著者
中野 繁 夏目 俊二 林田 光祐 奥田 篤志
出版者
北海道大学演習林
雑誌
北海道大学演習林試験年報
巻号頁・発行日
vol.8, pp.14-15, 1991-03

森林の構造(種構成やサイズ構成等)はそこに生息する野生生物群集の種構成や個体数を決定する大きな要因となっている。また、この群集中の様々な種の野生動物が、それぞれ異なったやり方で生息場所としての森林を利用している。よって、森林に生息する野生動物の保護を図るためには、ある森林の持つ構造とそこに生息する動物群集の対応関係を探ると同時に、ある対象とする動物の生活史の様々な側面における森林の利用様式を明らかにしてゆくことが重要である。今回の報告では、代表的な森林棲動物であるエゾモモンガをとりあげ、その森林の利用様式と保護の方向について簡単に述べてみたい。 モモンガは、温帯北部の森林地帯に生息する中型の齧歯類で、わが国では北海道にエゾモモンガ (Pteronys volans orii) が、本州以南にホンシュウモモンガ (P. momonga) が生息する。モモンガの、採餌、休息そして繁殖等の活動はすべて樹上で行われ、その生活は大きく森林に依存している。近年のわが国における急速な森林環境の破壊は典型的な樹上生活者である本種の生息にとって深刻な影響を与えつつあると考えられ(近藤、1988)、破壊の著しい地域においては生息数の激減および絶滅が憂慮されている。本種の保護を図るためには本種の生息場所(森林)の利用様式を明らかにし、その生息に不可欠と考えられる環境条件を保全してゆくことが必要であると考えられる。しかしながら、本邦産のモモンガの生態については、食性や飼育条件下における活動時間などに関する断片的な知見を除いてほとんど明らかにされていない(合田、1957 ; 手塚、1959 ; 藤巻、1963)。
著者
平林 明憲 伊庭 斉志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.FIN-001, pp.01, 2008-09-13 (Released:2023-01-06)

The generation of profitable trading rules for Foreign Exchange (FX) investments is a difficult but popular problem. The use of Machine Learning in this problem allows us to obtain objective results by using information of the past market behavior. In this paper, we propose a Genetic Algorithm (GA) system to automatically generate trading rules based on Technical Indexes. Unlike related researches in the area, our work focuses on calculating the most appropriate trade timing, instead of predicting the trading prices.
著者
菅野 真紀子 串田 真知子 田中 喜美代 土井 美智子 林 智子 藤田 紀代子
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.24-25, 2007

Ehime University provides a Survival Course on three campuses (the Johoku campus, the Faculty of Agriculture campus, and the School of Medicine campus) as part of our support for students who have just arrived in Japan. The course consists of two parts: Language Skills and Life Skills. We have created an original textbook and this year it was revised in order to adjust the contents to each campus. We also added practical sections to raise the level of the students. This presentation will show the revised textbook and report on how it is used in the program.
著者
林 勇吾 三輪 和久
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.569-584, 2011 (Released:2013-04-09)
参考文献数
32
被引用文献数
5

In this study, we investigate the two factors that influence perspective taking in collaborative problem solving and understand the communication process during this activity. We conducted a psychological experiment by constructing a situation where two participants engage in a rule discovery task with different perspectives. While solving the task, each of the participants confronts miscommunication about the other's perspective and has to manage to overcome this situation. The main results indicated that having prior communication experience and dialog communication enhance the understanding of the partner's perspective. Results of protocol analysis indicated that when the participants had communication experience, (a) the degree of utterance biased on a single perspective became small, and (b) the degree of utterance based on a contradictory perspective became small. The participants who communicated by dialog became to do turn taking much frequently compared to the participants who communicated by chat.
著者
齋藤 佑輔 堀田 栄治 上阪 友基 林 由紀子 海崎 佳史 細田 清美 高嶋 孝次郎 藤澤 克憲
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.94-99, 2014-02-10 (Released:2015-02-10)
参考文献数
10
被引用文献数
3 2

