著者
中谷 伸 佐藤 元泰 田中 基彦 行本 正雄
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会誌 (ISSN:09168753)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.108-113, 2022-06-20 (Released:2022-06-30)
参考文献数
9

高強度のマイクロ波照射下でハイドレート構造を分解するための予備実験を行った。純水とメタンを成分とする,液体窒素温度(-196℃)のメタンハイドレート(MH)に対し500 Wのマイクロ波を10秒間照射したところ,質量低下を示した。 これはMHが分解され,メタンが開放されたことによる質量低下である。MHを熱分解するには-76℃まで昇温させる必要があるが,実験では-196~-180℃の間で分解が起こった。これはマイクロ波の「仕事」による分解であると考える。
著者
行本 敦 小泉 洋平 渡辺 崇夫 吉田 理 徳本 良雄 廣岡 昌史 沼田 結希 竹下 英次 阿部 雅則 日浅 陽一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.6, pp.1095-1101, 2018-06-10 (Released:2019-06-10)
参考文献数
7

症例は20歳代,男性.1年前より,全身倦怠感,体重減少がみられていた.当院転院1カ月前から皮膚搔痒感が出現.2週前,近医で肝機能検査異常を指摘され,前医に入院し,肝生検を施行された.非特異的な急性肝炎像の組織所見であった.その後,黄疸が増強し,当院に転院した.転院時,背部に10 mm大の不整形の淡紅色斑が多発していたことから,梅毒を疑い,RPR(plasma reagin test),TPHA(Treponema pallidum hemagglutination assay)陽性より,早期梅毒性肝炎と診断した.アンピシリン8週間の投与により,速やかに肝機能・黄疸は改善した.
著者
遠藤 小太郎 吉田 真悟 中嶋 貴裕 行本 正雄 武田 邦彦
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.420-426, 2006
被引用文献数
1

&nbsp;&nbsp;The respective awareness of the Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC), the Japanese government, media and citizens about the change of sea level at some future date due to climate change was surveyed and analyzed. Three official reports from the IPCC, the white paper on the Quality of the Environment in Japan from the government, the articles in the Asahi Shimbun newspaper from about the past 20 years, and the questionnaires by the Japanese and local governments conducted towards citizens were used. The results of this investigation were that the IPCC concluded in their past three reports that the sea level was estimated to be lower because of ice in the polar regions due to climate change, the Japanese government did not describe this point clearly, the newspaper drew the opposite conclusion from the IPCC and the understanding of citizens was that the change in climate caused the sea level to rise. These differences were due to the lack of or misunderstanding of scientific knowledge such as Archimedes's Principle and the migration of fluid materials, and to the psychological trend of human beings. It is necessary for the government and media to clearly explain and announce these scientific facts in a modern society which maintains a close relationship to science.<br>
著者
行本 敦 橋本 悠 花山 雅一 小幡 善保 谷平 哲哉 清家 裕貴 岡本 傳男 市川 幹郎 寺岡 正人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.7, pp.1460-1463, 2015-07-10 (Released:2016-07-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

症例は81歳,女性.呼吸困難感を主訴に来院した.来院時,舌の著明な腫大がみられた.高血圧に対し,エナラプリルマレイン酸を内服していた.同薬による血管性浮腫を疑い,同薬を中止し,入院とした.喉頭の浮腫は軽度であったため,7 Fr経鼻エアウェイを挿入し,気管切開は行わず,経過観察とした.72時間後には舌の腫大は改善し,発語も明瞭であった.同薬を中止し,経過をみているが,再燃はみられていない.
著者
遠藤 小太郎 吉田 真悟 中嶋 貴裕 行本 正雄 武田 邦彦
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.420-426, 2006 (Released:2006-05-21)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

