著者
越中 康治
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.219-230, 2007-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
19
被引用文献数
4

本研究では, 社会的領域理論の観点から, 攻撃行動に対する幼児の善悪判断に及ぼす社会的文脈の影響について, 実験的に検討を行った。研究1では, 幼児が, 報復的公正の問題に理解を示すかについて検討を行った。幼児に, 被害の回避を目的とした攻撃と復讐を目的とした攻撃に対する善悪判断を求めた。結果として, 幼児は, 被害の回避という直接的な利益をもたらす攻撃よりも, 何ら直接的な利益をもたらすことのない復讐を目的とした攻撃を許容する傾向にあった。幼児でも, 報復的公正の問題に理解を示す可能性が示唆された。研究2及び3では, 擁護及び制裁を目的とした攻撃に対する善悪判断が, 道徳と慣習のいずれの思考によるのかを検討した。結果として, 幼児は, 他者の福祉の問題よりも, 権威者である保育者の反応を重視して, 攻撃の善悪を判断することが明らかとなった。しかしながら, 年長児の中には, 他者の福祉の問題を重視する者も少数ながらいた。児童期以降, 慣習領域の思考から道徳領域の思考へと, 発達的な変化が認められる可能性が示唆された。
著者
三木 安正 木村 幸子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.1-10,53, 1969-10-15 (Released:2013-02-19)
被引用文献数
1
著者
溝上 慎一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.62-70, 1997-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

Recently an idiographic approach into a nomothetic method has been the eyes of the world. Higgins, E. T. & Endo. Y. are quite famous for stressing the significance of this approach, though Higgins' approach is a little different from Endo's: the former is seen as an approach that a person represents idiographic points spontaneously while the latter is seen as an approach having a person select his own idiographic points in some items given by a researcher. The former is called “inner frame as an idiographic approach” and the latter is called “outer frame as an idiographic approach.” The purpose of this study is to examine the relationship between inner frame and outer frame as the base of factors regulating self-esteem or self-evaluation. At the results, both high-self-esteem group and low-self-esteem group can select many regulating factors through outer frame and are also easy to represent them through inner frame. Furthermore, regulating factors in ambivalent self-evaluations are also examined, and the relationship between inner frame and outer frame is eventually better clarified.
著者
中村 晃 神藤 貴昭 田口 真奈 西森 年寿 中原 淳
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.491-500, 2007-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
19
被引用文献数
1

本研究では, 大学教員初任者がもつ教育に対する不安について検討し, さらにこのような不安と同時に周囲からのサポートについても考慮し, これらがどのように仕事に対する満足感と関係するかを検討することを目的とした。そのため, まず教育不安尺度を作成し, 次に教育不安が周囲からのサポート, および職務満足感とどのような関係にあるかを質問紙により検討した。その結果, 教育不安尺度では因子分析により「教育方法に関する不安」「学生に関する不安」「教育システムに関する不安」の3因子が見出された。また教育不安と職場におけるサポート, および職務内容満足感との関係を検討した結果, 教育に関する不安が高い場合, 先輩教員のサポートが満足感を上げる要因になること, および教育システムに関する不安が高い場合, 同世代教員によるサポートが少ないと満足感が低くなることが示唆された。これらのことから, 特に不安の高い教員に対しては, 職場のサポートが仕事の満足感を上げるうえで重要であると考えられる。
著者
丹治 敬之 横田 朋子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.526-541, 2017 (Released:2018-02-21)
参考文献数
25
被引用文献数
4 8

