著者
林 博友 趙強福
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.2878-2889, 2008-08-15

ニューラルネットツリー(NNTree)は各中間ノードに小規模なニューラルネット(NN)を埋め込んだ決定木(DT)である.NNTreeの利点としては,フル結合型NNと比べ構造学習およびハードウェア実現に適していることと,通常の単一変量DTと比べ汎化能力が高いこと等があげられる.しかし,NNTreeの生成は難しい問題であり,NNはたとえ1個のニューロンしか含まないときでさえ,各中間ノードの最適なテスト関数を求めることはNP完全問題である.この問題を解決するために我々は遺伝的アルゴリズム(GA)に基づくNNTreeの生成方法を試みたが,この方法は非常に時間がかかるため容易に使用できない.NNTreeを高速に生成するために,本論文で我々は新しいアルゴリズムを提案する.このアルゴリズムでは,まず各中間ノードに割り当てたデータのグループラベルを発見的な方法で定義し,そして,教師付き学習を用いてテスト関数を求める.提案方法の有効性は,複数の公開データベースを用いた実験によって実証された.Neural network tree (NNTree) is a decision tree (DT) with each internal node containing a small neural network (NN). Although NNTree is a model good for structural learning and for hardware implementation, it is difficult to induce suitable structure of NNTrees. Even if each NN contains only one neuron, the problem for finding the optimal test function in each internal node is NP-complete. To solve this problem, we have tried to induce the NNTrees using genetic algorithm (GA). The GA-based approach, however, is very time consuming, and cannot be used easily. In this paper, we propose a new algorithm for inducing NNTrees quickly. The basic idea is to define the group labels for the data assigned to each internal node based on some heuristic rules, and then find the test function through supervised learning. The efficiency of the proposed algorithm is proved through experiments on several public databases.
著者
粟屋 憲太郎 伊香 俊哉 内海 愛子 林 博史 永井 均
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

第2次世界大戦において日独が行った数多くの残虐行為に対し、連合国はそれをどのように認識し、対処しようとしたのか。これまで個別分散化していた戦犯裁判研究を総合的に明らかにするため、大戦初期の連合国による戦争犯罪認識の形成過程から戦犯処罰方式の決定に至るまでの過程、さらに対日戦犯裁判政策の形成・実施・修正・終了のプロセスを全体的に明らかにすることを目指し、連合国による対日戦犯裁判政策に関する政策文書を収集・分析した。
著者
原 純輔 秋永 雄一 片瀬 一男 木村 邦博 神林 博史
出版者
東北大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

これまでの研究の過程で、社会調査データアーカイブに関する整備体制と利用実態の国際比較を通して、わが国の現状を検討するという課題が、浮上してきた。そこで、世界最初の国勢調査実施国であり、データの整備と公開が進んでいるアイスランド国立大学およびアイスランド国立博物館における聴取調査を実施した(秋永雄一・原純輔)。また、昨年度に引き続き、社会調査データアーカイブについてのケルン大学社会調査データ・アーカイヴ、マンハイム社会科学方法論研究所での再調査(木村邦博・秋永雄一)を実施するとともに、ケルン大学におけるセミナーに参加した。この結果についても研究会で検討を行った。その結果、「公共財」としての社会調査データという理念が、両国に共通に存在しており、わが国との大きな違いとなっていることが明らかになった。また、過去2年間の実績をふまえて、SSM調査(報告者・片瀬一男。以下同様)、国民性調査(海野道郎)、生活時間調査(三矢恵子)、青少年の性行動全国調査(原純輔)、宮城県高校生調査(神林博史)に対象を絞り、調査の概要・成果に加えて、とくにデータの保存およびデータの公開・利用可能性に焦点をあてながら研究会における再検討を行った。その結果、企画者側の調査データの公開に関する姿勢は多様であるが、とりわけ社会的評価の高い調査では、データのとりかたに独特の工夫がされていることが多く、他の研究者がそれを利用することには相当の困難が伴うことを、具体的に明らかにした。以上の成果は、現在報告論文集としてとりまとめ中である。
著者
河合 幸一郎 井上 栄壮 今林 博道
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.81-85, 2009