The respective awareness of the Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC), the Japanese government, media and citizens about the change of sea level at some future date due to climate change was surveyed and analyzed. Three official reports from the IPCC, the white paper on the Quality of the Environment in Japan from the government, the articles in the Asahi Shimbun newspaper from about the past 20 years, and the questionnaires by the Japanese and local governments conducted towards citizens were used. The results of this investigation were that the IPCC concluded in their past three reports that the sea level was estimated to be lower because of ice in the polar regions due to climate change, the Japanese government did not describe this point clearly, the newspaper drew the opposite conclusion from the IPCC and the understanding of citizens was that the change in climate caused the sea level to rise. These differences were due to the lack of or misunderstanding of scientific knowledge such as Archimedes's Principle and the migration of fluid materials, and to the psychological trend of human beings. It is necessary for the government and media to clearly explain and announce these scientific facts in a modern society which maintains a close relationship to science.
著者
鬼頭 昭雄 行本 誠史 野田 彰 本井 達夫
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.1019-1031, 1997-12-25 (Released:2009-09-15)
参考文献数
25
被引用文献数
102 142

大気中の二酸化炭素濃度増加によるアジアの夏季モンスーンの変化を気象研究所全球大気・海洋結合モデルにより調べた。温暖化によりインドの夏季(6~8月)の降水量は顕著に増加するが、逆に850hPaと200hPaの東西風のシアーで定義したモンスーンの風のインデックスは弱くなった。これは850hPaのモンスーン西風の北偏によるもので、サヘルからインド北西部にかけての西風が強化され、一方アラビア海の西風は弱くなる。大気中の水蒸気量が増加するので水蒸気輸送は増加し、降水量の増加をもたらしている。従って風のインデックスは温暖化の良い指標とはいえない。また、中国では降水量変化は少なく土壌は逆に乾燥しており、インドと大きく異なる変化をしている。インドの降水量の年々変動は温暖化により増加した。しかしながらこの年々変動の大きさは制御実験・二酸化炭素濃度漸増実験ともに数十年スケールで変化しており、温暖化による降水量変動度の変化の推定には注意を要する。
著者
水島 晃 野口 伸 石井 一暢 寺尾 日出男 行本 修 山本 聡史
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.96-102, 2001-07-01
参考文献数
22
被引用文献数
2

本研究は内界センサによる推測航法を採用することで極力ローコストな自動直進車両の開発を目的としている。航法センサとして地磁気方位センサ (Geomagnetic direction sensor; GDS) とジャイロスコープを使用し, センサを複合化することでセンサ精度, 直進精度の向上を図った。第1報では, ジャイロスコープに比較的精度の高い光ファイバージャイロ (FOG) 方式を採用し, センサ精度の評価と複合化手法を検討するために, 自律走行トラクタによる自動直進走行試験を行い, その性能を評価した。センサの複合化にはカルマンフィルタを適用し, 車両の運動モデルを構築することで車両方位と横方向偏差を推定した。カルマンフィルタによってGDSとFOGを複合化することで, 個々のセンサ単独による推測航法よりも精度の高い自動直進走行システムを開発することができた。
著者
足立 恭将 行本 誠史 出牛 真 小畑 淳 中野 英之 田中 泰宙 保坂 征宏 坂見 智法 吉村 裕正 平原 幹俊 新藤 永樹 辻野 博之 水田 亮 藪 将吉 神代 剛 尾瀬 智昭 鬼頭 昭雄
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
Papers in Meteorology and Geophysics (ISSN:0031126X)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.1-19, 2013 (Released:2013-12-27)
参考文献数
57
被引用文献数
6 67

