著者
河合 幸一郎 井上 栄壮 今林 博道
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.367-381, 1998-12-01 (Released:2009-06-12)
参考文献数
17
被引用文献数
2 4

雄成虫の形態に基き,3亜属に属する日本産Polypedilum属7未記載種を新たに記載した。これらのうち,P.akisplendens, P. albiventris, P. crassistyla, P. fuscovittatum, P. paranigrum の5種はPolypedilum亜属に属し, P. pseudomasudai及びP. bingoparadox-umは,それぞれ Tripodula 亜属及び Uresipedilum 亜属に属している。
著者
谷口 進一 青木 克比古 中 勉 高 香滋 石井 晃 大林 博一 大林 博一 中村 晃 中江 友久
出版者
金沢工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

組織的教育力の効果を数理の基礎学力・ジェネリックスキルの観点から、入学から卒業までのスパンで定量的・質的に検証を行った。学力に関しては、同一の学力診断において、入学時に比べ1年後学期では成績が向上し授業効果が確認された。しかし、4年次では専門教育に力点が移り、授業効果は低下した。ジェネリックスキル自己評価では2年次で一旦多くの評価項目の自己評価が低下するが4年次では回復しほとんどの項目で最高点となることが確認された。
著者
伊香 俊哉 永井 均 林 博史 芝 健介 内海 愛子 福永 美和子 粟屋 憲太郎 高取 由紀 宋 志勇 戸谷 由麻
出版者
都留文科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究の主な目的は、第2次大戦後の連合国による対日対独戦犯裁判を解明するための資料調査・収集である。調査・収集は日本、中国、台湾、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フィリピン各国の公文書館や図書館など約30ヵ所で実施した。また日本、中国、フィリピンではヒアリング調査も実施した。収集資料の成果は資料紹介・論文・著書として発表されている。戦犯裁判研究の国際交流のため2014年にドイツ研究者とワークショップを開催した。
著者
林 博史
出版者
日本平和委員会
雑誌
平和運動 (ISSN:13408135)
巻号頁・発行日
no.517, pp.4-18, 2014-03
著者
神林 博史
出版者
東北社会学研究会
雑誌
社会学研究 (ISSN:05597099)
巻号頁・発行日
no.68, pp.147-168, 2000
被引用文献数
5
著者
林 博史 藤目 ゆき 秋林 こずえ
出版者
関東学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

アメリカやイギリスなどで多くの米軍関係資料を収集するとともに、基地問題に取り組んでいる諸団体の聞き取りや資料収集をおこなうことができた。また日本国内や韓国など共同で基地の現地調査も実施し、韓国の研究者や、日本国内で基地を抱えている地域の地元研究者などとのネットワーク作りも進めることができた。共同研究者がそれぞれ多くの研究成果を発表し、米軍による性暴力ならびに性売買の歴史と現状について新たな研究を付け加えることができた。
著者
小林 博仁 熊谷 仁平 大野 俊一 酒井 真人 平野 美和 手島 伸一 井上 滋彦 河村 毅
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.96, no.3, pp.462-465, 2005-03-20
参考文献数
14

症例は81歳男性.1999年1月14日に排尿困難を主訴に当科受診.経直腸的超音波検査上, 前立腺に接して長径4cmの多房性嚢胞を認めたが, 本人精査希望せず放置していた.2002年8月頃より排尿困難が悪化, 尿閉となり精査目的に9月10日入院となる.RUG, DIPで膀胱, 前立腺部尿道の左側への圧排を認め, CTでは骨盤内に径12×7cmの多房性嚢胞を認めた.その他に骨盤MRI, リンパ管シンチ, 精管造影, 注腸造影等施行するも, 骨盤内嚢胞の由来は確定できなかった.PSA 3.7ng/ml, CEA 1.2ng/mlと正常であったが, CA19-9は111.4U/mlと高値であった.排尿状態改善のため10月1日骨盤内嚢胞摘除術施行.病理組織診断は前立腺嚢胞性腺腫であった.術後排尿状態は良好となり, 現在外来経過観察中である.
著者
山野内 隆英 林 博之 伊藤 勝巳 佐藤 公喜
出版者
愛知県環境調査センター
雑誌
愛知県環境調査センター所報 = Bulletin of Aichi Environmental Research Center (ISSN:21864624)
巻号頁・発行日
no.38, pp.7-16, 2011-03

