著者
若松 養亮
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.209-218, 2001-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
20

大学生における進路未決定のうち, 一般学生に見られる決定の困難さのメカニズムを解明するために, 教員養成学部において質問紙調査を実施した。分析の対象は3年生233名である。「もう迷わない」と決めた進路の選択肢があるか否かで操作的に決定・未決定を定義づけたところ, 決定者が84名, 未決定者が149名であった。その両群間によって, 未決定者は (A) 自分の抱える問題が何なのかを理解できていないのではないか, および (B) 意思決定のための行動に結びつきにくい困難さを抱えているであろうという2つの仮説を検討した。その結果, 仮説Aは支持されたが, 仮説Bは支持されなかった。そこで「快適さ」の指標を加えて分析対象者を限定したところ, 未決定者が情報や答が得られにくい問題に悩まされているという結果が見出され, 仮説Bが支持された。さらに未決定者のうち, indecisive傾向の強い者は拡散的に新たな進路の選択肢を求めるという結果が見出され, それは仮説Bを支持するものであった。最後に, 未決定者に対して有効と思われる処遇と, 今後の研究に向けての考察を行った。
著者
今川 峰子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.67-72, 1986-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
12

This study was designed to investigate the process of development of children's space perception in three conditions. Subjects were required to perform the task following the three conditions: (1) Condition (A)-to choose the same correct stimulus with the sample chosen among many (the multiple choice method); (2) Condition (B)-to pick up a pair having the same figure in each square; (3) Condition (C)-to arrange the figures and plastic building blocks in a correct position by eyes and hands coordinated, The identical standard stimuli were used according to the above conditions. Materials for the task were geometrical figures and plastic building blocks. The ages of the subjects were 4, 5 and 6. The results were as follows; (1) The younger groups (4 and 5 years) performed better in condition (C) than in condition (A) and condition (B), though identical standard stimuli were used.(2) T-test made a significant difference in the three conditions.(3) The above results show that spacial ability of younger children is better in manipulative activity condition than in visually perceptive condition.
著者
堅田 弥生
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.31-39, 1974-03-31 (Released:2013-02-19)
参考文献数
11

生命概念の発達を研究するため, 今回は「生命認識の手がかりとその変化」について, 5才から11才までの 154名を対象に調査した。生命の客観的規準系を定立し, 4つの生物と6つの無生物, およびウサギ・キク (実物と人造物の対比) において, 子どもが生命有無の判断に用いた手がかりを, この規準系との照合において検討した。主な結果はつぎのとおりである。1) 子どもが生命を認識する手がかりは, Piagetがいう「運動」以外にもっと幅広く, そのうち5~7才児では運動, 食物・水の摂取, 形態的特徴が選択率上, 上位3 つの手がかりである。9才以後は運動'食物・水の摂取, 発生・成長となり, 生命の本質的理解が年齢とともに深まることが, 手がかりの量的増大, 質的変化となってあらわれる。2) 幼児は無生物を動き, 変化, 機能などにより「生きている」といい, 無生物と生物とが混然としている状態から, 自発的運動, 食物摂取, 形態的特徴, 発生などに関する手がかりが主となって無生物と生物を分離する方向に発達する。3) 5~7才児では, 100%のものがイヌを「生きてる」というが, ウサギの生物とおもちゃの対比において'その生命有無を正しく判断できるものは'特に5才児では約35%しかない。残り65%は「生きてる」という言語を活動的な無生物にまでひろげて用いており, その中には, 無生物と生物が混然としているものと, 生命に関する両者の差をある程度理解しているものとがある。したがって, 同年齢群中に発達上のいくっかの段階が混在しているといえる。4) チューリップ・キク (植物) の生命認識は, 外観上運動がないことから動物よりもおくれるが, 成長, 吸水, 枯死が主たる手がかりとなって年齢とともに発達する。〈付記〉本研究に御指導頂いた東京女子大学新田倫義教授, 北海道大学三宅和夫教授, 若井邦夫助教授, 北海道栄養短期大学戸田壹子講師に深く感謝します。さらに統計的処理に関して御指導頂いた北海道大学寺岡隆助教授に深謝します。また, 調査に御協力頂いた札幌育英幼稚園, 北大幼稚園, 北九条小学校の幼児・児童の皆さんと諸先生方にも深く感謝します。
著者
一谷 聖子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.297-305, 1990-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
18

