著者
江森 一郎 竹松 幸香
出版者
金沢大学
雑誌
金沢大学教育学部紀要. 人文科学・社会科学編 (ISSN:02882523)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.1-17, 1997-02

幕末の下級武士の間には、儒学や武道などの武士が当然習得すべきとされた分野の他に、さまざまな伝統文化の習得が広く普及していた。加賀藩の場合とくにこの傾向が顕著だったと思われ、謡曲をはじめ、生け花、茶道、笛、算術、囲碁、将棋なども広く普及していた。この論文ではこの度入手した加賀藩与力・中村豫卿の日記の弘化・嘉永年間(1844~53)の部分を主として使い、中村豫卿を中心とした学習・教育や趣味活動の実態の概要を紹介する。

1 0 0 0 哲学の実存

著者
森 一郎
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
哲学雑誌 (ISSN:03873366)
巻号頁・発行日
vol.110, no.782, pp.p124-143, 1995
著者
森 一郎
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.1-28, 2004-09
被引用文献数
1

Die Begrenztheit menschlichen Lebens bedeutet nicht nur das Sein zum Tode, sondern auch das Geborensein. Zur Frage der Existenz gehoren gleichursprunglich die Moglichkeit des Todes und der Zufall der Geburt. Und dennoch kann niemand aus sich allein - in einem Akt der Monogonie - geboren sein, im Gegensatz zum Tod durch die eigene Hand. Die Geburtlichkeit hat mehr mit der Bedingtheit durch Pluralitat zu tun als die Sterblichkeit. Das Ereignis der Geburt bedeutet immer eine zufallige Begegnung zweier unabhangiger Wesen: eines Kindes und seiner Welt. Dafiir ist es aber auBerdem notwendig, dass ein Mann und eine Frau zusammentreffen und ein Paar werden, sie beide ein Kind zeugen und die Frau es gebiert. Die geschlechtliche Fortpflanzung ist eine Art "Poiesis" durch eine ganz eigene Art der "Techne". Hier stellt sich nun die Frage, inwiefern das Generieren neuen Lebens als ein kunstliches Herstellen verstanden werden kann. Mein Essay versucht diese Frage von einem aktuellen Aspekt her zu klaren, namlich im Hinblick auf das Problem des Klonens. Als Leitfaden wahle ich die uralte Empfehlung eines Weisen. Demokritos (Fragment B277) sagte namlich zu uns, "Wer irgend eine Notigung hat, sich ein Kind zu verschaffen, tut dies, wie mir scheint, besser durch Adoption eines Freundeskindes. Dieser wird dann ein Kind bekommen, so wie er es wiinscht. Denn er kann es sich auswahlen, wie er es will. [...] Zeugt man es aber sich selbst, so sind viele Gefahren dabei: denn man muss doch mit dem, das gerade geboren wird, vorlieb nehmen. "Da die Erzeugung eines Kindes etwas Zufalliges und Unvorsehbares ist, mussen die Eltern und das Kind selbst dieses groBe Risiko auf sich nehmen. Wenn das Kind einmal geboren worden ist, dann kann das Faktum seiner Geburt nicht mehr riickgangig gemacht werden. Deshalb hielt der klassische Atomist die "Adoption eines Freundeskindes" besser als die Selbstzeugung. Die Adoptiveltern konnen sogar ihr Kind gewissermaBen auswahlen. Anstelle Demokrits' Verfahren der versicherten Kindesbeschaffung ist man heute dabei, eine andere Methode der Adoption zu erfinden: die gentechnische Anwendung des Klonens auf die Menschenproduktion. Es ist eine groBe Ironie, dass durch diese neue Adoptionskunst, die die Zufalligkeit des Geborenwerdens ausraumen will, gerade die Unwiderruflichkeit der faktischen Geburt noch groBere Gefahren erzeugen wird.
著者
海浦 浩子 森 一郎
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.113, pp.2053, 2019-11-30 (Released:2020-01-08)

