著者
田村 文誉 八重垣 健 西脇 恵子 菊谷 武
出版者
日本歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

東京都、千葉県、山梨県、沖縄県の保護者576名を対象としたアンケートの結果、食事に関する悩みは多くの母親に共通し、悩みの傾向はこどもの成長と共に変化していき、こどもの成長に伴い母親の育児負担度は減少することが示唆された。一方、摂食指導を受けている摂食嚥下障害児の母親の場合、子供が年長になるに従い育児負担は増加した。平成24年度に行った摂食相談を希望した8名において、東京都と千葉県の計7名は摂食機能に関すること、沖縄県の1名は歯に関する相談であった。東京都の3名中1名はその後、専門医療機関へ繋がった。千葉県の3名は既に専門医療機関に受診中であった。沖縄県の1名は相談のみで問題が解決した。
著者
熊谷 武洋
出版者
山口大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、地域の公教育や生涯教育で利用することを想定した鑑賞性の高い地方史映像教材を開発することである。制作にあたっては、文献調査および現地踏査を行い、時代考証を行った。そして史実を基に戦跡に関連した物語を創作した。物語を図像化するにあたっては、実写や当時の写真資料を交えながら、3DCGによる画像形成を行った完成したコンテンツの鑑賞方法や頒布形態は、その便益性や鑑賞性の観点から、情報携帯端末上にて展開することが可能な形式を採った。
著者
關谷 武司 船木 淳子 下田 旭美 遠藤 敏郎
出版者
広島国際学院大学
雑誌
広島国際学院大学研究報告 (ISSN:13453858)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.9-21[含 英語文要旨], 2007-12

本研究は,中米ホンジュラス共和国において2003年4月より開始された「算数指導力向上プロジェクト(PROMETAM)」のインパクト評価を通して,プロジェクト開発教材を活用し研修を受講する教員の学力・指導力,教員が実施する授業の質的向上の達成度と,それらの最終ターゲットである児童の学力を調査することで,理数科教育協力の主要な活動である教材開発や教員研修がどのように児童・生徒の学力向上に貢献し得るのか検討し,今後の協力案件に資する教訓の抽出を行うことを目的とした。教員への学力テストの結果では,プロジェクト開始前の2002年に比べ終了前の2005年の方が平均点で10点以上高く,統計的にも有意差が認められた。また,研修内で行われる教員の学力・指導力向上の達成度を見るテストで,イニシャルテストの結果に比べファイナルテストでは有意に向上している。授業観察や児童のノートチェック等による定性的授業分析の結果では,PROMETAM群はNon-PROMETAM群よりも肯定的ポイントが高く,PROMETAM群では単式・複式の学級形態に関わりなく,PROMETAMが目指した「子どもに考えさせる」授業像に近づいていることが伺える。しかしながら,児童への学力テストの結果分析では,2002年と2005年それぞれの合計点の分布に極端な違いはみられない。そこで,教員と児童の関係からデータを分析するため,それぞれの教員が担当する学級児童の学力平均値の分布を検討し,追加情報を再分析した。その結果,学力の高い教員が児童に作業帳を十分に使わせるという条件下において,児童の学力が向上する可能性が示唆された。The most prevalent aim of international cooperation within the field of pedagogical development has been united in the commitment to improving student academic achievement. Many mathematics and science projects in all over the world carried by Japan International Cooperation Agency, JICA have also purported "to improve the academic achievements of students" as the overall goal. However, due to the various related factors such as school environments, teachers' abilities, family conditions, etc., the resulting impact on the academic achievement of the individual student has been difficult to critically assess withina short timeframe. As yet, it is not clear what particular approach or methodology could be beneficial to the academic achievement of the student. The purpose of this study is to examine the contribution of the mathematics projects to the improvement of student academic achievement, and to extract the lesson learnt for similar projects. As a target project, "Project for the Improvement of Teaching Method in Mathematics in the Basic Education Level, PROMETAM" which was operated by JICA since April, 2003 in the Republic of Honduras, Central America, is picked up. This project has two main activities; one is to develop teaching guidebooks of mathematics for teacher and mathematics textbooks for student, and the other is to provide teacher in-service training about how to use these teaching materials. In the impact evaluation of the project, the following three different data were collected; 1) academic achievement and teaching ability of teachers, 2) lesson quality by the teachers who received teacher in-service training, and 3) student academic achievement. Through the comparison of data collected previously 2002 with the new data of 2005, the academic achievements of the teachers statistically showed difference of more than ten points on the average. Furthermore, there was an improvement of teaching method which was demonstrated through in-house testing, that was the significant differences between the initial and the final test results. The result of qualitative lesson analysis showed difference between the PROMETAM group and the non-PROMETAM control group. In the PROMETAM group, encouraging the students to think for themselves could be observed irrespective of single class or combined class of more than one grade. However, when the students' academic achievement test results were analyzed, there was no significant difference between the performances in 2002 and 2005. To analyze the data from teacher-student relation, the class average distribution of student academic achievement was examined and the additional information such as academic performance of the teacher, study style of the students, etc. was analyzed. From these results, the possibility that high academic achievement on the part of the teacher and large extent of textbook use on the part of the students had a subsequent effect on the student academic achievement could be ascertained.
著者
藤谷 宏 奥谷 武則 水野 俊郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.31-40, 1996-02-25
被引用文献数
2

