著者
渡部 俊太郎 足立 俊輔
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.115-124, 2007-02-10 (Released:2019-09-27)
参考文献数
79
被引用文献数
5

超短パルス発生技術の進展について,発振器も含めた比較的小出力の領域の短パルス化,TW級高出力レーザーにおける短パルス化および高調波を用いたアト秒パルスの発生について報告する.可視域ではチャープ鏡や適応型位相制御などの技術革新によりモノサイクルに近づきつつある.高出力増幅器では主にチタンサファイアレーザーが用いられてきたが,より広い帯域が得られるパラメトリック増幅に変わりつつある.高次高調波ではアト秒パルスの発生と計測が達成され,100アト秒(attosecond,10-18秒,以降asを使用)を切るパルスが目標となっている.
著者
渡部 俊也 平井 祐理
出版者
総務省情報通信政策研究所
雑誌
情報通信政策研究 (ISSN:24336254)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.19-31, 2020-12-01 (Released:2021-01-07)
参考文献数
7

データ政策を検討するうえで、基礎となるのが、データの価値をどうとらえるのか、どのようなデータに経済的な価値があるのかという考え方である。一般的にデジタルデータを多量に保有しているからといって、そのデータから利益を生み出せるとは限らず、多くの条件が整って初めて企業の利益や競争力につながり、産業競争力に結び付く。その要件を踏まえたデータの保護やデータ利活用のインセンティブシステムを設計することがデータ政策として重要となる。本稿ではそのような観点から、データについての経済的価値に着目して、質問票調査に基づく実証分析による検討結果を示し、あわせて具体的な事例として、機械学習に提供されるアノテーションデータにおける価値について考察を加えた。これらの結果をもとにデータの法的保護の在り方について検討した。
著者
米山 茂美 渡部 俊也 長谷川 光一
出版者
科学技術政策研究所
巻号頁・発行日
2013-01 (Released:2013-04-17)

本報告書では、産学共同研究が大学研究者の学術的研究成果に与える影響を、過去の共同研究の経験蓄積という観点から分析した。ここでは、学術的研究成果を、論文発表件数の増加率及び論文被引用件数の増加率という量・質の両面から捉え、また研究者が属する研究分野の違いを考慮した分析を行った。 分析結果からは、(1) 産学共同研究への参加が大学研究者の研究成果に与える影響は、過去に共同研究を実施した経験があるかどうかによって異なること、(2) 過去に産学共同研究の経験がない研究者においては、全体として、共同研究への参加は必ずしもその後の研究者の研究成果にプラスの影響を与えず、むしろ論文被引用件数の増加率という質的側面においてマイナスの影響を与えうること、(3) 他方で、過去に産学共同研究の経験のある研究者においては、一定程度までの共同研究への参加が研究成果にプラスの影響を与えるが、過度の参加は逆に研究成果にマイナスの影響を与えうること、(4) そうした全体としての傾向は、研究者が所属する研究分野によって異なっていることが確認された。 こうした分析結果を踏まえ、産学連携施策の展開に当たって考慮すべき政策的な含意として、過去に産学連携を行った経験のない研究者とその経験がある研究者ごとに、産学連携への取り組みにおける異なる管理・運用方針やそれを支える支援策が求められること、また研究分野による違いを考慮したきめ細かい施策展開が求められることを提示した。
著者
渡部 俊太郎 大西 信徳 皆川 まり 伊勢 武史
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.1822, (Released:2020-03-05)
参考文献数
43