愛知県における光化学スモッグの監視に資するために、オキシダント濃度の日最高値の重回帰分析による推定を試みた.2006年から2008年の県内日最高値を示したことのある44局について重回帰分析を行った.年ごとの監視体制強化期間の全データによる回帰係数を、当該年へ適用した場合の相関は低く、2007年が最も低かった.このため、2006~2008年の複数年のデータを季節変化に対応した期間で分割して、期間ごとに回帰係数を求め、対応する期間のデータに適用した.得られた回帰係数による推定値は、2006~2008年のデータに対しては比較的相関が高かったが、2009年のデータでは低い相関であった.2009年の推定値と実側値との誤差の大きい日について、天気図や気象状況等を解析したところ、午前と午後の気象状況が大きく変化する日が多かった.相関の低かった2007年はラニーニャ現象、2009年はエルニーニョ現象が起きており、梅雨の期間等の状況が平年と異なっていた.このため、期間分割の方法の見直しや天候の日間変動を見込んだ係数の選択を行う必要があると考えられた.
著者
林 博司
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.629-633, 2004
参考文献数
2

生命は二つの情報システム,すなわち遺伝情報系と感覚情報系によって支えられている。遺伝情報系では,DNA→RNA→たんぱく質というセントラルドグマに従って,情報の複製,転写,翻訳がなされている。これらの情報はすべて文字で書かれた文章と同じように1次元の情報になっている。したがって,これらの情報はコンピュータを用いて保存し,比較し,特定の文字列を検索することなどが可能である。本稿では,こうした生命情報技術の現状を纏めた。
著者
石澤 孝 小林 博
出版者
THE TOHOKU GEOGRAPHICAL ASSOCIATION
雑誌
東北地理 (ISSN:03872777)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.30-40, 1991
被引用文献数
2 3

わが国においては, 1970年代に宿泊施設の数が急増している。これをホテルと旅館に分けてみると, 1972年頃に旅館数が頭打ちになり, 代わってホテル数が急増した。長野においても同様の傾向が認められる。長野における旅館とホテルの分布は大きく異なっている。旅館が善光寺の門前やその周辺を中心に立地しているのに対して, ホテルは長野駅周辺地域を中心として立地している。また, ホテルはそのほとんどが都心地域に立地しているのに対して, 旅館は都心地域外に立地しているものも多い。規模は, 旅館よりもホテルのほうが大きい。また, ホテルが立地しているところの路線価格は, 旅館が立地しているところに較べて高く, 価格の上昇率も高い。さらに, 路線価格の高いところに立地しているホテルのなかには, 旅館がその営業形態を変更したものも認められる。<br>以上のように, 都心の拡大と核心地域の移動がみられる都市においては, かつての核心地域には旅館, 新しい核心地域にはホテルという宿泊施設分布の差異が生じている。すなわち, 都市地域における宿泊施設は都心のメルクマールとなるものであり, 旅館が集中して立地している地域は高度経済成長期以前の核心地域, ホテルが集中して立地している地域はそれ以降に形成された核心地域と考えることができる。
著者
河合 幸一郎 川井 敏子 今林 博道
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.37-42, 2003
被引用文献数
6

Five chironomid species of the genus Chironomus were examined for caloric contents in adults and for their ability of calory removal from bodies of water by emergence and of water quality improvement in laboratory experiments. Calory per g adults was the highest (about 5,000 cal) for Chironomus kiiensis, higher than 2,500 cal for C. circumdatus, C. nippodorsalis and C. yoshimatsui and the lowest (about 2,000 call for C. nipponensis. The actual rate of removal by emergence was the highest (about 13%) for C. nippodorsalis, moderate (about 10%) for C. circumdatus and C. yoshimatsui, and the lowest (about 6%) for C. kiiensis and C. nipponensis. For inhibitory ability of eutrophication, in terms of PO_4-P concentration, about 89% of inhibition was observed for C. nipponensis. Inhibition was higher than 70% for C. circumadatus and C. yoshimatsui, about 31% for C. nippodorsalis, and the lowest (about 24%) for C. kiiensis at 4 weeks. For inhibitory ability in terms of protein concentration, inhibition was the highest (about 80%) for C. circumdatus, higher than 50% for C. kiiensis, C. nipponensis and C. yoshimatsui, and the lowest (about 41%) for C. nippodorsalis at 4 weeks.
著者
仲谷 寛 原 良成 宮里 明子 佐藤 聡 伊藤 弘 小林 博 鴨井 久一 菅谷 彰 杉山 裕一 辻上 弘 田村 利之 堀 俊雄
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.220-231, 1992-03-28
被引用文献数
14 2

