著者
稲垣 耕 盆子原 康博 近藤 孝広 池 美慧 濵畑 貴之
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.862, pp.18-00004, 2018 (Released:2018-06-25)
参考文献数
4
被引用文献数
1

In household refrigerators, the rotational speed of a reciprocating compressor can be appropriately adjusted according to the temperature inside of the refrigerator. The lower rotational speed reduces the power consumption of the compressor. However, several natural frequencies of the compressor exist in the low rotation region, and besides, the unbalance force arising from the piston motion acts on the internal drive unit. Thereby the vibrations of the compressor are likely to be larger due to the resonance in the low rotation region. In this study, a method for supporting the drive unit inside the shell, which is called “the self-standing support” is newly proposed in order to reduce the vibration of the compressor drastically. In the proposed method, a spherical support element is utilized instead of coil springs to support the drive unit. And the drive unit can maintain a stable self-standing state by acting restoring moment due to the gravity while it is directly placed on the shell. The natural frequencies of the compressor can be greatly reduced by decreasing the support stiffness for the drive unit in comparison with the support method using coil springs. Furthermore, in designing the drive unit, the application point of the exciting force is matched with the center of percussion to the contact point on the spherical support. As a consequence, the periodic restraining force acting on the contact point can be minimized. By these two features, it is possible to considerably reduce the vibration transmission from the drive unit to the shell. In the present study, a simplified model for a reciprocating compressor is treated, and the effectiveness of the self-standing support is investigated analytically and experimentally.
著者
石川 諭 近藤 孝広 松崎 健一郎 榎元 啓允
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.80, no.814, pp.DR0166-DR0166, 2014 (Released:2014-06-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1

A pressure wave generated by a compressor propagates in an air-conditioner piping system and causes a noise problem. The flow condition in the air-conditioner piping system becomes often a one-component two-phase flow, and attenuation of the pressure wave in the one-component two-phase flow is larger than the two-component two-phase flow because of the effect of the mass transfer. It is also important for the safety of nuclear reactors to understand the characteristic of pressure wave problems in the one-component two-phase flow. In this paper, we propose a concentrated mass model to analyze the pressure wave problems in the one-component two-phase flow. This model consists of masses, connecting springs, connecting dampers, and nonlinear base support dampers. The connecting spring and the connecting damper are derived from the compressibility of the gas phase and the effect of the mass transfer when the phase-change occurs. And the nonlinear base support damper is derived from the pipe friction. Additionally, an experiment on an air-conditioner piping system is performed, and the experimental results are compared with the numerical result in order to confirm the validity of the model. The numerical computational results agree very well with the experimental results. Especially, the attenuation of the pressure wave generated by the phase-change is numerically reproduced. Therefore, it is concluded that the proposed model is valid for the numerical analysis of the pressure wave problem in the two-phase flow.
著者
近藤 孝弘
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.187-199, 2014-06-30

歴史教育を論じる際に、国民国家とグローバリゼーションを対立的にのみ捉えるのは不適切である。前者は後者を軸に展開した近代史の中で発展を遂げたのであり、歴史教育には既に両者間の緊張を含む深い結びつきが刻印されている。世界の変容を踏まえ、従来の形に修正を重ねつつ民主国家を担う政治的市民を育成するという課題に取り組んできたドイツの例は、歴史教育の課題について長期的視野から再考する必要性を訴えている。
著者
的場 正美 柴田 好章 近藤 孝弘 松下 晴彦 杉本 憲子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

【研究目的】本研究は、教授・学習活動の諸現象を叙述する記号ないしコードを開発し、それにもとづいた授業諸要因を抽出する分析手順と解釈方法および解釈に伴う諸問題を明らかにすることを目的としている。特に次の4の具体的な課題を解明することによって、上記の目的を達成する。1)記号の開発と可逆性による記号の妥当性の検証、2)要因の抽出と顕在化による記号の機能の検証、3)解釈に伴う諸問題の解明、4)国際比較による記号の標準化。【記号の整理と新しい記号の開発】事例に即して開発してきた40の記号を論理的に整合性があるように整理した。関係性、概念、例示、付帯などの観点から40の記号を8のグループに分類した。それを基礎に、2007年度には、特定の概念に関する個人間のズレを表すために、次の新しい記号を開発した。『A』/(W)[B〕説明:『A』という特定の概念に(/)ついて、(W)という人物が〔B〕という意味ないしイメージを込めている。【可逆性の検証】記号の妥当性については、記号による記述から現象をどの程度再現できるか、その可逆性によって検証した。単純な記号の場合に、可逆性の幅が広いことが示された。【叙述の可能性】他の教育研究の方法と比較すると、中間項(記号)を使用する点で、カテゴリー分析の方法と類似している。叙述の記号の開発は、教育現象を記述する可能性を示している。
著者
浅井 将 城谷 圭朗 近藤 孝之 井上 治久 岩田 修永
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.143, no.1, pp.23-26, 2014 (Released:2014-01-10)
参考文献数
18
被引用文献数
1

