著者
中山 新一朗 阿部 真人 岡村 寛
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.241-253, 2015-11-30

生態学者はしばしば、複数の時系列データからそれらの間に存在する因果関係を推定する必要に迫られる。しかし、生物学的事象は決定論的かつ非線形で複雑な過程を背景に持つのが一般的であり、そのような応答から生じた時系列データ間の因果関係を推定するのは非常に困難である。本稿では、このような状況において有効である因果関係推定法であるConvergent cross mappingについて、その仕組み、使い方、将来の課題等を解説する。
著者
森田 清三 杉本 宜昭 阿部 真之
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.51-54, 2010-03-30 (Released:2020-01-21)
参考文献数
9

原子間力顕微鏡による力学的原子操作について最初に説明し,つぎに,異種原子交換型垂直原子操作現象の発見と,これが探針先端原子を試料表面原子と室温で直接垂直交換できる夢の交換型単原子ペンであることについて明らかにする.最後に,原子埋め込み文字“Si”の組み立てにより,交換型単原子ペンによる室温での高速ナノパターンニングの可能性を示す.
著者
阿部 真理奈 渡部 喬之 迫 力太郎 小笹 佳史
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.485-490, 2023-08-15 (Released:2023-08-15)
参考文献数
10

大脳性運動失調により,日常生活で左上肢の使用が困難となった50歳代男性に対し,視覚遮断を用いた訓練を実施したため報告する.症例は右前頭葉から頭頂連合野の皮質下出血により左片麻痺,高次脳機能障害を呈し,特に視認下で左上肢の運動失調が増悪した.視認下での運動失調の増悪は,運動前野の損傷による影響が大きいと推論し,視覚遮断を用いた身体ポインティングや把持動作の作業療法を開始した.その結果,左上肢機能は改善し,日常生活でも麻痺側上肢で茶碗を把持することが可能となった.大脳性運動失調症例への視覚遮断を用いた作業療法は,上肢機能改善や日常生活での麻痺側上肢の使用頻度の向上に寄与する可能性が示唆された.
著者
長松 奈美江 神崎 淳子 櫻井 純理 阿部 真大 仲 修平 筒井 美紀 嶋内 健 貴戸 理恵
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究では、生活困窮者自立支援事業に照準を合わせ、本事業が、その創設に込められた理念である「貧困と社会的排除の問題解決」や「制度の狭間の解消」に資する生活・就労支援制度となるために必要な条件を探究する。大阪府内の各自治体や委託事業者という「サービス提供側」だけでなく、相談窓口への来談者という「サービス受給者」に焦点を当てた調査研究を行い、地域レベルでのアクティベーション・サービス配給体制の実態を自治体内のガバナンス構造に注目して分析し、生活困難層の支援ニーズに合致したより実効性のある支援制度について考察する。
著者
吉田 護 神谷 大介 阿部 真育
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.350-361, 2019 (Released:2020-02-20)
参考文献数
11
被引用文献数
2

本研究では,2018年7月豪雨災害の事例を通じて,気象庁による大雨気象情報(大雨警報,大雨特別警報)と土砂災害警戒情報,市町村による避難情報(避難準備・高齢者等避難開始,避難勧告,避難指示(緊急))の発表・発令特性やその関係性を定量的に明らかにする. 結果として,岡山,広島,愛媛の3県における避難指示(緊急)対象者の中で,避難勧告が事前に発令された住民は6割,さらにその前に避難準備・高齢者等避難開始を発令された住民は5割に満たなかったことが明らかとなった.また,大雨気象情報や土砂災害警戒情報は,自治体による避難情報の発令基準と関連付けることが推奨されているが,今回の災害では自治体によってその活用方法に大きな差異があることが示唆された.

1 0 0 0 OA 人間と社会

著者
阿部真之助 著
出版者
三省堂
巻号頁・発行日
1940
著者
阿部 真大 中島 健太 新妻 実保子
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.651-656, 2021-08-15 (Released:2021-08-15)
参考文献数
20

仮想空間でのスムーズな作業を行うためには,空間を正確に認識し,三次元空間内の物体などの情報を直感的に扱えることが重要である.本研究では,HMDを用いた両眼視差に基づく立体視と.距離画像センサによる身体動作計測を融合したVRゲームを構築した.また,没入感や操作性を高めるために,振動グローブを用いて触覚情報を提示した.実験により,実スケールの身体動作,三次元立体視,触覚提示による物体操作の有用性を検証した.その結果,立体視によってゲームの印象が向上し,実スケール身体動作によりゲームのスコアが向上することが確認された.
著者
冨岡 佳奈絵 松本 絵美 岩本 佳恵 髙橋 秀子 長坂 慶子 魚住 惠 菅原 悦子 村元 美代 渡邉 美紀子 佐藤 佳織 阿部 真弓
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, 2021

