著者
吉次 なぎ 阿部 真也 山本 佳世子
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.425-426, 2018-03-13

日本における自然災害の多さや昨今の国際情勢を鑑みるに, 避難経路の導出に適した手法の開発が必要である. しかし, 避難者が経路長や安全性を考慮して最適な避難先と避難経路を直感的に判断することは難しい. さらに, 非常時には避難場所や避難経路の環境が時々刻々と変化するため, 複数の避難先と避難経路を優先度付きで求める必要がある. 既存の経路探索アルゴリズムは始点と終点を結ぶ最短経路を導くが, 粘菌アルゴリズムは始点と終点を複数設定できる点, 複数の経路を同時に計算できる点で, 前者より優れている. 我々は, 地理情報システム(GIS)を用いて地理データを加工し, 粘菌アルゴリズムを用いた避難経路の導出手法を開発した.
著者
阿部 真也 中川 慧
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.2H4GS1303, 2020 (Released:2020-06-19)

時系列予測の観点から株価を予測するために深層学習を用いる研究が多数行われてきた。 一方で、クロスセクション予測(マルチファクターモデル)の観点から、深層学習を用いて株価を予測する研究は少なく、特に地域別およびグローバル株式市場における有効性を実証する研究は少ない。 そこで本稿では、地域別およびグローバル株式市場においてクロスセクション予測の観点から深層学習を用いたマルチファクターモデルに基づく相対的な魅力度の有効性を検証する。分析の結果、深層学習による株価予測モデルは、地域別およびグローバル株式市場両方で、勾配ブースティング、ランダムフォレストやリッジ回帰に比べリスク調整後リターンおよびリスク抑制の面で優れていることが明らかになった。合わせて、モデルを解釈するため地域別およびグローバル株式市場の深層学習を用いた株価リターン予測の要因分解をLRPを用いて行うことで、どのファクターが寄与しているを示した。
著者
川野 雄基 大槻 圭一 阿部 真人 永谷 直久 志垣 俊介 藤澤 隆介
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.67-76, 2020-03-15 (Released:2020-06-15)
参考文献数
18

In this study, we evaluated a phototaxis of pillbugs(Armadillidium vulgare) by using a behavior measurement system consisting of an omnidirectional motion compensation mechanism and a cylin-drical LED display. At the first, to validate the phototaxis of pillbugs against unidirectional light stimulation, we conducted an experiment under continuous light stimulation from one direction for 30 minutes. Subsequently, to evaluate phototaxis performance under the condition that the direction of light stimulus changes alternately, we experimented under three iteration cycles conditions (160 s, 40 s, 10 s). Our results revealed that the pillbugs moved significantly in the direction of weak light intensity, and it suggested that the pillbugs has negative phototaxis. Moreover, we showed that the negative phototaxis became the strongest when the iteration cycle is 160 s, and the negative phototaxis tended to weaken as the iteration cycle became shorter. Also, when the iteration cycle is 10 s, an increase in residence time is found, suggesting that does not necessarily take the routine response behavior according to the situation.
著者
阿部 真 阿部 篤志 齋藤 和彦 高嶋 敦史 高橋 與明 宮本 麻子 小高 信彦
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.131, 2020

<p>大型の着生ラン、オキナワセッコク(<i>Dendrobium okinawense</i> Hatusima et Ida)は、沖縄島北部やんばる地域を代表する固有種のひとつである。戦後の森林伐採や乱獲のために激減したとされ、環境省と沖縄県が絶滅危惧種(それぞれIB類、IA類)に指定する。本研究は、本種野生株の分布情報から、その適切な保護・回復のために有効な森林管理を検討する。これまでに本種が成熟林に依存すること、着生木(ホスト)樹種の選好性があること、また、2018年までに整備された国立公園の保護区域が現生する株の多くをカバーすることを明らかにした。本報告では、探査を重ね400近くになった着生木の情報から、本種の生育に求められる環境条件を、林齢や地形について絞り込む。伐採や盗掘のリスクを抑えつつ適切な林分や配置を誘導することにより、本種の分布について効果的な回復が期待できる。研究は(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費(課題番号4-1503及び4-1804)の支援を受けた。また、環境省の調査資料(やんばる地域希少植物生育状況調査、平27~28)の提供を受けた。</p>
著者
高嶋 敦史 中西 晃 森下 美菜 阿部 真 小高 信彦
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.131, 2020

