著者
金森 寛充
出版者
岐阜大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

飢餓ストレス誘発による心筋オートファジーは自己細胞内蛋白や細胞内小器官を分解しエネルギー産生を代償することで心機能を維持した。急性心筋梗塞においてオートファジーはエネルギー産生を代償し心筋細胞死を抑制することで梗塞サイズを縮小した。また慢性心筋梗塞においてリモデリング抑制と心機能改善に関与した。すなわちオートファジーは心保護的作用がありこれを促進させることは心筋梗塞の新しい治療手段となりうることが示唆された。
著者
堤 一郎 池森 寛
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会九州支部講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.63, pp.11-12, 2010-03-15

In this report, a short history and outline of wooden four wheel third class coach built by the Kokura works of Kyushu Railway Company in Fukuoka Prefecture will be explained. This wooden coach was constructed in 1897 and German-made; Van der Zypen & Charlier, same type coach became an example of it. Domestic-made this coach has been preserved at the Kyushu Railway Museum, Kitakyushu-city from 2004. Contents of this report are as follows. 1) A short history and outline of this domestic-made wooden four wheel third class coach. 2) Results of field study and relational analysis on the preserved two wooden four wheel coaches. 3) Significance on the history of technology of this wooden coach and conclusion of this report.
著者
五嶋 聖治 和田 哲 大森 寛史
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.25, pp.86-92, 1996-12-20
被引用文献数
13

ごく最近,新種として記載されたヨモギホンヤドカリの分布と繁殖生態を,模式産地近くの函館湾葛登支の潮間帯において調べた.本種は潮間帯上部の潮線付近の転石域にパッチ状に分布し,季節的移動は見られない.4月から5月にかけて,雄が産卵直前の雌が入っている貝殻をはさみ持つ産卵前ガード行動が観察される.交尾・産卵直後にガード行動は終了する.抱卵雌は4月から2月の間に観察される.抱卵雌の出現時期とその後の卵の発達状態から,主な産卵期は5月で,雌は1年に1回産卵し,約9カ月間という長期にわたって抱卵することが明らかになった.交尾前ガード行動はホンヤドカリ属に普通に見られる行動であるが,長期にわたる抱卵期間は同地に生息する同属他種,あるいは他所に分布する同属のそれと比較しても非常に長く,きわだった繁殖特性といえる.このことは本種の属するホンヤドカリ属は,種類数の豊富さとともに,その繁殖特性にも多様な面が含まれることを示唆している.
著者
高森 寛子
出版者
社団法人 日本印刷学会
雑誌
日本印刷学会誌 (ISSN:09143319)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.029-034, 2014 (Released:2014-03-15)
参考文献数
5

Recently, smartphones and tablets have been used for collecting records of patients' compliance with drug regimens at medical sites. However, it is difficult for many elderly patients to operate these devices. Most medical facilities are also unable to prepare and distribute these devices to all patients. In this study, we have introduced a novel and simple electronic device system to evaluate its usefulness to patients. This new device is a paper card device equipped with an electric circuit board and a memory chip, which is employed to record the times at which patients take medications and the patients' condition. These simple paper electric devices have the potential to be used in various scenarios for monitoring medical and daily life activities. Using the new devices would enable effective and cost-effective medical care.
著者
森 寛志
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
鉱物学雜誌 (ISSN:04541146)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.153-158, 1990-01-31 (Released:2009-08-11)
参考文献数
13

Deformation textures (i. e. fracturing, plastic deformation, recrystallization, vitrification, phase transforma-tion, and melting) in naturally and artificially shocked mineral crystals have been reported. The main part of this report is devoted to a description of the shock-induced residual effects in olivine and orthopyroxene crystals recovered from shock experiments by transmission electron microscopic observation. Deformation textures in naturally shocked olivine crystals from some meteorites were also described.
著者
髙森 寛
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.59, 2020 (Released:2020-10-30)

本書は、その題名「投資戦略の数理モデル」が表しているように、「投資」という人間の基本的な、かつ普遍的な行為に関わる「戦略」なるものを扱い、また、その数理モデルへの水先案内をねらいとしている。 特に、投資の戦略については、近年、「リアルオプション」なる考え方が、個人の行動や、経営、経済の諸分野で、実践され、研究され、また、話題になっているが、本書は、このリアルオプションなるものを、数理的に、整合性のある体系化されたモデルとして、纏めている。
著者
金森 寛 會澤 宣一 道端 齊
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

海産動物のホヤは,海水中の5価バナジウムを取り込み,3価にまで還元して血球細胞中に蓄えている。しかし,このホヤによる特異なバナジウム濃縮・還元機構は,未だに解明されていない。本研究計画では,ホヤ由来のバナジウム結合タンパクとその小分子モデル化合物を用いて,ホヤのバナジウム濃縮・還元機構を化学的に解明することを目指して基礎的知見を集積した。1.NADPHによる5価バナジウムの4価への還元:ホヤのバナジウム還元にはNADPHが関与していることが示唆されている。我々は,以前にedta存在下で5価バナジウムがNADPHにより4価に還元されることを報告しているが,本プロジェクトでは,アミノ酸やペプチドなどの生体関連配位子がNADPHによる5価バナジウムの還元を進行させることができるかどうかを調べた。その結果,グリシンやバリンなど,2座配位子としてしか作用できないアミノ酸は,還元を進行させることができないが,アスパラギン酸やヒスチジンなどの3座配位できるアミノ酸や,3座配位可能なジペプチドは,NADPHによる5価バナジウムの還元を進行させることができることを見いだした。2.チオールによる4価バナジウムの3価への還元:我々は,以前にシステインメチルエステルがedta共存下で4価バナジウムを3価に還元することを報告している。今回,部分的ではあるが,ntaが還元反応を進行させることができることを見いだした。アミノ酸やアミノ酸誘導体,およびペプチドの中で,4価バナジウムの還元を補助できるものがないかの探索は,現在も継続中である。ホヤ由来バナジウム結合タンパク中のリシン残基は,1,2において直接関与していない。3.ホヤ由来バナジウム結合タンパクを用いた酸化還元実験は,準備に時間がかかったため,年度内に結論を得ることができなかったが,実験は進行しており,近い将来,結果が得られる予定である。
著者
道端 齊 植木 龍也 宇山 太郎 金森 寛 広津 孝弘 大井 健太
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