This study examined the developmental process of self-recognition through the infant-other interaction. Detailed diary records about the author's son R and his reactions to strangers, peers and mirror images in the experimental situations were analyzed from his birth to 25 months of age. After 4.5 months, when R was watching his parents, he sometimes looked away, avoiding an eye contact. This seemed to be the budding awareness of others as different from himself. At 9-10 months, he became aware of the fact that he himself had a location in space, showing self-assertion and a beginning to understand others' intentions. From then on, he imitated others' acts and experienced that his intentions were thwarted by others, and then at about 17 months, he began to behave with an awareness of his own intention. This seemed to be the emergence of self as an active agent. It was not until at 24 months, however, that he demonstrated mirror self-recognition, and it was when he began to understand another's point of view.
著者
加藤 司 谷口 弘一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.158-167, 2009 (Released:2012-02-22)
参考文献数
44
被引用文献数
6 4

許しとは“自身の感情を害することを知覚し, それに向けられた否定的な感情, 認知, 動機づけあるいは行動が, 中性あるいは肯定的に変化する個体内のプロセス”である。本研究では, 許しの個人差を測定する許し尺度を作成した。研究1では, 先行研究などから, 許し項目を作成し, 691名の大学生によるデータを用い因子分析を行った結果, 恨みと寛容の2因子が抽出された。192名の大学生のデータを用いた, 4週間の間隔をあけた再検査法による信頼性係数は, 許しの否定では0.72, 許しの肯定では0.82であった。研究2では, 331名の大学生を対象に, 攻撃性, 怒り, 共感性, ビックファイブとの関連性を検討し, 許し尺度の構成概念妥当性を検証した。さらに, 研究3では, 特定状況における許し単一項目と許し尺度との関連性が検証され, 結果は仮説と一致していた。これらの結果から, 許し尺度の妥当性が保証された。
著者
石山 裕菜 鈴木 直人 及川 昌典 及川 晴
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.1-10, 2020-03-30 (Released:2020-05-01)
参考文献数
37
被引用文献数
3

悲観主義者は楽観主義者よりも不安を感じやすく不適応な傾向にあるが,その一部には不安を手かがりに予防的な対処を行い,パフォーマンスを向上させる防衛的悲観主義者が含まれる(Spencer & Norem, 1996)。表現筆記には,パフォーマンスの向上を含む様々な効用が報告されているが,それに関する知見は混交している。本研究では,表現筆記の効用が個人の認知方略と一致した内容を筆記することによって調整される可能性を,客観的なパフォーマンス指標であるダーツ課題を用いて検討した。参加者97名は,課題を行う前に,失敗する可能性に注目して対処を考えるコーピング筆記,成功する可能性に注目して課題に集中するマスタリー筆記,課題とは無関係な内容を考える統制筆記のいずれかを行った。その結果,防衛的悲観主義者においては,コーピング筆記条件のパフォーマンスが他の筆記条件よりも高かった一方で,方略的楽観主義者においては,差が観察されなかった。表現筆記の効用は,適応に優れる楽観主義者よりも不安を感じやすい悲観主義者において顕著であり,また,防衛的悲観主義者の持つ慢性的な認知方略と整合した内容で表現筆記を行うことが,パフォーマンスの向上に有効である可能性が示唆された。
著者
廣瀬 英子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.343-355, 1998-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
98
被引用文献数
8 3

