著者
王 克 鎌原 淳三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.425, pp.163-166, 2009-01-28

CBIR(Content-Based Image Retrieval)という,画像の内容に基づく画像検索技術に関する研究が進んでいる.その内,色彩特徴が画像の最も重要な視覚特徴の1つとして内容に基づく画像検索技術に幅広く利用されている.本稿では画像に対し,中心に重点を置いて分割し,L^*a^*b^*表色系で分割された画像ごとに累積ヒストグラムを求め,類似度測度はユークリッド距離で計算するという手法を提案した.実験により,提案した手法は計算の複雑性が高くなったが,検索精度が高まったことがわかった.
著者
窪田 寛之 王 志剛 土屋 能成 谷口 幸典
出版者
一般社団法人 日本塑性加工学会
雑誌
塑性と加工 (ISSN:00381586)
巻号頁・発行日
vol.48, no.562, pp.1017-1021, 2007 (Released:2007-11-26)
参考文献数
8
被引用文献数
2 1

To investigate the damage behavior of DLC (diamond-like carbon)-Si coating under high contact pressure, a series of experiments were carried out using the Vicker's hardness test. As substrate materials, alloy tool steel (SKD11) and high speed tool steel (SKH51) were used. In order to investigate the effect of coating thickness on coating damage, DLC-Si coatings with two thicknesses of 2.1μm and 4.0μm were prepared on SKD11. Coating damage was observed from the coating and cross-section surfaces. From observation of the coating surface, the indentation shapes of DLC-Si-coated tools were able to be sorted into 3 main types in terms of macroscopic coating damage level. For indentation shape type I, which shows no marked damage but a cross mark caused by the Vicker's indenter, cross-sectional observation was carried out, and a crack parallel to the coating surface was observed in all the DLC-Si coatings. It is inferred that the parallel crack in the coatings was generated by a force from the compressive residual stress of the coating.
著者
王 桂云 阿部 利徳 笹原 健夫
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.307-311, 1998-09-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
12
被引用文献数
2 4

無農薬・無化学肥料栽培(有機栽培)および慣行栽培した水稲白米の全窒素・アミロース含量およびアミノ酸含量・組成を検討した.白米の全窒素含量は供試した2品種(コシヒカリ, ひとめぼれ)とも無農薬・無化学肥料栽培に比較して, 慣行栽培で有意に高くなった.しかし, アミロース含量は無農薬・無化学肥料栽培米と慣行栽培米とで2品種間に有意の差異が見られなかった.一方, 白米粉末のアミノ酸含量についてみると加水分解アミノ酸は, 慣行栽培の場合の全窒素含量の増加傾向を反映して, 検出できた16のアミノ酸はむしろ慣行栽培で高まる傾向を示した.遊離アミノ酸含量は加水分解アミノ酸含量の1/100ないしそれ以下であった.しかし, 遊離アミノ酸のうちアスパラギン酸, グルタミン酸, アスパラギン, グルタミンがコシヒカリおよびひとめぼれ2品種とも, 慣行栽培に比較して無農薬・無化学肥料栽培で有意に高くなった.以上の結果は, 無農薬・無化学肥料栽培で白米の窒素含量が低下し, 遊離のグルタミン酸, アスパラギン, グルタミン含量が増加することを示している.今後, これらの結果と炊飯米の食味との関係を検討する必要がある.
著者
王 七音 花光 宣尚 脇坂 崇平 水口 哲也 南澤 孝太
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.339-348, 2023 (Released:2023-12-27)
参考文献数
25