歯周治療におけるTBC-コラーゲン複合骨移植材: KF-300(TBC-コラーゲン合材)の臨床応用について検討した。歯周疾患によって生じた歯槽骨欠損部68名,80部位に対してTBC-コラーゲン複合骨移植材を応用し,経時的にX線写真および臨床的な評価を行った。術前と比較して術後6ヵ月で,X線写真による骨欠損最深部までの距離は3.6mmの改善が認められた。また,プロービング・デブスおよびアタッチメントレベルは,それぞれ3.2mm, 2.1mmの改善が認められた。動揺度,プロービング時の出血は,術後有意の改善が認められた。骨移植材の漏出および創〓開は,術後2週まで認められたが臨床的には問題とならないと思われた。TBC-コラーゲン合材によると考えられる副作用は1症例も認められなかつた。以上の結果より,TBC-コラーゲン複合骨移植材は,生体親和性に優れ,歯周治療における有用な骨移植材であると考えられた。
著者
竹内 聡史 河野 正司 小林 博 桜井 直樹 細貝 暁子 金城 篤史 甲斐 朝子
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.473-481, 2008-10-10 (Released:2009-02-20)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

目的 : 下顎タッピング運動に随伴する体幹動揺が, 座位において観察できるのか, また立位と座位でどのような差を示すか追求することを目的とした.方法 : 被験者は顎口腔系に異常を認めない男性6名 (25-29歳, 平均年齢27.0歳) で, 姿勢は立位, 座位の2種類として, 10秒間の咬頭嵌合位保持, 3Hzの20秒間タッピング, その後10秒間咬頭嵌合位保持を1測定単位として測定を行った. 下顎運動はTRIMETII (東京歯材社製) により上顎座標系にて下顎切歯点を, 頭部は大地座標系で上顎切歯点, 下顎頭点, 頭頂点, 後頭点を, また体幹動揺はProreflex (Qualisys社製) により大地座標系で胸骨点の矢状面内運動を分析した.結果 : 座位において, 下顎タッピング運動に随伴する体幹動揺が認められた. 開口量に対する体幹動揺量を立位と座位でWilcoxonの符号付検定をしたところ, 有意に立位の方が大きくなった. また体幹動揺の周波数分析におけるパワーの平均値を立位と座位でWilcoxonの符号付検定をしたところ, 有意に立位の方が大きくなった. しかし, 原波形解析による検出率をWilcoxonの符号付検定をしたところ, 立位と座位で有意差は認められなかった.結論 : 体幹動揺量は立位の方が大きいが, 原波形による検出率では差がなく, 咀嚼動作として自然な座位での分析も可能であることが明らかとなった.
著者
田村 和巳 林 豊彦 中嶋 新一 小林 博 山田 好秋 石岡 靖 宮川 道夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.95, no.404, pp.61-68, 1995-12-09
被引用文献数
5

顎連動の制御メカニズムを解明するために,我々はヒトに近い構造をもつ自律顎運動ロボットと咬合力センサを開発してきた.このロボットには,DCサーボモータでワイヤを駆動する方式を用いた咬筋と外側翼突筋アクチュエータが装着されている.これらアクチュエータの制御にインピーダンス制御と適応制御を用いることにより,ヒトに近いかみしめを伴う開閉口運動を実現できた.しかしこの制御系は,等張性収縮において完全な位置制御を行っており,この点では実際の筋と異なっていた.これを改善し,より正確に伸張反射系をシミュレートするために,筋種や連動相の違いによりワイヤ長のフィードバック量を調節できるようにした.この制御系の改良と顎二腹筋アクチュエータの追加により,従来より自然な開閉口連動を実現することができた.
著者
小林 博
出版者
島根県立大学
雑誌
北東アジア研究 (ISSN:13463810)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.89-108, 2001-10

