著者
小山 能徹 阿部 正 石崎 俊太 又井 一雄 大熊 誠尚 山崎 哲資 衛藤 謙
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.74, no.8, pp.491-494, 2021 (Released:2021-07-29)
参考文献数
13

症例は19歳男性.自宅で自身で鉛筆を経肛門的に挿入し,摘出困難となったが,症状を認めなかったため様子をみていた.しかし翌日に下腹部痛,血便を認めたため,近医受診.対応困難とのことで当院に救急搬送となった.当院での腹部レントゲンおよび腹部CTではS状結腸から直腸上部にかけて棒状の構造物を認めた.肛門からの用手的摘出が困難であったため,内視鏡的に摘出した.入院後は特に腹部症状増悪なく,術後4日目に無事退院となった.
著者
井上 孝 長田 孝治 石崎 俊
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.666-672, 2015-12-01 (Released:2015-12-01)
参考文献数
4

国際標準化機構(ISO)では用語や言語資源の標準化を担当するTC 37において翻訳・通訳関連規格の制定作業を行っており,その一環として翻訳サービスの品質保証に関するISO 17100規格が最近制定された。この規格は翻訳サービスの品質を確保するために翻訳サービス提供者が満たすべき要件を規定するもので,翻訳案件を1つのプロジェクトと見なし,仕様書に従って適切なプロジェクト管理のもとで遂行することを基本としている。本稿では同規格の内容を紹介するとともに,規格制定を主導したヨーロッパと日本との事情の相違など,今後の普及・発展に必要と考えられる問題点についても触れる。
著者
石崎 俊
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.329-334, 1986-04-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
18
著者
石崎 俊 田中 茂範 今井 むつみ
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.28, pp.17-24, 1994-03-17
被引用文献数
6

自然な発話状況における対話では、従来の文法に基づいて判断するとおかしいが、意味は自然でよく分かる文が多く見られる。そのような対話文では意味を主体にした解析手法が望ましい。しかし、従来の意味解析手法や辞書の機能では「固い」ため、そのような意味解析を実行するには不十分なことが多い。そこで、本研究では、従来よりも柔軟な意味解析機構をもつモデルの構築を目標とし、それに適した意味解析法と、概念辞書における距離空間の導入について基礎的な検討を行う。概念辞書において概念間の距離を、従来のように階層構造をたどるのではなく、多次元尺度法を用いて定量的に距離を測ることによって距離空間を構成することを検討する。次に、状態を表す概念を指標としたSD法を用いて意味空間における距離を計算し、動的な意味の変化について基礎的な検討を行う。In spontaneous conversation, we have many ungrammatical but semantically natural sentences. Analysis based on semantics or context seems appropriate for such conversational texts. The traditional methods for semantic analysis or structures of concept dictionaries are not enough to treat with such texts. This paper discusses, therefore, a computational model which has a flexible mechanism for semantic analysis and discusses functions and a structure which concept dictionaries should have. For example, using cognitive psychological experiments, MDS method, a metric space among concepts can be organized. Then, SD method using concepts of state as parameters introduces a metric space where dynamic semantic analysis can be formalized. This paper discusses possibilities of these new approaches.
著者
町 好雄 劉 超 藤平 光一 石崎 俊明 浜岡 勤 古田土 節夫
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.100-106, 2001-03-01

心身統一合氣道は(財)氣の研究会宗主籐平光一氏の創見によるものである。氏は、植芝盛平翁を開祖とする合氣道のすべての動きを、自ら心身統一という観点から詳細に確認された。心身統一合氣道は他人から攻撃された場合に身を守る護身の武道であり、呼吸法がきわめて重要な役割を果たしている。今回は、上級者と初心者に合氣道の呼吸を行ってもらい、それが心電図、脳波、血圧などの生理データに与える効果を測定したものである。その結果、上級者は交感神経系を事前から高め、合氣の呼吸時にはむしろリラックスしているが、初心者は合氣中には交感神経系を高めており、また上級者で脳波から口呼吸(心身統一合氣道の方法)と鼻呼吸を比較し、鼻から吸い、口から吐く呼吸(口呼吸と記す)の場合にアルファ波の広がりが確認できた。
著者
伊藤 竜次 澤原 裕一 石崎 俊雄 粟井 郁雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.10, pp.85-90, 2014-04-17

