著者
福田 弥夫 井口 富夫 佐野 誠 松下 泰
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.630, pp.630_331-630_438, 2015-09-30 (Released:2016-07-27)
参考文献数
16
著者
松下 泰祐 古田 充 島田 直幸 今井 淳裕 岡 香奈子 勝間 勇介 松岡 佑季 大田 南欧美 末光 浩太郎 和泉 雅章
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.229-234, 2021 (Released:2021-05-28)
参考文献数
16

症例は66歳,女性.人工血管内シャントにより維持透析されていた.発熱のため前医を受診し感染症疑いで入院.入院第1病日よりセフトリアキソン(CTRX)2 g/日の投与開始.第3病日人工血管感染の診断となり,改善を認めないため第10病日手術目的にて当院に転院.第16病日人工血管部分置換術を行った.第17病日より意識レベルが低下し,第18病日に昏睡状態となった.頭部CT・MRIや髄液検査で特異的所見を認めず,CTRXによる脳症の可能性を考えた.CTRXは蛋白結合率が高く血液透析(hemodialysis: HD)では除去効率が悪いため,第19病日に血液吸着(hemoadsorption: HA)を定期のHDに併用し,明らかに意識レベルが改善し,第21病日には入院前と変わらない意識レベルまで回復した.後日判明したHD・HA併用前の血中CTRX濃度は306 μg/mLと高値であり,HD・HA併用を1回行うことにより約3分の1に低下した.また,髄液中CTRX濃度も26 μg/mLと著明に高値であった.以上よりCTRX脳症であったと確定診断した.
著者
亀田 啓悟 松下 泰章
出版者
関西学院大学
雑誌
Working papers series. Working paper
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1-19, 2008-04

伝統的な経済理論に従えば政府財政の悪化は長期金利を上昇させはずである。しかしOECD諸国中最悪の財政状況にあるわが国の長期金利は、依然として低位安定を続けている。本稿ではWachtel and Young (1987)等を参考に財政赤字と長期金利に関するイベントスタディーを行い、財政赤字の悪化が長期金利に与える影響を分析する。財政赤字の予想値には財務省の『予算の後年度歳出・歳入への影響試算』による4年度先財政赤字予想値を、長期金利には10年物国債の最長期物利回りを利用した。実証分析の結果、国債市場の整備がほぼ完了したとされる2000年以降において、財政赤字の予期せざる1兆円の変化が、長期金利を約0.15〜0.25bps上昇させることが確認された。この結果は、海外の先行研究結果と比べ小規模な反応であるものの、昨今の日本の低金利を考えると妥当な反応と思われる。
著者
兼山 達也 阪口 元伸 中島 章博 青木 事成 白ヶ澤 智生 丹羽 新平 松下 泰之 宮崎 真 吉永 卓成 木村 友美
出版者
一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.225-236, 2017 (Released:2017-09-30)
参考文献数
49

リアルワールドデータ (RWD) は製薬業界にとってもはや欠かせないツールである. マーケティング目的のみでなく, アンメットニーズの探索, エンドポイントの妥当性検討や患者層の特定など臨床試験のデザインや, 試験を実施する国や地域, 施設の選定や組入れ計画などの実施可能性の検討, 医療技術評価やアウトカム研究などに幅広く利用されている. サイズも大きく企業からアクセス可能なレセプトなどの医療管理データベース (DB) が主に用いられているが, その他の電子医療記録や患者レジストリなども同様に有用である. 日本製薬工業協会 (製薬協) のタスクフォースで2015年夏にデータサイエンス (DS) 部会加盟会社を対象にアンケートを実施したところ, 回答が得られた会社のうちおよそ半数ですでに社内に日本のDBを保有しているか, ウェブツールを通じてアクセス可能であった. 実際, すでに多くの研究結果が各社から, またアカデミアとの共同研究として公表されている. 若手DS担当者が産官学で話し合うDSラウンドテーブル会議でも臨床試験デザインにRWDを応用した事例が共有された. これらの事例は必ずしも論文として公表されず, 社内の意思決定に応用されるものであるので, このような機会に事例を学べることは特に貴重である. RWDの安全性評価への応用は, 来年度からDB研究がPMSのオプションの1つとなることからあらたに注目されている. しかし従来のPMSがすべての目的にかなうものではなかったのと同様にDB研究がすべてを満たせるものでもなく, 目的に応じた研究計画が必要なことはいうまでもない. ほぼ全国民をカバーするナショナルデータベース (NDB) は有益な疫学研究ツールとなり得るが, 企業の研究者は基本的に直接利用できない. 製薬協から申出に従ってある一月のデータを表形式にまとめたものが提供される予定であり, 特定の薬剤に関する結果としてのみでなく, 他のDBの外部妥当性の担保としても貴重なデータとなることが期待されている.
著者
渡邉 裕之 松下 泰之 渡辺 篤 前田 敏郎 温井 一彦 小川 嘉正 澤 淳悟 前田 博
出版者
日本計量生物学会
雑誌
計量生物学 (ISSN:09184430)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.37-60, 2004-06-30 (Released:2012-02-08)
参考文献数
35
被引用文献数
6 20