There is less emergence of renal toxicity in Liposomal-amphotericin B (L-AMB) than amphotericin B (AMPH-B). However, there have been few reports on the analysis of this factor. I examined the factors involved in renal function decline via the creatinine clearance (Ccr) for 44 cases of L-AMB administered in our hospital. Reduced renal function was observed in 15 cases (34.1%). Multivariate logistic regression analysis for each factor revealed that Ccr ≧ G 1 (P = 0.006, odds ratio: 12.968, 95% confidence interval: 2.085 - 80.643) was a factor in the occurrence of decreased renal function. Results were subjected to multiple regression analysis of the dependent variable amount of change in Ccr before and after administration, and a significant statistical effect was shown by two factors. One is administration at the start of Ccr (P = 0.007); the other is the administration of concomitant medications (P = 0.04). Pharmacists used L-AMB administration to predict in advance the degree of renal function decline, and a regression equation was obtained. As pharmacists prescribe administration depending on the results, L-AMB is prescribed by doctors. For cases which can be a first choice, more aggressive? We believe that establishment of such a system would be ideal.
著者
森 伸一郎 小林 巧
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.I_633-I_646, 2020 (Released:2020-09-08)
参考文献数
38

2018年6月18日に発生した大阪府北部の地震(Mj6.1)で推定震度が大きかった地域の墓地(地点数:44墓地,墓石総基数:4,249基)を対象に詳細な墓石挙動調査を実施し,墓石被害率分布と推定震度分布を比較した.地震直後に公開された気象庁や防災科学技術研究所の推定震度分布では高槻市と茨木市の広い範囲で震度6弱が推定されていたが,墓石被害は茨木市内に集中し,高槻市南部では墓石落下がなく,その他ずれや回転といった被害もほとんどなかった.また,地形区分と比較した結果,軟弱地盤である後背湿地で墓石落下がなく,安威川より西側の千里丘陵裾部の扇状地で墓石被害が集中していた.
著者
林 俊介 橋本 晃男 鶴原 亜紀 相羽 裕子 荒毛 将史 大類 伸浩 野見山 武徳 小林 朝夫
出版者
航空医学実験隊
雑誌
航空医学実験隊報告 (ISSN:00232858)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.37-45, 2017 (Released:2018-01-16)
参考文献数
9
被引用文献数
1

Vigilance maintained at all times, or “See and avoid” concept recommended is a primary means of mid-air collision avoidance. It is well known to be difficult to detect aircraft mid-air on a collision course which has constant relative bearing to another aircraft and constant velocity of each aircraft. To understand the collision course making other aircraft appear motionless is essential for pilots to avoid mid-air collision. Since 2008, Aeromedical laboratory has conducted flight simulation of a collision course for cadets. This simulation flight consists of three sections, including the comparison of a collision course with a non-collision course, attention distribution, and visual scanning. Our collision course simulation effectively provides knowledge of visual scanning, attention distribution, see-and-avoid other aircraft, and human perceptual limitation.
著者
伊藤 明 河尻 純平 舩越 一彦 村松 愛梨奈 箕浦 弘人 林 暁子
出版者
鈴鹿工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

昨今のコロナ禍の看護教育は、学校・病院での対面・実地での実習指導が困難による変化が望まれている。本研究では、これを解決する遠隔教育支援システムを新たに構築する。複数の小型センサ内蔵マイコンを人体に装着し、ベッド上での患者体位変換と心臓マッサージ(胸骨圧迫)時の3軸加速度の時間変化を記録し構築するモデルから、小形センサだけでベッド上体位と姿勢推定をすることを目指す。
著者
福田 満 小林 麻貴
出版者
武庫川女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

高脂肪高コレステロール食を投与したラットに大豆ヨーグルトを摂取させると、血漿イソフラボン濃度が上昇し、血漿TNF一α濃度は低下した。大豆ヨーグルトの摂取により内臓脂肪量の増加は抑制され、内臓脂肪組織のTNF一α遺伝子発現量も低下した。大豆ヨーグルトの摂取はラットの内臓脂肪量を減少させ、主に内臓脂肪遺伝子発現量の調節により血漿炎症性サイトカイン濃度を低下させると推定された。
著者
岩田 和彦 小林 哲則
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J106-D, no.1, pp.57-65, 2023-01-01