In the fields of Human-Computer Interaction (HCI) and Virtual Reality (VR), there is an increasing focus on well-being. While research has underscored the potential of multimodal technologies to foster mental tranquility, the integration of scene imagery linked to nostalgic emotions remains under-investigated. In our research, we developed an immersive whole-body haptic experience, guiding participants through scene imagery supplemented by Pseudo-action stimuli, including actions like walking and opening a door, as well as Ambient stimuli, such as wind and everyday sounds. The results confirmed that participants effectively reminisced about serene and comforting places. Pseudo-action stimuli bolstered sensory ownership sensations, whereas Ambient stimuli provided a platform for open interpretation. In conclusion, our study suggests that whole-body haptic technologies in Virtual Reality can offer a nuanced approach to creating scene representations, potentially enhancing user immersion.
著者
西口 健介 王 麗楊 寒川 昌平 山田 佐知子 桑原 隆
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.471-476, 2020 (Released:2020-09-28)
参考文献数
16
被引用文献数
1

血中カルシウム (Ca) 評価に血清総Ca (tCa) が使われるが, 低蛋白血症では評価が難しく, またCaの生理学的効果はイオン化Ca (iCa) によって決定されるので, iCaを測定すべきとされる. 透析 (HD) 患者の血清Ca管理目標範囲は8.4~10.0mg/dLであるが, iCaについては不明である. HD患者37名に透析前の定期検査時に全血をRAPIDLab1200 (SIEMENS) でガス分析を行い, 凍結血清のiCa, pHを外注検査委託した. AlbはBCP改良法で測定, 3.1g/dL以下, あるいは4.0g/dL以上のAlb補正CaをそれぞれKDOQI-1, KDOQI-2式で算出した. ガス分析, 外注検査pH補正iCaとAlb補正Caには, それぞれy=0.092x+0.300, r=0.807, y=0.132x+0.092, r=0.853の関係があり, Ca目標値8.4~10.0mg/dLに相当するiCaは, ガス分析で1.07~1.22mmol/L, 外注血清検査で1.20~1.41mmol/Lとなった.
著者
稲場 秀明 東崎 健一 林 英子 王 紹蘭
出版者
The Japan Society of Calorimetry and Thermal Analysis
雑誌
熱測定 (ISSN:03862615)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.77-85, 2005-03-31 (Released:2009-09-07)
参考文献数
22

熱流束型DSCにおいて,温度センサーに半導体熱電素子モジュールの採用,±1mK以内の断熱制御,±0.1mK以内の昇降温制御,試料セル近傍の温度変動を±0.1μKのオーダーとするための温度減衰方法の採用,計測系へのノイズ,迷起電力が±1nVのオーダーとする工夫により,ベースラインの安定性±3nW程度,装置の応答速度2s程度で,装置の温度分解能0.1mK程度のDSCを製作した。このDSCを用いて,μgのオーダーの試料量のパルミチン酸とドトリアコンタンの融解挙動を測定した。試料量が減少するにつれて融点の低下が観測されたが,これは試料分子と試料容器との相互作用によるものと理解される。また,ドコサンの測定では,液体上単分子層の存在の検出や新しい多段階相転移や相転移の微細構造の検出に成功した。
著者
王 鋭 天野 佳正 町田 基
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第22回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.126, 2011 (Released:2011-11-07)

本研究では,竹を原料とした活性炭を調製し,水蒸気吸着に及ぼす炭化温度の影響とCO2賦活で得られた竹活性炭の物性,表面官能基量の関係について検討した。その結果,CO2賦活で得られた竹活性炭の表面積,細孔容積および表面官能基量は,竹の炭化温度によらずほぼ一定の値を示すことが明らかとなった。また,水蒸気の吸着は竹活性炭の表面積・細孔容積の序列と一致したことから,水蒸気吸着は活性炭の表面積・細孔容積にも大きく依存していることがわかった。
著者
河鰭 実之 李 玉花 王 宇
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

農作物の品質に関わる紫外線応答について特にUV-Aに焦点を絞って調査をした.カブ `津田蕪`の芽生えでは,ピーク波長350nmのUV-A蛍光灯ではアントシアニン合成が誘導されるが,単波長の315~345nmではアントシアニン合成はほとんどみられず, 315nmと355nmの共照射によってアントシアニン合成が誘導された.網羅的な遺伝子発現解析の結果,UV-A特異的に発現が誘導される遺伝子群があり,そののなかには,アントシアニン合成系遺伝子の他にROS応答に関わる遺伝子が多数含まれた. この間のROSの発生は明らかでなかったが,青色光によるアントシアニン蓄積ではROSの関与が示唆された.
著者
王 晨旭 川口 秀樹 渡邊 浩太
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J106-C, no.10, pp.366-372, 2023-10-01

