著者
渡部 俊 松尾 浩一 進武 幹 前山 忠嗣
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.451-455, 1983-07-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
14

A case of actinomycosis originating in the parotid gland is reported. A 66-year-old woman had complained of a hard mass in the right parotid area. Sialography and CT scan showed a tumor-like lesion in the right parotid gland. The patient was treated with subtotal parotidectomy and penicillin administration. Histological examination showed typical actinomycosis. In this case, infections may be caused by actinomyces carried through Stenon's duct.
著者
平井 祐理 渡部 俊也 犬塚 篤
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3_4, pp.259-272, 2013-04-25 (Released:2017-10-21)
参考文献数
61

日本では「大学発ベンチャー1000社計画」以降,大学発ベンチャー数は急速に増加したが,その業績は全体として好調であるとは言い難い。そこで本研究は,日本の大学発ベンチャーを対象とし,高い業績を達成するための成功要因を明らかにすることを目的としている。本研究では,Upper echelons perspectiveの視点から,大学発ベンチャーのトップ・マネジメント・チームに注目をし,そのデモグラフィック特性とプロセス要因を取り上げた。質問票調査のデータについて回帰分析を行った結果,大学発ベンチャーの業績には,トップ・マネジメント・チームに大学外出身者の割合が高いこと,チームの異質性が高いこと,戦略的コンセンサスと個人的な親密さの交互作用項がそれぞれ正に有意に影響を及ぼしていた。これによって,大学発ベンチャーが高い業績を達成するためには,そのトップ・マネジメント・チームは異質的であることが重要であり,またビジネス上とプライベート上のどちらか一方の関係性を深めれば良いということではなく,両側面において密なコミュニケーションがとれていることが重要であるということが示唆された。さらに,企業業績に対するトップ・マネジメント・チームの影響に関しては,デモグラフィック特性とプロセス要因は別の要因として検証することができるという可能性が示唆された。
著者
藤田 薫 渡部 俊広 北川 大二
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.695-701, 2006-07-15
参考文献数
19
被引用文献数
5 7

調査用トロール網によるズワイガ二類の資源量の推定精度を向上するために,水中ビデオカメラを用いてグランドロープ(GR)に対するズワイガ二類の行動を観察した。2000年と2001年の6月に宮城県沖から茨城県沖において行った合計10回の調査の映像記録から466個体のズワイガ二類の行動を解析した結果,94%が静止したままGRに遭遇した。ズワイガ二類はペンネソトや手綱によって網口へ駆集されることはないと推測した。入網しなかった個体はGRの下方から抜けた。ズワイガ二類の漁獲はGRに大きく影響される。
著者
渡部 俊広 山崎 慎太郎
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.503-504, 1999-05-15
被引用文献数
10 8

曳航式深海用ビデオカメラによって, ベニズワイガニの分布を観察し, 生息密度観察法として本装置が有効な機能を有することを確認した。本装置は, バッテリーを内蔵し, タイマーによって作動する水中ビデオカメラ部とライト部, およびソリ型曳航台から構成される。ベニズワイガニの観察を隠岐諸島西側の水深約1000mの海域で, 1997年11月に2回行った。映像記録から観察されたベニズワイガニは, それぞれ25尾, 33尾であった。また, ベニズワイガニの行動に与える照明光の影響は少ないと推察した。
著者
渡部 俊広 渡辺 一俊 北川 大二
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.620-623, 2003-07-15
参考文献数
14
被引用文献数
5 6

曳航式深海用ビデオカメラを用いて,金華山から小名浜沖の水深約440m〜700mの海域に24箇所の調査点をもうけて,2001年5月から6月の日中にキチジを観察し,生息密度を推定した。合計30回の観察を行い,延べ1,650分の映像記録を得た。総観察面積は86,160m^2,キチジの総観察個体数は253個体であった。それぞれの調査点における1,000m^2当たりの観察個体数は,0〜11個体であった。曳航式深海用ビデオカメラを用いたキチジの観察から生息密度を推定できることを確認した。
著者
兼廣 春之 東海 正 渡部 俊広
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