多様な音声表現が可能な対話音声合成の構築を目的として,複数の異なる音声表現を収集する手法の設計に取り組んだ.従来は,それぞれを適切な表現とすることに注意が向けられ,互いに他の表現とは無関係に表出させた音声が収集されていた.しかし,このような収集方法を採ると,それぞれの表現の隔たりが大きくなり,それらの合成音声を対話の流れの中で発話ごとに使い分けたときに違和感が生じるという問題が起こる.そこで,話し手の心的状態が次々と変化して,収集したい音声表現が満遍なく出現するように進行する対話シナリオを導入した収集手法を設計した.所望の音声表現を対話の流れの中で順に表出させることで,全体としての調和が保たれた表現となることが期待できる.実際に,対話の状況に応じて異なる複数の音声表現を収集し,これらと従来の方法で収集した音声表現とに基づく合成音声を用いたそれぞれの模擬対話の対比較による主観評価を行った.本手法で収集した音声表現の合成音声では,異なる表現を対話の流れの中で使い分けたときの自然性が改善されていることが示され,本手法の有効性が確認された.
著者
山元 一晃 浅川 翔子 加藤 林太郎 Kazuaki YAMAMOTO Shoko ASAKAWA Rintaro KATO
出版者
金城学院大学
雑誌
金城学院大学論集. 人文科学編 = Treatises and Studies by the Facalty of Kinjo Gakuin University. Studies in Humanities (ISSN:18800351)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.138-147, 2022-09-30

筆者らが作成した看護留学生向けのライティング教材について,実際に使用した学生にインタビューを実施し,その難易度,使いやすさ,有用性などについて検証を行った。その結果,一定程度留学生が役に立ったと感じていることが分かった。「患者情報の記録」「先生とのメール」は有用性が高かったと感じている一方で,「私の理想の看護師」「施設情報」については,既習だったこと,特に難しくなかったことから,役立ったとは感じていなかったようである。また,「看護展開」などは,実際の実習などで課されたものよりも易しく,難易度を上げてもよいのではないかという指摘があった。さらに,領域別に書くことや,実際の患者は合併症を抱えていることなどの相違点があったようである。テキストで扱われていなかった内容として,変更が生じた場合の修正の仕方,指導者への説明やカンファレンスなど口頭でのやりとり,専門用語などについても含めて欲しいとの要望があった。自習で使えるかについては,意見が分かれ,解説があるため自習も可能という指摘があった一方で,最初は自力ではできなかったなどの指摘もあった。
著者
飯村 慈朗 今野 渉 小泉 さおり 安村 佐都紀 浅井 正嗣 平林 秀樹 春名 眞一
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.111, no.11, pp.701-704, 2008 (Released:2010-02-25)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

サルコイドーシスは, 病理組織学的検査所見から命名された原因不明の多臓器肉芽腫性疾患である. 今回われわれは診断に至るまでに3回の生検を要し, 最終的に喉頭サルコイドーシスと診断した症例を経験したため報告する.サルコイドーシスが喉頭病変のみの場合には検査所見は正常なことが多く, 病理組織学的所見で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の確認が重要となる. 1回目, 2回目の喉頭生検では非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が認められなかったが, 3回目の生検にて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫と巨細胞を認めた. 全身検索を施行し最終的に喉頭サルコイドーシスと診断した.喉頭所見として黄白色のびまん性腫脹病変を認める場合, 喉頭サルコイドーシスの存在も念頭に置く必要があると考える.
著者
林 光緒 荻野 裕史
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.52-64, 2021-04-30 (Released:2022-03-23)
参考文献数
61

入眠困難は,生理的覚醒だけでなく不安や懸念などの認知的覚醒によっても生じると考えられている。しかし認知的覚醒によって入眠過程のどの部分が妨害されるのかについては明らになっていない。本研究は,9つの脳波段階を用いて入眠努力が入眠過程に及ぼす影響を検討した。睡眠愁訴をもたない健常な男子大学生(9名,21―23歳)が2夜の実験に参加した。彼らは眠くなったら眠る(中性条件)か,できるだけ早く眠る(努力条件)よう教示された。その結果,努力条件において,脳波段階1(α波連続期)と4(平坦期)の出現時間延長した。これらの結果から,入眠努力は覚醒系の活動が低下する入眠期初期にのみ影響を及ぼす可能性が示唆された。