本論文はこれまでの進路に関する自己効力の研究を取り上げた展望論文である。自己効力理論を進路関連の領域に応用したキャリア・セルフエフィカシー研究はHackett & Betz (1981) が女性の進路発達を理解するために自己効力理論からアプローチしたことに始まった。その後研究の関心は進路選択に対する自己効力, 進路選択過程に対する自己効力, 進路適応に対する自己効力の三分野に向けられてきた。進路選択に対する自己効力とは, 自分の進路選択についてどのような分野に対してどの程度自信を持つかを指す。初期の頃は男性中心の職業・女性中心の職業に対する自己効力の性差を論じていたが, 最近ではHollandやKuderなどの職業興味理論に基づいた興味分類に対応した形での自己効力の測定と, 関連する要因とのつながりの研究に発展している。進路選択過程に対する自己効力とは, 進路を選択していく過程そのものについての自己効力を指し, Taylor & Betz (1983) に代表されるいくつかの尺度が開発され, また進路不決断など他の要因との関連が注目されている。進路適応に対する自己効力とは, 選択した職業に適応し満足や成功を得ることについての自己効力であり, まだあまり研究が蓄積されていないが, 進路決定後の適応状況を予測できるという意味で重要である。今後の課題としては, 新たにLent, Brown & Hackett (1994) の社会・認知的進路理論で提唱された, 職業興味・進路選択・進路に関わるパフォーマンスについての3モデルの実証的な検証を進めること, これまで用いられてきた様々な測定尺度を見直して信頼性・妥当性を検討すること, 性差の比較から個人差の比較へと重心を移すことなどがあげられる。さらに, 研究対象者の拡大や縦断的研究, 進路指導・進路カウンセリングでの自己効力理論の応用, 進路適応に対する自己効力の研究の充実が期待される。
著者
長南 浩人 井上 智義
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.413-421, 1998-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

本研究は, ろう学校高等部の生徒の文章記憶に関して実験を行い, 特にリハーサルに利用する方略の効果について検討したものである。そして, その結果の分析を通して, 聴覚障害者の日本語指導を行う上での基礎的資料を提供することを目的とした。予備調査では, 自発的なリハーサル場面を設定して, どのような方略がリハーサルに利用されるのかを観察した。その結果,(1) 手話口形方略 (2) 口形方略 (3) 暗唱方略 (4) 音声方略の4種類の方略がリハーサルに利用されていることが分かった。このことから調査対象者は, 口話法による指導を受けてきたが, 自発的に手という方略も利用することが分かった。また, 予備調査の記憶成績に基づいて対象者を上位群と下位群に分け, 利用した方略について検討したところ, 両者が主として用いている方略に違いがある可能性を否定できなかった。つまり, 上位群は手話口形方略を利用するものが多い傾向にあった。そこで, 下位群に上位群が用いていた方略を使用させた場合, 記憶成績に向上が見られるのではないか, また, 両群とも予備調査で観察された他の方略を利用させた場合, 方略問の記憶成績に違いが見られるのかどうか検討する必要があると思われた。そこで, 予備調査で観察された4つのリハーサル方略を指示した記憶課題の実験を行った。その結果, 上位群は, どの方略を用いても再生成績に差は見られなかった。また, 下位群は, 手話口形方略を利用したリハーサルを行った場合のみ, 上位群と差がなくなることが分かった。
著者
崎原 秀樹
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.212-220, 1998-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
18
被引用文献数
5 3

The purposes of this study were three-fold: first, to examine developmental trend of letter copying by preschool children. An attempt was made to evaluate the shape of letters in terms of segmentation/ construction. Second, this study aimed to examine the effects that might be caused by a difference of sex. The third purpose of this study was to see the relationship between the ability to form letters and visualmotor skills. The subjects were ninety 3-to-6 year old preschool children. Each subject was asked to copy six “Kana” letters and, at the same time, was individually given a Draw-A-Man Test. The main results were as follows: a) The developmental changes observed among the present subjects proceeded in the following order: (1) unintelligible,(2) miscellaneous,(3) proper segmentation,(4) proper segmentation as well as construction. b) No difference was seen due to children's sex, once they were able to respond to the letter writing tasks. c) A significant positive correlation was recognized between the developmental changes in letter forming and the visual-motor abilities.
著者
湯沢 正通
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.297-306, 1988-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
25
被引用文献数
2 1

