著者
杉田 収 中川 泉 飯吉 令枝 斎藤 智子 小林 恵子 佐々木 美佐子 室岡 耕次 坂本 ちか子 杉田 靖子 曽田 耕一 濁川 明男
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
看護研究交流センター年報
巻号頁・発行日
vol.17, pp.6-13, 2006-07

化学物質過敏症(CS)発症者の発症原因になった化学物質と,発症者が反応する空気中化学物質との関連性を,空気中の化学物質56項目を分析することで検証した.その結果,発症原因化学物質と思われる一般名テブコナゾール,化学名a-[2-(4-クロロフェニル)エチルトa-(1,1-ジメチルエチルト1H-1,2,4-トリアゾールートエタノールにはヒドロキシル基(-OH)と塩素(C1)が存在した.一方発症者が「入れる建物」と「入れない建物」のそれぞれの空気中化学物質の分析比較から,発症者が反応する空気中の化学物質は,ヒドロキシル基を有するブタノールと塩素を有するトリクロロエチレンであることが推定された.上越市立小学校全児童12,045名のCSに関連する症状について,無記名アンケートによる実態調査を行った.回収数は10,348名分(回収率85.9%)であった.CS診断基準では主症状5項目,副症状9項目,さらに眼球運動や化学物質の微量負荷試験などの検査が取り入れられているが,ここでは一般市民向けアンケート用であることから「検査」を省略し,診断基準に準じた症状の13項目について,それぞれ「大いにある」「ある」「少しある」「全くない」の選択肢で調査した.各項目について「大いにある」「ある」を「症状あり」とした場合は,主症状2項目・副症状4項目以上,及び主症状1項目・副症状6項目以上の児童は21名(0.2%)であった.一方「少しある」を加えて「症状あり」とした場合は618名(6.0%)であった.
著者
荒井 一樹 松浦 大輔 杉田 翔 大須 理英子 近藤 国嗣 大高 洋平
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.364-371, 2017 (Released:2017-10-20)
参考文献数
17

【目的】延髄外側梗塞患者において自覚的視性垂直位(以下,SVV)と静止立位バランス,歩行非対称性の関係を検討する。【方法】Body lateropulsion(BL)を呈する延髄外側梗塞患者9 名において,SVV 値と立位重心動揺計の総軌跡長,矩形面積,足圧中心左右偏位および加速度計より算出した歩行非対称性との関係をSpearman の相関係数を用いて検討した。【結果】SVV 値は平均7.4(SD:9.5)度であった。SVV 値と開眼足圧中心偏位とは相関しなかったが,閉眼足圧中心偏位と相関を認めた(r = 0.75, P < 0.05)。また,SVV 値の絶対値は歩行非対称性と有意な相関を認めた(r = –0.78, P < 0.05)。【結語】BL を呈する延髄外側梗塞患者において,SVV 偏位は閉眼の静止立位バランスと歩行非対称性と関連した。その因果関係については今後の検証が必要である。
著者
高子 優子 細見 健悟 久井 裕美子 杉田 裕貴 小牧 佐知子 稲田 智子 増本 憲生 大槻 裕朗 岡本 禎晃 金 啓二 名徳 倫明
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.363-369, 2018-07-10 (Released:2019-07-10)
参考文献数
11

Some powder formulations of anticancer drugs are currently distributed under negative pressure in vials. However, the internal pressures of the vials are not described in the package inserts. Therefore, an awareness survey was conducted involving pharmacists regarding their descriptions.Anonymous questionnaires, consisting of a 5-grade scale and free description questions, were distributed to the member hospitals of Hyogo Pharmaceutical Society, and responses were collected by FAX and 2-top ratio analysis was performed. In addition, an intergroup comparison was conducted by dividing the responders into two groups based on their experiences (i.e., more or less than 3 years) of dispensing anticancer drugs.Responses were collected from 246 pharmacists of 67 hospitals: “Need prior information” (82.5%) and “Need description” (79.3%). Among the pharmacists with experience of less than 3 years, “Feel anxiety,” “Need prior information,” and “Feel safe with description” were more common (P < 0.05). Of them, 79.3% specified description sites: vial body (90.8%), cap (65.1%), and package insert (39.5%). Internal pressures were listed on a sheet or described in the procedure manual in only 13 hospitals, demonstrating dependence on dispensers' experiences. Besides the internal pressure, they needed information on the recommended gauge, amount of dissolution, and kind of solvent on the vial bodies.
著者
工藤 清 島 昌秀 久米 康仁 生駒 太志 森 貞之 杉田 信之
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.40-47, 1995-01-01 (Released:2008-10-15)
参考文献数
13
被引用文献数
4 15