生物の種や群集の分布情報の把握やモニタリングは、環境科学や自然資源の管理の研究を行う上で最も重要な課題であり、これらの遂行のためには正しい種同定の技術が欠かせない。しかし、種同定の作業には大きな労力がかかる。画像に基づく生物種の自動同定は種同定や種の分布のマッピングの労力を削減するうえで有望な技術になるかもしれない。本稿では、近年画像認識や分類の分野で画期的な成果をあげている深層学習(deep learning)の技術に焦点を当てる。まず、深層学習の主要なアルゴリズムであるニューラルネットワークおよび、畳み込みニューラルネットワークの技術的な背景について簡単に説明を行う。次に、深層学習の技術の適用事例として、植物の種識別およびリモートセンシングでの植生マッピングの研究事例を紹介し、今後の展望を述べる。深層学習の実用化により、画像分類や物体検知などの精度が飛躍的な向上を見せつつある。今後、生態学にかかわる様々な画像データを体系的に整理することで、これまで大きな労力を要してきた生物多様性や植生のマッピング・モニタリングを従来よりもはるかに低労力でかつ高い時間解像度で行うことが可能になることが期待される。
著者
渡部 俊彦
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.81-90, 2007-03-01

1848年にアメリカで発生した叩音事件から科学者らによる心霊現象の研究、近代心霊研究が始まった。欧米を中心として、心霊現象や死後の霊魂存在を実験によって探求する研究が行われ、イギリスでは心霊研究協会(SPR)が生まれた。さらに、霊魂存在や霊魂との交信の可能性を認めるスピリチュアリストが生まれた。ここから、新しい人生指導原理であるスピリチュアリズムが誕生した。欧米の心霊研究は浅野和三郎によって日本に紹介され、彼は心霊科学研究会を設立し日本スピリチュアリズム(日本神霊主義)を生んだ。脇長生が日本神霊主義を発展させた。さらに桑原啓善がイギリスの霊界通信の内容を加味させて、ネオ・スピリチュアリズムを作り出した。
著者
平 智 大場 節子 渡部 俊三
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.437-443, 1992
被引用文献数
3 7

エタノールと炭酸ガスを併用した渋ガキの脱渋に関する基礎的なデータを得るため, '平核無'果実を供試してデシケータを用いた脱渋実験と, 約10tの果実を一度に処理できる大型施設脱渋における果実の品質調査を行った.<BR>大型デシケータを用いた脱渋実験の結果, エタノールと炭酸ガスの脱渋剤を同時に処理すると脱渋はわずかに速まるが, 脱渋効果のほとんどは炭酸ガスの作用によることが明らかであった. ただし, 脱渋中の果肉にはエタノール, アセトアルデヒドとも, 炭酸ガス単用の果実よりも多く蓄積した. エタノール処理と炭酸ガス処理を連続して施した場合も脱渋は主に炭酸ガスの作用によって進行した. この場合, 炭酸ガス単用の場合に比べて果肉硬度の低下を若干促進する効果が認められた.<BR>大型施設でエタノール•炭酸ガス併用脱渋における果実の品質を調査した結果, 脱渋は主に炭酸ガスの作用によっており, デシケータを用いた脱渋実験で得られた結果と同様にエタノールを併用することで果肉硬度の低下が若干促進されるものと思われた.
著者
山本 隆儀 渡部 俊三 阿部 豊
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.297-305, 1981
被引用文献数
1

