著者
鈴木 由美
出版者
吉川弘文館
雑誌
日本歴史 (ISSN:03869164)
巻号頁・発行日
no.790, pp.92-100, 2014-03
著者
鈴木 由美 沼澤 広子 森越 美香
出版者
国際医療福祉大学学会
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 = Journal of the International University of Health and Welfare (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.50-67, 2021-10-01

目的:自然災害が女性に対する暴力にもたらす影響を明らかにし,課題および支援策を検討する.方法:2020 年 8 月,国外文献検索サイト PubMed を用いて過去 10 年,2000 年以降の閲覧可能な full text に限定し Intimate partner violence,Gender based violence,domestic violence に対してキーワード disaster,hurricane,earth-quake,landslide,flood damage,typhoon,cyclone,forest fire とそれぞれの AND 検索を行った.結果:27 文献を対象とした.自然災害後に女性に対する暴力は増加したが,その背景に災害前からの暴力の激化,複雑化があった.個人属性では女性の脆弱性がハイリスク要因であり,貧困や安全でない避難所の居住環境なども要因となったが,基盤にジェンダー不平等やコミュニティ規範があった.また調査の限界として想起バイアスRecall bias)や羞恥心などがあり,潜在化した被害者がいることが推察された.災害から時間が経過しても,PTSD などメンタルヘルスへの影響が懸念された.災害により利用できるリソースやアクセスに限界もあった.自然災害では女性の脆弱性が暴力の引き金になることが示唆された.結論:災害時は女性への暴力は悪化すると予測して支援策を考える必要がある.
著者
鈴木 由美 箭本 佳己
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大學研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.67-76, 2012

谷島(2005)は、大学への適応困難な学生が増加しており、その原因として、学力面での困難と並んで、人間関係や社会関係において適応の困難な学生が見られることを指摘している。 大学生は対人関係を持つ能力が低下したのであろうか。最近グループ活動を中心とした授業の中でも、恥ずかしがって話せない学生・また遊びの中でも恥ずかしくて参加できない学生がいる。そこで最近の学生の行動をシャイネスの観点から調査してみようと考えた。対人関係ゲームの恥ずかしさは、シャイネスの認知(自分の行動、他者からの評価などに対する不合理な思考)・感情(情動的覚醒と身体・生理的徴候)・行動(社会的スキルの欠如、回避的行動など)に関係があるのではないだろうか。大学生259名を対象に質問紙調査を行った。その結果は、対人関係ゲーム実施後で39人(15%)が恥ずかしいと答えており、その内容は、初対面の人にお助けカードを渡すこと、走っている姿を見られること、人に触れること、なんとなく等であった。 恥ずかしくなかった群は、恥ずかしかった群よりシャイネス尺度の緊張因子・過敏因子・自信喪失の各因子において平均点が有意に低くなっていた。恥ずかしくない方が、緊張しないで人と話せ、人との関係で自信があることが明らかになった。恥ずかしがらない学生の理由を自由記述で聞いたところ、小さいころよくやっていたから・みんなで遊ぶのに慣れているからなどであった。対人関係ゲームを「楽しかった」「どちらでもない」「楽しくない」と感じた学生では、シャイネス尺度に違いがあるのかを明らかするために、一元配置の分散分析を行った。その結果、5 %水準ではあるが、「楽しい気持ち」があるとシャイネス尺度の緊張因子の得点が低いことが示唆された。
著者
稲田達也 鈴木由美
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第58回総会
巻号頁・発行日
2016-09-22