<p>【目的】岩手県の伝統的な家庭料理を次世代に継承することを目的に地域ごとに聞き書き調査を行った。その中から、行事食の特徴と地域による違いについて報告する。</p><p>【方法】調査は、岩手県を7地域(県北・県央・中部・北上高地南部・県南・沿岸・奥羽山系)に分け、平成24〜26年に実施した。対象は、地域に30年以上居住している61〜96歳の女性18人とし、昭和30〜40年代の食事と、この頃から伝わる家庭料理について聞いた。その調査結果から、行事食の特徴について比較検討した。</p><p>【結果】正月の雑煮は、しょうゆ仕立ての角もちが基本で、沿岸では「くるみ雑煮」、県南では「ひき菜の雑煮」、かつて沿岸北部では、雑煮ではなく「まめぶ」のところがあった。雑煮のほか、沿岸では「氷頭なます」、県北では「手打ちうどん」があった。桃の節句には、県央・北上高地南部では「ひなまんじゅう」「きりせんしょ」、中部では、くるみを散らした「ごまぶかし」があった。田植えの小昼(おやつ)に、北上高地南部では「小豆まんま」があった。県南では、農作業の節目ごとに餅を食べ、冠婚葬祭にも餅は欠かせず、婚礼の際は「餅本膳」があった。一方、県北では、冠婚葬祭に「手打ちそば」だった。盆には、沿岸・北上高地南部・奥羽山系では「てん(ところてん)」、さらに奥羽山系では「カスべの煮つけ」があった。御大師様の日には、県南では「果報団子」があった。年取りには、全域で「なめたがれいの煮つけ」がみられ、沿岸では「干し魚(はも)入りの煮しめ」、奥羽山系では、ぜんまいの一本煮や凍み大根、身欠きにしんの入った「煮しめ」があった。各行事において、その時季の地場産物や気候風土をいかした食材を調理し、地域・家庭で継承されていた。</p>
著者
阿部 真由子 中島 まゆみ 木村 郁美 中野 はる代
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第58回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.96, 2009 (Released:2010-03-19)

〈はじめに〉年間平均10件の頸部郭清術が行われている。 今回,頸部リンパ節郭清を受けた患者から,退院間近に頸 部から肩,上肢にかけての疼痛と上肢の挙上困難の訴えが 聞かれ,また,家族より退院後の生活についての不安が聞 かれた。このことから,早期からの退院指導が必要である と感じ,頸部リンパ節郭清術後の退院後の患者の精神的・ 身体的・社会的苦痛について調査し明らかにした。 〈研究方法〉頸部リンパ節郭清を受け,現在腫瘍外来に通 院中の20名に対し,半構成質問紙法で調査を行った。 倫理的配慮では研究の主旨説明,プライバシーの保護, データを研究以外に用いないことを書面で説明し,署名で の同意を得た。 〈結果〉予測されていた肩,上肢の疼痛,可動域制限から 手に力が入りにくく,フライパンを握りづらい,運転時な ど後方確認などの振り向き動作が難しかったなどの日常生 活の苦痛が聞かれた。 〈考察〉患者の生活背景や性別により,個別の苦痛などが ある。入院中には気付かなかったことが退院後に明らかに なることがあり,早期から患者のライフスタイルに合わせ た指導,助言が重要である。退院の方向性がみえ医師と相 談した上で試験外泊を行ってもらい,患者・家族が不安を 軽減し退院できる援助が必要である。 〈おわりに〉今回インタビュー調査した事で退院後の患者 の現状を知る事ができた。スタッフ各々が患者の状態を把 握し,個別性を考えた指導が出来ることが重要である。そ のためにはアンケート結果を基にしたパンフレットを検討 していく必要がある。
著者
松谷 定 竹下 千尋 五十嵐 健祐 阿部 真也 吉町 昌子 後藤 輝明 山城 海渡 川﨑 直人
出版者
一般社団法人 日本薬局学会
雑誌
薬局薬学 (ISSN:18843077)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.115-121, 2020 (Released:2020-10-26)
参考文献数
8

近年,保険薬剤師は業務の多角化が求められている.そのためストレスが増大し,インシデントにつながる危険性がある.しかし,保険薬剤師の職業性ストレスとインシデントの関連性については明らかにされていない.そこで本研究では,保険薬剤師の職業性ストレスとインシデントの関連性について調査した.2016 年12 月,(株)ツルハ(212店舗)の保険薬剤師を対象に勤務状況,職業性ストレス,離職願望およびインシデントに関するアンケートを実施した.回答が得られた 397 名のデータを解析した結果,職業性ストレス因子の「心理的な仕事の負担(量)」「仕事の適性度」「働きがい」と「離職願望」がインシデントと関連することが明らかとなった.本研究で明らかとなったインシデント関連因子を早期に把握できる環境を整える必要性が示唆された.
著者
轡田 竜蔵 永田 夏来 阿部 真大 松村 淳
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

この共同研究のねらいは、拠点都市圏から離れた地域(=30万人以上の規模の都市雇用圏の圏外)に創出されている新しいライフスタイルや公共性について、これをオンラインや移動の広域化によって、都市を超えた社会が形成されているという観点を軸にして、社会学的に考察することである。京都府北部地域の20-40代を対象とし、当該課題に関する参与観察・インタビュー・質問紙調査を行う。
著者
松田 基 竹末 俊昭 阿部 真理 藤盛 啓冶
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.374-375, 2001

Many subject exist in the Wheelchair, for example, the Wheelchair being used in the advanced-age home at present.Mainly it is used that the bad designed one made of metals.Using the lumber is the better for a wheelchair, because of its sensory characteristic.It's also necessary for designing as the furniture.In this case of study, it has proposes of combination of the limber to the wheelchair designed as keeping basic operation.