気象研究所(MRI)の新しい地球システムモデルMRI-ESM1を用いて、1850年から2100年までの大気化学、及び炭素循環を含む統合的な気候シミュレーションを行った。MRI-ESM1は、大気海洋結合モデルMRI-CGCM3の拡張版として開発されたモデルであり、拡張部分の化学的・生物地球化学的過程以外の力学的・熱力学的過程は、両モデルで同設定とした。計算負荷の大きい化学過程を扱う大気化学モデルを低解像度(280km)に設定して、MRI-ESM1の大気モデル部分はMRI-CGCM3と同じ120kmとした。基準実験において、地上気温、放射収支、及び微量気体(二酸化炭素(CO2)とオゾン)濃度の気候ドリフトは十分に小さいことを確認した。MRI-CGCM3による基準実験と比較して、全球平均地上気温が若干高いが、これは対流圏のオゾン濃度がやや高いためであった。次に、歴史実験を行いモデル性能を検証した。このモデルは地上気温と微量気体濃度の観測された歴史的変化を概ね再現出来ていた。ただし、地上気温の昇温とCO2濃度の増加はともに過少評価であり、これらの過少評価は土壌呼吸を通した正のフィードバックが関係していた。大気CO2濃度増加が過少に評価されたことにより昇温量が抑えられ、昇温過少が土壌呼吸を不活発にして陸域での正味のCO2吸収が過剰となり大気CO2濃度増加の過少を招いた。モデルで再現された地上気温、放射フラックス、降水量、及び微量気体濃度の現在気候場は、観測値とよく合っていた。ただし、特に南半球熱帯域では、放射、降水量、及びオゾン濃度に観測値との差異が存在していた。これらは過剰な対流活動によるものと判断され、太平洋低緯度域では所謂ダブルITCZ状態となっていた。MRI-ESM1とMRI-CGCM3を比べると、両者の現在気候場は非常によく似ており、現在気候再現性能は同程度であった。MRI-ESM1によるRCP8.5の将来予測実験では、全球平均地上気温は産業革命前から21世紀末までに3.4℃上昇した。一方、MRI-CGCM3による同昇温予測は4.0℃であった。排出シナリオRCP8.5を用いてMRI-ESM1により予測された21世紀末の大気CO2濃度は800ppmであり、MRI-CGCM3による実験で使用したCO2濃度より130ppmほど低い。これは上述の昇温差と整合的である。全球平均のオゾン全量は2000年から2100年までに約25DU程の増加が予測され、MRI-CGCM3による実験で与えたオゾン変化と同程度であった。最後に、ESMとCGCMとの比較から、オゾンモデルとエーロゾルモデルを結合したことによって20世紀後半のエーロゾル量の変化に差が生じ、この差が両モデルの昇温量の違いに影響していることを確認した。
著者
洞口 治夫 松島 茂 福田 淳児 近能 善範 行本 勢基 松本 敦則 天野 倫文
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究プロジェクトは、日本におけるイノベーション促進政策とクラスター形成政策の実態に焦点をあてた。実証研究の結果、知識マネジメントの方法がイノベーションの起点となっていることが明らかになった。また、政策担当者、産学官連携の実務家とのシンポジウムにおける対話を通じて、日本におけるイノベーション促進政策のあり方をまとめた。
著者
坂本 健太郎 遠藤 小太郎 行本 正雄 武田 邦彦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 = Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers. B (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.72, no.722, pp.2338-2345, 2006-10-25
参考文献数
24

The amount of woody biomass resources in Aichi Prefecture and Toyone Village was estimated on the basis of theoretical and actual production efficiencies. Five factors should be considered at the steady production of reduced carbon from carbon dioxide by sunlight in woods. The ratio of leaf to forest area, the reflection of sunlight on leaf surface, the conversion efficiency from the light energy, efficiency of optical system, and of dark reaction are 0.70, 0.82, 0.24, 0.31, and 0.92 respectively. On the other hand, four factors are in the timber production stage. The energy consumption loss for the daily life of woods, the waste at the forest, the thinner woods to main cutting production, and the thinning are 0.50, 0.47, 0.435, 0.44, respectively. The total efficiency was calculated and the result was 0.0023. Furthermore, near fiscal year 2000, primary energy consumption in Aichi Prefecture is 1.48×10^9 GJ/year, so it is 2200 times than the present production amount and 300 times the best theoretical production amount.