国公私立大学図書館協力委員会は,長年,大学図書館での著作権を尊重しつつ著作物利用を簡便化するための活動を行ってきた。そのような中,「学校その他の教育機関における複製等」について定めた著作権法第35条が改正される流れを受け,法改正後に,大学内において教育資源の相当部分を管理する図書館が果たすべき役割を検討するため,1980年代から教育現場で著作物をブランケットライセンスにより利用しているイギリスを実地調査した。イギリスの大学における著作物の利用の状況及び調査前後の国公私立大学図書館協力委員会の活動について報告する。
著者
森 一郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究の初年度である平成29(2017)年度は、「世界への愛」という研究テーマが大きく進捗した一年であった。まず、2017年10月に、単著『世代問題の再燃――ハイデガー、アーレントとともに哲学する』を明石書店から出版した。これは『死を超えるもの 3・11以後の哲学の可能性』(東京大学出版会、2013年)のいわば姉妹編であり、世界への愛をめぐる試論集成である。世代という今日的問題を深く問い直そうとする本書に対する反響は大きく、朝日新聞などで書評に取り上げられ、出版二ヶ月後には増刷となった。また、2018年3月には、初めての書き下ろし単著『現代の危機と哲学』を放送大学教育振興会から公刊した。放送大学ラジオ科目の印刷教材であり、現代人にとっての哲学的思考の重要性を広く、分かりやすく市民に伝える内容でありつつ、ニーチェ、ハイデガー、アーレントについて独創的解釈を展開している。のみならず、年来の「世界への愛」著作構想の第一部という面をもち、「始まりの時間性」や「世界の存続」の謎に挑む大胆な思索の書である。4月から始まったラジオ放送とともに、今後の反響が期待される。論文としては、「ハイデガーからアーレントへ――世界と真理をめぐって」を、実存思想協会編『実存思想論集』第32号に、「『存在と時間』はどう書き継がれるべきか」を、ハイデガー研究会編『Zuspiel』に、「労働という基礎経験――ハイデガーと三木清」を、青土社の『現代思想』のハイデガー特集号に、「世代の問題――マンハイムと三木清」を、明治大学の『異境の現象学』に、それぞれ寄稿した。

1 0 0 0 OA 自発性の回路

著者
森 一郎
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.43, pp.178-188, 1993-04-01 (Released:2009-07-23)
著者
西岡 敏 狩俣 繁久 又吉 里美 仲原 穣 仲間 恵子 中本 謙 下地 理則 下地 賀代子 野原 優一 小川 晋史 坂井 美日 青井 隼人 大森 一郎 當山 奈那 田代 竜也 當銘 千怜 平良 尚人 金城 絵里香
出版者
沖縄国際大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

琉球宮古方言は消滅危機言語に数えられ、他の琉球方言と同様、一刻も早い言語の正確な記録が求められている。本研究では、かつて調査された名詞語彙の言語地図作成を行い、宮古方言の地域的な特徴が視覚的に明らかになるようにした。また、これまで研究が手薄であった動詞の活用変化に焦点を当てた臨地調査を広範囲にわたる地点で行い、宮古方言の基本文例を数多く収集した。新たに収集したデータを言語地図化する作業は現在進行中である。
著者
森本 敏文 森 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.23-29, 2000-01-25

電子ビームを低圧力(〜10^<-4>Torr)のガス中に注入すると, ビーム・プラズマ相互作用により, 様々な波動が生じる.これらの波動は境界条件を考慮したTrivelpiece-Gouldモードで表されるが, その成長率を求めることはこれまでほとんど行われていない.本論文ではTrivelpieceとGouldの用いた線形分散関係式を改めて複素数で計算し, その結果から, ビーム・プラズマ系において, ガス圧力を変化した場合, どのモードが強力に励起されるかを明らかにする.また, この計算による波動の性質と我々の実験結果を比較検討する.
著者
鍵弥 朋子 中村 美砂 森 一郎 谷口 恵美子 西上 圭子 尾崎 敬 覚道 健一
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.183-188, 2008 (Released:2008-10-30)
参考文献数
7

