著者
石川 達也 竹内 大介 玉山(加藤) 葉 倉島 彰
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.20-00075, (Released:2021-06-11)
参考文献数
27
被引用文献数
3

三重県早田浦の磯焼け海域で2010年2月から2019年12月にガンガゼ類の除去実験を行った。ガンガゼ類はダイバーおよび船舶からの捕獲により除去した。磯焼け海域に除去区を3区設け,海藻被度とウニ類,サザエ,アワビ類の密度を調査した。継続的な除去でガンガゼ類密度が低く保った結果,除去区の海藻被度が増加した。また,除去前と比較してガンガゼ類以外のムラサキウニやナガウニ類等のウニ類密度が増加し,ウニ類の種数増加が認められた。除去前に確認されなかったサザエやアワビ類が,海藻被度が増加した後に確認された。
著者
石川 達也 倉島 彰
出版者
日本ベントス学会
雑誌
日本ベントス学会誌 (ISSN:1345112X)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.20-26, 2022-12-25 (Released:2023-01-27)
参考文献数
36

This study examines the effects of removing long-spined sea urchin species Diadema setosum on algal coverage, biomass, and sessile animal biomass in experimental plots that simulate barren grounds. Algal coverage and biomass increased in removal plots, and no algae were observed in non-removal plots where D. setosum was maintained at high density. A positive correlation was found between the algal coverage and biomass in the removal plots. Further, sessile animal biomass in the removal plots was higher than that in the non-removal plots. Our results suggest that the feeding pressure of D. setosum affects not only algal coverage and biomass but also sessile animal biomass.
著者
湯浅 直樹 石川 達也 徳岡 健太郎 北川 泰久 高木 繁治
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.422-425, 2008 (Released:2008-06-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1

症例は17歳男性である.1歳1カ月の頃左上下肢麻痺が出現し,某大学病院へ搬送され原因不明の急性小児片麻痺と診断された.麻痺は約2週間で改善し,原因不明のまま以後再発なく経過していた.17歳になり頭部外傷で当院へ搬送された.頭部CT施行したところ,右放線冠~基底核にかけて陳旧性脳梗塞をみとめたため精査をおこなった.その結果,メチレンテトラヒドロ還元酵素(MTHFR)欠損(V/V型)による高ホモシステイン血症と診断された.MTHFR欠損は先天性アミノ酸代謝異常の新生児マススクリーニングで検出されないため,診断が遅れることがあり注意を要する.
著者
石川 達也 戸瀨 太貴 阿部 真比古 岩尾 豊紀 森田 晃央 前川 行幸 倉島 彰
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.16-00085, (Released:2017-06-27)
参考文献数
33
被引用文献数
7

2010年からガンガゼ類除去による藻場再生が行われている三重県早田浦に10調査地点を設け,1999年,2004年,2014年の計3回,海藻植生を素潜りによって広域的に調査した。湾奥部は,1999年にはガンガゼ類が優占する磯焼け域であったが,ガンガゼ類除去後の2014年には磯焼けから藻場の再生が認められ,ホンダワラ類や小型海藻の種数が大きく増加した。一方,湾口部では調査期間を通して藻場ガラモ場や一年生コンブ目藻場が維持され,海藻種数に大きな変化は見られなかった。
著者
石川 達也 犬飼 道雄 森元 真理江 田中 真紀 藤田 久美子 西山 武 西山 剛史 梶谷 伸顕
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.1203-1206, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
13

【目的】高負荷運動療法施行が困難である超高齢者のサルコペニアに対して、栄養療法+低負荷運動療法を行い、プロトコールの安全性と身体に与える影響について検討した。【対象及び方法】栄養状態良好でサルコペニアと診断された76名のうち、高負荷運動療法施行が困難と判断し、栄養療法+低負荷運動療法を実施した23名を後方視的に検討した。週3回3か月間栄養療法+低負荷運動療法を行い、栄養状態や身体能力の評価を行った。【結果】完遂率91.3%、運動療法中断率5.2%、運動療法後栄養療法不能例はなかった。歩行速度、Timed Up and Go (TUG) 、Short PhysicalPerformance Battery (SPPB) で有意に改善した。【結論】栄養療法+低負荷運動療法は安全に行えたが、効果は限定的であった。
著者
塚本 東子 石川 達也 張 尚美 水野 久美子
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF CHILD NEUROLOGY
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.523-527, 2001-11-01
参考文献数
22
被引用文献数
2

歳で発症したナルコレプシーの1男児例を報告した. 症例は, 昼間の眠気過剰・睡眠発作で発症し, その後, 情動性脱力発作および夜間睡眠分断を呈した.睡眠ポリグラフ検査では, 入眠時REM睡眠期 (sleep-onset REM period, SOREMP) が出現し, ヒト主要組織抗原 (HLA) は, DR2およびDQB1*0602が陽性であった. 治療は, 昼間の眠気に対しmethylphenidate, 情動性脱力発作に対しclomipramineを用い有効であった. 思春期前発症のナルコレプシー患者は行動異常を伴うことが多く, てんかん, 注意欠陥多動性障害と誤診されたり, 周囲から怠け者とみられることもあり, 特に本症例のような就学児の場合は, 早期診断治療と周囲の理解, 援助が必要である.
著者
中尾 寿朗 荒尾 真樹 藤本 幸一 細野 正彦 谷口 正宏 石川 達也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.83, pp.15-21, 2001-09-06
被引用文献数
4

