著者
笠森 周護 田中 輝彰 菅田 秀俊
出版者
金沢大学
雑誌
金沢大学十全医学会雑誌 (ISSN:00227226)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.34-41, 1958-01-20
著者
銅島 裕子 田中 輝美
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.86-95, 2014

本事例は,夫から言われた過去の否定的発言を思い出しては「夫がゆるせない」と夫への恨みを訴え,さらに「自分はダメな人間だ」と抑うつを伴う自責的な反芻思考をする女性に,抑うつと怒りの軽減を目的とし,"ゆるし"に着目したカウンセリングを実施したものである。筆者はカウンセラーとして関わり,約11か月合計20回にわたる面接を行った。アプローチの概要は,否定的な気分になったときの状況・思考などを記録用紙に書く自己モニタリングや,気晴らしなどの注意転換による認知・感情面への心理的援助によって,夫への恨みや自責的な考えの反芻減少を試みたことである。また夫婦間交流を増やすために,夫婦の出会った頃のイメージを回想する,夫の趣味や仕事を妻も共有する,夫がいてありがたいと思えることの再確認,さらには自己主張訓練で夫に自分の主張や感謝を伝えるなどの具体的な課題を実施した。そのような夫婦関係の行動面への援助をした結果,クライエントは「夫のことが気にならなくなった」と話し,夫婦関係改善に至り,婚姻関係を継続した。相談終了時の心理テストの結果においてもネガティヴな反芻思考が軽減し,うつ気分も改善されたことが確認された。
著者
奥田 耕助 田中 輝幸
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.145, no.4, pp.183-186, 2015 (Released:2015-04-10)
参考文献数
28

Cyclin-dependent kinase-like 5(CDKL5)遺伝子はXp22領域に位置し,mitogen-activated kinases(MAPKs)およびcyclin-dependent kinases(CDKs)と相同性のあるリン酸化酵素CDKL5をコードする.2003年以降,早期発症難治性てんかんを伴う重度発達障害である「X連鎖性ウエスト症候群」および「非典型レット症候群」の患児においてCDKL5遺伝子変異の報告が相次ぎ,CDKL5はてんかん・発達障害の原因遺伝子として注目を集めている.CDKL5遺伝子の主な病因変異は,リン酸化酵素活性の阻害かタンパク質自体の喪失を来すloss-of-function変異である.CDKL5タンパク質は神経細胞の核と細胞質に分布し,細胞質では成長円錐,樹状突起,樹状突起スパイン,興奮性シナプスに局在する.これまでにCDKL5は,Rho-GTPase Rac1と相互作用し,BDNF-Rac1シグナリングを介して神経細胞樹状突起の形態形成を制御すること,興奮性シナプス後部においてNGL-1をリン酸化し,NGL-1とPSD-95の結合を強化し,スパイン形態とシナプス活動を安定化すること,さらにパルミトイル化PSD-95と結合し,その結合がCDKL5のシナプス標的と樹状突起スパイン形成を制御することなどが明らかにされた.また2つの研究室からCdkl5ノックアウトマウスの作製・解析が報告され,活動性変化,運動障害,不安様行動の減少,自閉症様の障害,恐怖記憶の障害,事象関連電位の変化,複数のシグナル伝達経路の障害,けいれん誘発薬に対する脳波反応の異常,樹状突起の分枝異常,歯状回神経新生の変化などが同定された.以上の結果と我々独自のデータから,CDKL5は興奮性シナプス伝達を調節し,ヒトのCDKL5変異に伴う病態がシナプス機能異常であることが示唆される.
著者
菱沼 利彰 藤井 昭宏 田中 輝雄 長谷川 秀彦
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.25-33, 2014-12-16

