著者
丸岡 泰 杉田 博
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2008年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.128, 2008 (Released:2009-01-07)

IT(とくにSNS)を用いた地方都市の観光振興の人材育成上の課題を明らかにする。宮城県第2の都市で非伝統的観光地石巻市の観光振興のため、石巻専修大学を中心とする活動が行われてきた。2007年から同大学中心にSNS運営が始まった。2008年には、「観光から地域(まち)をつくる交流広場」が2回開催された。参加者へのアンケートによるとこの広場は満足できる状況だが、交流促進はまだ十分ではない。今後の観光情報発信には、情報の発掘・編集とIT利用の能力向上が必要と考えられる。
著者
杉田 由加里 山下 留理子
出版者
千葉大学大学院看護学研究科
雑誌
千葉大学大学院看護学研究科紀要 (ISSN:21859698)
巻号頁・発行日
no.37, pp.47-56, 2015-03

本研究の目的は,特定保健指導の展開過程(保健指導の準備,対象との信頼関係の構築,アセスメント,気づきの促し,対象者の自己の健康行動と科学的根拠のある方法の理解の促進及び教材の選定,目標の設定,継続フォロー,評価)における困難だと感じた状況(以下,課題)と課題への対応方法を明らかにすることである.研究参加者は,自治体5か所,全国健康保険協会3か所,委託業者1か所の9か所に所属する,特定保健指導の熟練者計11人(保健師9人,管理栄養士2人)とした.団体ごとのグループでの半構成的インタビューを実施した(平成25年2~3月).調査内容は先行研究から作成した特定保健指導における課題に対しどのように対応しているか,保健指導の場面を想起し語ってもらった.分析方法は,調査項目ごとに要約を作成し,各要約の同質性を判断しカテゴリとし,対応方法としてまとめた.特定保健指導の展開過程における課題として25項目に整理でき,課題への対応方法として計123項目が明らかとなった.アセスメントにおける多様な課題に対する対応方法を示せたことは,実践において有益であり,活用可能性が高いと考える.保健指導の評価の段階における対応方法に関して全部の種別の団体から抽出することができず,実践されている状況が少ないとも考えられる.保健指導スキルを向上させていくには重要な段階と考えられ,人材育成を充実させていく方向性が示唆された.
著者
杉田 菜穂
出版者
大阪市立大学経済研究会
雑誌
季刊経済研究 (ISSN:03871789)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.23-40, 2012-09

1 はじめに : Euthenics(以下, 優境学)は, Ellen H. Swallow Richards(1842-1911 ; 以下, リチャーズ)によって構想された学問である. 優境学は「アメリカ公衆衛生学の母」あるいは「家政学の母」と称されるリチャーズの研究人生の到達点であり, Eugenics(優生学)に対抗する概念としてのそれは遺伝に対して環境の重要性を強調する. ……
著者
吉澤 誠 杉田 典大 湯田 恵美 田中 明 本間 経康 山家 智之
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.542-543, 2020

<p>近年,健康管理のためにウェアラブル・センサが普及しつつある.例えば,アップル社のApple Watchの最新バージョンでは,光電脈波計ばかりではなく心電計の機能まで具備している.確かに,ウェアラブル・センサは身体に直接装着するため,常時連続的な生体情報取得が可能である.しかし当然であるが,ウェアラブル・センサは,それを購入して「装着(ウェア)」しなければセンシングできない. 一方,パーソナルコンピュータやスマートフォンに内蔵されているビデオカメラの映像信号から脈波(映像脈波)が得られる.ウェアラブル・センサに比べて映像脈波が決定的に優れているのは,何も身に付けず(ウェア"レス"に),遠隔・非接触的なセンシングができる点である. 本稿では,まず,映像脈波の計測方法とその性質について述べた後,映像脈波の幅広い応用可能性について解説する.すなわち,家庭における風呂・トイレなどでの血圧サージの検出,洗面所の鏡やスマートスピーカーでの応用可能性,あるいは自動車内での運転者のモニタリングについて触れ,最も応用可能性の高いものとして,スマートフォンを使ったクラウドサービスの概念を紹介する. 次に,映像脈波の実用上の課題と限界について述べる.すなわち,映像脈波の最大の弱点が,体動と照度変化に極端に弱いことであり,それぞれに関する対策を紹介するとともに,今後を展望する</p>
著者
杉田 勇
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.88-104, 1995-10-01 (Released:2018-02-01)

In 1990 The Japan Medical Association translated the Englisch concept "informed consent" as "explain and consent" into Japanes and made a report on informed consent. In the report it is said that informed consent will make an opportunity to reconstruct a new human relationship between physicians and patients in our country. But how is informed consent possible ? The aim of this paper is to consider informed consent from three aspects, i.1. legal, ethical and philosophycal theory and to establish the theoretical foundation for informed consent. The consideration of the paper is as follows. 1. Concept of informed consent. 2. Informed consent. for whom ? 3. Can we introduce informed consent directly into our country ? 4. Acceptance and modification of the informed consent concept. 5. Never treat a person simply as a means, but always as a goal. 6. The meaning of informed consent. -From consent to agreement.- 7. Conclusion. -Metaphysical meaning of informed consent.-
著者
今井 直 堤 康央 長野 一也 杉田 敏樹 吉田 康伸 向 洋平 吉川 友章 鎌田 春彦 角田 慎一 中川 晋作
出版者
日本プロテオーム学会(日本ヒトプロテオーム機構)
雑誌
日本プロテオーム学会大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.151, 2007

