著者
木村 一基
出版者
東洋大学国際哲学研究センター
雑誌
国際哲学研究 = Journal of International Philosophy (ISSN:21868581)
巻号頁・発行日
vol.別冊10, pp.9-22, 2018-03

本稿は2018 年1 月20 日(土)に開催した「情報、身体、ネットワーク―21 世紀の情報理解に向けて―」第3 回研究会における木村一基氏の講演録である。
著者
小菅 雅美 木村 一雄
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.13-24, 2002-01-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
37

急性心筋梗塞の治療として再灌流療法が確立し,早期診断の重要性は一層高まってきている.各種画像診断が進歩した現在においても,心電図の担う役割は大きく,最近では冠動脈造影所見から,梗塞関連部位と心筋梗塞急性期の心電図所見との関係について,多くの検討がなされている.これらの知見について知っておくことは, 急性心筋梗塞のより早い的確な診断に役立つであろう.梗塞関連部位の診断において,急性前壁梗塞では左前下行枝近位部閉塞か遠位部閉塞かの判別が,急性下壁梗塞では梗塞関連血管が右冠動脈か左回旋枝か,右冠動脈であれば右室虚血を合併しているかの判別が治療方針の決定や重症度を予測する上で重要であり,急性期のST偏位からこれらの判別が可能である.しかし実際,臨床の場合においては,典型的な心電図変化を伴わずに急性心筋梗塞の診断に苦慮する例も多い.本稿では,急性心筋梗塞で梗塞関連部位の診断における心電図の有用性とその限界についてまとめた.
著者
平塚 健太 田宮 高道 松岡 審爾 木村 一志
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.361-367, 2021 (Released:2021-06-20)
参考文献数
32
被引用文献数
3

〔目的〕脳卒中患者の発症時における機能評価から15日後の歩行自立因子を決定木分析にて明らかにすること.〔対象と方法〕対象は急性期脳卒中患者612名.発症時における年齢,性別,疾患名,Stroke Impairment Assessment Set(SIAS),Short Form Berg Balance Scale (SFBBS)合計点,Timed Up and Go Test-Reserve(TUG-R),認知Functional Independence Measure(FIM)合計点,10 m歩行テストの計26因子を独立変数,発症15日後の歩行可否を従属変数とした歩行自立予測モデルを作成した.〔結果〕バランス評価であるSFBBSが上位で採択され,強い歩行自立因子であることが示唆された.また,各因子が低値であってもそれを補填するように他の因子と相互関係を持つ結果が得られた.〔結語〕脳卒中発症早期の歩行予測においてもバランス機能や歩行機能を評価する重要性が示唆された.
著者
小嶋 信博 岡 壽士 宮山 信三 浜井 直人 岩井 裕子 木村 一雄
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.601-604, 1987-08-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
7
被引用文献数
1

経肛門的直腸異物を2例経験したので報告する, 症例1: 25歳, 男性。自慰行為にてウイスキーのミニボトルを経肛門的に挿入.腰椎麻酔下にて非観血的に異物を抜去したが, 術後2日目になって腹膜刺激症状, 腹腔内遊離ガス像が出現開腹手術を施行し, 直腸前壁に穿孔を認めた, 症例2: 36歳, 男性自慰行為にてシャンプー瓶を経肛門的に挿入, 腰椎麻酔下にて非観血的に異物を抜去し, 術後経過は順調であった.本邦においては経肛門的異物の報告は少いが, 今後は増加することが予想され, その治療には苦慮する点も多い.われわれの経験した2症例に若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
尾上 英俊 飯田 博幸 木村 一雄 有永 誠
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.774-776, 1990-10-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
4