高圧二酸化炭素下, ギ酸-炭酸アルカリ金属溶融塩中における2-ナフトエ酸塩のカルボキシル化反応を検討した。アルカリ金属種による反応性を調べた結果, セシウム塩系が最も高く, セシウム>ルビジウム>カリウムの順に低くなり, ナトリウムおよびリチウム塩系ではほとんど反応しなかった。ギ酸セシウム-炭酸セシウム溶融塩中, 400気圧, 380°C, セシウム2-ナフトエ酸塩のカルボキシル化反応ではナフタレンジカルボン酸塩およびトリカルボン酸塩が容易に得られ, ジカルボン酸塩中では2,6-ジカルボン酸が主生成物であった。この反応での生成物中の全カルボキシル基収率は不均化反応の値よりも大きく, しかもナフタレンの生成がほとんど見られず, 従来のヘンケル法と違った結果が得られた。そこで, この反応の生成物収率に及ぼす二酸化炭素圧力, 温度, および炭酸塩の添加量の効果を調べた。13Cで標識した二酸化炭素を用いた反応結果, 加圧二酸化炭素による直接カルボキシル化反応が進行していることが明らかとなり, その反応機構について考察を行った。
著者
河村 葉子 三浦 麻記子 杉田 たき子 山田 隆
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.27-33, 1997-02-05 (Released:2010-03-01)
参考文献数
7
被引用文献数
9 11

The residue and release of 28 kinds of antioxidants and ultraviolet stabilizers in polyethylene products were investigated. The samples included a total of 36 kinds of kitchenware, e. g., bags, wrapping films, sauce bottles and a chopping board, and a total of 16 food-packages, e. g., bags, cases, nets and a tube. They were analyzed using the simultaneous determination method with HPLC. Most samples contained 1-3 antioxidants, mainly Irganox 1076, Irgafos 168, BHT and Irganox 1010. The residue level was about 50-1, 000μg/g. The migration test was carried out using high-residue samples. No additives were released into water, 20% ethanol or 4% acetic acid at 60°C after 30min, though some additives were released into n-heptane at 25°C after 60min.
著者
山田 未知 平山 紀子 山田 幸二 杉田 昭栄 山内 克彦
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.166-174, 2002
被引用文献数
1

照明の色が豚の発育性・産肉性および脂肪組織と筋肉の脂肪酸組成に及ぼす影響について検討した。肥育前期・後期・試験期間全体の一日平均増体量および飼料要求率は, 無灯火区, 赤色照明区, 青色照明区, 白熱灯照明区の各区間に有意な差は見られなかった。枝肉歩留および背脂肪の厚さにおいても各区間に有意な差は見られなかった。背脂肪の脂肪酸組成ではC18:0が青色照明区で低い値を示し, 無灯火区と青色照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。また, C18:2では無灯火区が低い値を示し, 無灯火区と赤色照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。胸最長筋内脂質の脂肪酸組成ではC14:0が無灯火区で高い値を示し, 無灯火区と白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。またC18:0では赤色照明区が高い値を示し, 無灯火区と赤色照明区間, 赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。その飽和脂肪酸は赤色照明区が高い値を示し, 赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間, 青色照明区と白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。また不飽和脂肪酸は赤色照明区が低い値を示し, 赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。さらに不飽和脂肪酸に対する飽和脂肪酸の比では赤色照明区が高い値を示し, 赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。血中脂質成分では, 中性脂肪, 総コレステロールおよびHDL-コレステロール量は各区間に有意な差は見られなかった。しかし, 総コレステロールに対するHDL-コレステロール比では青色照明区が低い値を示し, 青色照明区と赤色照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。
著者
山田 未知 平山 紀子 山田 幸二 杉田 昭栄 山内 克彦
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 = The Japanese journal of swine science (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.166-174, 2002-09-20
参考文献数
17
被引用文献数
1