近年インターネットやモバイル端末の急速な普及によって鉄道においても様々なIT活用サービスが提案されている。本開発では切符の機能をモバイル端末で実現する鉄道向け電子チケット(以下デジタルチケットと呼ぶ)システムを構築した。デジタルチケットは切符の取引や予約をモバイル環境で可能にし「いつでもどこでも切符が買えて、そのまま改札を通過できる」という利便性が期待できる。実現にあたっては、(1)チケット取引・使用の安全性確保 (2)モバイル端末での操作利便性の実現 (3)自動改札判定の高機能対応と高速化、といった主要な課題を解決した。評価システムの構築、実現性の検証、実用化に向けての課題について考察する。また、デジタルチケットの実現により新たに創出が可能となるサービスを検討し、一例として運用を予定している「自動改札機連動モバイル情報配信サービス:goopas(グーパス)」について、その概要を紹介する。The Automatic Fare Collection (AFC) System has started change the form of tickets from magnetic ones to IC cards and prepaid cards. On the other hand, the explosive spread of cellular phones has induced the idea of building an IC card into cellular phones carried by commuters so that the cellular phones will incorporate a train ticket function. The users can expect the convenience that they can buy virtual tickets anywhere and anytime and pass the ticket gates. The following technical themes are important items awaiting solution for mobile equipments to handle digital tickets. This paper reports a solution to the items with an evaluation result and the actualization of solution. (1) Security in dealing with or using digital tickets (2) Ease of use of function built into PDA and cellular phone units (3) Improvement in the response speed of an automatic ticket gates. Furthermore, realization of a digital ticket considered the service whose creation is newly attained. As an example, we introduce the outline about the information distribution service interlocked with the automatic ticket gates.
著者
石川達也[ほか]著
出版者
医歯薬出版
巻号頁・発行日
2002
著者
高瀬 保晶 平井 義人 石川 達也 牛木 猛雄
出版者
東京歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

金型と同一試料模型の光学式三次元座標入力装置にて得られた三次元点群データとを比較検討した結果,三次元計測では傾斜の大きな軸面部,また鋭角な隅角部の計測精度は劣り,形状計測装置の計測ステップ,また照射,受光素子を配した光学系の配置にも影響を受けていると思われた.ニューロの応用により平滑面での誤差は移動平均に比較してほぼ全体にわたり良好な補正が可能であることが分かったが,ショルダータイプマージンから軸面への立ち上がり部分,'また軸面から咬合面部への移行部分では両者の差は認められず,学習効果による補正効果が認められない症例も多かった.ただし,移動平均法ではどの症例でも丸みを帯びて補正しているのに比較し,誤差は含むものの明瞭なエッジを形成する傾向を示した.H-NeTを用いた曲線補間においても,部分的な精度の向上が認められない場合もあり,パラメータの変更を行い,解析を行う必要性が示唆された.さらに光学読みとり装置,読みとり方法などの改善が必要であると考えられた.
著者
伊藤 譲 所 哲也 石川 達也
出版者
摂南大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

福島原発の凍土遮水壁は、原子炉建屋への地下水の流入を防ぎ、汚染水の増加を防いでいる。研究者らは凍土遮水壁が長期間維持される場合を想定し、アイスレンズ前面の凍土部分から未凍土方向に乾燥収縮等による水平クラックが成長し、凍土壁正面の未凍土部分に透水係数の極端に大きい領域が発生すると考えた。それで、研究者らは凍土遮水壁を模し、水平方向に凍結融解を行い、その途中で鉛直方向に透水実験を行うことのできる装置を用いて実験を行ってきた。その結果、細粒土においては凍上性の強弱に関係なく、凍結面が一定位置にとどまっていても、間隙比の変化が続き、長期的には遮水性が損なわれる可能性が高まっていることが明らかとなった。
著者
高瀬 裕 山下 洋平 石川 達也 椎名 美奈 三武 裕玄 長谷川 晶一
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.327-336, 2013-09-30 (Released:2017-02-01)
被引用文献数
2

Recently, robots are more and more utilized in entertainment area. Stuffed toy robots or pet-like robots are developed to entertain or to heal people with intimate touch interactions. Softness of the robot is important for comfort in such interactions. However, most entertainment robots with expressive body motions include hard structures to actuate body, and they cause rough feelings in touch or hugging interactions. In this paper, we propose the soft-to-the-bone robot looks like a stuffed toy, driven by a novel mechanism made by a fabric material and pulling strings. The robot has large movable range and move speedy enough for various body motion expressions. Moreover, the proposed robot is evaluated to have more familiar and comfort impressions than conventional hard stuffed toy robots.
著者
中尾 寿朗 荒尾 真樹 藤本 幸一 細野 正彦 谷口 正宏 石川 達也
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.83(2001-MBL-018), pp.15-21, 2001-09-06

