蔵茵陳,独一味などが研究対象であった.3.モンゴル医学は外治療法(瀉血,灸,針刺,罨法,振動治療,接骨術)や食餌療法(馬乳酒の利用)に特徴があった,散剤が多用され,原料生薬はチベット生薬と同名であっても基源の異なるものがあった.4.チベット大蔵経丹珠爾の医方明部に収められた『アシュターンガ・フリダヤ・サンヒタ-(医学八分科精粋便覧)』はチベット,モンゴルへのインド医学の伝播に大きな役割を果たしていた.また,大正新脩大蔵経の律蔵の「根本説一切有部毘奈耶薬事」に収載された薬物は、今日でも主要なインド薬物であった.5.『金光明最勝玉経』や『摩訶僧祇律』に見られる「病に4種(風,熱,痰〓及び総集の病)があり,それぞれに101病がある」という概念は,陶弘景校訂の『補闕肘後百一方』,孫思〓著『千金要方』などに見られた.玉〓撰の『外台秘要』ではインドの眼科治療が紹介され,本書収載の処方の約1/3はインドの方剤であるなど,仏教医学は仏教隆盛期(6〜8世紀)には中国医学に影響を与えていた.当時伝来したインド薬物(訶子,鬱金,白豆葱,木香等)は現在でも重要な漢方処方の構成生薬になっている.6.チベット生薬86点,同製剤17点,モンゴル生薬約100点,同製剤50点,道地薬材(中薬,草薬)約200点,薬用資源植物約750点を蒐集し得た.その内チベット生薬sPru-nag,gYcr-ma,Bya-rgod sug-pa,sPang-sposなどの原植物を確証した.活性成分の研究ではSwertia mussotii Franch.の全草(蔵茵〓)のエタノールエキスの血糖降下作用を日本産のSwertia japonica Makinoなどと比較検討し,それらの活性成分がbellidifolinであることを明らかにした.またPhyllanthus emblica L.の果実から逆転写酵素阻害活性を有する化合物putranjivain A(50%阻害濃度3.9μmol/ml)を単離同定した.
著者
石原 克之 川端 克司 鈴木 信孝 關谷 暁子 上馬塲 和夫 川島 拓也 中出 祐介 許 鳳浩 麦田 裕之 佐久間 塁 古賀 秀徳
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.35-40, 2014

じゃがいもには葉酸が含まれており,じゃがいもを原料とするポテトチップスには,フライ調理することにより濃縮され,じゃがいも以上に葉酸が含まれている.葉酸は胎児の先天性疾患の予防から若い女性へ積極的な摂取が勧められているビタミンである.また葉酸は,循環器疾患の危険因子として知られるホモシステインの血中濃度を下げる効果が期待されている.そこでポテトチップスの経口摂取におけるヒトへの葉酸の吸収および血中ホモシステイン濃度について検討した.<br> その結果,ポテトチップス摂取後の血清中の葉酸濃度は摂取 1,3,6 時間後に有意に増加し,摂取 3 時間後にはビタミン B<sub>6</sub> も有意に増加した.また,血漿ホモシステイン濃度は摂取 6 時間後に有意に減少した.<br>
著者
佐々木 均 三上 暁子
出版者
The Japan Society of Medical Entomology and Zoology
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.63-71, 2007-06-15 (Released:2016-08-06)
参考文献数
10
被引用文献数
2 4

堆肥とその浸出液である「れき汁」から発生するハナアブ科の種を,北海道江別市と静内町で産卵羽化トラップ法によって調査した.また,発生が確認されたハナアブ類の卵,終齢幼虫,蛹の形態学的特徴を双眼実体顕微鏡と走査型電子顕微鏡を用いて観察した.その結果シマハナアブ(Eristalis (Eoseristalis) cerealis Fabricius)を優占種とし,ナミハナアブ(Eristalis (Eristalis) tenax (Linnaeus)),アシブトハナアブ(Helophilus (Helophilus) virgatus Coquillett),キタハナアブEristalis (Eoseristalis) Rossica Stackelberg),ホシメハナアブ(Eristalinus (Lathyrophthalmus) tarsalis (Macquart))が続く3属5種のハナアブ類がれき汁から発生することが確認された.形態学的特徴を見ると,卵殻表面のユニットの形態では分類するのは困難であるが,アシブトハナアブのみ中央の凹みがなく,他の4種と異なった. 3齢幼虫では,体表に生えている感覚棘毛や剛毛,棘,乳頭突起の形,太さ,長さおよび配列などが種を分ける重要な特徴として認められた.蛹では,前方気門や呼吸角の長さや形態に相違が見られ,前方気門の形で種を容易に判別できることが明らかとなった.
著者
渋谷 圭祐 谷添 秀樹 平川 辰博 飯村 和之 増田 暁雄 野田 秀夫 奥田 博志 金子 英之 杉浦 博明
出版者
The Institute of Image Information and Television Engineers
雑誌
映像情報メディア学会大会講演予稿集
巻号頁・発行日
pp.69, 2003 (Released:2004-03-26)

This paper presents development of a wide color gamut CRT display monitor that has 93[%] color gamut compare to NTSC color gamut. It provides the color gamut nearly equal to the Adobe RGB color space. In this paper we would like to report about a prototype of wide color gamut CRT display monitor. We compared color gamut of our prototype vs. a major standard color patches. And more we checked about the gamut change accrording to the viewing angle. We believe that our monitor is useful for soft proofing of DTP as replacement of conventional CRT displays.
著者
中村 仁彦 関口 暁宣
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.918-926, 1997-09-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