結合共振器型WPTシステムの伝送効率、入力インピーダンス、共振器の無負荷Qなどの基本量には複数の測定法が存在する。ところが異なる方法による測定結果は往々にして異なった値をもたらす。それらの原因を究明することを通じて当システムの物理をより明確に理解するとともに、新しい展開の芽を探索する。
著者
石崎 俊
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.404-408, 2019-09-01 (Released:2019-09-01)

専門分野の用語(ターミノロジー)は多分野との情報流通のために必要であり,今後ますます重要になるので,国内外での情報流通のための専門用語の管理や概念体系の作成などの活動の概要を説明する。情報流通の重要な手段としては,国内外における用語の標準化活動があるので,過去の経緯や現在の課題,今後の可能性などについて概要をまとめる。まず情報技術の標準化を担当するISO/IEC/JTC 1における用語の標準化について概要を説明し,次いで,言語と用語の標準化を担当するISO/TC 37における翻訳・通訳も含めた用語の標準化の概要を説明する。JIS法が産業標準化法に改正されることに伴って,翻訳サービスなどに用いる用語のJIS化の動きについても概要も説明する。
著者
渡邊 紀文 石崎 俊
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.383-393, 2006 (Released:2007-04-20)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

視覚情報処理における結び付け問題は, 脳における情報表現の大きな未解決問題である. 現在神経科学の分野では, 脳の局所的な部分を観測し, それらの実験データを利用したモデルが作成されている. このようなモデル化の中で結び付け問題は, 脳においてどのように情報が表現されそして伝達されているのかを明らかにする重要な問題となっている. 本研究では, テンポラルコーディングとダイナミカル・セル・アセンブリの理論を適用した結び付け問題を解くシミュレータを構築する. このモデルでは, 神経生理学で提案されている電気緊張距離 (morphoelectorotonic transform) の理論を用いる. 本シミュレーション実験によって, 電気緊張距離を用いることでセル・アセンブリを実現し, ニューロン間の距離を学習することで結び付け問題を解決することが出来ることを示した.
著者
石崎 俊
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.8, pp.335-340, 2015

ISO/TC37はすべての標準化活動の基盤となる用語に関する標準を中心に60年以上の歴史を持つ。近年はコンピュータによる大規模言語資源の管理と利用,さらに翻訳と通訳などの分野にも国際標準化活動を展開している。TC37の標準化組織,標準化活動に参加する国々,リエゾン,制定した国際標準などを紹介する。具体的には,5つの分科会が担当する標準化テーマは,用語の標準化の原則と手法,用語辞書の編纂法,コンピュータによる用語データの管理法,大規模言語資源の管理法,翻訳と通訳などを含む。2015年6月には日本の松江市で,TC37としては初めて日本における総会を開催した。これを一つの契機に積極的な標準化活動を展開していく。
著者
坂口 琢哉 石崎 俊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.130, pp.9-12, 2004-12-20
参考文献数
9

大規模なスポーツのリーグ戦などで試合日程を作成する際,考慮すべき要素の一つに各チームの移動距離の最小化が挙げられる.本稿ではこの問題を組み合わせ最適化問題と捉え,ニューラルネットワークを用いて総移動距離の短い試合日程を作成するモデルを提案した.提案モデルにおいて,試合日程作成のために必要不可欠な制約は制約層のニューロン,一方チームの長距離移動抑制や連続した同一対戦試合の禁止といった付加的な条件は側抑制として符号化した.また,本モデルを日本のプロ野球のセ・リーグ公式戦日程に適用した結果,総移動距離が現状に対し約60%であるような試合日程を作成できた.When creating the schedule of a major sports league or so, the minimization of total travel cost for each team is one of the most important factors we should consider. In this study we regarded this problem as combinational optimization problem, proposed a model with neural network architecture creating a schedule with keeping total travel cost low. We encoded several constraints essential for consistent scheduling as neurons in a constraint layer, while additional factors inhibiting long-range travel or same match-up series as lateral inhibition. We applied this model to the schedule of NPB(Nippon Professional Baseball) Central League, and succeeded to create a schedule in which total travel cost was about 60% compared to the real schedule.
著者
寺岡 丈博 東中 竜一郎 岡本 潤 石崎 俊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.335-346, 2013 (Released:2013-04-12)
参考文献数
28
被引用文献数
4