既存網(電話網, N-ISDN網等)を統合して, ATMによる広帯域ISDN (B-ISDN)網を構築するためには, STMデータとATMセルとの相互変換を行うATMアダプテーションレイヤ(AAL)処理,すなわちセル組立分解処理を最適に,経済的に実現することが重要な課題である.経済的実現の要は一つの回路で任意速度の多数のチャネルのAAL処理を行う多元速度多重処理技術である.本論文では, AALタイプ1の多元速度多重処理を実現するための技術として,(1)多重化された各チャネルのセル生成タイミングの偏りにより生じるセル送出待ち遅延の発生を抑える技術, (2)_n×64 kb/sの任意速度に対応したセル受信時の揺らぎ吸収バッファ制御技術,に着目して検討を行った. (1)については多元速度通信において各チャネルの速度とSTM回線上で割り当てられるタイムスロット(TS)位置とからセルの生成タイミングを導出するアルゴリズムを求め,遅延時間縮小化の効果を考察した.(2)については,より少ない制御メモリ量で実現する方法を検討した.これらの技術を用いることにより,2,000 ch 規模のAAL多重処理回路のLSI化が実現可能となる.
著者
赤熊 美紀 樋口 裕樹 熊谷 武久 永田 雅彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.155-158, 2013 (Released:2013-10-31)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

犬アトピー性皮膚炎(cAD)におけるLactobacillus paracasei K71(K71株)の補助的治療効果を検討した。犬アトピー性皮膚炎(cAD)と診断した5例にプレドニゾロン0.5 mg/kg隔日投与を処方し,3例に試験食乳酸菌(K71株)を,2例に陽性対照セチリジン塩酸塩を併用し,12週間追跡しその補助的治療効果を検討した。皮膚病変の重症度は,獣医師によるCADESI(Canine Atopic Dermatitis Extent and Severity Index)スコア,飼い主による痒みスコア,薬剤ステロイド使用量により評価した。試験終了時全例で皮膚症状の緩和が認められたが,K71株治療群は陽性対照治療群と比較して,CADESIスコア,痒みスコア,ステロイド使用量のいずれも減少する傾向にあった。以上より,K71株はcADの症状緩和に有用と推察された。
著者
殿塚 婦美子 谷 武子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.14-19, 1995-02-20
被引用文献数
3

ブラウンルーの別法として, 油脂を用いず小麦粉を天板に入れ, 天火で焙焼する(以下焙り粉と略す)方法の焙焼条件の標準化を目的として, 焙焼条件の異なる焙り粉を調整し, 焙り粉の客観的指標, 天火設定温度と焙焼時間および焙り粉希釈加熱液(ソース)の煮込み時間について検討した。その結果, 次のことが明らかになった。1. 焙り粉の焙焼による色の変化は, 設定温度により異なり, 焙焼温度と時間の管理が重要であった。2. 焙り粉の色は, きな粉や米ぬかの色と似ており, 客観的指標は, 小麦粉(未加熱)に対する色差は31~36であった。3. 官能検査の結果から, 焙り粉の焙焼条件, すなわち天火設定温度と焙焼時間は180℃(120分), 190℃(60分), 200℃(45分)が適当であった。なかでも190℃(60分)は最も評価が高く, 品質管理, 作業能率の面からも最適と考える。4. 焙り粉希釈加熱液(ソース)の煮込み時間は, いずれの焙焼条件の焙り粉においても, 120分間に比べ, 5分間が有意に好まれた。5. 設定温度180℃(120分), 190℃(60分), 200℃(45分)で調整した焙り粉のみかけの粘土は, 類似であり, 煮込み時間による変化もわずかであった。6. 焙り粉の嗜好は, ブラウンルーに比肩した。
著者
大谷 武司 衣川 直子 飯倉 洋治 星 房子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.454-462, 1984
被引用文献数
4

ダニアレルギーのある小児気管支喘息児の家庭について, 家屋塵, 床材, 寝具, 家具, 玩具などのダニについて調査した.結果:1)家屋塵(床塵)0.5g当り, 平均393匹のダニが検出された.ヤケヒョウヒダニ(D.p)とコナヒョウヒダニ(D.f)が優占種であり66%を占めた.2)家屋では, カーペットのある家屋と古い家屋にダニが有意に多かった.3)床材では, カーペットにダニが多く, 板の間が少なかった(1畳当りのダニ数は, カーペット418匹タタミ131匹, 板の間27匹であった).4)布製のソファー・イス・ぬいぐるみから多数のダニが検出された.5)フトン, マットは1枚当り(上面)238匹のダニが検出された.以上より, 喘息児の家屋でダニが多く問題となるのは, 床材ではカーペット, 家具では布製のソファー, 玩具ではぬいぐるみであり, これらの家庭内からの撤去が望ましい.