<p>沖縄島やんばる地域の亜熱帯林において、樹洞はケナガネズミやヤンバルテナガコガネなどの希少野生生物も利用する重要な生態学的資源である。そこで本研究では、やんばる地域の非皆伐成熟林2箇所に試験地(面積0.36haと0.25ha)を設け、胸高直径(DBH)15cm以上の幹を対象にDBHと樹洞の発生状況を調査した。なお、樹洞は立木の幹、枝、根に発生している奥行き10cm以上の穴と定義した。調査の結果、試験地内の立木の第一優占種はイタジイで、それに次いでイスノキやイジュが多かった。イタジイの樹洞を有する率(以下、樹洞発生率)は全体では22%であったが、DBH40cm以上では52%に達するなど、DBHが太くなるほど樹洞発生率が高くなる傾向が確認された。イスノキでも同様にDBHが太くなるほど樹洞発生率が高くなる傾向が確認されたが、樹洞発生率は全体で52%、DBH30cm以上では77%、同40cm以上では90%となっており、イタジイと比べてより細い幹でも高い樹洞発生率を呈していた。その一方、イジュにはまったく樹洞が発生していなかった。このように、樹洞発生率はDBHが太くなるほど高くなる傾向があるものの、樹種間による違いが大きいことが明らかになった。</p>
著者
阿部 真美 張 力 羅 麗斯
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.15, no.9, pp.469-488, 2016

<p>Ferlie, Fitzgerald, Wood, and Hawkins (2005) は専門家組織としてのヘルスケア組織に焦点を当て、8事例のイノベーションを調査した研究である。その結果、専門家組織でイノベーションの拡散が進まないのは、専門家や専門家によって作られる実践共同体の間に「社会的境界」と「認知的境界」があり、イノベーションがその境界を越えることができない場合であることがわかった。Ferlieらの議論は後続研究においてさらに発展しているが、いまだに解決されていない課題や新たな解釈の可能性が残されているため、そこに今後の研究方向性がある。また、Ferlie et al. (2005) は複数事例を比較した質的研究の手本として取り上げられることもあるが、その事例分析にはいくつかの問題が残っている。</p>
著者
吉田 護 神谷 大介 阿部 真育
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.350-361, 2019
被引用文献数
2

<p> 本研究では,2018年7月豪雨災害の事例を通じて,気象庁による大雨気象情報(大雨警報,大雨特別警報)と土砂災害警戒情報,市町村による避難情報(避難準備・高齢者等避難開始,避難勧告,避難指示(緊急))の発表・発令特性やその関係性を定量的に明らかにする.</p><p> 結果として,岡山,広島,愛媛の3県における避難指示(緊急)対象者の中で,避難勧告が事前に発令された住民は6割,さらにその前に避難準備・高齢者等避難開始を発令された住民は5割に満たなかったことが明らかとなった.また,大雨気象情報や土砂災害警戒情報は,自治体による避難情報の発令基準と関連付けることが推奨されているが,今回の災害では自治体によってその活用方法に大きな差異があることが示唆された.</p>
著者
吉次 なぎ 阿部 真也 山本 佳世子
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.2325-2329, 2019-12-15

一般に避難先や避難経路の候補は複数存在し,最適な避難先と避難経路を直感的に導くことは難しい.「安全で迅速な避難」のためには,複数の避難先への複数の避難経路を求め,それらの優先度を比較することが必要である.経路探索アルゴリズムは単一の始点と終点を結ぶ単一の経路を求めるため,複数の避難場所へ向かう複数の避難経路の優先度を定量的に求めることはできない.粘菌アルゴリズムでは始点と終点を複数設定すること,複数の避難経路の優先度を同時に計算することができる.そこで本稿では,粘菌アルゴリズムによる避難経路導出手法を提案する.提案手法により複数の避難先への複数の避難経路の優先度を定量的に比較できることが確かめられた.
著者
冨岡 佳奈絵 佐藤 佳織 阿部 真弓 鈴木 惇
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成26年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.95, 2014 (Released:2014-10-02)