ナシ樹, 特にセイヨウナシの水ストレスの激化の原因として, 過度の葉面蒸散ばかりでなく, 根の水吸収の能率の低さからもたらされる樹体水収支の不均衡が考えられるが, この面の調査はこれまで行われていない. 本実験では, 2年生のバートレット, レッド•バートレット及び二十世紀 (いずれもヤマナシ台) を用いて, ガラス室内で, 自動かん水器法, Impens らの着生葉の蒸散測定法及び heat pulse 法を組み合わせて, 樹体の水吸収速度及び蒸散速度の日変化ならびに季節的変化を測定し, 水収支及びこれらに及ぼす気象要因の影響などを調査した.<br>(1) 日吸水量と日蒸散量の値は共に, レッド•バートレット, バートレット, 二十世紀の順に大きく, 両者の比は3品種ともほとんど等しい変化を示した. 両者とも日平均<i>VPD</i>との間に, 気象要因の中で最も高い相関関係が見られ, 日平均<i>VPD</i>が約9mmHg, 総日射量が約400cal cm<sup>-2</sup>day<sup>-1</sup>を超えると, 日蒸散量が日吸水量を上回った. またそれら限界日平均<i>VPD</i>, 総日射量での日蒸散量 (=日吸水量) は, バートレットで約12g dm<sup>-2</sup>day<sup>-1</sup>, レッド•バートレットで約13.5g dm<sup>-2</sup>day<sup>-1</sup>及び二十世紀で約10.5gdm<sup>-2</sup>day<sup>-1</sup>であった.<br>(2) 5日間の日変化の調査では, いずれの日も朝から昼にかけて蒸散が吸水を上回り, 特に梅雨明けの晴天日にはその傾向が著しかった. 午後から夜を通して逆に吸水が蒸散を上回り, 午前に生じた水の不足分を補なっていた. 7月上旬や8月上旬に比べて, 8月下旬では. 昼間の蒸散速度に対して吸水速度が相対的により大きかった. このような傾向は3品種に共通して見られたものの, バートレットでは, 昼間の一時期に, 吸水と蒸散の両速度の較差がより広がることが見られた. 主幹部のheat pulse の移動速度の日変化曲線の形は, 上記両曲線の中間的な形を示したが, 若干ながら蒸散速度のそれに似ていた.<br>(3) 以上の結果, 蒸散と吸水との間に複雑な相互作用が認められたが, 昼間の水ストレスには, 本来的に根の水吸収能率が低く, 吸水が蒸散に追いつけないことが大きく関与するものと推察された. 更に, 実際のほ場栽植樹では, 根圏土壌の乾燥, 浅根化, 根腐れ及び根の生理的活性の低下などが併発することによって, 一層水ストレスが顕著になるであろう.
著者
大﨑 敏郎 渡部 俊也 関野 勝弘
出版者
研究・技術計画学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, pp.757-760, 2011-10-15

一般講演要旨
著者
渡部 俊彦
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.81-90, 2007-03-01 (Released:2019-04-30)
参考文献数
24

1848年にアメリカで発生した叩音事件から科学者らによる心霊現象の研究、近代心霊研究が始まった。欧米を中心として、心霊現象や死後の霊魂存在を実験によって探求する研究が行われ、イギリスでは心霊研究協会(SPR)が生まれた。さらに、霊魂存在や霊魂との交信の可能性を認めるスピリチュアリストが生まれた。ここから、新しい人生指導原理であるスピリチュアリズムが誕生した。欧米の心霊研究は浅野和三郎によって日本に紹介され、彼は心霊科学研究会を設立し日本スピリチュアリズム(日本神霊主義)を生んだ。脇長生が日本神霊主義を発展させた。さらに桑原啓善がイギリスの霊界通信の内容を加味させて、ネオ・スピリチュアリズムを作り出した。
著者
松木 光雄 渡部 俊彦 小笠原 綾子 三上 健 松本 達二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.128, no.8, pp.1203-1207, 2008 (Released:2008-08-01)
参考文献数
10
被引用文献数
12 17

Glutathione dose dependently inhibited melanin synthesis in the reaction of tyrosinase and L-DOPA. The inhibition of melanin synthesis was recovered by increasing the concentration of L-DOPA, but not recovered by increasing tyrosinase. Glutathione inhibited the binding between tyrosinase and L-DOPA. Although the synthesized melanin was aggregated within 1 h, the aggregation was inhibited by the addition of glutathione. These results indicate that glutathione inhibits the synthesis and agglutination of melanin by interrupting the function of L-DOPA.
著者
古田 晋平 渡部 俊明 山田 英明 西田 輝巳 宮永 貴幸
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.877-885, 1997-11-15 (Released:2008-02-29)
参考文献数
21
被引用文献数
25 28