During past 2 years from 1987 to 1989, 30 fingers of 22 cases of finger tip injuries and finger amputations were treated conservatively using aluminium foil (aluminium for cooking). The dressing was changed fist on the following day of injury and then every three days.The average wound healing period was 32.7 days, ranging from 26 to 38 days. The created stump was free from severe pain and tenderness and tolerated daily use excellently.The injured finger tip was packed by aluminium foil, so that the wound was always wet and epithelialization was promoted and a round shaped stump was created.The conservative therapy for finger tip injuries is economical and simple, and the result is stable regardless the ability of the doctors.
著者
郷原 正臣 木村 一雄
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.2, pp.211-217, 2021-02-10 (Released:2022-02-10)
参考文献数
3

急性冠症候群は,冠動脈プラークが破綻(破裂やびらん)することで冠動脈内に血栓が形成され,急速に心筋虚血を生じることが主たる病態である.破綻以外の原因としては,冠攣縮の他,頻度は少ないが,冠動脈内への塞栓,冠動脈解離等がある.症状が心筋虚血に起因する場合は,バイタルサインを確認すると共に12誘導心電図を記録し,ST上昇の有無を判断する.より有効な治療を行ううえで,より迅速且つ確実な初期診断が重要である.
著者
松本 和久 菅納 隆 岡本 太一 木村 一史 梶山 元治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.451, pp.19-23, 2008-01-17

集合住宅等の既設管路内にドロップケーブルを通線する場合、ケーブルの摩擦が大きいと通線が困難であり、通線距離が長いと管路内でケーブルシースが磨耗して損傷することが懸念される。また、架空に布設したドロップケーブルがクマゼミの産卵により断線し、通信遮断に至る被害も報告されている。このような課題を解決するため、低摩擦化および耐摩耗性を向上させた新規配合のノンハロゲンシース材料を用い、クマゼミ産卵被害を防止する光ドロップケーブルを開発した。
著者
辻 智大 岸本 博志 藤田 浩司 中村 千怜 長田 朋大 木村 一成 古澤 明 大西 耕造 西坂 直樹 池田 倫治 太田 岳洋 福岡 仁至
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.129-160, 2023-09-30 (Released:2023-11-02)
参考文献数
49

Kuju volcano, located within Beppu-Shimabara graben central Kyushu, Southwest Japan, has been active in the recent 200,000 years. The 54 ka Handa eruption, as large as VEI 5 or 6 and the largest one of the volcano, released large-scale pyroclastic flow deposits (Handa pfd; Kj-Hd) and a wide-spread tephra (Kj-D ash and Kj-P1 pumice fall deposits) that has been reported at more than 500 km from the source. The stratigraphic relationships among the deposits from the Handa eruption are important for volcanology and disaster prevention, and have been studied in various studies, but there is no consensus on the stratigraphy. In this study, we examined the stratigraphic relationships and the eruption history based on the stratigraphic and petrographic studies around Kuju volcano, as well as on Shikoku and Honshu Islands. As the results, the stratigraphic relationships were revealed as follows. 1) The pumice fall deposit, that has been named Kj-Yu, was previously included in Kj-D ash layers, but is revealed to be a much older ejecta than Kj-D ash, along with the tephras newly named Kj-Tb1 and 2. 2) The clay-rich layer just below Kj-D was previously considered to be soil, but it contains a large number of volcanic ash particles so that it is defined as Kj-Y ash layer. 3) Three light brown fine ash layers, newly named Kj-D-U2, 4 and 6, sandwich between the blue grey sandy ash layers i.e. Kj-D-U1, 3, 5 and 7, are revealed to be the co-ignimbrite ash derived from Kj-Hd 1, 2 and 3 pfd, respectively. It suggests that the Kj-Hd1, 2 and 3 pfd are interbedded with Kj-D-U ash layers. 4) Kj-P1 overlies on Kj-D-U7 ash layer that mantled the reworked deposit of Kj-Hd3. 5) Kj-P1 is divided into lower and upper units based on the grain-size analysis, petrography, the chemical composition of glass shards and the isopach maps. Kj-S pfd was formed in the same time as the upper unit. Based on the results, the eruption history is assumed as follows. Pre-Handa eruption: the activity was low and the small-scale explosive eruptions that had released the pumice and volcanic fragments in loam (Kj-Y), followed by a relatively large explosive eruption that had formed Kj-AL. Early phase: the eruption started with phreatic eruption, sub-plinian eruption that deposited the lower unit of Kj-D ash. Subsequently, the eruption changed to vulcanian eruptions that ejected Kj-D-U. This eruption continued for a long period time. During the time, three large-scale pyroclastic flow eruptions happened and has formed Kj-Hd1, 2 and 3. Their co-ignimbrite ashes generated from the Kj-Hd pfds were deposited as Kj-D-U2, 4 and 6. Lahar were generated after Kj-Hd2 and 3 deposition. This phase was terminated by the deposition of Kj-D-U7 ash. Late phase: the plinian plumes occurred twice and deposited lower and upper lalyers of Kj-P1. The second one is the largest plinian eruption in the whole volcano history, with a large umbrella plume producing a wide-spread tephra at more than 500 km from the source and an intraplinian pyroclastic flow (Kj-S).
著者
木村 一夫
出版者
水資源・環境学会
雑誌
水資源・環境研究 (ISSN:09138277)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.10, pp.60-66, 1997-12-25 (Released:2009-04-22)
被引用文献数
1 1