高精度演算を用いることでKrylov部分空間法の収束を改善できるが,高精度演算はコストが高いことが知られている.高精度演算の1つに,倍精度を2つ組み合わせて4倍精度演算を行う倍々精度演算がある.我々は,IntelのSIMD拡張命令であるAVX2を用いてBCRS形式の倍精度疎行列と倍々精度ベクトルの積(DD-SpMV)の高速化を行った.AVX2を用いたCRS形式のDD-SpMVでは,各行で端数処理などを必要とするが,BCRS形式は端数処理をなくし,メモリアクセスを改善できる.しかし,BCRS形式は演算量が増加する.本論文では,AVX2に適したBCRS形式のブロックサイズと,増加した演算量と端数処理の削減,メモリアクセスの改善効果のトレードオフについて示した.実験の結果,AVX2に最も適したブロックサイズは4×1であることが分かった.また,メモリアクセスの改善効果はサイズの大きい問題ほど有効で,行列サイズが10 5以上のとき,演算量が3.3倍以上になるケースにおいても,BCRS4×1にすることでCRS形式の実行時間を約45%に短縮できることを確認した.
著者
坂本真貴人 藤井昭宏 田中輝雄
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2013-HPC-138, no.6, pp.1-7, 2013-02-14

行列行列積を計算する DGEMM の性能は,さまざまな科学技術計算において重要である.DGEMM の高速化の手法の 1 つに Strassen のアルゴリズムがある.これは再帰的アルゴリズムであり,適用する回数を増やすことで計算量を O(N3) から O(Nlog7) まで削減することができる.しかし,計算機や行列サイズに合わせた適切な回数を選択しないと高速化できない.本研究では,Strassen のアルゴリズムを,自動チューニング機能付きの線形代数ライブラリである ATLAS をベースにして組み合わせた.そして,最適な適用回数を自動的に選択する機能をもつ行列行列積計算ライブラリを試作し,計算性能の評価を行った.実験の結果,さまざまな行列サイズで ATLAS 単体より高い性能を引き出すことができた.また,通常の方法に比べて誤差がどの程度になるか確認した.
著者
田中 輝海 水落 文夫
出版者
日本スポーツ心理学会
雑誌
スポーツ心理学研究 (ISSN:03887014)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.43-57, 2013 (Released:2013-04-27)
参考文献数
38
被引用文献数
8

In the present study we aimed to confirm that no antagonistic relation exists in the expression between positive and negative affects in male university athletes, and to examine the relation of the positive affect in coping with an aggravating burnout tendency. The subjects for analysis were 456 male university athletes belonging to athletic clubs. We evaluated the positive and negative affects that were characteristic of these athletes by the Japanese version of the Positive and Negative Affect Schedule (PANAS) scales. By making an inter-group comparison of the burnout tendency that was classified by the two affects evaluated by the Athletic Burnout Inventory, we obtained the following findings:1) It was confirmed that, even among male university athletes, the expressions of positive and negative affects did not show any mutually antagonistic relationship.2) It was suggested that the relation of the positive affect toward the aggravated burnout tendency acted in a suppressive manner.3) The athletes who usually had a higher level of the expression of negative affect were prone to rather show a suppressive effect from the positive affect upon the burnout tendency. This was observed for all the factors, such as a feeling of emotional exhaustion toward a sports event, a decrease in the individual sense of accomplishment, a lack of communication with his teammates, and a confused self-commitment to a sports event.
著者
田中 輝明 小山 司
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.979-985, 2009-09-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1

単極性うつ病と双極性うつ病では治療アプローチが異なるため,「うつ病」診療においては早期診断が重要な鍵となる.抑うつ症状のみで鑑別することは困難であるが,双極性うつ病では非定型症状や躁成分の混入が診断の手掛かりとなることもある.双極性障害の診断には(軽)躁病エピソードの存在が必須であるが,患者の認識は乏しく,周囲からも注意深く(軽)躁症状の有無を聴取する必要がある.双極性障害のスクリーニングには自記式質問紙票も有用である.また,パーソナリティ障害や薬物依存などの併存も多く,複雑な病像を呈するため注意を要する.双極スペクトラムの観点から,双極性障害の家族歴や抗うつ薬による躁転などbipolarityについても確認することが望ましい.双極性障害の薬物治療としては,エピソードにかかわらず気分安定薬が第一選択であり,有効性や副作用(躁転や急速交代化)の面から,抗うつ薬の使用には慎重さが求められる.
著者
横塚 保 斎藤 伸生 奥原 章 田中 輝男
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.165-170, 1969
被引用文献数
2 9