In order to solve a problem in science or mathematics, it is generally thought necessary to remember the relevant rules and apply them to the problem correctly. Also, understanding the meaning of the problem situation is indispensable, and to do so a reasoning schema is used. Junior high school students solved problems of photosynthesis with different kinds of explanations. The explanations of the meaning of the problem situation were believed to improve students' problem-solving, and the result was interpreted as an evidence of the existence of the reasoning schema. Moreover it was shown that the reasoning shema was independent of the specific domains, and called up by recognizing what scene the problem was concerned with: for example, a making something from something scene. The implications of the above findings were discussed.
著者
福田 由紀
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.348-354, 1991-09-30

The purpose of this study was to investigate the developmental relationship between the image operation in three-mountain task and mental rotation task in terms of ability of a point-of -view operating. Subjects ere 17 first graders, 18 third graders, 13 fifth graders and 31 university students. Subjects were asked solve both three-mountain task and mental rotation task. The results showed a different shape of developmental performances in both tasks. In a three-mountain task, first and third graders could not perform satisfactorily, whereas in a mental rotation task, they could make good scores. Moreover, both patterns of errors and RT according to the rotated angles were also proved different between tasks.
著者
喜岡 恵子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.204-213, 1991-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

The purpose of this research was to estimate the difficulty levels of tasks in arithmetic calculations in order to investigate the optimum arrangement of the tasks for teaching. The six forms of tests were constructed so that each form should include items of the calculation tasks for each grade at the elementary school level, and they were administered to 2822 pupils. By means of the two-parameter logistic model, the item parameters were estimated for the 221 items contained in the six forms of tests. The rusults showed that the model was satisfactorily fitted to the data. Furthermore, inappropriateness of conventional order of calculation tasks in teaching was also discussed.
著者
角田 豊
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.193-200, 1994-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
16
被引用文献数
13 2

It is necessary for empathy not only to share feelings with another, but also to appreciate the individuality between oneself and an other person. The purpose of this study was to construct a questionnaire, Empathic Experience Scale Revised (EESR). Insufficient sharing experience (ISE) items in addition to sharing experience (SE) items were prepared, and 157 male and 145 female students were asked to answer those items together with LSO and Self-consciousness Scale. After factor analysis, the Scale of SE (10 items) and the Scale of ISE (10 items) were selected. Then the typology of empathy (Type double-dominant, Type dominant of SE, Type double-recessive, and Type dominant of ISE) was attempted. ANOVA by typology and sex on LSO-E (subscale of LSO) measuring the belief in individuality of human beings indicated that Type double-dominant differentiated oneself better from the other than Type dominant of SE. Consequently, the typology of empathy by EESR had a criterion-related validity while other results showed the characteristics of each type.
著者
太幡 直也
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.305-314, 2017 (Released:2017-09-29)
参考文献数
12
被引用文献数
7 10

太幡(2016)は, 大学生のチームワークを向上させるトレーニングを開発し, トレーニング終了直後にはトレーニングが有効であったことを示している。本研究では, 太幡(2016)のトレーニングの有効性が時間経過後に確認されるか否かを検証した。大学生に太幡(2016)のトレーニングを実施した。そして, トレーニング実施条件, 非実施条件の学生に, トレーニング終了から約9か月後に, 自己報告式の尺度に回答するように求めた。自己報告式の尺度で, 社会的スキルや, チームワーク能力の5つの構成要素(“コミュニケーション能力”, “チーム志向能力”, “バックアップ能力”, “モニタリング能力”, “リーダーシップ能力”)を測定した。その結果, トレーニング実施条件の方が非実施条件に比べ, 上記の多くの尺度について, 約9か月後の得点の上昇が大きかった。したがって, 太幡(2016)のトレーニングの有効性はある程度は時間経過後に確認されたと考えられる。
著者
山岸 明子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.163-172, 1998-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
29
被引用文献数
1