1957年12月10日、揖斐川源流が電源開発株式会社の調査区域に指定された。調査対象となった岐阜県揖斐郡藤橋村および徳山村の両住民とも相ついで「区集会」、「村議会」などで「ダム反対」の決議をした。これに対し建設省は、水資源開発公団に移管し、発電計画だけでなく、洪水調節など公共の福祉につながる「多目的ダム」とした。1964年「徳山ダム」予定地より16km下流の藤橋村に「横山ダム」が完成した。紆余曲折を辿って1987年3月、徳山村は閉村し、隣村の藤橋村に編入合併された。廃村と前後して徳山村住民の移転が始まった。ダム問題に翻弄された30年間の追跡調査を「多目的ダム開発と"揖斐谷"住民の変転」にまとめ、『水資源・環境研究、第4号』に発表した。新しく、この小論は、廃村前後から12年間、かつて徳山村に住んでいた人々が離村して辿った変転を追跡調査したまとめである。
著者
福嶌 五月 仲原 正明 荻野 信夫 城戸 哲夫 黒住 和史 久原 章雄 西 宏之 木村 一隆 中尾 量保 辻本 正彦
出版者
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.1321-1325, 2001
被引用文献数
3

症例は15歳の女性. 主訴は下腹部痛. 13歳時, 腹痛にて施行したCT検査で脾腫 (容積1,150cm<SUP>3</SUP>) を指摘されるも位置異常を認めなかった. 今回, ジェットコースターに乗った後に下腹部痛を来し来院.CT検査にて脾臓を正位に認めず, 下腹部に腫瘤 (容積810cm<SUP>3</SUP>) を認めた. 超音波検査, 血管造影にて広範な脾梗塞を伴う遊走脾と診断し, 腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した. 術中所見では脾周囲靭帯は欠失し, 脾臓は腹腔内に遊離していた. 脾動静脈をEndo GIA40mm<SUP>R</SUP> にて切離後, 腹腔内で脾臓をTissue Morcellator<SUP>R</SUP> を用いて粉砕し摘出した. 手術時間は145分, 出血量は50mlであった. 病理所見は梗塞を伴った正常脾であった. 第6病日に退院し, 術後2年目の現在経過良好である. 遊走脾に対する腹腔鏡下手術の報告は自験例を含め5例で, メッシュによる脾固定3例, 脾摘2例であった. 自験例は広範な脾梗塞と脾腫をともなっていたため, 脾摘を行った.
著者
木村 一裕 清水 浩志郎 三浦 大和
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.389-397, 2006-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
38