Metonymy is a figure of speech, where one item's name represents another item which usually has a close relation with the first one. Metonymic expressions need to be correctly detected and interpreted because sentences including such expressions have different meanings from literal ones; computer systems may output inappropriate results in natural language processing. In previous studies, detecting metonymies has been done mainly by taking one of the following two approaches: rule-based approach and statistical one. The former uses semantic networks and rules to interpret metonymy. The latter uses corpus-based metonymy resolution with machine learning techniques. One of the problems of the current metonymy detection is that using mainly syntactic and semantic information may not be enough to detect metonymic expressions because it has been pointed out that metonymic expressions have relations to associative relations between words. In this paper, we propose an associative approach for detecting them. By using associative information between words in a sentence, we train a decision tree to detect metonymic expressions in a sentence. We evaluated our method by comparing with four baseline methods based on previous studies that use a thesaurus or co-occurrence information. Experimental results show that our method has significantly better accuracy (0.83) of judging metonymic expressions than those of the baselines. It also achieves better recall (0.73), precision (0.85), and F-measure (0.79) in detecting Japanese metonymic expressions, achieving state-of-the-art performance.
著者
関野 とも子 古木 忍 石崎 俊
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.231-240, 2003 (Released:2006-04-21)
参考文献数
17
被引用文献数
1 4

仮名1文字の音読はほぼ良好だが,仮名無意味綴りの音読に著明な障害を示す phonological dyslexia1例に対し,文字表記形態を操作した仮名単語(実在語) の音読課題を実施し,その反応パターンの分析から症状の発現機序について考察した。本例は,単語親密度および表記妥当性の高い(つまり形態親近性が高い) 語の場合は,良好な音読成績を示す。しかし表記妥当性の低い語は,1文字ずつ音韻変換をはかる逐字読みのストラテジーを用いようと試みるのだが,変換した一部の音韻から目標語とはかけ離れた別の語を連想,表出するといった形態的錯読ともいえる反応が頻発した。したがって本例の仮名単語音読処理は文字列の形態親近性の識別が先行し,それが高いものは Warringtonら(1980) の語形態処理モデルに相当する形態処理ルートを,低いものは逐字読みルートを経由するが,本例ではそのうちの後者が特異的に障害されていると考えられた。
著者
坂口 琢哉 石崎 俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.697, pp.9-16, 2001-03-15
被引用文献数
3

本研究では人間が持つ記憶,特に概念とその関係の構造について,連想概念辞書とパルスニューラルネットワークによるモデルを構築した.また本モデルの自然言語処理への応用として,比喩を理解するシステムを構築した.そしてこれを評価する為,人間の比喩理解に関するアンケートを実施し,本システムの出力結果との比較を行った.
著者
井佐原 均 池田 尚志 石崎 俊
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.279-280, 1989-03-15

日本語の文は、英語などに比べて、修飾句の順序に関する構文的制約が少ない。従って、日本語文からの格関係の抽出においては、修飾句に含まれる助詞の情報や文脈情報などさまざまな情報を用いて、格関係を決定していくことになる。そのような情報のなかで、助詞の情報(場合によっては、助詞が用いられていないという情報)は最も取扱いやすい情報であるが、助詞の情報とその係る用言の性質とだけでは、この修飾句が用言に対してどのような情報を担っているかを判定するには十分ではない。 本稿では、まず助詞「から」が持つ情報を分類する。次に各分類の判定基準について述べる。なお、データとしては、1985年11月2日から1988年3月8日までの朝日新聞に現われた経済活動に関する459の新間記事に含まれていた416の「から」を用いている。
著者
安藤まや 関根 聡 石崎 俊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.98, pp.77-82, 2003-09-29
参考文献数
6
被引用文献数
7