問題と目的 社会人基礎力は,「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として経済産業省が2006年から提唱する概念である。 中学校・高校における課外活動の中で大きな割合を占めるのが部活動である。部活動に関する研究は数多くあり,青木(2005)は,運動部所属群は無所属群及び文化部所属群よりも社会的スキルが高いことを明らかにした。郡司・伊藤(2010)は,部活動への参加経験が長いほど学校への適応感が高まり,規範意識が増大することを示唆している。上野・中込(1998)は,運動部員は部活動に参加していない生徒よりも,運動部活動場面における心理社会的スキル(競技状況スキル)を獲得しており,またそれが般化する形で競技状況スキルと同種の側面を持つライフスキルを獲得できることを明らかにした。中学校・高校における部活動と心理的発達の関連に焦点を当てた論文は数多く見られ,中学校・高校の部活動を通して,社会人基礎力も向上すると考えられるが,具体的に両者の関係に焦点を当てた研究はほとんど行われていない。そこで本研究では,中学校・高校での部活動で身についた力(部活動能力)がどのように社会人基礎力に影響するかを明らかにすることを目的とする。方 法 中部地方公立A大学1〜4年生326名を対象に平成27年4月に質問紙調査を行った。回答を求めた項目は以下の通りである。1.個人属性:性別,中学校・高校での部活動系列(運動部か文化部か),活動期間(引退の時期まで続けたか,途中でやめたか)の回答を求めた。2.部活動能力尺度(自作):予備調査より得られた部活動能力尺度について,5件法で回答を求めた。3.改訂版社会人基礎力尺度(西道):西道(2011)が作成した40項目の「改訂版社会人基礎力尺度」を用い,5件法で回答を求めた。なお,改訂版社会人基礎力尺度(西道)は「前に踏み出す力」「考え抜く力」「伝える力」「チームで働く力」の4因子構造である。結果と考察 個人属性と部活動能力尺度(自作)の各因子を独立変数とし,改訂版社会人基礎力尺度(西道)の各因子を従属変数とした重回帰分析(強制投入法)を性別ごとに行った(Table 1,2)。その結果、男子では,部活動能力尺度の「分析・戦略」「キャプテン・統率」因子が,女子では「チームワーク・対人」因子が社会人基礎力に対して強い影響力を持つことが読み取れた。次に,男子では部活動能力尺度の「根性・努力」「規範・礼儀」因子が,女子では「根性・努力」因子が,社会人基礎力にはほとんど影響しないということが明らかになった。最後に,個人属性と部活動能力はともに社会人基礎力に影響しているが、個人属性よりも部活動能力が社会人基礎力に対して強い影響力を持つことが明らかになった。
著者
椋木 香子 西田 幸代 鈴木 由美子 田岡 由美子 森川 敦子 工藤 道子 野崎 秀正 松野 仁英 松野 蓮香 松木 朋子
出版者
宮崎大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、乳幼児期の道徳性の発達に即した幼児教育・保育のカリキュラムや指導方法のプログラムを保育現場と協働で開発することを目的としている。そのために研究期間において、乳幼児の道徳的認知発達に関わる諸要素を明らかにするとともに、海外の保育実践と比較して、我が国の社会的・文化的背景に即した道徳性育成について示唆を得ることを目的とした。1歳から5歳までの積み木遊びにおける遊びの発達と他者関係認識について調査した結果、幼児の道徳性は認識能力や身体能力の発達と関連があることが示唆された。また海外の実践事例との比較から、カリキュラムについての考え方の違いが指導方法に影響していることが示唆された。
著者
米谷 昇子 篠崎 優子 鈴木 由美
出版者
日本視機能看護学会
雑誌
日本視機能看護学会誌 (ISSN:24333107)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.6-9, 2022-11-30 (Released:2022-12-18)
参考文献数
5

要 旨 目的:患児とその家族,眼科手術周術期の一連の流れの理解を深めるために,絵本を改定し,その絵本を使用したプレパレーションの効果について評価を行う。 方法:疾患および周術期のタイムスケジュールの理解を補助するための絵本を他職種と共同で作成。調査期間は2019年11月〜2020年3月。斜視および睫毛内反手術で入院し手術を受けた患児の家族に対し,退院後初回外来時アンケート調査を実施した。 結果:平均年齢:7.1±2.4歳,絵本を「読んだ」95%,絵本は子どもにとって良い効果がありましたかという問に対し,『強くそう思う』30%,『そう思う』55%。「内容」「ボリューム」「文字の大きさ」「絵・写真」について適切かどうかの問に対し,90%以上が『強くそう思う』『そう思う』に回答。 考察:眼科看護師が他部署のスタッフと協力し,絵本作成し,プレパレーションを実施することで,患児と家族が安心して手術を受けることの一助になったと考える。
著者
鈴木 由美 小川 久貴子
出版者
国際医療福祉大学学会
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 = Journal of the International University of Health and Welfare (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.74-88, 2018-03-31