脂肪族ポリエステル系の生分解性繊維3種と天然繊維の綿糸と絹糸を、(1)水深約2000mの深海底(鳥取沖カニ籠漁場)に10ヶ月間浸漬、及び(2)富山県水産試験場の富山湾深層水中(試験場内の飼育水槽(水温0.5℃)及び加圧タンク(水圧約20atm、水温約3.6℃))に約1年間浸漬し、繊維の強度低下と海水中における微生物分解の評価を行った。その結果、浸漬したすべての繊維で強度低下が起こり、深層水中での強度低下は綿>絹>脂肪族ポリエステル(PCL≧PHB/V>PBS)の順であった。繊維表面の電子顕微鏡観察の結果、繊維の強度低下は深層水中の微生物分解により起こっているものと推察された。この結果、低水温、高水圧の極限環境下の深層水中でもプラスチックの微生物分解が起こることが確認された。試験に用いた富山湾深層水からプラスチック分解微生物の単離を試みた結果、加圧タンク水から2株のPCL分解微生物(Toyama04とToyama10)の単離に成功した。さらに、他の海域(東京湾表層水)より単離したPCL分解菌2株(TUF-1とTUF-2)の計4株について、それらの生理生化学的特性、遺伝学的特性、プラスチック分解活性の比較を行った。遺伝子解析の結果、4株ともPseudomonas sp.と高い相同性を示し、そのうち、深層水より単離した2株と東京湾表層水より単離したTUF-2はPseudomonas denitrificansと非常に高い相同性を、TUF-1はPseudomonas pachastrellaeと高い相同性を示した。また、単離した4株の形態学的性状及び生理生化学性状を調べた結果、4株ともグラム陰性の桿菌で、運動性を有し、生理生化学性状(生育条件や代謝活性)はほぼ同様の性状を持つことがわかった。単離した4株についてPCLグラニュール液体培地により、4℃、10℃及び25℃におけるPCL分解能を調べた結果、深層水から単離した2株はともに25℃の室温での分解活性を示すとともに4℃及び10℃の低温でも分解活性を示した。一方、表層水から単離した2株は、25℃では分解活性が見られたものの4℃及び10℃の低温では分解活性は見られなかった。
著者
渡部 俊広 北川 大二
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.297-303, 2004-05-15
被引用文献数
4 8

調査用トロール網の漁獲からズワイガニ類(ベニズワイガニとズワイガニ)の現存量を正しく推定するために,袖先間隔を基準とした調査用トロール網の採集効率を推定した。調査は,太平洋東北沖において2000年6月に,曳航式深海用ビデオカメラを用いてズワイガニ類の生息密度を観測後,トロール網の操業を行った。トロール網の採集効率は,生息密度に対するトロール網の掃過面積と漁獲個体数から求めた密度との関係から回帰分析によって求めた。調査用トロール網の採集効率を0.30,その95%信頼区間を0.23〜0.37と推定した。
著者
山崎 慎太郎 日向野 純也 渡部 俊広
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.368-373, 2002-05-15
被引用文献数
1 2

貝桁網で漁獲された二枚貝にみられる足部の欠損(舌食い)の発生を低減するため,チョウセンハマグリの舌食いの発生機構について検討した。舌食いの発生率は水温の高い時期に高く水温の低い時期に低くなり,曳網速力の増大と共に高くなった。行動観察から,舌食いは貝が足部を伸張した状態で貝桁網の爪と砂に殼を圧迫されて発生すると考えた。潜砂している貝を引き上げてから底質へ潜入を開始するまでの時間は水温の高い方が短かく,潜砂深度は水温の高い方が大きかった。水温の高い時期には潜砂深度の増大と活発な潜砂行動により舌食いの発生率が高くなると考えた。舌食いの発生を抑えるには,曳網速力の低減が最も有効な方法である。
著者
横山 真一郎 渡部 俊介
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.425-433, 2004-07-01
被引用文献数
1

本研究は,チェーン展開しているファミリーレストランに協力を頂き,数年間(1998〜2003)顧客不満足度に関して調査を行った結果に基づくものである.本研究ではまず,調査結果に基づき,店舗に対する多くの顧客に一致する不満足発生構造をFT図として把握した.次に,その構造を顧客満足度(CS)向上活動につなげるために,確率重要度による基本事象の評価を検討した.そして,時間経過に伴い重要となるサービス項目が変化することに着目したサービスの管理方法を提案した.さらに,顧客を層別した上で行うCS向上活動の有効性を示し,飲食店におけるFTAを用いたサービス評価が,CS向上活動に有効であることを述べた.
著者
渡部 俊介 横山 真一郎
出版者
日本信頼性学会
雑誌
信頼性シンポジウム発表報文集
巻号頁・発行日
no.16, pp.41-44, 2003-10-24

飲食店における顧客の不満足は重大な問題である。そこで, その顧客不満足の発生を体系的に捉え, 工学的に解析を行った。筆者らは事前研究としてまず, ファミリーレストラン(FR)を対象に顧客不満足の発生構造をFT図として把握した。次に, その構造の適用範囲の可能性について検討した。そして, 本研究では顧客不満足の発生は時間経過とともに変化することに着目し, その変化を関数形で表現することで不満足の発生を予測し, サービスの管理につなげることができる可能性を示唆した。