本研究の目的はセルマン理論に基づいて対人交渉方略 (INS) の質問紙を作成し, その発達的変化, 及びINSと学校での適応感との関連を, 性差からの観点を中心に検討することである。172名の小学4年生, 273名の6年生, 117名の中学3年生, 67名の大学生に対し質問紙調査が行われ, 対人的葛藤を解決するのに9種類のINSをどの位使うか, また学校での生活についてどう感じているかについて回答を求めた。主な結果は次の通り。1) INSのレベルに関しては, 女子の方が男子より進んでいた。2) 低レベルにおいては, 男子は他者変化志向, 女子は自己変化志向の得点が高かった。3) 男子ではINSレベルと学校での適応感との間に正の相関が見られ, セルマン理論に合致していた。その傾向は特に6年生で顕著だった。4) 女子では小6から中3にかけて, 他者変化志向の減少と自己変化志向の上昇が見られた。またINSレベルと適応感との関連は, 小6では男子と同様な関連が見られたのに対し, 中3では全く異なっていた。
著者
福沢 周亮
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 = The Japanese journal of educational psychology (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.158-165, 1970

The ultimate purpose of this study is to investigate the mechanism of learning to read Japanese ideographs on the part of primary school children. In this paper is described the planning to construct learning materials and then the analysis of them. 1. The Ss chosen for testing meaningfulness and familiarity of two-syllable Japanese words are 150 children of the 5th grade in Ashikaga city, Tochigi Prefecture. For measuring meanigfulness, they are asked to write out the associated words when given a stimulus word of two syllables. For Lamiliarity, they are asked to rate each of the 100 two-syllable 'words according to "Four-point rating scale". Table l indicates production values(m) of meaningfulness. Table 2 indicates f-values, familiarity of the 100 words. The coefficient of the correlation between Tables 1 and 2 is 0.955, the tegression line being Y'=1.23X +0.84. 2. The Ss chosen for testing meaningfulness and rfamiliarity of figures are 171 children of the 5th grade in Ashikaga city. The procedure adopted is the same as above, Fig. 1 and Table 3 indicate production values(m) of figures. Fig. 2 and Table 4 indicate f-values. The coefEicient of the correlation . between Tables 3 and 4 is O. 880 and the regression line is Y'=1.20X +1.63, which is approximately the same as the regression line of the two-syllable words. 3. The experiment of paired-associate learning is planned to analyze the children's mechanism of learning to read Japanese ideographs. The Ss are 120 children of the 5th grade in Ashikaga city. Learning materials of paired-associates are figures (i.e. S's) and two-syllable words (i.e. R's). The results obtained are in this order : H(H=high familiarity)-H, L(L=Low familiarity)-H, H-L, and L-L. This indicates that high familiarity of two-syllable words is the most significant factor in effective learning. Similarly, high familiarity of figures plays an important role in effective learning.
著者
福沢 周亮
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 = The Japanese journal of educational psychology (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.158-165, 1970

rights: 日本教育心理学会rights: 本文データは学協会の許諾に基づきCiNiiから複製したものであるrelation: IsVersionOf: http://ci.nii.ac.jp/naid/110001892006/
著者
鹿内 信善
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.207-216, 1976-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
18

本研究は, 次の仮説の検証を目的とする。創造性の高いものは, 複雑性・新奇性を有する刺激によって認知的コンフリクトが喚起されている事態での知識獲得において有利であろう。また, Getzels-Jackson現象は, このような事態での知識獲得において生起するであろう。これらの仮説を検証するために, コンフリクト (C) 条件・非コンフリクト (NC) 条件の2つの条件が操作された。各条件での手続概要は以下である。C条件: (1) 事前テスト (直前実施)(2) 被検者は, ある新奇な現象を生起させることが可能か否かの予想をする。ついで, この新奇な現象が呈示される。これらの手続により, 複雑性・新奇性による認知的コンフリクトの喚起が期待される。 (3) 被検者は, この現象の生起理由をのべた, 認知的コンフリクト低減情報を呈示される。(4) 事後テスト (直後実施)(5) 把持テスト (1週間後実施)。NC条件: この条件はC条件と主に次の2点で異なる。第1に予想手続がない。第2に現象の生起理由をのべた情報のあとで当該現象が呈示される。これらの手続は, 複雑性と新奇性を減ずるためにとられる。仮説を支持する結果は, 題材として用いた現象を生起させる操作とその理由説明をもとめる記述式のテストにおいて主として得られた。これらの結果は, 創造性の高いものは照合的 (複雑・新奇) 刺激に対して接近傾向を有しているためであると考えられる。