目的:国内の医療施設に勤務する助産師の就業継続に影響する要因を抽出し,研究の動向と現状を把握し,今後の課題を検討する.方法:医学中央雑誌WEB 版にて「助産師」「就業継続」の文献検索.結果:58 件が抽出された.内容分析をした結果,衛生要因,院内助産・助産師外来および産科混合病棟の外的要因,帰属感,年齢,経験,ワークライフバランス,アイデンティティなどの内的要因で構成されていた.考察:衛生要因は職務満足には直接影響しないが,人間関係は就業継続に影響する.院内助産など管理者や医師との人的環境も影響する.中堅では職務上の役割荷重,ライフイベント等による過重負荷があるが,助産師においては出産,育児はキャリアとして捉えられる.妊産婦などとの関わりから施設への帰属感が生まれるのも他の看護職とは異なる.結論:医師,管理者との協働も含めて人的環境が就業継続への影響要因となっていた.研究動向として職務満足度が高いベテラン群対象の研究が少ない.
著者
鈴木 由美
出版者
桐生短期大学
雑誌
桐生短期大学紀要 (ISSN:13424076)
巻号頁・発行日
no.18, pp.79-85, 2007

看護職が暴力問題を扱うようになってから久しいが, DVはもはや健康問題であることが背景にあり,モラル・ハラスメントも健康問題である.看護者は自己の生活体験に関わらず,被害者を支援することが望まれるが,支援者に関わる方法を学ぶ前に, DVの認識を深めることが早道であるといわれている. DVは身体的な暴力を伴う場合は緊急性や重症度が高く,モラル・ハラスメントの場合は主に言葉や態度による暴力であるため,重大視されないことが予測される.モラル・ハラスメントがDVと同様に健康問題であることから,看護職の認識や看護職の根底にある夫唱婦随などの日本的な男女間の考えや男女間の言葉や態度による暴力をどのように解釈するかを知る目的で調査をおこなった.モラル・ハラスメントの調査で看護職416人を対象とし,有効回答数は377人(有効回答率89.9%)であった.モラル・ハラスメントでは客観的な証拠に乏しいため,第三者が加害者に寛大であるとき,被害者は二次被害をこうむると考え,調査では男性に対する寛大度に焦点を当てた.モラル・ハラスメントという言葉を聞いたことがある者は163人(43.6%)であった. DVは医療者の誰もが知っているが,モラル・ハラスメントは半数以上が知らなかった.また夫婦間の精神的暴力10項目に対して,対象者の年代,結婚暦,キャリアなどの背景による相違があるとすれば,年代,キャリア,結婚暦が長いほうが伝統的な夫唱婦随を支持する傾向があったが,大差はみられなかった.また結婚生活の背景として,既婚の対象者では9割以上が自身の結婚生活を普通以上であると評価をしたが,このことはむしろ暴力に対するバイアスが生じるというより,自己の体験によるバイアスがかかる可能性も少ないと考えられる.本来,看護者は自らの生活背景が,疾病や支援に影響しないように律することが期待されることから,生活背景が安定していることが望ましいからである.
著者
鈴木 由美
出版者
金沢文圃閣
雑誌
文献探索
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.248-253, 2007
著者
阿藤 みや子 小林 賢 鈴木 洋司 鈴木 由美 金子 朋江 松崎 雄三 石上 園子 福田 安子 玉井 誠一
出版者
日本組織適合性学会
雑誌
日本組織適合性学会誌 (ISSN:21869995)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.67-77, 2003 (Released:2017-03-30)
参考文献数
29
被引用文献数
1

血液型検査においてキメラが疑われた症例が見出されたので, HLA-A, B, CとHLA-DRB1のDNAタイピング, マイクロサテライト解析およびフローサイトメトリー解析を用いた確認試験により双生児キメラであることが示唆された. 本症例は, 37歳の男性で, 二卵性双生児の弟がいる. 平成14年9月左橈骨遠位端骨折のため越谷市立病院に入院したが, 輸血歴はない. この症例の末梢血を用いてABO血液型のフローサイトメトリー解析ならびにヨウ化カリウム法で末梢血からDNAを抽出し, マイクロサテライト解析, ABO血液型遺伝子タイピングおよびHLA遺伝子タイピングを実施した. フローサイトメトリー解析の結果, B型血球とAB型血球が90.04%と9.96%の比率で混在していた. すべての遺伝子検査で3種類ないし4種類のアリルが検出された. これらのことから, この症例が双生児キメラであることが示唆された.
著者
恩田 宗生 小原 知治 鈴木 由美子 久保田 善彦
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.1-6, 2014 (Released:2018-04-07)
参考文献数
10

グループ学習の後に個人活動を加える集散型学習の学習効果、及び個人の協同作業に対する認識の違いが集散型学習に与える影響について、コンセンサスゲームを用いて分析した。集散型学習によってコンセンサスゲームの解答が有意に正解に近づき、さらに学習に対する自信や納得度が高まるなどの学習効果が明らかになった。また、協同効用因子が高い群と低い群では、思考の深まりの認識に大きな差があることが明らかになった。これらの調査から、グループ学習後に自分の言葉で思考をまとめ直す集散型学習の重要性とその留意点が示唆された。
著者
鈴木 由美
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
2017-03-23