It is very important to provide safety information of new drugs to physicians and patients as soon as possible after the early postmarketing period. For that purpose, it is important to appropriately collect and analyze the spontaneous reports accumulated in databases of companies and regulatory agencies. This paper reviews the analytical methods to assess spontaneous reports. Bate et al. (1998) presented Bayesian Confidence Propagation Neural Network (BCPNN) Method used by Uppsala Monitoring Centre (UMC) of the World Health Organization (WHO). DuMouchel (1999) presented Gamma-Poisson Shrinker (GPS) Program of U. S. Food and Drug Administration (FDA), and Evans et al. (2001) presented Proportional Reporting Ratios (PRR) of the Medicines Control Agency (MCA). Furthermore, DuMouchel and Pregibon (2001) extended the GPS Program, proposing the Multi-Item Gamma Poisson Shrinker (MGPS) Program, which then became the standard method for the FDA. This report also reviews the practical problems (e.g. database, duplication cases, code of Medical Dictionary for Regulatory Activities (MedDRA)) encountered in Japan.
著者
松下 泰幸
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会機関誌えねるみくす (ISSN:24323586)
巻号頁・発行日
vol.96, no.4, pp.495-500, 2017-07-20 (Released:2018-03-30)
参考文献数
37

Klason lignin is generated by acid hydrolysis of woody materials with 72% sulfuric acid as a residue. This procedure is useful not only for the determination of lignin content but also for the production of sugar from woody biomass. In the acid saccharification process, Klason lignin is yielded as a byproduct. One of the key points in developing the acid saccharification process is to find the effective ways to utilize Klason lignin. In this review, the chemical conversion of Klason lignin into functional materials, such as surfactants, dispersing agents, bioactive agents was discussed.
著者
生野 正芳 綾部 雅章 政時 大吉 山下 奈美 刈茅 岳雄 松下 泰輔
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】平成12年に介護保険法が施行され介護保険を利用しての訪問リハビリテーション(以下 訪問リハ)の実施が開始されて十数年が経過している。厚生労働省の介護給付費実態調査月報では平成13年5月では1.4万人であった訪問リハの利用者数が,平成26年7月では8.6万人にまで増加している。しかし同じ月の訪問介護約140万人,訪問看護36万人に比べると非常に少ない数字である。この要因として訪問リハのサービス提供事業所数やマンパワーの不足,ケアマネージャー(以下CM)の認識不足などの指摘を受けることが多い。本研究ではCMが訪問リハについてどのような認識を持っているのか,どの程度訪問リハについて周知されているのかを調査することで今後の訪問リハのサービス充足に役立てることを目的とした。【方法】対象は福岡県うきは市およびうきは市周辺の居宅介護支援事業所26件(以下 事業所)にてCMとして業務に従事している者62名とした。調査方法は無記名の多肢選択式および自由記述式のアンケート調査を実施した。質問内容は基礎職種,実務経験年数,訪問リハの利用歴,給付実績数,現在訪問リハをサービスに組み込んでいる件数,訪問リハの利用に至らなかった理由,ケアプラン作成上よく使用するサービス(複数回答可),訪問リハへの要望とした。【結果】事業所数26件,CM数62名,回収数46名,無効回答数2名,有効回答数44名,有効回答率71.0%であった。基礎職種は介護福祉士43.2%,看護師16.0%,相談援助業務従事者16.0%,ホームヘルパー2級9.1%であった。ちなみにリハビリ関係職は0.0%であった。実務経験年数は平均6.7年±4.1年,最高15年,最低1年であった。訪問リハビリの利用歴は利用したことがあるCMが77.3%,一度も利用したことがないCMが22.7%であった。給付実績数は平均3.7±4.2件,最高20件,最低0件であった。現在訪問リハをサービスに組み込んでいる件数は平均1.0±1.3人,最高5件,最低0件であった。訪問リハの利用に至らなかった理由は「本人・家族が希望しない」が44.4%,「訪問リハの対象となる利用者がいない」が33.3%であった。ケアプラン作成上よく使用するサービス(複数回答可)は通所介護が90.9%,福祉用具貸与が86.4%,通所リハが79.5%,訪問介護が77.3%,ショートステイが43.2%,訪問看護が29.5%,訪問リハが11.4%であった。訪問リハへの要望は「訪問リハの内容・利用方法を教えてほしい」が52.9%と特に多かった。【考察】CMはケアプラン作成時まず通所系のサービスや訪問介護の導入を考えることが多く,訪問リハに関しては対象となる利用者がおらず,いたとしても本人や家族が希望しないため利用に至らない場合が多いという認識の傾向があった。しかし一方で,訪問リハの内容・利用方法を教えてほしいという要望も多い。またCMによって訪問リハの利用状況にばらつきが大きい状態である。これらのことから,CMに訪問リハの内容や方法,利用効果について十分に周知されていない可能性が考えられる。これはCMとして業務に従事している者の基礎職種にリハビリ関係職がほとんどいないことが要因の一つとして考えられる。理学療法士・作業療法士法施行以降,先人たちの努力により「リハビリテーション」という言葉とそのおおまかな内容は多くの国民に周知されてきている。しかし今回の結果から,訪問リハに代表される在宅でのリハビリテーションに対しては十分に周知されていないのではないかと考えられる。今後の訪問リハにおける課題はサービス提供事業所数やマンパワーの充足だけではなく,訪問リハに関する啓蒙活動による周知の徹底が重要であると考えられる。そうすることで訪問リハが必要だが現在は訪問リハを利用していない利用者に対して,必要なサービスを提供できる可能性が大きくなり,地域における訪問リハのサービス充足につながるのではないかと考えられる。【理学療法学研究としての意義】訪問リハに関する研究は症例報告や介入効果についてなどが多く,CMを対象とした調査は少なく,福岡県うきは市のような中山間地域を含んだ地方の自治体での調査は更に少ない状態である。今回介護保険サービスに関わる職種の中でも特に中核を担っているCMが訪問リハに対してどのような認識を持っているか知ることで,今後の訪問リハのサービス充足につながるための一助となると考える。さらに今後都市部の状況と比較することで地域格差の実態把握とその解消の一助となると考える。
著者
森口 郁夫 松下 泰雄 広野 修一
出版者
北里大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

