著者
杉田 直道 窪田 与志 生水 真紀夫 三輪 正彦 寺田 督 西田 悦郎
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.33-39, 1984-01-25 (Released:2011-11-08)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

妊娠ラットの膣内吸引Smear像, ならびに組織を作製し, 正常性周期各期における像と比較検討した.その結果妊娠第1日目はいわゆる発情期 (Estrus) に近い像で, 多数の精子と無核表層細胞が大部分を占め, 午後より角質層は剥離し白血球がしだいに多くなり, 2日目にはいわゆる発情間期 (Diestrus) に類似した像を呈した.しかし4~5日目以後, 膣上皮の増殖とともに腔腔に面する上層部より細胞の円柱化, 粘液形成化 (Muci丘cation) が起こり, 一般のDiestrusとは全く違った像を呈した.妊娠末期にMucificationはPeakに達し, その幅も7~10層になり細胞像でも円柱形粘液細胞の大きな集団として認められた.一般に妊娠初期ラットでは, そのSrnear像がいわゆるDiestmsに類似しているといわれるが厳密にはかなりの違いがあり, とくに粘液形成化が最も重要な点と思われた.ただし正常周期群においてもlate-Diestrusより粘液細胞は出現しており, 妊娠群との質的な差はあまり認められなかった.粘液形成化発生はEstrogenをBaseにしたProgesteroneの作用によると推定されるが, 副腎性Androgenによっても発現しており, また下垂体系のホルモンの関与を主張する報告もあり, そのメカニズムはいまだ判然としていない.今回方法において塗抹前の固定法を試みたが, 保存の良い細胞が多数採取されており臨床的にも応用されるものと思われた.
著者
青野 絵里奈 杉田 智洋 松岡 太一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
年次大会
巻号頁・発行日
vol.2014, pp._J1010501--_J1010501-, 2014

The authors proposed a unique type of semiactive damper that utilizes electromagnetic induction of a fluid in previous paper. But it was not enough to act an effect of electromagnetic induction because of a weak magnetic flux density. In this paper Halbach magnetic arrays is used for the damper in order to improve the effect. The damper consists of a cylinder, a piston, a by-pass pipe, tubes, tube couplings, electrodes, and trapezoid rare-earth magnets. A high conductive polymer fluid is filled in the cylinder, the by-pass pipe and the tube. Two electrodes are fixed inside the by-pass pipe, and faced. Eight magnets are set up as an octagonal Halbach array around the by-pass pipe, and each array units are installed in series. The magnetic field of the by-pass pipe is analyzed by FEM, and measured. The maximum magnetic flux density inside the by-pass pipe is about 0.9 T, and larger than the previous type. Resisting force characteristics of the damper acting the Lorenz force are measured when a voltage of the electrodes is applied in cross at the magnetic flux. Finally the effect of the electromagnetic induction is confirmed experimentally.
著者
金村 英秋 佐野 史和 反頭 智子 杉田 完爾 相原 正男
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.18-22, 2015 (Released:2015-03-20)
参考文献数
11

【目的】小児てんかん児の発作間欠期頭痛に対するtopiramate (以下, TPM) の有効性について検討した. 【方法】対象は頭痛の訴えを表出できる患児85名 (5~15歳). Valproate (以下, VPA) 内服群42名, carbamazepine (以下, CBZ) 群34名, 併用群6名, 他剤群3名であった. 発作間欠期頭痛の有無, 頻度, 程度{1 (支障度 : 小) ~3 (同 : 大) }による治療開始後6カ月時点でのTPMの有用性を検討した. 頻度50%以上の減少または程度50%以上の軽減を反応群とした. TPMは0.5mg/kg/dayで開始, 症状に応じて3mg/kg/dayまで増量可とした. 【結果】反復する発作間欠期頭痛を認めた児は18名 (21%) であった. VPA群8例, CBZ群6例, 併用群3例, 他剤群1例であった. けいれん発作は頭痛 (-) 群で年平均0.9回に対し, 頭痛 (+) 群では2.6回と高頻度であった. TPM反応群は13名 (72%) (VPA群4例, CBZ群6例, 併用群2例) であり, 頭痛の完全消失を6例 (33%) に認めた. TPMの投与量 (mg/kg/day) は非反応群2.7に対し反応群は平均1.1と低用量であった. なお, 反応群におけるTPM投与後の発作頻度は年平均2.2回と有意な減少を認めなかった. 【結論】てんかん児の頭痛に対してTPMは積極的に試みるべき薬剤と考えられる. TPMは発作と関係なく頭痛への有効性が認められたと考えられる. さらにその有効性は必ずしも用量依存性ではなく, 一定の投与量 (2mg/kg/day) で無効な場合は他剤の使用を考慮すべきと考えられる.
著者
徐 章拓 竹田 努 青山 真人 杉田 昭栄
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.289-296, 2014 (Released:2015-04-28)
参考文献数
26
被引用文献数
1