背景 レビー小体型認知症(DLB)はパーキンソニズム,幻視,認知の変動を三主徴とする変性疾患である.幻視とは,実在しない対象が見える現象である.幻視はDLBと臨床診断された患者の70%にみられ,DLBの病初期から認められる重要な問題である.錯視とは,実在する対象が実際とは異なって見える現象である.DLBには錯視もみられるが,頻度の高い錯視にパレイドリアがある.パレイドリアとは,壁の染みやシーツの皺が人や動物の全身や顔に見えるなど,光景の中の不明確な形から実体的で明瞭な対象の錯視が形成される現象のことである.Uchiyamaらは,適切な視覚刺激(パレイドリア誘発刺激)を用いれば,パレイドリアを再現できることを示し,その検査をパレイドリアテストと名付けた.幻視とパレイドリアとは,視覚像として生じる対象,生じる場所などが類似しており,両者に共通の神経基盤がある可能性が論じられている.したがって,パレイドリアの神経基盤を解明することはDLBの幻視を研究する上でも重要である.しかし,パレイドリアテストでは対象者に画像の中にある対象を指さし口述するように求めるため,パレイドリアが生じているか否かの判断は,患者の主観的な報告のみに依存する.パレイドリアが生じていることを示す外から観察可能な生理学的指標のないことが,その神経基盤を解明するための研究,たとえば機能的MRIの施行を困難にしている.瞳孔径は,網膜に届く光の強さなどにもとづいて反射的に変動するだけでなく,より高次な脳機能とも関連して変動することが報告されている.アイマークレコーダーを用いれば,対象者が刺激のどこをみているのか,どのように視線を動かしているのかの情報と同時に,瞳孔径についての情報も得ることができる.目的本研究の目的は,アイマークレコーダーを用いてパレイドリアテスト実施中のDLB患者の発言と画像刺激の注視位置,衝動性眼球運動,瞳孔径を記録し,パレイドリアの出現と瞳孔径変動など生理学的指標の特徴との関係を明らかにし,パレイドリアが生じていることを示す外から観察可能な生理学的指標を見出すことである.方法DLB患者8名と,年齢,性比,教育年数を合わせた健常対照者9名を対象とした.対象者にアイマークレコーダーを装着,ビデオ撮影をしながら,Uchiyamaらのパレイドリアテストを行った.これにより,パレイドリア誘発画像を見ているときの注視位置,衝動性眼球運動,瞳孔径,および言動を記録した.みられた発言を,刺激画像の中にはないものがあると誤って言うパレイドリア発言と刺激画像の中にあるものをあると言う正しい発言とに分類した.DLB患者のパレイドリア発言に先行する瞳孔径変動,DLB患者の正しい発言に先行する瞳孔径変動,および健常対照者の正しい発言に先行する瞳孔径変動の時間周波数を,高速フーリエ変換プログラムを用いて分析した.結果発言に先行する1秒間の0~0.46Hzの低い時間周波数帯域のパワーの変化量には,DLB患者のパレイドリア発言,DLB患者の正しい発言,健常対照者の正しい発言の三者で有意差があった.すなわち,DLB患者のパレイドリア発言前が最も大きく,DLB患者の正しい発言前が次に大きく,健常対照者の正しい発言前が最も小さかった.また,健常対照者の正しい発言前のパワーの変化量の中央値を基準にして,DLB患者の発言を開始直前の1秒間のパワーの変化量がそれより大きい群と,それより小さいか等しい群の2群に分けると,発言前のパワーの変化量が基準より大きいときはパレイドリア発言が正しい発言より有意に多かった.また,変化量が基準に等しいかより小さいときは,正しい発言がパレイドリア発言より有意に多かった.また,同じDLB患者が同じ刺激画像の同じ位置を見ているケースの対を全て拾い出し,その直前1秒間のパワーの変化量を調べても,ほとんどの場合にパレイドリア発言の直前のパワーの変化量は健常者の中央値より大きく,正しい発言の直前のパワーの変化量は健常者の中央値より小さかった.しかし,発言開始直前1秒間の衝動性眼球運動については,頻度にもついて角速度についても,DLB患者のパレイドリア発言とDLB患者の正しい発言の間に有意な差はなかった.