作文を書くことに困難を示す発達障害の子どもは少なからず存在する。近年,作文の自己調整方略学習(SRSD)モデルを用いた教授法が注目されている。本研究は,特別支援学級に在籍する小学3,4年生の自閉症スペクトラム障害(ASD)児童6名を対象に,SRSDモデルを用いた小集団介入の効果を検証した。1群事前事後テストデザインを用いて,物語作文の要素数,物語作文内容の質的評価の変化を介入前後で比較した。その結果,物語作文の要素数では5名,物語作文内容の質的評価では4名において,高い介入効果量が確認された。介入効果の背景には,作文のプランニング方略やセルフモニタリング方略の学習があり,方略使用の有効性の認知も影響することが示唆された。また,従来のSRSDモデルにはない接続詞の学習,対象児の好みを反映させた教材,方略模倣のためのビデオ教材,シールによる自己評価,仲間同士の学び合いも,介入効果を支えていたと考えられた。一方で,わずかな介入効果に留まった児童もおり,個に応じた教材や学習環境の工夫は更なる改善が必要であった。本研究の結果から,対象児の作文方略知識の学習状況や,障害特性に合わせた作文のSRSDモデルの展開について考察した。
著者
水間 玲子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.43-53, 2003-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
38
被引用文献数
10 3

自己嫌悪感にはその体験から自己形成に向かう可能性があると指摘される。本研究では, 自己嫌悪感を体験する場面において, 否定的な自己の変容を積極的に志向する態度を“変容志向”とし, それと他の変数との関係について検討した。変容志向は日頃の自己内省によって可能となること, 未来イメージが肯定的なことと関連すること, 同時に, それによって自己嫌悪感にとらわれる可能性もあること, また, 日常の自己嫌悪感体験頻度によっても促進されること, を仮説として設けた。質問紙調査を行い, それらについて検討した。調査対象は大学生・大学院生255名 (男子128名, 女子127名) であった。その結果, 自己嫌悪感場面における変容志向は, 普段から自己内省の程度が低い者においては他よりも低いこと, 未来イメージが肯定的である場合にも高くなっていることが明らかにされた。また, 自己嫌悪感体験頻度が高い者において変容志向の程度も高くなっていたが, 変容志向によって自己嫌悪感へのとらわれの程度が高まるわけではないようであった。
著者
高垣 マユミ 田爪 宏二 中谷 素之 伊藤 崇達 小林 洋一郎 三島 一洋
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.111-122, 2011-03-30 (Released:2011-09-07)
参考文献数
27
被引用文献数
2 2

本研究では, コンフリクトマップ(Tsai, 2000)の理論的枠組みを, 中学校2年地理「世界から見た日本のすがた」の学習内容に適用した授業を考案した。授業実践を通して, コンフリクトマップのいかなる教授方略が, 「認知的な側面」及び「動機づけ的な側面」の変化に対してどのような影響を及ぼすのかを, 探索的に検討することを目的とした。単元前後, 及び授業後の質問紙調査に基づく数量的分析と, 自由記述に基づく解釈的分析の結果, 以下に示すような変化が明らかになった。1)コンフリクトマップの「決定的な事象」において, 「先行概念(日本と世界の地理的事象の非一貫性=ミクロな理解)」と「科学的概念(地理的事象の世界規模的規則性=マクロな理解)」を関連づける教授方略によって, 「知識活用への動機づけ」が高められる。2)コンフリクトマップの「知覚的な事象」において, ITを活用し地形をシミュレーションする教授方略によって, 「合科動機づけ」が高められる。3)知識活用への動機づけ, 及び合科動機づけが促される過程で, 表面的な知識の暗記ではなく地理学習の意味を追求する「状態的興味」が高まっていく可能性が示唆された。
著者
押尾 恵吾
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.225-238, 2017 (Released:2017-09-29)
参考文献数
34
被引用文献数
8 9