グリシンの呈味作用について研究の結果,つぎのような知見を得た.<br> (1) グリシンそれ自体は甘味を呈し,何ら旨味を呈しない.<br> (2) グリシンとL-グルタミン酸ソーダあるいはL-アスパラギン酸ソ-ダ間には旨味に関する2因子相乗効果は認められない.<br> (3) グリシンと核酸系呈味物質間にも2因子相乗効果は認められない.<br> (4) グリシンは核酸系呈味物質の旨味をL-グルタミン酸ソーダ,あるいはL-アスパラギン酸ソーダの存在下で顕著に活性化させる性質がある.すなわち,すでに知られている核酸系呈味物質とL-グルタミン酸(L-アスパラギン酸)間の2因子相乗効果とは全く別質の3因子相乗効果が,グリシン,核酸系呈味物質,L-グルタミン酸ソーダあるいはL-アスパラギン酸ソーダの3者間に存在することを見い出した.<br> (5) このグリシンの旨味増強作用は単に甘味によるものではなく,特異的な呈味作用である.<br> (6) この3因子相乗効果において,グリシン対核酸系呈味物質の混合比はかなり広範囲にわたって適用することができるが,相乗効果を有意に働かせるためには,効果的な混合比と適正な濃度が存在する.<br> (7)このグリシンの旨味増強作用は食品の新製品開発,風味改善,コスト・ダウン等に有効に応用されるものである.これらの応用面については特として公告告および出願中<sup>(24)</sup>である.
著者
坂本 真貴人 藤井 昭宏 田中 輝雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.97, no.3, pp.405-413, 2014-03-01

さまざまな科学技術計算で用いられる行列行列積計算の高速化手法の一つに,Strassenのアルゴリズムがある.これは1回の適用で計算量を約7/8に削減するアルゴリズムである.また,このアルゴリズムは再帰的に適用することができ,段数(Strassenの適用回数)を増やすことで計算量をO(N^3)からO(N^<log_2 7>)まで削減できる.高速化のためには,計算機環境に合わせて適切な段数を選択する必要がある.適切な段数は行列サイズごとに決まるのでチューニングに多くの時間を要する.本研究では,線形代数ライブラリATLASをベースとしたStrassenの段数を自動チューニングする行列積計算ライブラリSAT Lib(Strassen Auto Tuning Library)を試作した.SAT LibではStrassen及びATLASの特性を利用し,チューニングにかかる時間を削減する.SAT Libの評価を行った結果,全行列サイズを計測する場合に比べXeon X5660上で約1/61,Intel Core i7 2600上では約1/53までチューニング時間を削減できた.
著者
田中 輝和 的野 春樹 石川 亮 我妻 壽彦 水野 皓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.287, pp.49-56, 2003-08-27

ミリ波は雨,霧,塵,炎等を透過する.またあらゆる物体から熱輻射によるミリ波が放射されている.これをイメージング技術に応用すると,火災時の物体のイメージング,噴煙火山の観測,衣服の下の武器や爆発物等の検知が可能になる.我々は35GHz帯パッシブ・イメージング装置を開発しており,そこでは,高感度,低雑音,広帯域のデバイスが要求される.本論文では,実時間観測を可能とするイメージングアレイの平面構造受信素子に装着する広帯域検波回路の設計と実験について述べる.広帯域に亙って整合をとるために,通常のテーパー線路型整合回路の設計手法に改良を加え,8GHz (23%)の整合帯域をもつ回路の開発に成功した.またこの回路を実際にアンテナ・受信回路一体型の受信機へ応用して,ミリ波帯パッシブイメージングを行った結果を示す.
著者
前川 佳遠理 大久保 由里 北岡 タマ子 田中 輝 ライデルマイヤ マーガレット フェルフーフェン ポール 戸塚 順子 内海 愛子 ランゲン ヨハン・ファン
出版者
国文学研究資料館
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2007

国内外の史料所蔵機関のウェブサイトやカタログの収集に加え訪問調査を行い、個人・全国の戦友会・団体の事務局に質問票を郵送し、アンケートの集計を行った。個人・戦友会・団体の活動履歴や所蔵資料を国際文書館評議会ICAの国際標準「団体,個人,家に関する記録史料オーソリティ・レコード:ISAAR (CPF) Ver.2」に準拠して作成し公開準備を行った。本課題を機に戦友会事務局資料を中心に寄贈が進み、順次公開の予定である。国外ではインドネシア及び在オランダを中心に東南アジアの戦中・戦後の資料所在情報を調査し、特に俘虜銘々票の原本や原爆被害者調査委員会の原本資料のデジタル化・データベース化を通じた共有化モデルのプロジェクトに発展した。