照明の色が豚の発育性・産肉性および脂肪組織と筋肉の脂肪酸組成に及ぼす影響について検討した。肥育前期・後期・試験期間全体の一日平均増体量および飼料要求率は、無灯火区、赤色照明区、青色照明区、白熱灯照明区の各区間に有意な差は見られなかった。枝肉歩留および背脂肪の厚さにおいても各区間に有意な差は見られなかった。背脂肪の脂肪酸組成ではC18 : 0が青色照明区で低い値を示し、無灯火区と青色照明区間に有意な差が見られた(P<0.05)。また、C18 : 2では無灯火区が低い値を示し、無灯火区と赤色照明区間に有意な差が見られた(P<0.05)。胸最長筋内脂質の脂肪酸組成ではC14 : 0が無灯火区で高い値を示し、無灯火区と白熱灯照明区間に有意な差が見られた(P<0.05)。またC18 : 0では赤色照明区が高い値を示し、無灯火区と赤色照明区間、赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた(P<0.05)。その飽和脂肪酸は赤色照明区が高い値を示し、赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間、青色照明区と白熱照明区間に有意な差が見られた(P<0.05)。また不飽和脂肪酸は赤色照明区が低い値を示し、赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた(P<0.05)。さらに不飽和脂肪酸に対する飽和脂肪酸の比では赤色照明区が高い値を示し、赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた(P<0.05)。血中脂肪成分では、中性脂肪、総コレステロールおよびHDL-コレステロール量は各区間に有意な差は見られなかった。しかし、総コレステロールに対するHDL-コレステロール比では青色照明区が低い値を示し、青色照明区と赤色照明区間に有意な差が見られた。(P<0.05)。
著者
大門 啓志 呉 敏 杉田 智和 引地 康夫 松原 孝至 太田 敏孝 可児 良弘
出版者
無機マテリアル学会
雑誌
Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan
巻号頁・発行日
vol.8, no.293, pp.283-288, 2001

A commercial hydroxyapatite, which has been regarded as a powder with low sinterability, was ground by four kinds of wet ball-milling in order to improve the sinterability. The effect of the grinding on the sinterability was investigated by comparing the four methods. When the powder was ground under water as a dispersion media, fine particles generated by the grinding cohere to reconstruct aggregates, then milling effects disappear. The fine particles without reconstructed aggregates can be obtained by ball-milling under ethyl alcohol as a dispersion media. The grinding efficiency can be improved by using balls with a high true density. The sizes of aggregates were diminished to 0.1-0.2&mu;m by ball-milling using nylon coated iron balls. The powder ground by the nylon coated iron ball was formed into disks and then heated at 1200&deg;C for 1 h. The bulk density of the sintered body was >98% of the theoretical density.
著者
杉田 貴洋
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.275-292, 2009-12

一 問題意識の提示二 新株予約権制度創設から会社法制定前1 学説2 検討三 会社法制定後1 現行制度の概要2 無効事由ある新株予約権発行と新株予約権行使の効果3 行使条件違反の新株予約権行使の効果4 発行可能株式総数超過の場合四 結語
著者
平賀 慎 杉田 洋 村川 三郎 近藤 貴道
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.616, pp.153-158, 2007-06-30 (Released:2017-02-25)
参考文献数
12
被引用文献数
2 1

This paper proposes the cleanliness check system which is constructed by the evaluation of students for the purpose of efficient cleaning management. This system was applied to a certain university as a case study. First the viewpoints and judgment conditions on which the cleanliness of campus were evaluated were extracted by the hearing investigations to the students. Then, some items for the cleanliness check were decided based on these results. Furthermore, importance level to the check items and user satisfaction to the current conditions were investigated. As a result, the necessary knowledge to improve concretely the cleaning management was obtained.

1 0 0 0 IR 研究紹介

著者
大島 利雄 酒井 英行 長谷川 修司 蓑輪 眞 島田 敏宏 小間 篤 中村 正治 中村 栄一 杉田 精司
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.6-14, 1999-09

古くて新しい代数解析/三体力の検証/電子の海のさざ波/ボロメータによる暗黒物質の直接検出/有機薄膜成長の精密制御/有機化学反応の解析:予測における量子力学計算の利用/惑星表面の高速衝突現象
著者
鈴木 康弘 杉田 律子 鈴木 真一 丸茂 義輝
出版者
日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.825-830, 1997
参考文献数
25
被引用文献数
7 14

ひき逃げ事件で重要な物的証拠となる自動車用フロントガラスの微細片について, これに含まれる微量不純物をICP-MSで定量し, 分析値の比較によるガラス片相互の異同識別を試みた.マイクロ波加熱分解装置を利用して, 5mg以下のガラス片を粉砕せずに迅速に分解する条件を検討した.分析操作は以下のとおりである。試料約10mgを精ひょうしでテフロン製密閉容器に移し, フッ化水素酸及び過塩素酸各0.5mlを加えた後, マイクロ波加熱によりガラス片を完全に分解した.これに硝酸2ml及び内標準として10μg/mlのPd溶液0.1mlを加え, イオン交換蒸留水で25mlに希釈して測定用試料溶液を調製した.異同識別に有効な不純物として, Co, Rb, Sr, Zr, Ba, La及びCeの7元素が検出された.本法によるNIST標準試料の分析値は, CoとZrを除いて保証値と良好な一致を示した.本法を実際のフロントガラスの分析に応用したところ, 同一試料内での分析値の変動は異なる試料間の差異と比較して十分に小さく, 分析値の比較はガラス片相互の異同識別に有効であった.