Stock enhancement programs involving the mass release of hatchery-reared Japanese flounder have been conducted in nearly all coastal regions of Japan. These programs have been regionally successful, however, many fundamental problems that inhibit further success remain. Changes in distribution, growth and abundance of released juvenile flounder were investigated in the coastal area of Tottori Prefecture form 1989 through 1991. Flounder juveniles were directly counted by divers along transect lines at 6 depths between 0.5m and 13m. Beam trawl samples were taken and densities were estimated using gear efficiencies obtained by comparison between the number of fishes collected by the trawl and the number counted by divers. Released juveniles were found mainly in waters shallower than 10m, and showed nearly the same distribution pattern as wild juveniles. A significant length increase was not observed in recaptured flounder. The number of reared juveniles rapidly decreased during the first week after release and the retention rate after the 1st week ranged from 3.5% to 26.9%. Based on changes in distribution and growth after release, the authors concluded that the rapid reduction in the number of released juveniles was caused by high mortality. Causes of mortality of released and wild flounder are discussed in relation to the abundance of prey and predation by piscivorous fishes.
著者
藤本 明宏 河島 克久 渡部 俊 村田 晴彦
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.507-522, 2021 (Released:2022-02-16)
参考文献数
13
被引用文献数
1

本研究では,大雪時のスタック発生メカニズムの解明を目的に,大雪による車両滞留時の路面圧雪調査および圧雪路面での停車試験,タイヤ空転試験および車両発進試験を実施した. 路面圧雪調査では,大雪による車両滞留時の圧雪路面に窪みや波打つような凹凸の発生を確認した.停車試験およびタイヤ空転試験より,タイヤの輪荷重,熱および回転は圧雪を融解や圧密させ,タイヤを圧雪に沈ませると同時に,タイヤ直下のすべり摩擦係数を低下させることが分かった.車両発進試験より,輪荷重が大きいほどスタックは発生し難いことが分かった. 上記の研究より,車両のスタックは以下のメカニズムで発生することを明らかにした.大雪時には車両の走行性が低下し,停車時間や発進回数が増える.停車時間や発進回数の増大は,圧雪路面の窪みの発生やすべり摩擦係数の低下を誘発する.これらがタイヤの空転を助長し,それが圧雪路面の窪みの拡大やすべり摩擦係数のさらなる低下を引き起こす負の循環を生じさせ,スタック車両の発生に至る.本論文では,このメカニズムを踏まえて,タイヤが圧雪窪みに嵌った状態からスタックに陥る場合とスタックを回避する場合のフローチャートを示した.
著者
渡部 俊也
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.27-37, 2012-12-20 (Released:2013-10-01)
参考文献数
22

最近の知財ライセンス契約の条項を詳しく検討することによって,その特徴と機能を明らかにすることを試みた.その結果,知財の共創と協働という面での共通の機能が見出された.この機能はオープンな知財マネジメントの一機能であるともいえる.このような観察結果は,オープンイノベーションの実行 における知財ライセンス契約の重要性を示している.
著者
渡部 俊広 TOSHIHIRO WATANABE (独)水産総合研究センター水産工学研究所漁業生産工学部 Fishing Technology Division National Research Institute of Fisheries Engineering Fisheries Research Agency
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.16-23, 2005-01-15
参考文献数
32
被引用文献数
9 9

隠岐諸島西方の海域で,商業ベニズワイガニ籠と円形脱出口をつけた商業籠による長期浸漬(約 6 ヶ月間)漁獲試験を行い,逸失時の商業籠の漁獲サイズ選択性を推定した.選択性曲線は,多項分布の尤度を用いた SELECT モデルによって求めた.商業籠の 50% 選択甲幅は 100.8 mm,選択性スパンは 3.4 mm であった.甲幅 99 mm 以下の個体は,商業籠から脱出できるため,雌についてはゴーストフィッシングが生じる可能性はない.しかし,籠に入った甲幅 103 mm 以上の雄については,籠内に保持されたまま死亡する可能性がある.<br>
著者
松下 吉樹 本多 直人 藤田 薫 渡部 俊広
出版者
水産総合研究センター
巻号頁・発行日
no.10, pp.15-17, 2004 (Released:2011-03-05)