化学物質の毒性が化学構造から予測できれば、製品開発、環境汚染等の面でその恩恵ははかり知れない。本研究は、ヒト経口急性毒性(以下、ヒト毒性)および魚毒性の予測について適応最小二乗法(ALS81)、ファジイ適応最小二乗法(FALS88)を用いて検討を行った。1.データソース:ヒト毒性は、CTCP(5版)、RTECS(1981-82版)および日本薬局方等から収集し、総数504個、魚毒性はRTECSから329個の有機化合物に関するデータを収集し、各々毒性の強さに従って3等級に分類して用いた。2.構造記述子:化合物の化学構造の特徴を表すものとして、ヒト毒性は分子量、特定の原子(C、O、S等)、環(ベンゼン、キノン、等)、各種官能基、特徴的な部分構造については数、又は準数量変数、魚毒性は数、又はダミー変数であり、検討した記述子は各々60および63種である。3.構造・毒性相関モデルの生成:計算は東大計算機センターの電算機およびNEWSで行い、得られた最良の識別関数には、ヒト毒性では41種(ALS81)および40種(FALS88)、魚毒性では35種(ALS81)の記述子が含まれている。4.識別・予測の信頼性:識別関数による毒性等級の識別計算は、ヒト毒性ではALS81、FALS88とも439個(87.1%)および魚毒性では280個(85.1%)が正しく識別され、スピアマン順位相関係数(Rs)は0.858、0.860、および0.825であった。またリーブワンアウト法による予測計算は、411個(81.5%)、412個(81.7%)および256個(77.8%)の化合物の等級が正しく予測された。以上の識別・予測ともすべて0.1%の危険率で有意であり、所期の目的が達成できたと考えられる。
著者
山田 浩章 松下 泰弘 井岡 良太 平野 辰昇 川口 浩二 猪股 勉
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_19-I_24, 2015
被引用文献数
1

GPS海洋ブイは,現在,国土交通省港湾局のナウファスの「GPS波浪計」として日本全国に18基設置され,沖合の大水深海域で波浪の定常観測を実施している.GPS海洋ブイは津波観測も可能であり,東日本大震災による大津波発生時には,岩手県釜石沖などに設置されていたGPS波浪計が津波を観測し,気象庁の津波警報の更新に利用されたが,津波をより早期に観測するには更に沖合にGPS海洋ブイを設置する必要がある.しかし,従来のGPS海洋ブイではGPS測位法と無線通信によるデータ伝送の制限から設置可能距離は沖合20km程度までであった.本稿では,更なる沖合観測のために開発した新型GPS海洋ブイの概要と実海域での実証実験の状況について報告する.