海水中にはバナジウムやコバルト等わが国ではほとんど産出しない希少金属(レアメタル)が溶解している。これまでに化学的に合成された吸着剤を用いて、これらのレアメタルを海水から捕集する試みは数多くなされてきた。しかし、海水には多くの金属イオンが溶解しているため、目的のレアメタルだけを選択的に分取するのは必ずしも容易ではない。研究代表者のグループはホヤが海水のバナジウム濃度の1,000万倍(10^7)ものバナジウムを高選択的に濃縮することに着目し、その濃縮機構の解明で得られた成果をレアメタルの分取に展開することを計画した。本研究では、ホヤのバナジウム濃縮細胞(バナドサイト)の細胞質から抽出した濃縮のカギを握る12.5kDa、15kDaと16kDaの3種類のバナジウム結合タンパク質(Vanabin)の解析を進めた。その結果、それらをコードするcDNAの全長のクローニングとその解析によってVanabinは{C}-{x(2-4)}-{C}という特徴的なモチーフの繰り返し配列を持ち、金属イオンと結合し易いシステインを約20%も含むタンパク質であること、NMRによって主にαヘリックスから成る新規のタンパク質であること、Vanabin 1モルに約20原子のバナジウムが結合し、その結合定数は10^7Mであることを見出した。さらに本年度の研究により、12.5kDaのVanabinは約10原子の四価バナジウムと結合することが判明した他、15kDaのVanabinは鉄イオンや銅イオンとは選択的に結合しないこと、銅イオンは競争的にバナジウムの結合を阻害することが判明した。一方、この研究期間内では特異的金属結合部位の特定には至らなかったが、現在理化学研究所と共同でVanabinの立体構造の解明を進めつつあり、その結果によっては早晩特異なホヤのバナジウム濃縮機構の解明と応用が期待される。
著者
森 寛爾
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.123-127, 2013-04-20 (Released:2013-07-20)
参考文献数
6
被引用文献数
1 3

水酸基含有アクリル樹脂とイソシアネート硬化剤の混合物をモデル塗料として,140℃での硬化にともなう粘弾性変化を振り子式粘弾性測定装置で,反応率の変化をIR分析でそれぞれ測定した。その結果,相対貯蔵弾性率はS字型の変化を示し,イソシアネートと水酸基の反応は,初期の下に凸である部分では網目構造の生成とともに鎖延長反応にも費やされ,これに続く上に凸である部分では架橋生成のみに費やされると考えられた。このうち上に凸である部分では相対貯蔵弾性率とイソシアネートの反応率とは直線関係であった。このことから,塗膜の貯蔵弾性率は架橋密度に比例することがわかった。これはまた,振り子式粘弾性測定装置によって硬化中の架橋密度変化を実時間で観測できることも意味する。また架橋密度の増加に寄与しない反応が樹脂分子量から計算される理論値よりはるかに多いことがわかった。
著者
占部 正義 小笠原 正 森 寛 森川 千尋
出版者
都城工業高等専門学校
雑誌
都城工業高等専門学校研究報告 (ISSN:0286116X)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.115-123, 2000-01

It seldom snows in south Kyushu. Therefore, it is very effective to show unique artificial snow crystals for Junior High School Students. It's prsumable that they should have a greater interest in Science from seeing ephemeral artificial snow crystals and this extension course should contribute to increased nummbers of students preparing for an entrance examination to Miyakonojo National College of Technology, though the population of applicants has been decreasing recently. The experiment certainly cultivates creativity or originality, and gives not simple knowledge but intellectual theory. This extention course was operated by a teacher of high school physics. The project team is most important not only for industry, but for education as well. It shall be expected that this experience of forming artificial snow crystals shall be usefull for students in the future of the natural sciences or humanities.
著者
久我 龍一郎 森 寛晃 小川 彰一
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.34-40, 2013-02-25 (Released:2013-12-02)
参考文献数
21
被引用文献数
1

CaCl2による化学的劣化の一要因と考えられている3CaO・CaCl2・15H2Oについて、セメント硬化体における3CaO・CaCl2・15H2O生成におよぼすCaCl2溶液濃度、および環境温度の影響を、実験的検討と熱力学的相平衡計算から検討した。CaCl2溶液へのセメント硬化体の浸漬では、より高い濃度CaCl2溶液への浸漬と、より低い温度環境で、Ca(OH)2は消失し3CaO・CaCl2・15H2Oが生成した。熱力学的相平衡計算から求めた構成相の変化は実験結果と概ね一致し、計算結果から3CaO・CaCl2・15H2O生成に伴って水和物の総体積が増大した。セメント硬化体の浸漬試験から、3CaO・CaCl2・15H2O生成が体積膨張の原因と推定した。