本研究は, 学習方略の使用や有効性の認知は教科によって異なるのかという学習者の実態を明らかにすることを目的として, 方略使用および有効性の認知の教科間比較を行った。また, 方略使用と有効性の認知の関連, 方略使用と有効性の認知それぞれの教科間の関連についても検討した。予備調査では, 複数の特定教科において実質的に高校生が使用可能であると考えられる学習方略尺度を作成した。本調査では, 高校生を対象に, 数学, 国語, 社会における方略使用の頻度, 有効性の認知, 達成目標, 教科の好み・得意感を尋ねる質問紙調査を実施し, 257名からの有効回答を得た。分散分析を実施した結果, 数学の体制化方略・精緻化方略, 国語の教訓帰納方略は, 有効性の認知が高いものの方略使用が少ない学習方略であった。パス解析を実施した結果, 教科や学習方略の種類によらず, 有効性の認知は方略使用の規定要因であること, 数学と国語は教科間の関連が弱いことが示された。以上から, 有効でありながら教科の学習の性質のために使用されていない学習方略の存在が明らかになり, 教科ごとに学習者に対して使用の促進をする価値のある可能性がある学習方略の存在が示唆された。
著者
酒井 麻紀子 窪田 由紀
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.236-251, 2019-12-30 (Released:2020-01-24)
参考文献数
40
被引用文献数
6

本研究の目的は,小学校教師の職場における援助要請を促進・抑制する要因を検討することである。本研究では,援助要請における個人の態度として「被援助志向性」,状況認知的要因として「自己による内的な帰属」と「他者による内的な帰属の予測」,環境要因として「協働的風土」に着目し,各変数が援助要請意図におよぼす効果について,問題(不登校・学業不振・学級経営)や援助者(同僚・管理職)の違いごとに検討した。小学校の通常学級担任176名を対象に場面想定法を用いた質問紙調査を行った。共分散構造分析の結果,全ての場面に共通するパスと,問題や援助者によって異なるパスの存在が明らかになった。そのうち,協働的風土が被援助志向性の「肯定的態度」を媒介して援助要請意図を促進するプロセスは,問題や援助者の違いにかかわらず,全ての場面で示された。この結果から,職場の協働的風土が,教師の援助要請を促進する重要な要因であることが示された。
著者
田中 優子 楠見 孝
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.514-525, 2007-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
21
被引用文献数
8 1

本研究では, 大学生を対象とし, 目標や文脈という状況要因が批判的思考の使用に関わるメタ認知的判断に及ぼす影響を検討することを目的として, 研究1では, 批判的思考が「効果的」な文脈と「非効果的」な文脈を収集した。研究2では, 収集した文脈の分類を行い, それぞれの特徴を抽出した。2つの文脈にはそれぞれ異なる特徴がみられた。研究3では,「正しい判断をする」「物事を楽しむ」という2つの目標と文脈を独立変数として, 批判的思考をどの程度発揮しようとするかというメタ認知的な判断に及ぼす影響を検討した。その結果,「物事を楽しむ」という目標よりも「正しい判断をする」という目標においてより批判的思考を発揮しようと判断すること, 同じ目標であっても文脈によって批判的思考の発揮判断が変化することが明らかになった。さらに, 批判的思考の発揮判断は, 目標や文脈を考慮するものの全体的に批判的思考を発揮しようとするタイプ, 効果的な文脈で非常に高く批判的思考を発揮しようとするタイプ, 非効果的文脈では目標に関係なくほとんど発揮しようとしないタイプという3タイプによって特徴づけられることが示された。
著者
赤松 大輔
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.265-280, 2017 (Released:2017-09-29)
参考文献数
64
被引用文献数
15

本研究では, 高校生723名を対象として, 英語の学習観と学習方略および学業成績の関連を検討した。因子分析の結果, 教科共通の学習観として学習量志向と方略志向, 教科固有の学習観として伝統志向と活用志向, 間接的方略としてメタ認知的方略と社会的方略, 直接的方略として体制化方略, イメージ化方略, 反復方略, そして音声記憶方略が見いだされた。パス解析の結果, 学習観においては教科共通の学習観が教科固有の学習観を規定し, 学習方略においては間接的方略が直接的方略を規定するというように, 学習観内と学習方略内にそれぞれに規定関係があることが確認された。また, 学習観と学習方略の間には, 教科共通の学習観が間接的方略を予測する教科共通の学習プロセスと, 教科固有の学習観が直接的方略さらには学業成績を予測する教科固有の学習プロセスがあることが明らかになった。この結果を踏まえ, 学習行動全体を改善するためには教科共通の学習プロセスに注目し, 英語学習における学業成績を改善するためには教科固有の学習観に注目するというように, 学習観と学習方略の関係を教科共通と教科固有の両観点から捉える必要性が示唆された。
著者
春日 彩花 土田 宣明
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.184-198, 2016 (Released:2016-08-08)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