Cricotopus bifascia Tokunaga,1936をParatrichocladius Santos Abreu,1918に移し,再記載した.本種雄成虫は,よく発達するが中央で明瞭に分離した前前胸,明瞭な淡色部から生じ直立する中刺毛,および明瞭な肩孔を有する.P.yakukeleus Sasa et Suzuki,2000は本種の新参シノニムである.本種の最大の特徴は,Cricotopus属の多くの種と同様に,黒色および黄色からなる斑紋様の体色を呈することである.
著者
八幡 俊男 清水 惠司 中林 博道 梶 豪雄 政平 訓貴
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

癌幹細胞は、悪性腫瘍を根治するために重要な標的として考えられている。本課題では、悪性脳腫瘍の細胞株から分離培養した癌幹細胞が、薬剤を細胞内から排出することで化学療法に耐性となる遺伝子(多剤耐性遺伝子)を高発現し、抗癌剤に対して低い感受性を示すことを明らかにした。また、癌精巣抗原遺伝子は、癌幹細胞においてエピジェネティックな因子の制御を受けて高発現することを見出し、免疫療法の標的分子となる可能性が示唆された。
著者
勝村 哲也 古勝 隆一 木島 史雄 金文 京 松原 孝俊 矢木 毅 小林 博行
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

朝鮮渡来漢籍の調査を行うのが目的であるが、今回は特に対島の宗家が所蔵し、厳原の長崎県立対島民族資料館に寄托されている漢籍と朝鮮版漢籍の調査をおこなった。その結果これらの典籍は、17世紀の中葉約50年間の間に渡来したものであり、ことにこの時期に朝鮮で出版された漢籍が集中的かつ良好に保存されている、極めてめずらしいケースであることが判明した。続いて建仁寺の両足院に保存されている対島府中の以酊庵(いていあん)関係文書(朝鮮との外交文書)・地図と南禅寺金地院文書(以酊庵に輪番として派遣された五山僧の記録)の全貌を把え、全文書を撮影した。これは研究者にとって極めて貴重な基礎資料となるものである。続いてカリフォルニア大学バークレイ校の東アジア図書館で調査し、旧三井文庫(新町三井)等わが国から当地に流出した資料約3000点を見出した。折りよく在外研究にめぐまれた九州大学の松原孝俊教授に紹介し、同教授によって調査が進められている。その結果も本研究に反映しうる。次にこうした資料をウェブによって公開利用に供するためのシステムを開発した。現在島根県立大学で試験的に運用しているウェブ・リトリーバル・システムがそれであって、このシステムによって、内外の諸機関のデータベースと相互に検索を行い、ウェブ上で検討に付することが可能になった。これも研究による大きな成果である。そのURLは以下である。http://ekanji.u-shimane.ac.jp/webusers/jsp/xmlweb/databases.jsphttp://nohara.u-shimane.ac.jp/dicl 204/dic-index.html
著者
中村 聡一 小林 博
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.7-12, 1990-03-20

1.グッピー,ティラピア,メダカ,コイ,コイナ,ワキン,コメットについて鰓蓋運動数の温度変化を測定し,その値から温度係数Q_<10>とArrheniusの式のμを常温から下の温度範囲で求めた. 2.Q_<10>は,いずれの魚種においても中等度の温度範囲では2〜3の値を示したが,低温まひによる鰓蓋運動の停止直前の温度では変動が大きく3〜8の高い値を示した. 3.Log f と1/Tの関係においてグッピー,ティラピア,メダカ,コイ,コイナでは,変曲点(臨界温度)が1つ求められ,その温度はグッピーとティラピアでは14.7〜15.9℃,他の魚種では9.2〜10.0℃であった. 4.μの値は臨界温度より高温では各魚種の間にほとんど差はなく1.0×10^4〜1.3×10^4であったが,臨界温度より低温ではμは高温側の値より大きく,魚種により変動が大きかった. 5.鰓蓋運動の停止温度の平均値はグッピー,ティラピアで9.6〜10.3℃,その他の魚種では3.7〜5.6℃の範囲内にあった.
著者
江原 喜人 藤家 馨 寺師 良輝 小林 博光 片本 隆二
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
福祉工学シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.201-202, 2006-09-10

脊髄損傷などによって車いすを使用する場合、退院して自宅に帰るのに住宅改修が必要となることが多い。当センターでは住宅改修の支援を行っているが、退院後の生活がどのようになるかがわからない、住宅改修をどのように進めていいかわからない、など大きな不安を感じている方々も多い。そこで、これらの不安を解消したり、住環境整備のための円滑な準備に繋がるような、住環境整備に関する情報提供のための映像資料作成を試みた。