リコンフィギュラブルコンピューティング技術に基づくハイパフォーマンスコンピューティングの試みとして,データフローアーキテクチャ専用計算機の方法を提案し,電磁界シミュレーション,とりわけ,マイクロ波シミュレーションへの応用を検討してきた.このとりくみの次の段階として,より広範囲の電磁界をとり扱うためには,大型疎行列計算のハードウェア化が重要な課題となる.本研究では,典型的な疎行列計算スキームBiCG-Stabのハードウェア回路化に際して必須のタスクとなる倍精度浮動小数点相当の精度を有する多倍長整数型除算回路の検討を行ったので報告する.
著者
林 則充 窪田 均 中村 恵宣 山元 康王 岡 幸蔵
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.128-132, 2019-08-01 (Released:2021-02-06)
参考文献数
6

コレステリルエステル転送タンパク質(Cholesteryl Ester Transfer Protein:CETP)阻害剤は、動脈硬化惹起性のLDLコレステロール(LDL-C)の低下、抗動脈硬化性のHDLコレステロール(HDL-C)の上昇という理想的な脂質制御が可能であり、新規の動脈硬化治療薬として期待できる。筆者らは、最適化研究において、「通常製剤での薬剤開発を意識したin vivo評価法の採用」および「in vitro評価法の改良」により、カルボン酸型化合物が優れた作用を有することを見出した。そして、カルボン酸型化合物のさらなる最適化により、臨床候補化合物TA-8995(obicetrapib)の創製に成功した。TA-8995は近年の臨床試験において、同クラスの化合物と比べて世界最強の作用を示した。
著者
河合 秀紀 伊藤 明良 王 天舒 黒木 裕士
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Annual59, no.Abstract, pp.236, 2021 (Released:2021-10-17)

末梢神経損傷は運動機能障害を引き起こし生活の質を低下させる。損傷した末梢神経は自己再生能をもつが、再生速度は1日に1-2mmと遅く、神経再支配が遅延すると筋や神経筋接合部の変性が原因となって運動機能回復は妨げられる。そのため、損傷後の末梢神経再生を促進させる治療方法の開発が必要である。末梢神経損傷に対する治療として、運動介入や物理的刺激を用いた介入は不動による筋萎縮や関節拘縮を予防するだけでなく、末梢神経再生や運動機能回復を促進することが報告されている。物理的刺激の中でも、超音波刺激は非侵襲的で痛みを生じない介入方法として注目されており、骨折治療をはじめとして臨床においても用いられている。損傷した末梢神経に対しても超音波刺激が再生を促進すると動物実験において認められているが、その刺激条件や介入時期といった末梢神経再生に最適な介入方法は明らかになっていない。更なる末梢神経再生促進のためにも最適な超音波刺激介入方法を解明する必要がある。我々は坐骨神経挫滅損傷モデルラットを用いて超音波刺激の強度や介入開始時期の検証研究を行ってきた。本演題では、末梢神経再生に最適な超音波刺激方法の開発に向けた研究結果を紹介する。
著者
王 宝禮 早坂 奈美 山口 康代 王 龍三
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.117-126, 2018 (Released:2018-11-08)
参考文献数
35
被引用文献数
2 1