近年、歴史的遺産や町並みに対する関心の高まりから、都市の歴史と文化の重要性が徐々に認識されるようになった。現在の都市のありようはこれまでの歴史の積み重ねによって形作られたものであり、今後のまちづくりを考える際にも都市の歴史を理解したうえで、継承し、展開することが重要であると考えられる。本研究は、文献調査によって、近世秋田の都市の構造とその形成過程を歴史的な視点から把握することを目的とする。研究の結果、秋田市は防御、景観および経済活動の面からコントロールされ、計画的に形作られていた。また、経済、娯楽、まちづくりなどそこに住む人々の活動とともに都市の構造は徐々に変化していったことがわかった。
著者
木村 一
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.35-47, 2005-04-01

『和英語林集成』1版(1867)の編纂に先だって,J.C.ヘボンは,ノート一冊本499ページ分からなる「原稿」を作成していた。「原稿」は,約7,000語を収録し,うち約四分の三の語が1版に収録されている。「原稿」の見出し語や漢字表記などについて,中・近世の節用集をはじめとする諸辞書と比較照合した結果,ヘボンは森楓齋著『雅俗幼学新書』(1855)を参看し,「原稿」に採録した可能性が強いと考えるに至った。その論拠について具体例を挙げながら諸面から指摘する。なお,『雅俗幼学新書』から「原稿」に採り入れられた見出し語や漢字表記などは,修正を施されながら1版に引き継がれていった。
著者
藤原 有子 藤塚 千秋 米谷 正造 木村 一彦
雑誌
川崎医療福祉学会誌 = Kawasaki medical welfare journal
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.186-193, 2013

本調査では,月経期間中の水泳は可能であるという事実に基づき,女子中学生61名を対象とした知識提供の介入指導を行った.知識,意識,行動の変容の3点について検討することを目的とした.先ず,1学期の水泳授業終了後に事前調査として,知識調査と月経期間中の水泳についての考えと水泳授業時の行動を調査した.次に2学期の水泳授業開始前に直接介入指導を行い,その直後に自由記述による感想を求めた.最後に2学期の水泳授業終了後に再度,知識調査と月経期間中の水泳についての考えと水泳授業時の行動を調査した.結果を要約すると以下のようであった.1.介入指導前後の知識は,設問に対する正解率が29.5%から94.1%と有意に高くなった.2.介入指導直後の意識は,自由記述感想から80.3%が月経期間中の水泳について肯定的な考えを記入した3.月経期間中の水泳についての肯定的考えは,介入前に14.7%だったのが介入後37.2%と有意に増加した.4.介入指導前後の行動について,月経期間中に水泳授業へ参加した者の割合で比較したが,有意な 差は得られなかった. これらのことから,介入指導は知識や意識への肯定的働きかけとして寄与したが,行動変容を促すことはできなかった.

2 0 0 0 OA 教育辞典

著者
木村一歩 編
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1893
著者
木村 一朗
出版者
神奈川大学
雑誌
商経論叢 (ISSN:02868342)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.iii-viii, 1989-03
著者
中村 厚彦 尾上 英俊 木村 一雄 岩本 良太 村岡 邦秀 今村 尚裕 三宅 智
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.744-746, 2011-09-25 (Released:2011-12-09)
参考文献数
5

足関節外果骨折に対してtension band wiring(以下TBW)を用いて骨接合を行った症例について検討した.2002年から2010年までに手術を行った10例で,男性8例女性2例,平均年齢41歳(15~65歳)であった.骨折型はLauge-Hansen分類に従いSA stage 1:7例(靱帯付着部の裂離骨折2例を含む),stage 2:1例,SER stage 2:1例,stage 3:1例であった.手術はanchor screwを用いたTBWを施行し,術後は外固定を併用した.全例で整復位での骨癒合を得た.K-wireのback outを2例と尖端の回旋転位を1例に認めた.足関節外果骨折はよく遭遇する外傷であり一般的にplate固定が行われるが,遠位骨片が小さい場合はTBWによる内固定の適応となる.anchor screwを併用したTBWは手技が簡便であり有用であると考えられた.