著者
船木 麻由 西垣 桂 齊藤 明紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.460, pp.167-172, 2009-02-26

PC端末を並べた教室で全端末を常時稼働させると電力を無駄に消費する.逆に原則電源オフで使うときだけ利用者が電源を投入するという方式だとOS起動の待ち時間が生じ,利便性が低下する.そこで,端末室の利用状況に応じて自動的に端末の稼働台数を増減させるシステムを開発した.管理サーバは端末状態を監視し,起動済みの空き端末の台数が指定数を保つように,余分な空き端末を停止したり,不足分の端末を起動したりする.端末室の講義使用時や昼休みなど利用者が多く来室することがあらかじめ分かっている場合には,その数分前に一時的に指定数を増やすことにより,過渡的な新規来室者増加にも対応できる.
著者
青山 秀紀 谷口 充展 近藤 一晃 中村 裕一 秋田 純一 戸田 真志 櫻沢 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.28, pp.121-126, 2010-05-06

本稿では,画像認識と筋電インタフェースを利用した情報提供システムを提案する.このシステムは,頭部に装着したカメラの画像情報から手が触れている物体を,筋電インタフェースによって手指の動作を認識し,その動作の違いによって,その物体の名称や使用方法などの情報の種類を選択して提供する.また,このシステムでは,動作認識の対象を,学習済の全ての動作ではなく,手の付近に存在する物体に行い得る動作に限定することで,認識率の向上を図っている.本稿では,限定された認識対象動作数と認識率の関係について報告する.
著者
河本 勝幸 原 重臣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.358, pp.59-63, 2007-11-22
被引用文献数
2

本研究では,樹木画像から樹種を判別することを目的とする.カメラ付きの携帯電話などで樹木の写真を撮り,その種類を判別して説明などを表示するソフトができれば,魅力あるものになると考えられる.また樹木画像には樹冠のテクスチャ,樹皮の色合い,葉の形など多くの特徴量が考えられるので,画像認識の例題としても興味深い.今回は樹冠のテクスチャを解析して,広葉樹か針葉樹かの判別ができるかについて検討した.
著者
石島 健一郎 相澤 清晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.565, pp.85-92, 2001-01-11
被引用文献数
2

著者らは, センシングデバイスと情報処理機器の小型化が進み、ウェアラブルなビデオ機器により個人の人生をそのまま記録することが可能になると考えており、映像と同期して記録した脳波を解析することで精度良く興味映像を抽出しうる手法を提案してきた。本稿では、脳波の時系列特性に基づいた解析手法により、意味のあるまとまりとしてのシーンを生成しうることを示す。
著者
石島 健一郎 椎名 誠 相澤 清晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.181, pp.51-58, 2000-07-06
被引用文献数
5

著者らは、センシングデバイスと情報処理機器の小型化が進み、ウェアラブルなビデオ機器により個人の人生をそのまま記録することが可能になると考えている。本稿では、このウェアラブル機器で記録した個人体験映像の要約と構造化について論じる。特に、映像と同期記録した脳波による要約実験を示し、精度良く興味映像を抽出しうる事を示す。
著者
月本 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.82, pp.29-36, 2003-05-16

本論文ではSATの多項式時間アルゴリズムを提示する。基本的な考えは、以下の通りである。CNFを線形不等式の集合で表現し、値を{O,1}から[0,1]に拡張することで、多面体を得るが、この多面体には充足可能性と関係のない領域が存在する。その領域をある種の線形不等式で切除してゆく。充足不能のときには空になリ、充足可能のときには空にならない。本アルゴリズムは多項式時間アルゴリズムである。よって、P=NPが証明されたことになる。
著者
木村 勉 神田 和幸 田中 久弥
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.61, pp.79-82, 2007-05-17

画像認識型の弱点である情報の爆発を押さえ,手話入力装置として情報の爆発を抑えるモールディングによる手話の動作認識ができる装置の開発を提案する.まず,手話の動作学的解析から始め,手話の音韻表記辞書から動きをパターン化,基本パターンを持つ語彙を選択し,それらの語彙の入力・出力の予備実験を行う.
著者
加島 幸 渡部 広一 河岡 司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.480, pp.69-74, 2008-01-31

記述された1枚の文書が与えられたとき,文の内容から,人間はそれが単なる情報文なのか試験問題のような問題文なのかを常識的に判断し,問題文であった場合には,文章の指示に従い問題を解き答えを出す.本稿では,人間と同じように,コンピュータに記述文章が問題文であることを判定させ,記述された指示に従い解答を出す文書問題解決システムを提案する.このシステムは,問題文の文法的な観点での意味理解部と,コンピュータのもつ算数知識や国語知識を概念連想や常識判断で整合させ,問題の解答を求める意味解釈部により構成している.
著者
岩見 洋平 戸田 智基 川波 弘道 猿渡 洋 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.619, pp.11-16, 2003-01-24