1. One of the main causes of the Asian currency and financial crisis is that many East Asian countries had adopted the de facto dollar peg system before the crisis. This indicates that the exchange rate system is one of the important factors for the financial and economic stability in East Asia. In this paper, the future exchange rate system of East Asia will be examined. 2. The extent of internationalization of the RMB and the Japanese yen will have the significant effect on the future exchange rate system in East Asia. For this reason, the possibility of future internationalization of the RMB and the Japanese yen will be analyzed before the future exchange rate system in East Asia is discussed. 3. In order for a currency of some country to become truly international, there are conditions to be satisfied by the country and the followings are the fundamental ones. (1) The economy is highly developed and the size of economy is one of the largest in the world. (2) Trade volume is also one of the largest in the world. (3) Money market is highly developed and the size of market is one of the largest in the World. 4. In the case of the RMB, China will satisfy the first and the second conditions mentioned above relatively in the near future if China maintains the current rate of economic and trade expansion. However, regarding the third condition, that is, the development of money market, it seems extremely difficult for China to satisfy the conditions because China is faced with many difficult problems such as bad debt problem of state-owned commercial banks and development of capital market. For this reason, the internationalization of the RMB will be very limited one. 5. There has been very little progress as to the internationalization of the Japanese yen. The fact that the Tokyo money market is inconvenient for foreigners has been the main reason for the limited progress. In the case of deutsche mark, the existence of the European Monetary System (EMS) helped it to become key currency in Western Europe. Unless Tokyo money market becomes truly international, and unless the EMS-typed monetary system is introduced in East Asia, the progress of internationalization of the Japanese yen could not be expected. 6. After the currency and financial crisis, many East Asian countries moved to independently floating exchange rate system from the de facto dollar peg system. However, the current system is not the ideal one, and new system should be sought. When we envisage the future exchange rate system, the following points should be recognized. (1) In the case of East Asian countries, the trade partners are diversified. In addition to other East Asian countries, Japan, the United States and the Euro Area are very important partners. (2) The bilateral exchange rates of the U.S. dollar, the euro and the Japanese yen are very volatile. It is necessary that the adverse effects of this volatility on the East Asian countries is mitigated. (3) Stable exchange rate relationship among East Asian countries should be maintained. 7. In order to reduce the adverse effects of volatility of the major currencies, and to maintain the stable relationship among the East Asian currencies, common basket peg system is suitable. In this case, currency basket consists of the U.S. dollar, the euro and the Japanese yen. 8. However, it is almost impossible for East Asian countries to adopt common basket peg system from the beginning as the economies of East Asian countries are very heterogeneous. Consequently, it is practical that each East Asian country adopts individual basket peg system at the initial stage and then move to the common basket peg system. Furthermore, if the common basket peg system is firmly established, it is not impossible that East Asia will have the common currency. 9. Though ASEAN countries, China, Korea and Japan agreed to establish a system of swap arrangements (The Chiang Mai Initiative), there is no cooperative arrangement in the field of exchange rate system. It is desirable that East Asian countries establish the longer term scenario of regional monetary system including the exchange rate system. Strong political will among East Asian countries to develop the regional cooperation is the key factor for the materialization of the system.
著者
阪上 孝 竹沢 泰子 八木 紀一郎 大東 祥孝 小林 博行 北垣 徹 山室 信一 上野 成利
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

1859年のダーウィン『種の起源』以降、この書物がもたらした衝撃は計り知れない。それはまず、種の不変を信じて分類に終始していた博物学を抜けだし、生存闘争や自然選択などの原理を基礎とする、生命にかんするダイナミックな理解をもたらす。しかしそれは自然科学の一理論にはとどまらない。ダーウィン進化論は一つの思考様式として、哲学・法学・政治学・経済学・社会学・人類学といった人文・社会諸科学へも浸透し、新たな認識枠組を提供するのだ。またこの理論は制度的学問の枠組すら乗り越え、社会ダーウィニズムとして、国家や社会にかんする言説としても機能することになる。そしてさらには、神の摂理を説く宗教を打破して、既存の人間観・世界観をも揺さぶるだろう。本研究の主要な狙いは、進化論が社会にもたらすこうした広大な衝撃を探ることにあった。そのためにこの研究は多様な学問領域の専門家たちから組織され、また対象となる地域もヨーロッパからアメリカ、中国、そして日本を含む。研究を遂行していくなかで特に明らかになった点は、進化思想とは大いに多面性と揺らぎを孕むものだったということである。当時においてはダーウィンの他に、心理学や社会学を含む壮大な進化論体系を構築する同時代のスペンサーも大きな影響力をもっていた。またフランスのラマルクはダーウィンにおよそ半世紀先行して、獲得形質の遺伝や進化の内的な力という点を強調しつつ彼の進化論を展開している。さらには『種の起源』の作者はこの書のなかで、マルサスの『人口論』を引用しつつ、その政治経済学的発想に多くを負っていることはよく知られている。このように進化論はいくつかの思想が絡まって織りなされる錯綜した知の総体であり、そこで知はメタファやアナロジーを通して、異なる学問領域間で、また学問と政治・社会のあいだで往還運動を行う。このなかではときとして大きな誤解や逸脱も産まれており、それは進化論を受容する時期や地域によってさまざまなかたちをとる。本研究がとりわけ力を注いだのは、このような多様性を詳述することである。