著者
唐 権 劉 建輝 王 紫沁
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 = NIHON KENKYŪ (ISSN:24343110)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.131-172, 2021-03-31

来舶清人とは、清朝の頃に大陸から日本に渡航した中国人の中で、優れた教養を持っている一部の人たちに対する総称である。江戸中期に成立し、戦前まで広く使われていたが、戦後になると廃れてしまい、今や一部の美術史家と古美術愛好者の間でしか通用しなくなっている。しかし、この概念こそ、近世以来の日中文化交流ないし東アジア文化発展の歴史を解くための重要なツールではないか、と我々は考えている。来舶清人の中で名を後世に残した人物は、果たしてどのくらい数えられるか、という素朴な疑問から出発して、基礎データの整理作業に取り組んだ。本稿は、いわばその中間報告である。 本稿は3 つの部分からなっている。すなわち解説、参考文献と一覧表である。解説の部分はカテゴリーとしての来舶清人に注目し、概念としての特質、成立の経緯、日本文芸の世界における位置付け、我々が考えた来舶清人の外延などを説いている。参考文献の部分では、我々は来舶清人に関する日中両国の現存文献と関連の研究に可能な限りアクセスし、文献調査の結果を提示したものである。最後の一覧表は、上記の文献調査に基づいて作成したもので、計355 名の来舶清人に関する基礎データを、一人ひとりにまとめたものである。
著者
王 婷 渡辺 悌二
出版者
北海道地理学会
雑誌
地理学論集 (ISSN:18822118)
巻号頁・発行日
vol.95, no.2, pp.13-31, 2020-09-24 (Released:2020-10-05)
参考文献数
39
被引用文献数
1 1

山岳国立公園のおもなレクリエーション活動には登山と野営があり,登山者に提供される宿泊施設として野営場と山小屋が設置されていることが多い。野営場の適切な管理は,自然環境の保護・保全をすすめるために必要であると同時に,登山者に質の高い野営体験を提供するために重要である。本研究では,大雪山国立公園の高山帯に分布する,管理の行われていない野営場(正式呼称は「野営指定地」)に適切な管理を導入するために,野営場の予約制の管理制度が確立されている台湾の3 つの山岳国立公園を事例として,野営場の特徴を明らかにし,予約制管理の取り組みとその効果について調査を行った。 対象とした台湾の国立公園(国家公園)は,玉山,雪覇および太魯閣の3 つの国立公園で,まず,文献調査およびインターネット調査によって,これらの国立公園の野営場ならびに山小屋に関する情報を収集し,ArcGIS を使ってそれらの分布図を作成した。 次に,それぞれの国立公園の代表的な登山道沿いの宿泊施設(野営場および山小屋)の設置密度を計算した。その結果,登山道区間の長さ1 km あたりに設置された山小屋の数が少ないほど,野営場がたくさん設置されている特徴が見いだされた。また,玉山国立公園の登山道区間・八通関越嶺線では,登山道長1 km あたりの宿泊施設の設置密度が一番小さく(0.19 カ所/km),逆に山小屋の少ない太魯閣国立公園の登山道区間・奇萊東稜線で設置密度が一番大きかった(0.86 カ所/km)。台湾の山岳国立公園では,非公式野営場とオンライン予約の可能な野営場を組み合わせて配置することで,隣接する野営場の設置間隔を小さくし,個々の野営場面積を小さくすることに成功している。 さらに,これら3 つの国立公園で公園管理者に対して聞き取り調査を行った結果,それぞれの国立公園で異なる人数制限と予約制度が導入されていることが明らかになった。また,雪覇国立公園の宿泊施設利用者に対してアンケート調査を実施した。これらの調査の結果,予約制の管理制度の導入が野営場の混雑問題の軽減と野営体験の質の改善に役立っていることが明らかになった。しかし,無許可入園者の幕営による混雑がいくつかの野営場で問題となっているなど改善の余地が残されていることも明らかになった。 大雪山国立公園の高山帯には,土壌侵食と過剰利用が問題となっている野営指定地があり,こうした野営指定地では予約制度の導入が問題解決・軽減に有効であると考えられる。その際,太魯閣国立公園のように,今後,オンライン予約を必要とする野営指定地と予約のいらない野営指定地を組み合わせた緩やかな予約制度の導入が議論されるべきである。さらに,黒岳野営指定地のように利用者が多く土壌侵食の著しい野営指定地においては,テントパッドの設置のような能動的管理の導入が期待される。
著者
王 暁秋
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
Leaders of Modernization in East Asia
巻号頁・発行日
pp.43-54, 1997-03-31

東アジアにおける近代化の指導者たち, 北京大学, 1995年12月4日-7日
著者
王 佳星
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.13-36, 2020-09-30 (Released:2020-10-05)
参考文献数
19

温室効果ガスの排出削減ため、ハイブリッド自動車(HEV)の普及が重要であることは認知されているものの、家計部門においてHEV がどの様に普及していくかといった点に関しては未だ明確に把握されていない。本研究は、家計についてHEV の普及過程を分析し、世帯属性が車種選択にどの様な影響を与えるかを明らかにした。また、エコカー補助金政策の有効性を評価し、エコカーを更に普及させるためにどの様な施策が有効であるかを論じた。
著者
王 石諾 三好 恵真子
出版者
国立大学法人 大阪大学グローバルイニシアティブ機構
雑誌
アジア太平洋論叢 (ISSN:13466224)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.97-112, 2022 (Released:2022-03-26)