本研究の目的は, 大学(院)生が力学のプリコンセプションをどの程度有しているかを明らかにし, プリコンセプションから科学的概念への変容過程を検討することである。対象者67名に中学校で学習する力学課題を提示したところ, 多くの者が, 学校で教えられる「科学的概念」と不一致の概念を所持していることが確認された。この結果をもとに, Hashweh(1986)の概念変容モデルに沿って教材を作成し, 全問正答者を除く52名に提示した。概念の変容が比較的容易な課題(課題1)では, 提示された新情報と自分の考えを関連付けて整理する(関連付け)ことで, 科学的概念へ変容し得ることがわかった。一方, プリコンセプションが強固で概念の変容が難しい課題(課題2, 3, 4)では, 新情報に対して疑問を示す(懐疑)ことで受容しなかったり, 新情報を自分の考えと関連付けることでプリコンセプションの不整合には気付いたものの(関連付け), 新情報をそのまま取り入れず再解釈して, プリコンセプションを部分的に変化させたりした可能性が示された。また, 提示された「科学的概念」が他の現象も統一的に説明できることに注目しなかったために, 変容には至らなかった可能性も考えられた。
著者
杉村 伸一郎 竹内 謙彰 今川 峰子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.340-349, 1992-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
12
被引用文献数
2

This study aimed to examine three factors in the spatial perspective-taking problem (presented stimulus, response modes, and effects of experience), based on the premise that spatial cognition has two types of cognitive modes. Subjects were four-, six-, and eight-year-old children. The experiment was divided into three sessions (pre-test, experiential trial, and post-test). In the pre- and post-tests, children were asked to anticipate the visual percepts from the marker (a small doll). In the experiential trial, they were shown arranged objects rotated or moved to the marker so they could view arranged objects. Results were as follows: (1) In contrast to standard perspective-taking problems, even for four-year-old children most were easy to solve when object configurations were already separated from their surroundings.(2) Interactions between the response modes (object construction or photo selection) and viewpoints (oneself or the other) were seen.(3) There were some effects of experience overall, but no difference among the types of experience except for 6 year-old.
著者
磯部 美良 佐藤 正二
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.13-21, 2003-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
14
被引用文献数
3 5

本研究の主な目的は, 関係性攻撃を顕著に示す幼児の社会的スキルの特徴を明らかにすることであった。年中児と年長児の計362名の攻撃行動と社会的スキルについて, 教師評定を用いて査定した。関係性攻撃得点と身体的攻撃得点によって, 関係性攻撃群, 身体的攻撃群, 両高群, 両低群の4つの群を選出した。社会的スキルについて群間比較を行った結果, 両低群に比べて, 関係性攻撃を高く示す子ども (関係性攻撃群と両高群) は, 規律性スキルに欠けるものの, この他の社会的スキル (友情形成スキルと主張性スキル) については比較的優れていることが明らかになった。また, 関係性攻撃群は, 教師に対して良好な社会的スキルを用いていることが示された。さらに, 関係性攻撃群の男児は友情形成スキルが全般的に優れているのに対して, 関係性攻撃群の女児は友情形成スキルが一部欠けていることが見出された。これらの結果から, 関係性攻撃の低減には, 規律性スキルの習得を目指した社会的スキル訓練が効果的であることなどが示唆された。
著者
小川 翔大
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.267-277, 2011 (Released:2012-03-27)
参考文献数
25
被引用文献数
4 1