ハシブトガラスCorvus macrorhynchos とハシボソガラスC. coroneの2種類のカラスを用いて,腺胃および筋胃の組織形態を中心に比較形態学的検討を行った.ハシブトガラスの腺胃内表面の面積はハシボソガラスのそれより大きかった.腺胃壁の厚さについて,種差はなかったが,全体に占める腺胃腺層の厚さの割合(相対値)はハシブトガラスの方が大きく,一方,筋層の相対値はハシボソガラスの方が大きかった.ハシボソガラスの筋胃壁はハシブトガラスのそれより厚かった.さらに,ハシボソガラスの筋胃は筋層の厚さの相対値がハシブトガラスより大きかった.両種は共に雑食であるが,胃の形態・組織学的特徴に見られた相違点は,両種の食性の相違を反映しているように思われる.
著者
加納 隆弘 杉田 静雄
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.33-37, 1981 (Released:2013-02-19)
参考文献数
13

テクニコン社製オートアナライザーを用い,o-クレゾールフタレインコンプレクソンによる比色定量法によって製塩関係試料中のカルシウムイオンの自動分析を検討した. その結果は次のとおりである.試料は, まずリン酸一カリウム緩衝溶液によってpHが調整され, 次にo-クレゾールフタレイン試薬溶液と混合, 発色させて比色計に送り, カルシウムイオンを定量する. 本法によれば, 0~200mg/lまでの範囲でカルシウムイオン量と吸光度は直線性を示す.本法と従来用いられているEDTA法とを比較した結果, ほぼ同等の精度を示すことが明らかになり, 変動係数 として4%以下の測定値を得ることができた. 測定速 度は連続20点/hである.
著者
杉田 正樹
出版者
関東学院大学人間環境学部人間環境学会
雑誌
関東学院大学人間環境学会紀要 (ISSN:13489070)
巻号頁・発行日
no.16, pp.1-16, 2011-09

On March 11th 2011 a huge earthquake hit the Tohoku district of Japan resulting in brought serious damage. The earthquake has been shown to have destroyed the Fukushima nuclear power plant. As a result The high-level radioactive material was, and continues to be emitted into the air, the groundwater and the Pacific Ocean. The nuclear accident power plant is still unfortunately in progress.This earthquake-caused tragedy has presented us with philosophical and ethical problems to consider. In this paper, the pettiness, weakness, and helplessness of human being is treated first, and, oddly enough, human arrogance backed by progress in technology is then discussed.
著者
杉田 典子 中曽根 直弘 花井 悠貴 高橋 昌之 伊藤 晴江 両角 俊哉 久保田 健彦 奥田 一博 吉江 弘正
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.219-228, 2014 (Released:2014-06-30)
参考文献数
24