Chaos represents one of mysterious rich behaviors of nonlinear dynamical systems. A lot of research efforts have been done for mathematical theory behind chaos. In this paper, we develop a method to provide a mobile robot with the chaotic nature. The chaotic mobile robot implies a mobile robot with a controller that ensures chaotic motion. According to the phase tansitivity, one of the two basic features with the sharp dependence on initial condition that characterize chaos, the chaotic mobile robot is guaranteed to scan the whole connected work space. For scanning motion, the chaotic robot does not require the map of work space. It only requires to measure the normal of boundary when it comes close. A mobile robot with such characteristics may find its applications as a patrol robot or a cleaning robot in a closed floor or building. The sharp dependence on initial condition also yields a favourable nature as a patrol robot since the scanning trajectory becomes highly unpredictable. We design the controller such that the total dynamics of mobile robot is represented by the Arnold equation, which is known to show the behavior of non-compressive perfect fluid. Experimental results illustrate the usefulness of the proposed controller.
著者
暁鐘成著
出版者
臨川書店
巻号頁・発行日
2001
著者
安元 暁子
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.301-311, 2009 (Released:2017-04-20)
参考文献数
78
被引用文献数
2

植物では動物と異なり種分化の原動力として性選択や性的対立はほとんど注目されてこなかった。本稿では受粉前、受粉後受精前、受精後の過程の順に、動物との違いや植物における性選択や性的対立についてレビューし、生殖隔離の進化との関連について議論する。受粉前の花による生殖隔離は、性選択や性的対立ではなく、以前と異なるポリネーター分類群へ花が適応することにより生じやすいと考えられる。受粉後受精前の過程は性選択と性的対立が生じやすく、特に激しい性的対立のもとで、急速な生殖隔離の進化が起こりやすい可能性がある。受精後の過程は哺乳類などの胎生の動物や子育てをする動物と良く似ており、栄養供給をめぐる性的対立がゲノムインプリンティングなどの進化を通して生殖隔離の進化に関与したのかもしれない。
著者
古田 茂 石原 矩武 東本 暁美 渡辺 俊明
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.T88-T95, 1999-06-25 (Released:2010-02-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

To establish highly automated leather finishing process, it is necessary to develop the leather handling robot system which are provided with automatic aligned stacking and feeding functions of side-leather for loading and unloading to leather finishing machines. The robot system are composed of manipulation hand with vacuum pad and image processing system to recognize the shape patterns of side-leather for aligning functions. For the image processing, 2 types of sensors are applied. They are CCD camera for the recognition of shape patterns and other one is luster sensor to detect grain or flesh side. By applying the developed shape patterns recognition algorithms to the image processing system, side-leather discriminations of grain or flesh, head or tail, belly or back were carried out perfectly. As the result, the handling robot aligned side-leathers with following 2 stacking methods.1) Stacking with left and right side along the backbone (LR method).2) Stacking with grain to grain (GG method).Also, investigated on the robot hand to hold correctly each 1 leaf from stacked up side-leathers on the table.
著者
星 暁子 行木 麻衣
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.64-77, 2018 (Released:2018-11-20)

2018年6月に実施した「幼児視聴率調査」の結果から、幼児のテレビ視聴と録画番組・DVDの利用状況を報告する。調査は、東京30キロ圏に住む2~6歳の幼児1,000人を調査相手として、6月4日(月)~10日(日)の1週間実施した。幼児が1日にテレビを見る時間は1時間39分(週平均)。テレビ視聴時間は、2007年以降2時間程度で推移していたが、2012年に減少して初めて2時間を下回り、以降緩やかに減少傾向にある。また、幼児が録画番組やDVDを再生利用している時間は57分(週平均)で、2011年から2013年にかけて増加し、それ以降は同程度で推移しており、両者の差が縮まっている。さらに付帯質問の結果をみると、録画・DVD再生を利用する幼児は横ばいで推移する中、インターネット動画を見る幼児の増加が続いている。インターネット動画の再生時間は、「ほとんど、まったく見ない」が前々年から減少した一方で、1時間を超える長時間利用が増加した。調査期間中によく見られたテレビ番組は、「おかあさんといっしょ」「みいつけた!」などEテレの幼児向け番組や、「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」など民放のアニメ番組であった。
著者
今 直樹 堀尾 暁 佐々木 誠
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.403-407, 2007 (Released:2007-08-18)
参考文献数
10

健常女性12名を対象にNeutral,Knee-In & Toe-Out,Knee-Out & Toe-Inの3条件の下肢アライメントで,高さ40 cmの台から床反力計への片脚着地動作を行い,筋放電,床反力を測定した。Knee-In & Toe-OutではNeutralよりも大腿直筋の最大筋放電・積分値,外側広筋の積分値,身体内側方向への床反力が有意に大きかった。Knee-Out & Toe-Inでは身体外側方向への床反力が有意に大きかった。結果よりKnee-In & Toe-Outでは,大腿直筋と外側広筋が収縮することで脛骨を前方に強く引き出す力が働き,また身体内側への床反力を受けて大腿骨に対する脛骨の内側への剪断力が生じるため,ACL損傷が起こりやすいのではないかと考えられた。Knee-Out & Toe-Inでは下腿内旋位によるACLの張力の高まりに加え,大腿骨に対する脛骨の外側への剪断力が生じるためNeutralに比してACL損傷が起こりやすいと考えられた。