In the late 1980s, the problem of “marriage difficulties for men” in Japan society became more and more serious. In order to solve this problem, Japan society was actively introducing “Asian brides”, from the government to the private sector. As a result, the Japanese-husband-and-foreign-wife type of intermarriages increased. But behind this positive introduction, the lives of “Asian brides” and their perspectives are often overlooked in discussions of various social issues. Despite the increasingly three-dimensional image of women in the studies of intermarriages, the discussion of the image of women in social issues - such as the Great East Japan Earthquake - only stays on the superficial side of being “vulnerable people to disaster”. In the previous studies, the emphasis were on finding the mechanism of intermarriage rather than the continuity of individual’s life. Even when the subjectivity of those women became the focus, the discussion was only held within the framework of the family. Therefore, the research questions are: is it possible that subjectivity will be exerted within a broader framework such as their living community? And if the answer is positive, how the subjectivity is reflected and how it is formed? Having this problem in mind, this paper provided with a microscopic perspective of “individual’s life”, at the intersection of the discussion of intermarriage and the Great East Japan Earthquake. Specifically, based on the life story of 2 women, who were born in the northeastern region of China and moved to Fukushima prefecture after marrying to Japanese men, this paper aimed to approach the women’s subjectivity mainly from their experience of the earthquake. As a result, by analyzing the behaviors of the two women after the disaster, the study found that women’s subjectivity was not only confined in the framework of the family, but also manifested in their living community. Furthermore, based on the women’s life story, the author analyzed the accumulation process of their subjectivity under the framework of “agency”. “Agency” shows a living strategy, different from straightforward imaginations that the women are either subject to the limitation or resist the structure, they take on the existing relationship and at the same time work towards desirable ways of life by readjusting step by step. Finally, the author argued that, although those women have surpassed the level of “vulnerable people to disaster”, the vulnerability of belonging is worthy of further discussion as a future topic.
著者
王 宛亦
出版者
芸術学研究会
雑誌
芸術学論集 (ISSN:24357227)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.11-20, 2021-12-31 (Released:2021-12-29)

現在、大学の魅力の伝達や知識の活用などの目的で、大学OCW(Open Course Ware)からの情報発信が行われるようになっている。しかしながら、各大学でのOCW活動を推進していく際、利用が不十分、認知度が低いといった問題があった。本研究では、OCWにおける利用率を向上させる方策の検討を目的として、聞き取り調査と印象評価実験を行った。まずは国内で積極的にOCWの取り組みを進めている4つの国立大学(北海道大学、東京大学、名古屋大学、京都大学)のOCWについて、運営管理側への聞き取り調査を行った。インタビュー結果から、運営管理の現状、ビジュアルデザインへの取り組みなどを確認できた。次に利用者が感じる印象と実際の利用状況を考察するために印象評価実験を実施し、利用者へのアンケートによる評価と、その利用過程における録画データの観察調査を分析した。分析の結果、北海道大学の評価が高かった。その理由は、北海道大学は統一されたビジュアルデザインで、一貫したイメージを打ち出していたからだと考えられた。これらから、4つの大学のOCWについて、利用者が感じる印象と実際の利用状況を確認することができた。さらに、分析と考察を踏まえ、OCWにおける利用者がコンテンツを探す行動には共通の利用経路が存在することがわかった。今回の調査研究を通して、ビジュアルデザインの視点から、次の3点を国内におけるOCWの課題として提示した。1)イメージを探る、2)広報活動、3)インタフェースデザインの改善。
著者
小竹 康代 王 丹? 中嶋 宏
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第34回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.668-669, 2018 (Released:2019-01-09)

In ordinary manufacturing lines, worker’s proficiency degree in the manufacturing operations was evaluated by a unit time or cycle time of making products. In this manner, it is hard to understand how the worker accomplishes the manufacturing operation and tasks with specific motions and objects derived from the hands, body and/or eyes. To overcome this limitation, we investigated the degree of worker’s proficiency of four elemental processes with methods of evaluation to estimate the connectivity between the sensory and motor integrations in human brain information processing. We measured eyes and body movements when workers manufactured products through three months. The developed method could differentiate the worker’s proficiency degrees between experts and novices. Coincidentally, expert workers had relatively high levels at every elemental process compared to novice workers who had low levels in two of the four elements. These results show the possibility that novices are not as proficient as experts when memorizing correct procedures as they are more likely to discriminate a specific point to accomplish tasks due to immature memory functions within the brain.

1 0 0 0 OA 日本書紀 30巻

著者
舎人親王 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[4],

1 0 0 0 OA 書評

著者
松王 政浩
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.79-83, 2018-07-31 (Released:2019-05-02)

1 0 0 0 王将

著者
王将社
出版者
王将社
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, 1949-04
著者
王 一令 鷲尾 純一
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.97-111, 2004-07-30 (Released:2017-07-28)

本研究では、中国語を母語とする聴覚障害児(者)の音韻および韻律聴取能力を調べるための語音聴力検査法の開発を試みた。これは3つの検査からなっている。(1)音韻聴取検査: 単母音/a/、あるいは/i/を含むCV音節で平坦音調(第一声)の1文字単語20個から構成された。(2)四声聴取検査: 音韻が同一で四声の異なるCV音節1文字単語24個(6音韻×4種類の四声)から構成された。(3)イントネーション聴取検査:同一音韻連続で肯定表現と疑問表現を表す2語文(2文字動名詞)4組から構成された。これらの検査語・文について、音響的特徴を明らかにした。また、本検査法を中国天津市に在住する正常聴力を有する小学校児童(低学年)と聴覚障害を有する大学生に適用して、学童を対象としても利用できること、および聴覚障害児(者)の音韻聴取能力および韻律聴取能力を体系的に分析できる検査法として利用できる見通しを示した。