音声における感情表現は韻律におおきく影響されるといわれており,これまで,韻律を制御するためのさまざまな分析と,その分析から得られる規則を用いた合成手法が報告されている.しかし,それらの報告において,韻律は感情表現において重要な要素であるが,韻律だけでなく声質も重要な要素であると指摘されている.そこで本報告では,感情音声の声質を制御する手法として, GMM (Gaussian Mixture Model)に基づく声質変換を用いた感情音声合成手法を提案する.この手法では読み上げ調に発話された音声の声質を,感情音声のそれに変換する.本研究でははじめに,怒り,悲しみ,喜び,読み上げ調(平静)の音声データを収録した.そして,その音声を用いて感情音声への声質変換を行い,客観評価実験及び主観評価実験を行った.その結果,声質変換のみでは感情表現は不十分であるが,適切な韻律が与えられた場合,声質変換を行うことにより,感情の表現力が向上することが分かった.本報告では,感情音声データベースの作成と,その音声から作成した感情間の声質変換音声の評価について報告する.
著者
宇野 毅明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.31, pp.55-62, 2003-04-18
被引用文献数
5

グラフG=(V, E)の頂点集合Sの任意の2頂点間に枝があるとき、Sをクリークとよぶ。また、2部グラフG=(V_1∪V_2, E)の頂点集合Sの任意の頂点v_1 ⋴ V_1とv_2 ⋴ V_2の間に枝があるとき、Sを2部クリークとよぶ。本稿では,巨大で疎なグラフ極大クリークと極大2部クリークを列挙する,実用的に高速なアルゴリズムを提案する。グラフの最大次数を△とすると,本稿の改良により,極大クリーク1つあたりの計算時間がO(|V||E|)からO(△^4)に,極大2部クリークはO(|V||E|)からO(△^3)に改善された。計算機実験により,ある程度ランダムな入力に対しては,1つあたりO (△^2)時間程度しかかからないことを示し、さらに現実のデータに対しても高速であることを示す。
著者
増市 博 大熊 智子 鷹合 基行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.299, pp.1-8, 2006-10-13

本稿では,深い言語処理のための言語理論の一つであるLexical Functional Grammar(LFG)を取り上げ,LFGに基づく日本語文法記述および日本語文解析/生成システムの研究,開発の現状とその応用技術について述べる.日本語LFGシステムの解析カバー率はEDRコーパスを対象とした場合で97.3%であり,適合率85.9%,再現率83.9%の係り受け精度を実現している.また,LFGに基づく文生成では95.7%の生成成功率を実現している.このように深い言語処理は精度およびカバー率の点で実用化のレベルに近づいてきている.さらに,宣言的な文法規則に基づく深い言語解析システムを用いれば,通常の係り受け解析システムよりも豊富な情報を持つ解析結果を得ることができる.今後深い言語処理技術は,より高度な言語処理アプリケーションを構築していく上で重要な役割を担っていくと考えられる.本稿では,このような深い言語処理の応用例として,日本語LFGシステムを用いた,医療テキストを対象とする情報抽出手法について説明を行う.
著者
井上 知洋 秦 崇洋 中村 元紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.578, pp.483-488, 2007-03-01

ライフログのように個人ログ情報を網羅的に蓄積していく環境においては、蓄積した情報をどうやって整理し、ユーザに使いやすい形で提示するかが重要となる。本研究では、個人ログ情報の整理方法の一つとしてテキスト文書の自動分類技術に着目し、個人環境に特有のローカルな語彙やカテゴリーに適した自動分類システムを提案する。このシステムは、メールなどのいくつかのアプリケーションによる情報の整理履歴を用いてユーザの個人的環境に適応した分類コーパスを生成し、他のアプリケーションの扱う情報の自動整理を行うことを特徴とする。また、提案システムの初期的な評価として、入力したブログのテキストを元にウェブの閲覧履歴を自動分類した際の分類精度を示す。
著者
越仲 孝文 西脇 大輔 山田 敬嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.649, pp.45-52, 2000-02-22

筆記体英字列における文字同士の変形の依存関係や, ブロック体英字列および数字列における筆者間変動のような, 文字列中の文字の変形の相互依存関係を記述するため, 連続隠れマルコフモデル(HMM)の各状態に文字パタンの確率密度関数を配置した, 文字パターンのbigramモデルを提案する.提案するモデルでは, 文字パタン同士の連接の起こりやすさを状態遷移確率で表すことにより, 文字列中の他の文字パタンの形状も考慮した文字認識が可能となる.数字列データに対する認識実験では, 従来手法と比較していくらかの性能改善がみられた.また, 文字列中の文字を認識する際に, その直前の文字の形状を考慮する本手法の特性を生かした筆者適応効果が確認された.
著者
中村 友洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DC, ディペンダブルコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.1-6, 2006-04-07