【目的】安納イモは,水分が多く粘性の食感や甘味が強いことで知られ,熟成させると糖度が上がりおいしくなる。サツマイモは,加熱によりデンプンの糖化が進み,加熱方法の違いが味覚に影響を強く与える。異なる加熱方法で調理した安納イモの糊化デンプンの性状の違いをみるために組織化学的方法により調べた。【方法】サツマイモ(安納イモ、ベニアズマ)を3cm厚の輪切りにし,茹で,蒸し,オーブン(140℃と200℃)および電子レンジで加熱した。加熱した試料を室温に下げてから,ドライアイス・アセトンで急速に凍結し,コールドミクロトームで薄切(厚さ:16μm)した。薄切した切片をヨウ素液および過ヨウ素酸・シッフ液で染色して糊化デンプンの性状を観察した。【結果】安納イモの内部では,糊化デンプンで満たされたデンプン貯蔵細胞が少なかった。糊化デンプンで満たされたデンプン貯蔵細胞は,茹で,蒸しおよびオーブン200℃,オーブン140℃の順に少なかった。ヨウ素染色による糊化デンプンの色調は,茹でと蒸しでは褐色から青色を呈し,オーブン200℃ではほとんどが褐色であった。オーブン140℃では,糊化デンプンは褐色を呈し,貯蔵細胞を完全に満たすことはなかった。電子レンジでは,糊化デンプンが青色に染まり,多くのデンプン貯蔵細胞を満たしていた。オーブンで加熱したものの甘味が他のよりも強かった。ベニアズマでは,加熱方法の違いにより色調の差異があり,糊化デンプンで満たされたデンプン貯蔵細胞が多かった。安納イモは,ベニアズマより非常に甘かった。糊化デンプンの性状の違いが,甘さの違いと関連すると考える。
著者
阿部 真也
出版者
日本国際観光学会
雑誌
日本国際観光学会論文集
巻号頁・発行日
vol.24, pp.111-120, 2017

Currently Japan is infested with products which are introduced as &ldquo;local&rdquo; products while those in fact do not contain local ingredients taking advantage of the fact that there is no indication of such ingredients in the country. I point out that there is a high possibility of causing troubles in tourism, thus propose the enhancement measures. I have addressed the Mexican tequila in order to consider the enhancement measures, and have resulted that Japan should have a public certification of region provided and that the system which divides &ldquo;100% local&rdquo; and &ldquo;Not-100% local products&rdquo; would be effective.
著者
伊藤 龍星 原 朋之 樋下 雄一 藤吉 栄次 玉城 泉也 小林 正裕 阿部 真比古 吉田 吾郎 菊地 則雄
出版者
大分県農林水産研究指導センター水産研究部
雑誌
大分県農林水産研究指導センター研究報告. 水産研究部編 = Bulletin of Oita Prefectural Agriculture, Forestry and Fisheries Research Center (Fisheries Research Division) (ISSN:2186098X)
巻号頁・発行日
no.4, pp.9-22, 2014-07

国東半島及び別府湾の沿岸で、アサクサノリほか希少アマノリ類の分布について調査した。1. 採集した葉状体は形態観察を行い、アサクサノリと思われるものはさらにPCR-RFLP分析による種同定を行った。2. 調査を行った46地点のうち、国東半島10地点、別府湾2地点の計12地点で採集したアマノリ葉状体がアサクサノリと判断された。3. 国東半島の1地点で採集したアマノリ葉状体がイチマツノリと判断された。4. 国東半島の3地点で採集したアマノリ葉状体がソメワケアマノリと判断された。5. アサクサノリは環境省の「絶滅危惧I類」、水産庁の「絶滅危惧種」に、イチマツノリは水産庁の「絶滅危惧種」に、ソメワケアマノリは環境省の「準絶滅危惧種」、水産庁の「絶滅危惧種」に選定されており、国東半島及び別府湾には、貴重な絶滅危惧種アマノリ類が分布していることが判明した。
著者
阿部 真 阿部 篤志 齋藤 和彦 高嶋 敦史 安部 哲人 高橋 與明 宮本 麻子 小高 信彦
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.130, 2019

<p>沖縄島北部やんばるに固有の着生ラン、オキナワセッコク(<i>Dendrobium okinawense</i> Hatusima et Ida)は、地域を代表する植物種のひとつだが、森林伐採や乱獲により激減したとされる。発表者らはこれまで、着生木(ホスト)について樹種の選好性を明らかにし、また、林分情報の整理から分布における成熟林の重要性を指摘した。本研究は、2015(平27)年から2018年にかけて確認した野生株の情報をさらに集積し、林分履歴や地形との関係を解析した。これによって同種の分布をより正確に把握すると共に、立地条件を明らかにし、希少種の適切な保護・回復のために有効な森林管理を検討する。研究は(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費(4-1503及び4-1804)の支援を受けた。また、環境省の調査資料(やんばる地域希少植物生育状況調査、平27〜28)の提供を受けた。</p>