現状のプロテオーム解析では、疾患組織あるいは対照となる健常組織由来の蛋白質サンプルを二次元ディファレンシャル電気泳動(2D-DIGE)法で分離した後に、質量分析計を用いて個々の発現変動蛋白質を同定することにとどまっている。そのため、同定された膨大な数の変動蛋白質の中から、発現や変動を詳細に機能解析することで、病態の発症や悪化に中心的な役割を果たしている創薬ターゲット・蛋白質を効率よく絞り込むこが次のステップとして期待されている。その点において、ELISAなどの抗原-抗体反応を利用した解析手法は、特定蛋白質を特異的かつ高感度に検出できることから、プロテオミクス研究においても蛋白質の機能解析を進める上で極めて有用である。しかし、従来のように数十g以上の蛋白質を動物個体に免疫する必要があるハイブリドーマ法では、上述の2D-DIGEによって得られる極微量(数十ng程度)かつ多種類の蛋白質サンプルに対する抗体作製に対応することは不可能である上、この方法ではプロテオミクスの最大の利点である網羅性を著しく損なってしまう。そこで我々は、これらの課題を克服するために、ファージ抗体ライブラリと2D-DIGE法を組み合わせた新しいモノクローナル抗体(Mab)作製技術の確立を試みた。一般に、ファージ抗体ライブラリからのMabのセレクションは、プラスチックプレートなどに固定化した数g~数百g程度の標的抗原に対してファージ抗体ライブラリを反応させ、抗原に結合するファージのみを選択・増幅する、という方法(パンニング法)を用いる。既に我々は、ニトロセルロースメンブランを固相化担体として利用することで蛋白量がわずか0.5 ng程度であっても効率よくMabを選別できるパンニング法の開発に成功している。今回は、ヒト乳癌・乳腺細胞株の2D-DIGE解析により得られた発現変動スポットから蛋白質を抽出し、この蛋白質をダイレクトに抗原として用い、メンブランパンニングを行った。その結果、メンブランパンニング法を適用することで、今回得られた全てのスポットに対してMAbを単離することが出来た。以上、2D-DIGEによる変動蛋白質の同定と抗体作製を一挙に達成できる本手法は、プロテオミクスによる創薬ターゲットや疾患の早期診断・治療マーカーの同定に大きく貢献するものと期待される。
著者
杉田 孝夫
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.62, pp.57-71_L4, 2011 (Released:2011-12-09)
参考文献数
9

Zwischen 1780 bis 1820 standen die drei Elemente, die den modernen deutschen Familienbegriff konstituierten, zur Verfügung. Besonders in den drei Familientheorien Kants (1797), Fichtes (1797) und Hegels (1821) finden wir die theoretische Entwicklung des Konzepts der Familie als die moderner Kleinfamilie (engl. nuclear family). Einerseits lässt sich der Entstehungsprozess der Vorstellung der Familie begriffsgeschichtlich nachvollziehen. Andererseits lässt sie sich auch in Beziehung zwischen der Familie und der modernen individualistschen und liberalistischen Gesellschaft erklären. Die Vorstellung von der Familie symbolisierte die neue freie individualistsche Gesellschaft in Abgrenzung zur alten ständischen und häuslichen Gesellschaft (ancien régime). Die Eheschließung des freien Mannes und mit der freien Fau, die einander herzlich lieben, schafft eine Familie, und sie produzieren freien Menschen (Kinder), ziehen sie groß und pflegen sie. Wenn das Kind erwachsen wird, unabhängig und frei, kommt die Rolle der Familie an ihr Ende.Aber die neue Gesellschaft hat eine neue moderne Geschlechterdifferenz produziert und strukturiert. Der Mann repräsentiert seine Familie in der öffentlichen Sphäre, und die Frau wird die Zentralfigur der Liebe und des Glaubens in der Familie, also in der privaten Sphäre. Das ist die Geburt des Mythos der Mütterlichkeit. Gerade zu Beginn war Die Vorstellung von der Familie die Basis für die Menschenbildung, die Freiheit und die Gemeisamkeit der Geschlechter, aber mit der Vergrößerung der Entfaltungsmöglichkeiten für Frauen und der Verbesserung der Bedingungen für sie in Ausbildung, Arbeit und allen anderen Tätigkeitsfelder wurde die Familie in der Vorstellung so etwas wie ein Symbol für die Hinderniss, welche die Freiheit der Frauen einschränkten. Warum?Aus der Gender-Perspektive und im Dialog mit der feministischen Kritik werden die Möglichkeiten und Problematik der Familie als Basis der Bildung und Freiheit des Individuums in unserem Zeitalter diskutiert.
著者
杉田 静雄 韮山 ひとみ
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.35-42, 1976 (Released:2013-02-19)
参考文献数
6