本研究の目的は, ネガティブな出来事の原因への帰属の違い, 及び同情した人との親密さの違いが同情された時のポジティブ感情やネガティブ感情の生起に及ぼす影響を明らかにすることである。大学生304名を対象に, 病気, 学業の失敗, 対人トラブルに対して同情される話を読んでもらい, 同情された時の様々な感情について評定を求めた。その結果, すべての場面で, ネガティブな出来事の原因を運や他者からの妨害に帰属した人よりも自分自身の能力に帰属した人の方が落ち込み感情が高くなった。また, すべての場面で, 同情した人があまり知らない人の場合よりも親しい人の場合の方が, 喜び感情は高く反発感情は低くなった。以上より, 落ち込み感情はネガティブな出来事の原因帰属によって異なり, 喜び感情と反発感情は相手との親密さによって異なることが明らかになった。
著者
小林 敬一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.297-305, 1995-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
15

Various resources can be used to prevent from forgetting things: for example, habitual actions to use external memory devices, metamemory knowledge of external memory devices, script knowledge for planning, and others' aids. The availability of the resources is not equal for anyone, however. The purpose of the present study was to examine developmental changes in contents of the available resources and the relationships among the resources for elementary school children in their homes. The questionnaires concerning the resources were administered to seventy second graders, sixty-six fourth graders, seventy-one sixth graders, and their parents. As results, the children's knowledge increased with grades, while parental aids decreased with grades. Significant (marginally significant) correlation between children's knowledge and parental aids were found in fourth graders only. Moreover, there was a significant (marginally significant) correlation between children's habitual actions to put the room in order and children's script knowledge in fourth and sixth graders, although differences in habitual actions among graders were not significant.
著者
深谷 達史
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.342-354, 2011 (Released:2012-03-27)
参考文献数
27
被引用文献数
1 2

様々な学習領域に共通する知識構築活動として自己説明が知られている。いくつかの研究によって学習者の自己説明を訓練する効果が示されているが, どのような訓練が科学的概念に関する深い理解の達成を可能にするかは十分明らかではない。そこで本研究は, 生物・生態システムなどの働きを捉える枠組みであるSBF理論を参照し, 有効だと考えられる自己説明訓練法を提案し, その効果を検証することを目的とした。学習講座に参加した中学2年生を, システムの構成要素の仕組みと機能について質問および解答作成を行った実験群(n=48)と, そうした制限を設けずに質問および解答作成を行った対照群(n=26)に割り当て, 訓練の効果を検討した。その結果, 文章中に答えが明記されていない理解テストにおいて, 実験群のテスト成績が対照群よりも高い傾向が見られた。また, テストの文章を学習する際に記入を求めたコメントの分析から, 仕組みと機能に関する推論(SBF説明)がテスト成績に影響を及ぼしていたことが示された。本研究の結果より, 生物・生態システムの仕組みと機能を捉えるSBF理論に基づく自己説明訓練が, 科学的概念の理解を促す上で有効である可能性が示唆された。
著者
丹藤 進
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.470-477, 1996-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
16

This study was to examine changes in intelligence among elementary school children across different generations. The results of group intelligence tests conducted between 1956 and 1985 at 38 elementary schools and 10 junior high schools located in 7 separate regions of Aomori Prefecture were analyzed. Data were compiled from the schools Student Records which are considered as public records. The main results were as follows: 1) In the 5 concerned regions made primarily of agricultural and fishing communities, children's intelligence statistics up to 1960 were proved lower than average. However, between 1961 and 1970, the above mentioned figures rose dramatically and reached the average standard on the intelligence test. 2) In one urban region, children's intelligence levels were consistently higher than norm on the intelligence test regardless of the age group. No changes were observed between different the generations. 3) Children living in regions distant from urban areas showed a tendency to have lower intelligence scores than children living in regions closer to urban areas. Recently, however, these regional variations were found to be less pronounced.