排膿散及湯の歯周炎に対する有効性の確認を目的として,ラット口腔内の右側下顎第一臼歯部の歯肉にカラゲニンの処置により歯周炎を惹起させ,排膿散及湯2900mg/kg を10日間経口投与し,歯周炎に対する排膿散及湯の抗炎症作用の効果を検討した。歯周炎に及ぼす効果について,写真撮影による歯肉の状態の経過観察,最終投与後に摘出した炎症部位の病理標本による病理組織学的分析により評価した。その結果,排膿散及湯は,歯肉の腫脹を抑制すると共に,病理組織学的分析において歯周ポケットが浅くなり,上皮層糜爛改善,上皮突起の伸張,炎症細胞の減少,歯根膜の成熟を確認できた。さらに,好中球数の減少,血管数の増加傾向,破骨細胞数の減少傾向を確認した。また,ポケット接合上皮に生じた上皮脚の伸長とポケット上皮の根尖側への側方増殖が軽減した。以上の結果より,排膿散及湯が歯周炎に対して抗炎症作用を有する可能性が示唆された。
著者
王 珏
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.63-69, 2023-09-29 (Released:2023-09-29)
参考文献数
30

制御感とは,個人が望ましい結果を得る能力や望ましくない結果を避ける能力を持っていると自覚している心理的状態を指す。この概念は社会学者によって研究されてきたが,近年,消費者の制御感の影響に着目した研究が注目を集めている。しかし,当該領域全体を俯瞰するレビュー論文は未だ存在しない。そこで,本稿では,消費者制御感に関する既存研究を(1)制御感と補償的行動,(2)制御感と感情対処,(3)制御感と慈善行動,(4)消費者の制御欲という4つの研究潮流に分けて,概観する。そして,今後の研究課題として,(a)制御感の先行要因の探求,(b)制御感の低下による補償的行動の背後にある心理メカニズムの探求,(c)制御欲の調整効果の探究の3つの課題を提示する。
著者
趙 賢株 髙田 光雄 生川 慶一郎 河野 学 伊丹 絵美子 中西 眞弓 式 王美子
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.25, no.60, pp.807-812, 2019-06-20 (Released:2019-06-20)
参考文献数
5
被引用文献数
3 2

This paper identifies residential preference of child-rearing households based on questionnaire and interview survey. The results of this paper are as follows : 1) Child-rearing households tend to move in the same area, and in area well-known; 2) Single parent households tend to value the education environment and local community; 3) Working single parent households tend to value the proximity of housing, a school and a workplace to improve efficiency of commuting and taking their children to school; 4) Child-rearing households with children aged 0to2, 3to5, and schoolchildren tend to value housing performance, educational environment, and children’s school and friendship, respect.
著者
投野 由紀夫 三宅 登之 周 育佳 パルマヒル フロリンダ 川本 渚凡 根岸 雅史 西畑 香里 藤縄 康弘 秋廣 尚恵 ティプティエンポン コシット 王 ウェイトン 山田 洋平 望月 圭子 加藤 晴子 森田 耕司
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究は、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)を我が国の外国語教育に応用するため開発された CEFR-J の開発成果を応用し、多言語教育資源をコーパス言語学や自然言語処理の手法を援用して組織的に整備する手法の考案と、その資源を具体的な教育システムに結びつけるための言語共通の汎用シラバスを開発、実際のコースコンテンツを開発し東京外国語大学の28言語専攻のうち、実験的に実装をいくつかの言語で試みるものである。特に汎用のCan-Do リストと汎用シラバスを組み合わせた教材を開発し、その教授結果を測定評価する Can-Do テストをセットで考案することで、国際的に価値のある言語教育資源の開発を目指す。
著者
王寺 賢太
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究では、フランス啓蒙期の政治思想史を、モンテスキュー、ルソー、ディドロにおける「立法者」問題に焦点を当てて描き出す。「立法者」問題とは、理想的な政治体の「(再)創設」という政治的行為の問題であり、三人の思想家において、その政治的行為の理想は、社会のあり方や政治体構成員の意志に基づく、自律的=再帰的な統治の回路を創出することに置かれた。まただからこそ、「立法者」は、成功の暁には自ら消滅すべき逆説的存在とされる。この逆説が示唆するのは、政治的自律の理想の実現の困難であり、その困難こそが、ルソーの「公民宗教」問題や、ディドロの「革命の連続」としての「歴史」の概念には見てとれるのである。