目的: 細胞診用に採取された尿を用いての遺伝子解析が可能な保存温度条件を明らかにするため, 尿の保存温度と時間経過による尿中細胞 DNA, RNA の変性・減少と細胞形態の変化を観察し検討した.方法: 自然尿を採取時から 15 日後まで 3 種の温度条件 (−20℃, 4℃, 25℃) で保存し, DNA, RNA を抽出した. PCR 法で p53 を検出可能であったものを DNA が保存されたと判定した. RT-PCR 法でβactin を検出可能であったものを RNA が保存されたと判定した. DNA, RNA 検出の再現性の確認のため, 9 例の尿を用いて検討した. 細胞形態は 2 回遠沈法で固定塗抹, パパニコロウ染色を行い観察. 顕微鏡下で細胞数を計測した.成績: 採尿直後に処理すれば DNA, RNA とも PCR 可能な状態で抽出できた. 尿を−20℃, 4℃で保存すれば DNA は 15 日後, RNA は 11 日後に抽出したものから目的配列を PCR 法で増幅可能であった. 抽出効率は男女間で差はみられなかった. 形態的検討では, 保存期間が長くなるにつれ塗抹細胞量が減少した. 細胞形態保存は 4℃保存が最も適していた.結論: 尿の至適保存温度は, 細胞形態保存は 4℃, 核酸保存は−20℃, 4℃であり, DNA は 15 日後, RNA は 11 日後の尿から抽出可能であった.
著者
森 一郎 森 一郎(1962-) モリ イチロウ
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.1-18, 2009-03

In one passage of his The Gay Science, Nietzsche said that to live a life is to let all the dying parts of us and others' successively go to ruin. This cruel thought has a good deal of truth. Our life is indeed a kind of struggle for existence between the older and younger. The history of philosophy may be illustrative of the battle fought by generation after generation. It is, however, also true that a pair of temporally far located generations can build up a close connection with each other. If a book survives its author by hundreds, or even thousands of years and acquires plenty of new readers again and again, diachronic encounters and cooperative relationships with the far generations are born. Around the text can the temporality of our being-in-the-world temporalizes itself plurally and perpetually. In his posthumous work Contributions to philosophy, Heidegger describes such a hermeneutic event in terms of "playing-forth (Zuspiel)" between the First Beginning (in antiquity) and the Other (for the future). He names a few dead poets and thinkers "the ones to come." The possible revival in different ages implies man's way of attaining immortality by a certain path through generations. The other passages of The Gay Science indicate that Nietzsche was fully aware of this type of reversibility, that is, how to outstrip the generation order.『愉しい学問』の或る断章でニーチェは、「生きるとは、自己や他者における死のうとするものすべてを、絶えず突き放すことだ」と述べた。この残酷な思想はそれなりの真実を蔵している。われわれの生には、老いた人びとと若い人びとの間の生存競争という面があるからである。哲学史とは、世代間の戦場の実例であろう。だが、隔たった世代のあいだにはいっそう緊密な連携が成り立つということも確かである。ある書物が著者の死後、数百年、数千年と読まれ続け、新たな読者を次々に獲得したとすれば、時代を隔てた世代どうしの出会いと共同事業が起こったということになる。テクストをめぐって、世界内存在の時間性が複数的かつ永続的に時熟するということがありうるのである。そのような解釈学的出来事を、ハイデガーは遺著『哲学への寄与』において、(古代の)第一の始まりと(将来の)あらたな始まりとのあいだの「遣り合い」という形で、描いている。ハイデガーは少数の詩人や思索者を、「将来する者たち」と呼ぶのである。別の時代に復活する可能性があるということは、世代を行き来する道を辿って不死性を手に入れる人間的な仕方があることを意味する。『愉しい学問』の他のいくつかの節は、ニーチェがこのタイプの可逆性、つまり世代の乗り越え方を知悉していたことを示している。