アルツハイマー病の原因物質アミロイドβペプチド(amyloid-β peptide:Aβ)はその前駆体であるアミロイド前駆体タンパク質(amyloid precursor protein:APP)からβおよびγセクレターゼの段階的な酵素反応によって産生される.アルツハイマー病の発症仮説である「アミロイド仮説」を補完する「オリゴマー仮説」は,オリゴマー化したAβこそが神経毒性の本体であるとする仮説であるが,オリゴマーAβのヒトの神経細胞への毒性機構や毒性を軽減する方法は未だ不明であった.そこで我々は,この問題点を解決すべく若年発症型家族性アルツハイマー病患者2名および高齢発症型孤発性アルツハイマー病患者2名から人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell:iPS細胞)を樹立し,疾患iPS細胞から神経細胞に分化誘導を行って細胞内外のAβ(オリゴマー)の動態と細胞内ストレス,神経細胞死について詳細に検討した.その結果APP-E693Δ変異を有する家族性アルツハイマー病患者由来の神経細胞内にAβオリゴマーが蓄積し,小胞体ストレスおよび酸化ストレスが誘発されていることがわかった.一方,1名の孤発性アルツハイマー病患者においても細胞内にAβオリゴマーの蓄積と上記と同様の細胞内ストレスが観察された.これらの小胞体ストレスおよび酸化ストレスはβセクレターゼ阻害薬によるAβ産生阻害やドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid:DHA)によって軽減された.このように孤発性アルツハイマー病においても Aβオリゴマーが神経細胞内に蓄積するサブタイプが存在すること,およびこのサブタイプに対する個別化治療薬としてDHAが有効である可能性を示した.
著者
星野 久 近藤 孝造 赤尾 泰子 KUMAHARA Rie HAMADA Kumiko 濱田 久美子 山田 知子 水島 かな江
出版者
四国学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

1.研究の目的§本研究の理論仮説,及びその実証課題は次のとおりである。すなわち,家族とは親族の下位組織であり,その第1次的機能は生産・消費を基本とする福祉実現である。この組織は生産力の発達段階と照応して変化する。従って,今日の高度工業化社会では,(組織的経済活動を営む)伝統的家族は(諸個人が経済行為の単位となった)新型家族へと変化したと考えられるがその実像はどのようなものか,俗に「個人化」と総括されるが果たして如何がなものか。これを解明しようというのが,本研究のポイントである。2.研究の方法§ (1)調査地点は札幌,神奈川,京都,広島,及び福岡の生協会員1/1000を抽出した約2000名を対象とした。(有効表は420)(2)分析はSPSSに拠った。(因子分析を中心に帰納法的手法を用いた。)3.研究の成果§ わが国を代表する家族の型として「家族主義的夫婦家族」を抽出した。その特色は,(1)家族と共にいることが最高の幸せで,家族のためには犠牲をも厭わない。家族の中に何一つ隠し事はなく,団結力もある。以上の考えに強く賛成する人は27%,大体賛成は46%,併せて73%がこの型である。(2)以上と高い相関がある「自己実現」因子は67%に達している。(3)年齢層は30〜50歳台に平均して観られる。(4)学歴は関係せず,職業の有無では無職が圧倒的に多い。(5)家族構成及びライフコ一スでは有意差は観られない。(6)ストレスと相関する母子固着型は,両者ともに負の相関である。(7)結婚観における伝統性,補完性は大体肯定的、互酬性は高く肯定的である。いえ因子は否定的。(8)ライフスタイルでは弱い団欒志向と負の家事合理性に相関が観られる。(9)意志決定では,家庭管理及び育児教育は妻に決定権があり,結婚生活の計画・実行は夫妻協同である。(10)夫妻関係では大体において夫信頼型であり,姉さん女房型,新婚気分の持続型と,多少のニューアンスはことなるが,夫や子どもの身の回りの世話を細々とする。(11)性意識ではやや貞女志向であり,精神的愛情を尊重し,フリーセックスはやはり駄目と否定的である。(12)中・高校家庭科では高齢化社会,環境問題等のカリキュラム化が必用だとし,男らしさ・女らしさの躾教育は否定的である。以上が日本型conjugal familyの諸特性である。この他,個人主義型の分析や特に経営形態との分析等,まだかなりの部分が残されており,別の機会に発表することとしたい。
著者
所澤 潤 中田 敏夫 入澤 充 小川 早百合 古屋 健 江原 裕美 澤野 由紀子 志賀 幹郎 山口 陽弘 田中 麻里 YOFFE LEONID G 服部 美奈 山崎 瑞紀 日暮 トモ子 猪股 剛 小池 亜子 小室 広佐子 近藤 孝弘 三輪 千明 市川 誠 音山 若穂 前田 亜紀子 徳江 基行 モラレス松原 礼子 佐藤 久恵 林 恵 清水 真紀 福田 えり (石司 えり) 白石 淳子
出版者
東京未来大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

ドイツ、イタリア、チェコ、ブラジルは、学齢児の就学義務を設定している。ドイツとイタリアでは子供は社会の責任で国籍に拠らずに最低限の教育を受けさせねばならないという考えがあり、また、4国には、居住する子供を国籍で判別することが技術的に困難であるという共通の事情がある。それに対して、中国、韓国、台湾、タイでは、日本と同様、国家は自国民の子供に対してだけ就学/教育義務を課すという考えが主流である。いずれの国でも教授言語を習得させる特別な教育が設定されているが、並行して母語保持教育を実施する点についてはいずれの国もほとんど制度化が進行していない。
著者
近藤 孝広 松崎 健一郎 宗和 伸行 盆子原 康博 佐々木 卓実
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

省エネ化・省資源化の実現に向けた限界設計の追求という最近の技術動向のもとで,設計段階における振動解析の必要性と重要性がより一層増大している.そのためには,より精密で実機に近い大規模自由度モデルに対する高精度の解析が不可欠である.そこで,拘束モードを利用する低次元化法を基盤として,システム内に不可避的に含まれる多種多様な非線形性をも考慮できる実用的な振動解析システムの開発を行った.