3種類の刺網を千葉県館山湾奥部の水域に20~37日間設置した。その後潜水観察を行い、羅網した生物と網成りの変化を記録した。刺網には27個体の魚類と甲殻類が設置後14日以内に羅網し、その後は観察されなかった。網目が展開している網の面積は、いずれの刺網も時間経過とともに減少して0となった。これは刺網が持つ漁獲機能のうち、特定の層を遊泳する生物の通路を遮断する機能と、生物を網目に刺させる機能が無くなったことを意味する。
著者
渡部 俊広
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.16-23, 2005 (Released:2011-03-05)

隠岐諸島西方の海域で、商業ベニズワイガニ籠と円形脱出口をつけた商業籠による長期浸漬(約6ヵ月間)漁業試験を行い、逸失時の商業籠の漁獲サイズ選択性を推定した。選択性曲線は、多項分布の尤度を用いたSELECモデルによって求めた。商業籠の50%選択甲幅は100.8mm、選択性スパンは3.4mmであった。甲幅99mm以下の個体は、商業籠から脱出できるため、雌についてはゴーストフィッシングが生じる可能性はない。しかし、籠に入った甲幅103mm以上の雄については、籠内に保持されたまま死亡する可能性がある。
著者
渡部 俊久 北村 和也 小杉 智彦 大竹 浩 島本 洋 川人 祥二
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.29-32, 2015

有効33M画素,フレームレート120fps,階調12ビットの8Kスーパーハイビジョン用イメージセンサに搭載されている2段サイクリック型ADCの入出力線形性を向上する手段の1つであるデジタル補正技術では,ADCで発生する誤差を定量的に表す誤差係数を正確に見積もることが重要となるが,これまでは回路パラメータからの推定値を基に計算を繰り返して決定していたため,補正精度および実時間性に問題があった.そこで,誤差係数を,計測したADCの出力から信号処理によって正確かつ実時間で決定するためのADC動作方法および信号処理方法を提案し,基礎実験によって高精度かつ動的なデジタル補正に有効なことを確認した.
著者
山下 史哲 渡部 俊幸
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.198-204, 2020-04-01 (Released:2020-04-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1

インターネット上で無償配布を行っている,試薬管理システムは,プロトタイプシステムの開発と運用経験の元,臨床検査室の試薬管理業務効率化のために,汎用性と導入の容易さを目標に開発した。本システムでは,試薬包装に表記されているバーコードのGS1-128シンボルを利用することにより,品質管理に必要とされる試薬の有効期限,ロット情報の自動取得と記録が可能である。また,試薬マスターの設定により,試薬の箱単位,もしくはその箱内の個包装数に対し,管理番号バーコードラベルを発行添付して管理することで,それぞれの開封日や使用完了日の記録に関してもバーコード運用を可能にした。その結果,試薬の在庫管理と共に記録の効率化と人為的ミス削減を実現した。完成後,無償配布を開始し,ダウンロード件数と導入施設からの問い合わせ件数より,必要性及び実用性が確認でき,本システムの開発と無償配布は有用であったと考えられた。
著者
山口 仁 渡部 俊春 山田 一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.116, no.1, pp.94-99, 1995-12-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

Force between an electromagnet and an iron piece is usually calculated with a equation of Maxwell's stress, and for the exact result, the integration of stress is made along a route away from the iron. It, however, is necessary to calculate magnetic flux density components paralell to the integration route as well as perpendicular ones.The authors propose a new method of calculation using FEM. This method presents that the integration of Maxwell's stress is made on the surface of an iron piece, and magnetic flux is regarded perpendicular to the iron surface. Calculated values of magnetic force, attractive force and restoring force under small parallel displacement to pole face, have been compared with measured ones on an experimental model. The following results are obtained. (1) The magnetic force is calculated using the results of FEM analyses where the number of nodes has been less than 1000. The differences between the calculated and the measured values are smaller than 5%. (2) To obtain the above results, it is necessary that relative permeability of the iron piece is larger than 100 and the side length of each triangle element near the iron corner is less than 2% of the gap length.