目的 : 化学的プラークコントロール法としてグルコン酸クロルヘキシジン (CHG) 配合洗口液が効果的であるが, アレルギーなどの副作用が問題視されている. そこで今回, 塩酸クロルヘキシジン (CHH) と塩化セチルピリジニウム (CPC) を抗菌成分として配合した洗口液を開発し, 基本治療終了後の歯周炎患者が4週間使用した場合の口腔細菌に対する効果を評価した.  材料と方法 : 新潟大学医歯学総合病院歯周病科を受診中で, 20歯以上を有し歯周基本治療後5mm以上の歯周ポケットを1~7部位有する歯周炎患者30名を対象とした. 新洗口液 (CHH+CPC群), CHG配合のコンクールF (CHG群), 抗菌成分を含まないコントロール洗口液 (コントロール群) を使用する3群にランダムに各10名を割付け, 二重盲検法で比較した. ベースラインおよび使用4週後に唾液・舌苔・歯肉縁上プラークを採取し, 総菌数, 総レンサ球菌数, Porphyromonas gingivalisおよびStreptococcus mutansの菌数を測定した. またterminal restriction fragment length polymorphism (T-RFLP) 法による解析を行った.  成績 : いずれの洗口液でも有害事象は認められなかった. ベースライン (術前) と4週目を比較した結果, CHH+CPC群において唾液中総菌数とS. mutans数, 舌苔中総菌数, 縁上プラーク中総レンサ球菌数が有意に減少していた. CHG群においては, 縁上プラーク中総菌数の有意な減少が認められた. コントロール群では舌苔中総菌数および総レンサ球菌数が有意に減少していた. T-RFLP解析の結果, CHH+CPC群の唾液中において制限酵素Msp I切断断片から推定されるStreptococcus群, Hha I切断断片から推定されるStreptococcus・Eubacterium群, Parvimonas群およびPorphyromonas・Prevotella群が有意に減少していた. 縁上プラーク中の細菌については, Hha I切断断片から推定されるStreptococcus・Veillonella群がCHG群で有意に減少していた. その他に有意な変化は認められなかった.  結論 : これらの結果より, CHH+CPC配合洗口液はより安全に使用でき, CHG配合洗口液と同程度以上の抗菌効果をもつことが示唆された.
著者
小泉 敬一 勝又 庸行 星合 美奈子 戸田 孝子 喜瀬 広亮 長谷部 洋平 森口 武史 松田 兼一 杉田 完爾
出版者
特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
雑誌
日本小児循環器学会雑誌 (ISSN:09111794)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.246-253, 2015-09-01 (Released:2015-12-04)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

背景:当施設で施行した重症川崎病に対する持続的血液濾過透析併用緩徐血漿交換療法(SPE+CHDF)の有用性と安全性について報告する.方法:当施設でIVIG不応性重症川崎病に対してSPE+CHDFを施行した12例を後方視的に検討する.結果:SPE+CHDFを12例13コース施行した.SPE+CHDF施行前の心機能検査所見は,ANP値,BNP値,心胸郭比がすべて高値であった.SPE+CHDF施行前と比較した施行1時間後,3時間後の心拍数の変化率,収縮期血圧の変化率は共に有意差はなかった.SPE+CHDFを施行中に,強心剤の使用例や血管内カテーテル感染,人工呼吸器関連肺炎合併例はなかった.全例でSPE+CHDF開始後1~4日(中央値1日)で解熱した.SPE+CHDF施行前に冠動脈病変を認めた7例は,1年以内に全例で退縮した.結論:重症川崎病には血漿交換療法(PE)が有効である.しかし,重症川崎病は循環動態不良例が多く含まれている.このため,重症川崎病に対して安全にPEを行うためには,SPE+CHDFが有用な方法の一つである.
著者
山口 幸之助 杉田 英樹 中溝 寛之
出版者
中国・四国整形外科学会
雑誌
中国・四国整形外科学会雑誌 (ISSN:09152695)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.323-326, 2011

This study was conducted to verify the clinical outcomes after treatment of fracture of the hamate hook in baseball players. Nine male baseball players, who underwent resection of the hamate hook with a J-shaped skin incision from the ulnar midlateral area of the palm to the palmar side of the wrist, were included in this study. In one patient, palmaris longus tenden grafting was added because of a partial tear of the flexor digitorum profundus of the little finger. The mean patient age at the time of surgery was 19.2 years (range: 14 to 56 years), and the mean follow-up period was 3.6 months (range: 1 to 7 months). Except for the one patient with tendon grafting, eight patients made a full return to baseball in mean about 5.3 weeks. As a postoperative complication, there was numbness of the ulnar nerve area in one patient for only a short period. None of the patients had any pain in the treated hand at the time of the final examination. In cases of hamate hook fracture in baseball players, excision of the hook is useful for early return to the sport.
著者
杉田 敦
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.782, pp.p49-66, 1989-08