近年インターネットやモバイル端末の急速な普及によって鉄道においても様々なIT活用サービスが提案されている。本開発では切符の機能をモバイル端末で実現する鉄道向け電子チケット(以下デジタルチケットと呼ぶ)システムを構築した。デジタルチケットは切符の取引や予約をモバイル環境で可能にし「いつでもどこでも切符が買えて、そのまま改札を通過できる」という利便性が期待できる。実現にあたっては、(1)チケット取引・使用の安全性確保 (2)モバイル端末での操作利便性の実現 (3)自動改札判定の高機能対応と高速化、といった主要な課題を解決した。評価システムの構築、実現性の検証、実用化に向けての課題について考察する。また、デジタルチケットの実現により新たに創出が可能となるサービスを検討し、一例として運用を予定している「自動改札機連動モバイル情報配信サービス:goopas(グーパス)」について、その概要を紹介する。
著者
中尾 寿朗 荒尾 真樹 藤本 幸一 細野 正彦 谷口 正宏 石川 達也
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.83(2001-ITS-006), pp.15-21, 2001-09-06

近年インターネットやモバイル端末の急速な普及によって鉄道においても様々なIT活用サービスが提案されている。本開発では切符の機能をモバイル端末で実現する鉄道向け電子チケット(以下デジタルチケットと呼ぶ)システムを構築した。デジタルチケットは切符の取引や予約をモバイル環境で可能にし「いつでもどこでも切符が買えて、そのまま改札を通過できる」という利便性が期待できる。実現にあたっては、(1)チケット取引・使用の安全性確保 (2)モバイル端末での操作利便性の実現 (3)自動改札判定の高機能対応と高速化、といった主要な課題を解決した。評価システムの構築、実現性の検証、実用化に向けての課題について考察する。また、デジタルチケットの実現により新たに創出が可能となるサービスを検討し、一例として運用を予定している「自動改札機連動モバイル情報配信サービス:goopas(グーパス)」について、その概要を紹介する。
著者
島内 司 西村 明幸 石川 達也 西田 基宏
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.149, no.6, pp.269-273, 2017 (Released:2017-06-14)
参考文献数
18
被引用文献数
1

医薬品の開発研究は,新たな薬剤を生み出す創薬研究と既存の薬剤の新たな作用を見出し応用する育薬研究に分けられる.創薬標的はますます複雑化の一途を辿り,新薬創出の研究に必要とされる時間とコストも膨れ上がっている.新薬開発に比べて既承認薬はヒトでの安全性,薬物動態が確立されており,他の疾患への治療薬として適応するにあたって大幅な時間とコストの削減が可能となる.このような新しい医薬品研究のあり方は「エコファーマ(またはドラッグ・リポジショニング)」として提唱されている.ミトコンドリアは分裂と融合を動的に制御することでその品質を維持している.ミトコンドリアの機能異常は様々な疾患の原因となるため,その品質管理が新しい治療標的として注目されている.我々は心筋梗塞後に心筋が早期老化を引き起こす前段階において,ミトコンドリア過剰分裂が起こること,およびこの原因が低酸素に依存したミトコンドリア分裂促進GTP結合タンパク質dynamin-related protein 1(Drp1)の活性化にあることを見出した.ラット新生児心筋細胞において,低酸素/再酸素化刺激は心筋細胞の早期老化を引き起こし,低酸素誘発性のミトコンドリア分裂を阻害することで再酸素化後の心筋早期老化が抑制された.低酸素刺激によるミトコンドリア分裂を阻害しうる既承認薬のスクリーニングを行った結果,ジヒドロピリジン系Ca2+チャネル阻害薬であるシルニジピン(cilnidipine:CIL)がミトコンドリア分裂を抑制することを見出した.CILはCa2+チャネル阻害作用と無関係にDrp1活性化を抑制し,心筋老化を抑制した.以上の結果は,CILがミトコンドリア過剰分裂に起因する様々な疾患の治療薬に適応拡大できることを強く示している.
著者
松本 実 田辺 明 栗山 美子 森山 徳長 石川 達也
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.296-299, 1992-09-20
被引用文献数
1

日本の歯科医師団体の発祥は,東京における明治26年11月の『歯科医会』に端を発する.この会は次第に発展し,ついには現在の日本歯科医師会となる母体となった.本会が明治28年に,発行した小冊子『歯牙保護論』は,業権の確立と一般庶民への啓蒙を目的としている.明治初年に桐村,伊沢,高山らの先覚者が執筆した一連の歯科衛生啓蒙書のうち,歯科医師団体が発行した本書の書誌学と,歯科医会の志向していたところの詳細を本論文で解析した.