高度な自然言語処理を行なう際には、構文情報のみならずさまざまな語と語の関連情報が重要となってくる。我々は「トマトなどの野菜」といった定型表現を用いて、新聞記事から、名詞の下位概念を自動的に抽出する手法を提案する。7種の定型表現を作成し、6年分の新聞記事をコーパスとして下位概念を抽出した。その結果、ほぼ6割以上の正解率で下位概念が得られた。また、抽出した下位概念と、人間が連想した下位概念との比較をおこない、2人以上の被験者が連想した下位概念のうち、平均85%の下位概念をコーパスから自動抽出することができた。Not only syntactic information but also semantic relationships between words are important in advanced natural language processing. We describe a method to automatically extract hyponyms from newspaper. First, we discover patterns which can extract hyponyms of a noun, such as "A nado-no B (B such as A)", then we apply the patterns to the newspaper corpus to extract instances. The precision is 60-90 percent depending on the patterns. We compare the extracted hyponyms and those associated by human. 85 percent of the words associated by more than 1 person are extracted automatically.
著者
石崎 俊子 佐藤 弘毅
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

携帯電話日本語学習サイトの構築と実践を通して利用実態と利用動向を明らかにした。学習環境の常設性、学習ニーズに関する即時性、学習の接続性という役割を十分果たしていると言える反面、文字の入力と問題形式に問題があったことから、日本語初級学習者にはページ移動及び日本語入力のない問題形式、つまり穴埋め問題を活用すると効果的に学習できると分析する。
著者
内田 ユリ子 石崎 俊 井佐原 均
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.245-246, 1989-03-15
被引用文献数
1

テキストは、その構成部品がある原理に従って配列されたものであるが、その配列原理の如何について広く受け入れられるような解答は存在していない。テキストを構成する部品の単位には、語、句、節、文、更にパラグラフや、章、巻なども考えられる。ここでは、これら全てを総称して、セグメントとよぶことにする。テキストにはそれを構成するセグメントの間の統語的関係(結束性、cohesive)と共に、内容的な連関性(首尾一貫性、coherence)が存在する。結束性が統語的な言語上の手段--例えば、代名詞による指示、接続詞や接続副詞による結び付け、類義語や類義表現による言い替えなど--によるのに対して首尾一貫性は、主として、書き手と読み手の言語外の知識や手段--例えば、現実世界に関する知識、書き手・読み手の仮定や推論など--による談話やテキストの内容のまとまりを指す。複数パラグラフよりなるテキストの場合は、1つのパラグラフ内部にはもとより、パラグラフ同士の間にも内容的な連関性が存在する。首尾一貫性は、テキスト全体に及ぶものであるが、結束性についても局所的なものばかりでなく、パラグラフを超えて働く統語制約(例えば、再参照による冠詞theの生成など)も考えられる。従来の研究では、テキストの構成要素の間の内容的連関性に関しては、主として文や節を対象として議論されてきたが、本稿では、複数パラグラフよりなるテキストのパラグラフ間の構造的連関性にも適用できる理論として、テキストの意味表現構造と首尾一貫性の関係、および読み手の持つ情報の新旧と首尾一貫性との関係に付いて述べる。また、首尾一貫性のあるテキストの実例を示し、それのパラグラフ構成とテキストの背後にある情報構造との関係について検討し、テキスト生成との関連も述べる。
著者
町 好雄 劉 超 藤平 光一 石崎 俊明 浜岡 勤 古田土 節夫
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.404-410, 2001-09-01

氣合氣道の氣を調べるために、折れない腕という実験を行った。これは氣が力ではないということを見せるために行われる方法であるが、この時の生理的測定を行った。その結果、氣の状態における場合でも力を利用場合に比べ交感神経系の活動を半分程度で行っていることが分かった。この報告では気で阻止する場合に息を吐いていることがわかった。これが氣の力に結びついていると考える。力の場合は息を止めて力を出しているのとは全く異なる。
著者
中西 卓哉 今井 むつみ 石崎 俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.96, no.593, pp.31-38, 1997-03-18
被引用文献数
2

自然言語を用いて、遠く離れた人どうしが、互いに仮想空間の中のオブジェクトを操作できるようにする臨場感通信会議システムの研究が試みられている。しかし、そこでは、空間記述における自然言語の曖昧性が問題になっている。たとえば、「ボールが黄色い車の左側にある」といった場合、どこまでが左の領域で、どこからが左の領域でないのかという境界をはっきりと決めることはできない。さらに、ボールが話し手にとっての左側にあるのか、車自身にとっての左側にあるのか、特定することも難しい。そこで、本研究は、参照物体の種類や、向きなどが変わる状況を考慮した認知実験を行なった。また、空間指示モデルにおいて近似的な前後左右の領域を決定するためデータをとり、研究を進めた。