1) 食塩のpH, アルカリ度の測定方法について検討し新たに測定方法を提示した.2) 国内8製塩企業の並塩, 食塩, 精製塩, 食卓塩および二, 三の外国塩についてpHとアルカリ度とを測定した結果, pHは5.72~10.60, アルカリ度は2.10~7530 0.01N H2SO4ml/1,000gの範囲にあった.3) 食塩のpHおよびアルカリ度が, 電気透析槽におけるスケール防止対策, 製品の乾燥工程および製品中のマグネシウムイオン濃度と密接な関係をもつことがわかった.4) 酸およびアルカリ溶液のpH減少におよぼす塩化ナトリウム濃度の影響を検討した結果, この濃度は0.1pH単位の減少に対して0.56~0.86mol/kgであった.
著者
杉田 聡 田中 誠二 後藤 芳美 丸井 英二
出版者
大分大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、1945~1952 年の占領期において、厚生省等の日本の行政機関と、GHQ/SCAP/PHW(連合国最高司令官総司令部 公衆衛生福祉局)との協同や対立と構造を分析した。分析には、国立国会図書館に所蔵されるGHQ 文書、特に占領開始から終了までのGHQ/SCAP/PHWの業務日誌であるDaily Journalを用いた。厚生省とPHWの会合記録を集計分析した結果、占領開始時の厚生省衛生局長である勝俣稔が重用されていることが明らかとなった。また、①日本脳炎対策のための岡山県の野外調査と、②衛生教育のために全国を巡回した公衆衛生列車の立案実施の実態を明らかにした。
著者
大塚 俊之 後藤 厳寛 杉田 幹夫 中島 崇文 池口 仁
出版者
植生学会
雑誌
植生学会誌 (ISSN:13422448)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.43-54, 2003-06-25 (Released:2017-01-06)
参考文献数
45
被引用文献数
2

1.西暦937年,富士山の噴火の際に流出したとされる,剣丸尾溶岩流上には広い範囲にわたってアカマツのほぼ純林が形成されている.この群落は一次遷移系列上の先駆群落とみなされて来たが,その成因は明らかでない.このため,本研究では群落生態学的な現地調査と周辺の土地利用に関する文献調査からその起源を明らかにすることを目的とした.  2.標高約1030mに設置した永久方形区での群落調査から,アカマツの直径階分布は20-25cmのクラスにピークを持つ一山型で,その密度は高かった.また,階層構造としてはほぼアカマツだけの林冠層とソヨゴを中心とする亜高木・低木層の明瞭な二層構造となっていた.  3.アカマツの最大樹齢は90年で,その樹齢は直径サイズに関係なくほぼ80-90年生でそろっていた.  4.剣丸尾周辺の森林利用の歴史についての文献調査により,江戸時代から剣丸尾上の植生は入会地として住民に利用されていたことが明らかとなった.また明治時代には剣丸尾周辺には桑畑が広がっており,養蚕業のためにかなりの濫伐が行われたと考えられた.  5.その後,剣丸尾上の一部は1915年に恩賜林組合によって柴草採取区域に指定され適切な入会地管理がなされたため,これ以降に一斉にアカマツが侵入したものと考えられた.さらに1934年に部分林に再設定された際に雑木除去によるアカマツの天然更新施業が行われ,その後1960-70年代まではアカマツ林の林床植生は柴草として利用されていた.  6.このように剣丸尾アカマツ林は溶岩流出後の自然の一次遷移系列上にある先駆群落とは異なり,長年の人為的な攪乱により遷移が停滞していた立地に,攪乱停止後に成立したアカマツ林である.また1934年の雑木除去と1960-70年代までの下層植生の利用が,現在のアカマツ林の林分構造に大きく影響していた.
著者
杉田 裕汰 原 毅 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.843-848, 2020 (Released:2020-12-19)
参考文献数
40

〔目的〕周術期消化器がん患者における入院中の歩行数に関わる要因を,身体機能評価,血液生化学データより検討し,明らかにすること.〔対象と方法〕周術期消化器がん患者28名とした.身体機能評価には,体組成計値,等尺性膝伸展筋力,握力,6分間歩行距離,呼吸機能評価,片脚立位時間の全6項目を使用し,血液生化学データには血清アルブミン(Alb),C反応性蛋白(CRP),総蛋白を使用した.〔結果〕歩行数においては,術前と比して術後は,有意な低下を認めた.術後歩行数と術前Alb,術前CRP,術前の体脂肪率に有意な相関関係を認めた.〔結語〕術後の代謝変化による骨格筋量の低下を考慮すると,術前より栄養状態,免疫反応,体脂肪率に着目することの重要性が示唆され,手術後の歩行数低下には,その点を踏まえたリハビリテーション介入が必要である可能性が示唆された.