カリフォルニア大学バークレー校とスタンフォード大学はITシステムの可用性向上を目的として,共同研究プロジェクトRecovery Oriented Computing (ROC)およびReliable Adaptive Distributed Systems (RADS)を推進している.ROC/RADSプロジェクトは,オペレータのミスやソフトウェアバグに起因するシステム障害の発生を前提として,システム障害の発生予測や高速な障害復旧により高可用システムを実現するアプローチを特徴としている.報告者はスタンフォード大学に1年間滞在しROC/RADSの中核技術の1つである障害予測の研究に携わった.本稿では, ROC/RADSの概要と,障害復旧と障害予測に関する成果について紹介する.
著者
須藤 崇志 丸山 広 中村 太一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.65, pp.41-46, 2008-05-22
被引用文献数
2

校正と推敲を繰り返すことは,論理的で分かりやすい技術文章を作成するのに効果的である.我々は,修飾語の並べ方と読点の打ち方の両方に関する作文規則を活用し,係り受け関係の分かりにくい文を指摘する推敲支援手法を提案してきた.我々の提案手法を実装したシステムを用いて,本学の学部生の学生実験の課題レポートにて効果を検証してきた.本稿では,学生実験のレポートから抽出した文を分析し,文を分かりにくくする要因を特定し,推敲支援に取り組む優先順位を明らかにした.さらに,我々が優先度の高い推敲支援手法をシステム化する際に,留意すべき点を考察した.
著者
池田 光栄 志堂寺 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.410, pp.51-56, 2006-11-30
被引用文献数
1

食品の見た目によって生じるおいしさは,食品の視覚的物理特性や,嗜好や空腹具合など見る人の特性を素因とし,これらが生起させる種々の感覚や感情が相互に影響しあって生じる.よって,これらの要因やその相互関係を調べることにより,見た目のおいしさのメカニズム解明に迫ることができると考えられる.本研究では,食品としてケーキを用い,ケーキの視覚的物理特性と食品を見ることによって生じる感覚との関係を調べる実験を行った.ケーキは様々な要素で構成されているので,ケーキの印象を評価する場合の注目領域の計測を行った.さらに,ニューラルネットワークを用いて見た目のおいしさとケーキの視覚的物理特性との関係を検討した.
著者
中居 友弘 黄瀬 浩一 岩村 雅一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.432, pp.115-120, 2009-02-12
被引用文献数
2

本稿では,さまざまな言語で書かれた文書画像のリアルタイム検索法を提案する.これは,Webカメラで撮影された文書画像を検索質問とし,データベースから元となった文書画像をリアルタイムで検索して提示するものである.我々はすでに英語文書を対象とした文書画像検索法を提案しており,これは従来手法をさまざまな言語の文書に適用できるよう拡張したものである.従来手法である英語文書画像検索法では,画像処理によって得られる単語領域の重心を特徴点としていた.しかし,日本語や中国語を含むいくつかの言語では,言語の特性上識別性の高い特徴点を安定的に得ることが難しい.提案手法では,記述子の追加によってさまざまな言語の文書における高精度なリアルタイム文書画像検索を実現する.
著者
湊 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.72, pp.31-38, 2005-05-13
被引用文献数
6

二分決定グラフ(BDD)は, 大規模な論理関数データを効率よく表現する技法として広く利用されている.BDDの中でも, ゼロサプレス型BDD(ZBDD)と呼ばれるデータ構造は, 大規模な組合せ集合を非明示的に列挙し効率よく演算処理するのに適しており, 情報科学における様々な問題に適用できる.我々は, 数式により組合せ集合の演算を記述し, これをZBDDを用いて計算するプログラム「VSOP」を開発した.VSOPは単なる組合せ集合演算だけでなく, 集合の各要素に整数値(係数あるいは重み)を定義し, 加減乗除や大小比較等の算術演算を含む数式を処理できることを特長とする.本稿では, VSOPの内部データ構造や演算方法, データ表示形式について述べ, いくつかの応用例を示す.
著者
正田 備也 濱田 剛 柴田 裕一郎 小栗 清
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.324, pp.1-6, 2008-11-21

本論文では,LDA (latent Dirichlet allocation)言語モデルによる画像からの多重トピック抽出を,GPUを用いて高速化する手法を提案する.LDAはテキスト・マイニングのための確率モデルとしてBleiらにより提案されたが,近年,他のマルチメディア情報へも応用されている.そこで,本論文では,Wangの10,000 test imagesにLDAを適用し,多重トピック抽出をおこなう.LDAのためのパラメータ推定にはcollapsed変分ベイズ法を用いるが,Nvidia CUDA互換GPUを利用して推定を高速化する手法を提案する.
著者
邱 炳瑜 柳井 啓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.363, pp.177-182, 2008-12-11

Flickrのジオタグ(位置情報タグ)付き画像を用いて,ある特定の対象Xについて,世界の各地域の代表的なX画像を表示するシステムを実現する.まず,ユーザが指定したキーワードでFlickrから約2000枚のジオタグ画像を収集し,それからノイズ画像を除去して,画像特徴および位置で分類する.実験では,例えば「noodle」というキーワードに対して,代表的な画像として日本ではラーメン画像,東南アジアではビーフン風の麺の画像,ヨーロッパではスパゲティーの画像が,各地域の代表的画像として抽出され,世界各地の様々な「noodle」について知識を深めることが可能となる.